2009年12月19日
大雪情報の終わりに(12月19日)
17日(木曜日)の夕方から、一日3回発表され続けてきた「大雪に関する長野県気象情報」も第7号をもって終了(「多いところで40センチ・・・と気象台は注意を呼びかけています」ってヤツです)。
まだ雪の降りやすい状態は続きますが、長野地方気象台も大雪の峠は越えたと判断したようです。
とはいっても、明日の昼までに長野地方の平地でも多いところで20センチの降雪が予想されていますから、気は抜けません。
この内容は、ニュースや天気予報でも放送されているはずですが、ネットを使っているなら放送時間を気にせずにいつでも見ることができます。
原本が掲載されている気象庁のHP、以下のURLをブックマークされることをおすすめします。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html

今朝は早くから、車に乗って実家の雪かきへ。
老々介護状態になってしまった親は自分たちでまともに雪かきができないので、女房と二人でひと汗かいてきました。
これも、Uターンで長野に帰ってきた理由の一つ。
ご近所の一人暮らしのご老人のお宅の玄関もついでに雪かきを・・・。
昔は当たり前のことだったけど、30年ぶりに老化して長野に戻った身体には、なかなかの重労働でした。
帰宅してから雪景色の写真を掲載しているブログを拝見しながら、県内各地の方々の雪の受け止め方を興味深く読ませていただきました。
大雪を予想していなくて驚かれた方、首を長くして待っておられた方々・・・様々ですね。

正直なところ東京で全国の天気予報を担当していたころは、長野の雪は多くの天気マークの中のほんのひとつとしか考えていませんでした。
また、東京の雪とはことなり、長野の積雪が10センチや20センチ予報と違っても、長野県民はびくともしないなんて勝手に思い込んでいました。
長野に帰り、今は日本地図にちりばめられた多くの天気マークの中の、たった3つの天気マーク(北部・中部・南部)だけを見続けています。
それも、放送時間の締切なく、枠時間の制限もなく。
この3つの天気マークだけを見ている人は、仮想ではなくて現実に存在し、そのマークでどれだけ多くの方々の生活が左右されているのか・・・・・・帰り道、あちこちで雪かきをしている方々を見ながら、あらためて考えさせられました。
毎朝、東京のキー局から美人キャスターが全国の予報を伝えてきます。
私が担当したことのある朝の番組も、ときどき長野の情報カメラで長野の光景を映しながら長野の天気マークを画面に表示し、長野の予報を伝えています。

そこで伝えられるコメントには想いが込められているのか?
私と同じであってほしくはないと思っています。
・・・・明日も出張雪かきかな?
2009年12月19日
大雪のピークは過ぎても(12月19日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

長野地方気象台の塔の上にある風車型風向風速計。
氷点下の気温と雪で凍りつかないよう、肉屋のローストチキンのように四つのランプで温められていました。
今朝5時の現在、長野地域、大北地域に大雪警報が発表されています。
今朝が大雪のピークと思われますけど、北部は今週末ずっと雪の傾向。
新しい情報でチェックしてくださいね(注意報・警報の原本が読めるページ)
追記:10時
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

昨日の引き続き、日本海側雪パターンですけど、鹿児島に傘マークがついています。
予報文は「雨か雪」ですけど、昨日が雪マークでしたから、南から寒気が抜けつつあることが想像できます。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

北部は「昼前 から 夕方 くもり」ですから、雪は日中小康状態、夜からまた雪。
明日もくもりベースで夜には再び雪が予想されています。
一方、中部や南部は「所により 雪」がついているものの、回復傾向。
明日の予報文には「晴れ」がついています。
中・南信の雪が上がってくるということで、強い冬型は並の冬型にもどりつつあるんですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日のポイントは二つ。
①大雪の原因の一つ、-36℃の寒気が北上するとともに、大量の雪雲を北陸・長野へ送り込んでいた日本海の弱い気圧の谷(シアーラインに対応)が消えること。
②夜、雪雲を活発化させる上空5400m付近の気圧の谷が西から接近して、再び雪をふらせること。
いずれにせよ、今日日中はいったん回復傾向です。
さて・・・いつもなら、これらをさらに詳しくチェックしてみるところですが、今朝のKasayan、ちょっと忙しいので、ときどきお見せする短期予報解説資料という予報の虎の巻をそのまんま引用します。
手抜きでごめんなさい。
難しそうなコトバで書いてありますが、内容に対応した「それなりの図」を添付してありますので、雪の週末おヒマな方は、予報官になったつもりで今日・明日の予報を検討してみてください。
で・・・気になる「雪はいつやむのか?」ですが、北部は月曜日までは・・・降る・・止む・・を繰り返しながら続くと思います。
気象庁発表短期予報解説資料全文引用
(初期時間は日本時間18日午後9時。FTは世界標準時。日本時間換算は+9時間)







