2009年12月24日
自由研究は空の色!(12月24日)
今朝の記事で、今日の県内の青空の色を予想してみました。
となると・・・・どうなったかが気になって仕方がない。
カメラ片手にちょっと外へ。
長野県北部の予報は、「昼前から 晴れ」でしたが、長野市内はやや遅れて午後1時過ぎから青空拡大。
最も青空が拡大したと思われる午後3時の長野市内の空の色がこれです。

薄ぼんやりとしてコバルトブルーの青空というわけではありません。
また、西の空には戸隠方面から一本の雲の帯が延び、わずか20分ほどで千曲市方面に雲の橋をかけていました(長野市内、北西風が吹くと雲が帯状に発生することが本当に多いです)。

昨日は、青空の色と上空の湿度との関係を考えてみましたが、逆に湿度の予想がわかれば空の色が予測できるはずですから、今日も引き続き、湿度と青空の色の関係について考えてみることにしました。
備忘録みたいなもんですから、おヒマな方だけお付き合いください。
クリスマスイブ?・・・・善光寺のおひざ元・・・オジサンにはあまり関係がないので・・・・・・

(上空9000m付近?は乾いてるようです。飛行機雲が短い・・・)
で・・・・写真を撮った時間の上空の(相対)湿度の計算値と、コバルトブルーの青空が見えた一昨日(22日)の計算値を並べてみました。

今日の上層5400m付近の湿度は、一昨日のコバルトブルーの空よりやや高くなっていますが、3000m付近の湿度はむしろ乾燥しています。
他方、1500m付近の湿度はほぼ変わらず。
空の青さは上空5400m付近の湿度と最も相関があるのか?
これだけじゃなんともいえません。
じゃ・・・他のエリアの空はどうだったの?
この時間、松本・諏訪方面の上空5400m付近の湿度は長野上空より高くなっています。
そこで、松本方面のライブカメラを見ると、コバルトブルーとはいえない空が見えましたが、イマイチ色がわからない。
また、伊那のライブカメラを見ると、いくつかあるカメラによってコバルトブルーに近い空や薄ぼんやりとした青空が見えて、こちらもイマイチ判断がつかない。
上空の湿度が高いエリアとそうでないエリアの境目だから????
カメラの方向がよくわからないのでなにも分からず・・・・・。
結局、検証はうまくいきませんでした。
身体が3つあって、北部・中部・南部の代表的な空を見ることができれば・・・・・・・
もっと、地域差がハッキリ出る場面で、もう一度比較してみることにしました。
ただ、湿度以外にもう一点、コバルトブルーの空と、そうでない空との違いを見つけました。
それは上空1500m付近の風向・風速。

コバルトブルーの空の時は輪島で西南西、東京で南西の風。
一方、今日の輪島は西北西で東京は西南西。
同じ西風でも、コバルトブルーの空のときは南より。
一方、今日は、すくなくとも北部は北よりの風。
このあたりも影響があるのかもしれません。
湿度が高いほど、視程が悪くなり、空が白っぽくなるのは既知の事実。
長野県を吹く風が山を乗り越えるときの風の流れの波動は、3000mの北アルプスのはるか上の5000m付近まで影響していることはKasayanの知人が行ったシュミレーションでわかっています。
あわてないで、コツコツデータを蓄積することにしました。
ところで、今日午後3時の県内の風の流れの計算値がこれ。

南部では南よりの風、中部北部は北よりの風。
北アルプスの南北を迂回する風や乗り越える風。
北信五岳を越える風に東側を迂回する風。
盆地に沿って風が集まり、盆地に沿って流れていく風が良く分かります。
こんな風の流れが、空気の波を作り、上に掲載した写真のような雲の帯を形成するのでしょう。

衛星から見た雲の様子も長野県の地形と同じ形をしています。
一方、衛星で見る関東の冬は全く雲がありません。
30年間も冬の雲がない関東で過ごしてしまったので、長野の冬の雲をこんなにまじまじと見たことはありませんでした。
ヨットのために入った気象の世界。風ばかりに目が向いていたKasayanですが、ここにきて山岳地帯の空のメカニズム・・・俄然面白くなってきました。
冬休みの理科の自由研究にしたいと思います!
2009年12月24日
天気予報は当たるのか?(12月24日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の県内、プラスの気温・・・・氷点下の所は少数派になってます。

昨日吹いた南風で太平洋の暖かく湿った空気が県内に流れ込んで雲が空を覆ったこと・・・雲が毛布の役目をして地面付近の熱が上空に逃げなかったこと・・・が、その理由だと思います。

で・・・・今日の天気、毛布になった雲がいつ消えて、青空がどれだけ顔を出すか?がポイントになりそうです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今朝は3つのエリア分け。
長野県は「のち 晴れ」エリアに入っています。
「のち」が付いているっていうことは、天気を悪くする要素が遠ざかる、消えるっていうことですよね。
次に、お隣のエリアが接近している場所に住んでいるのなら、隣のエリアの天気の影響があるんじゃないか?と疑ってみます。天気はデジタルに変化しませんから。
「のち 晴れ」エリアのちょっと北側の北陸は、弱い冬型エリアで太陽マークは見当たりません。
県北部の回復がちょっと心配・・・このあたりを気にしながらチェックしていきます。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

上で見た「のち 晴れ」エリアに入っている長野県内をズームすれば、南部は「のち」じゃなくて初めっから太陽マーク一発。
中部は「くもり」からスタートして晴れへ。
北部は「所により朝 まで雪」からスタートして晴れへ。
北部ほどスタートラインが悪条件。
だから、中部で晴れ間が出るのは「朝 から」で、北部が晴れてくるのは「昼前 から」。
上の全国の天気予報で見た「のち 晴れ」の傾向が、予報文を読んでちょっと具体化してきました。
やっぱり弱い冬型エリアのお隣、北部の回復がアヤシイ・・・・本当に昼前(9時~12時)に回復するの?晴れまで回復するの?あたりがチェックポイントになりそうです。
もっとも、中部や南部は、南へいくほど予報はガチンコ。
お隣の県の天気マークも基本的に晴れベースですから、”日中は!”あまりアヤシさを感じません。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
で・・・予報のアヤシサをチェックするために、天気図で天気を悪くする原因が何かをチェックします。
まず、テレビの天気予報の解説に出てくるであろう内容をまとめておきます。

本当は実況天気図と予想天気図を、専門天気図で見比べて考えるんですけど、今夜9時の予想天気図に天気を悪くする要素の変化を書き込んでいます。
アニメを見てのとおりですが、予報のスタートライン・・・今朝県内を覆っている雲の一つは、低気圧から延びる寒冷前線の雲。
ただ、前線といっても本体は太平洋上で、その延長線上の雲ですから、たいしたものではありません。
むしろ、低気圧が東へ進むタイミングで一時的に西高東低、冬型の気圧配置になって、日本海に発生する雪雲が県内に流れ込んだものがくもりの原因と思われます。
この雲の動向が、今日の予報のアヤシさのチェック項目。
オマケですけど、西日本の太平洋側の低気圧と前線の雲・・・・東へ進んでいます。
これが今夜遅くから明日にかけて南部に影響してきそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。

予報のアヤシさの原因は日本海で発生する雪雲。
今日の北部、予報では太陽マークがついていますが、その出番は「昼前 から」。
そこで、気象台の予報官も使っているMSMというプログラムの降水予測の計算値をチェックしてみます。

昼にはすっかり降水(雪・雨)エリアが消えています。
この降水エリア、低い所にある雲に対応していますから、どんよりした雲は昼前にはまず消えそう。
じゃ・・予報どおり晴れるのか?・・・・それって青空になるの?なるとしてどんな青空?
これを確認してみたくて、昨日の夜の記事で上空の湿度と空の色の関係を調べてみたわけです。
これが今日正午の県内上空の(相対)湿度。

青いところほど湿度が高いところ。
中層、北アルプスてっぺん付近の空気は乾燥。下層の空気も一昨日のコバルトブルーの空のときと比較して湿っているというほどではありません。
ただ、上空5400m付近の空気はそれなりに乾燥していますが、矢印の方向で次第に湿ってくる傾向。
昨日のデータと見比べると、晴れといっても良いと思います。
どんな青空になるの?・・・これは、まだまだ情報の蓄積をしなくては予想などはできませんが、あえて無理をして考えてみると・・・上空の湿度は南部から次第に高くなる傾向ですから・・・・コバルトブルーの青空までは回復せずに・・・県内南ほど太陽の輪郭がぼんやりするような感じに・・・・なるんじゃないかな?
ということで、今日も予報は当たると考えますが、スカッとした晴れまでは期待しない・・・と考えます。
もしはずれるとしたら、北部がくもりで終わるという程度でしょう。
どうなるのかな?・・・・空の色・・・
1、今日の一言
今朝の県内、プラスの気温・・・・氷点下の所は少数派になってます。