1、今日の一言

長野地方気象台の塔の上にある風車型風向風速計。
氷点下の気温と雪で凍りつかないよう、肉屋のローストチキンのように四つのランプで温められていました。
今朝5時の現在、長野地域、大北地域に大雪警報が発表されています。
今朝が大雪のピークと思われますけど、北部は今週末ずっと雪の傾向。
新しい情報でチェックしてくださいね(注意報・警報の原本が読めるページ)
追記:10時
[19日05時現在の積雪の実況]
( )内は前24時間降雪量
白馬 :74センチ(68センチ)
小谷 :65センチ(46センチ)
長野市鬼無里 :62センチ
野沢温泉 :49センチ(53センチ)
飯山 :46センチ(48センチ)
信濃町 :40センチ(36センチ)
大町 :37センチ(35センチ)
上田市菅平 :34センチ(23センチ)
長野市箱清水 :23センチ(24センチ)
南木曽 : 8センチ
木曽町開田高原: 7センチ( 8センチ)
軽井沢 : 5センチ( 7センチ)
安曇野市穂高 : 5センチ
上田市大手 : 3センチ
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

昨日の引き続き、日本海側雪パターンですけど、鹿児島に傘マークがついています。
予報文は「雨か雪」ですけど、昨日が雪マークでしたから、南から寒気が抜けつつあることが想像できます。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

北部は「昼前 から 夕方 くもり」ですから、雪は日中小康状態、夜からまた雪。
明日もくもりベースで夜には再び雪が予想されています。
一方、中部や南部は「所により 雪」がついているものの、回復傾向。
明日の予報文には「晴れ」がついています。
中・南信の雪が上がってくるということで、強い冬型は並の冬型にもどりつつあるんですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日のポイントは二つ。
①大雪の原因の一つ、-36℃の寒気が北上するとともに、大量の雪雲を北陸・長野へ送り込んでいた日本海の弱い気圧の谷(シアーラインに対応)が消えること。
②夜、雪雲を活発化させる上空5400m付近の気圧の谷が西から接近して、再び雪をふらせること。
いずれにせよ、今日日中はいったん回復傾向です。
さて・・・いつもなら、これらをさらに詳しくチェックしてみるところですが、今朝のKasayan、ちょっと忙しいので、ときどきお見せする短期予報解説資料という予報の虎の巻をそのまんま引用します。
手抜きでごめんなさい。
難しそうなコトバで書いてありますが、内容に対応した「それなりの図」を添付してありますので、雪の週末おヒマな方は、予報官になったつもりで今日・明日の予報を検討してみてください。
で・・・気になる「雪はいつやむのか?」ですが、北部は月曜日までは・・・降る・・止む・・を繰り返しながら続くと思います。
気象庁発表短期予報解説資料全文引用
(初期時間は日本時間18日午後9時。FTは世界標準時。日本時間換算は+9時間)
短期予報解説資料1 2009年12月19日03時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①日本付近は寒気移流が強く、日本海や黄海、東シナ海には筋状の雲域が広がる。
②日本海西部にあった日本海収束帯に伴う帯状雲は南下し、活発な対流雲は山沿いが主体。東北・北陸・関東甲信・東海の山沿いで雪が3 時間20 センチ前後と強い。
③寒冷渦が通過中の北海道でも、3 時間に10 センチ前後の雪を観測。
④水蒸気画像では55N135E 付近(シベリア)に寒冷渦対応の循環があり、南下中。

2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①明日にかけて冬型が持続。1 項③の寒冷渦に伴う強い寒気はFT18 には日本の東に抜ける。
このため、北日本の日本海側の大雪は今夜には一旦弱まる。
しかし500hPa5400m付近の渦移流が続く北陸周辺では、明日にかけても山沿いを中心に降雪量の多い状況が続く。


②今日は大気が不安定で雲頂高度が高い。このため、太平洋側にも雪雲が流れ込みやすく、北・東日本の太平洋側では積雪となる所がある見込み。
③1 項④の寒冷渦はFT48 には日本海北部まで南下。
寒冷渦周辺の寒気先端にあたるシアーラインがFT48 にかけて日本海を南下する。
このシアーラインの通過後、北日本では寒気移流が再び強まり大雪となるおそれがある。また、シアーライン近傍では落雷や突風に注意。




④FT24~36 に寒冷渦周辺をまわるトラフのひとつが北海道を通過、上記とは別のシアーラインの通過も予想されている。北海道ではこのタイミングでの降雪の強まりにも注意。
3.数値予報資料解釈上の留意点 上記のとおり。最新のGSM を基本とする。
4.防災関連事項[量的予報と根拠]
①大雪ポテンシャル(06 時からの24 時間:地点最大)、北陸70、近畿北部・東北日本海60、北海道・東海(岐阜)50、関東甲信(長野県・群馬県)・中国(山陰)30~40 センチ。
②波:波浪モデルを基本。北陸~山陰・伊豆諸島5m、東北日本海側・九州・南西諸島4m。
5.全般気象情報発表の有無 5 時までに大雪に関する情報を発表予定。
量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。