昨日吹いた南風で太平洋の暖かく湿った空気が県内に流れ込んで雲が空を覆ったこと・・・雲が毛布の役目をして地面付近の熱が上空に逃げなかったこと・・・が、その理由だと思います。

で・・・・今日の天気、毛布になった雲がいつ消えて、青空がどれだけ顔を出すか?がポイントになりそうです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今朝は3つのエリア分け。
長野県は「のち 晴れ」エリアに入っています。
「のち」が付いているっていうことは、天気を悪くする要素が遠ざかる、消えるっていうことですよね。
次に、お隣のエリアが接近している場所に住んでいるのなら、隣のエリアの天気の影響があるんじゃないか?と疑ってみます。天気はデジタルに変化しませんから。
「のち 晴れ」エリアのちょっと北側の北陸は、弱い冬型エリアで太陽マークは見当たりません。
県北部の回復がちょっと心配・・・このあたりを気にしながらチェックしていきます。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

上で見た「のち 晴れ」エリアに入っている長野県内をズームすれば、南部は「のち」じゃなくて初めっから太陽マーク一発。
中部は「くもり」からスタートして晴れへ。
北部は「所により朝 まで雪」からスタートして晴れへ。
北部ほどスタートラインが悪条件。
だから、中部で晴れ間が出るのは「朝 から」で、北部が晴れてくるのは「昼前 から」。
上の全国の天気予報で見た「のち 晴れ」の傾向が、予報文を読んでちょっと具体化してきました。
やっぱり弱い冬型エリアのお隣、北部の回復がアヤシイ・・・・本当に昼前(9時~12時)に回復するの?晴れまで回復するの?あたりがチェックポイントになりそうです。
もっとも、中部や南部は、南へいくほど予報はガチンコ。
お隣の県の天気マークも基本的に晴れベースですから、”日中は!”あまりアヤシさを感じません。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
で・・・予報のアヤシサをチェックするために、天気図で天気を悪くする原因が何かをチェックします。
まず、テレビの天気予報の解説に出てくるであろう内容をまとめておきます。

本当は実況天気図と予想天気図を、専門天気図で見比べて考えるんですけど、今夜9時の予想天気図に天気を悪くする要素の変化を書き込んでいます。
アニメを見てのとおりですが、予報のスタートライン・・・今朝県内を覆っている雲の一つは、低気圧から延びる寒冷前線の雲。
ただ、前線といっても本体は太平洋上で、その延長線上の雲ですから、たいしたものではありません。
むしろ、低気圧が東へ進むタイミングで一時的に西高東低、冬型の気圧配置になって、日本海に発生する雪雲が県内に流れ込んだものがくもりの原因と思われます。
この雲の動向が、今日の予報のアヤシさのチェック項目。
オマケですけど、西日本の太平洋側の低気圧と前線の雲・・・・東へ進んでいます。
これが今夜遅くから明日にかけて南部に影響してきそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。

予報のアヤシさの原因は日本海で発生する雪雲。
今日の北部、予報では太陽マークがついていますが、その出番は「昼前 から」。
そこで、気象台の予報官も使っているMSMというプログラムの降水予測の計算値をチェックしてみます。

昼にはすっかり降水(雪・雨)エリアが消えています。
この降水エリア、低い所にある雲に対応していますから、どんよりした雲は昼前にはまず消えそう。
じゃ・・予報どおり晴れるのか?・・・・それって青空になるの?なるとしてどんな青空?
これを確認してみたくて、昨日の夜の記事で上空の湿度と空の色の関係を調べてみたわけです。
これが今日正午の県内上空の(相対)湿度。

青いところほど湿度が高いところ。
中層、北アルプスてっぺん付近の空気は乾燥。下層の空気も一昨日のコバルトブルーの空のときと比較して湿っているというほどではありません。
ただ、上空5400m付近の空気はそれなりに乾燥していますが、矢印の方向で次第に湿ってくる傾向。
昨日のデータと見比べると、晴れといっても良いと思います。
どんな青空になるの?・・・これは、まだまだ情報の蓄積をしなくては予想などはできませんが、あえて無理をして考えてみると・・・上空の湿度は南部から次第に高くなる傾向ですから・・・・コバルトブルーの青空までは回復せずに・・・県内南ほど太陽の輪郭がぼんやりするような感じに・・・・なるんじゃないかな?
ということで、今日も予報は当たると考えますが、スカッとした晴れまでは期待しない・・・と考えます。
もしはずれるとしたら、北部がくもりで終わるという程度でしょう。
どうなるのかな?・・・・空の色・・・