2009年12月10日

消えた横手山

 午後3時、須坂方面に出かけた帰り、千曲川にかかる屋島橋近くの堤防から見た雲。

 北東の志賀高原方面昼過ぎに外出した頃には、横手山山頂までよく見えていたのですが・・・
山頂付近は雲に覆われていました。




 一方、反対側、南西の千曲市方面
コバルトブルーの空に、卷雲が白くなびき、美ヶ原方面には中層の雲が広がりつつありました。




 志賀高原・・2時間程度で、なんで雲に隠れちゃったんだろう?

 ・・・・長野に帰ってきて、長野の天気を勉強中の身・・・疑問に思ったらメンドウでもとりあえず考えなくちゃダメ予報士になっちゃう・・・・
 ということで、晩飯の鍋物につきものの熱燗一本を我慢して、理由を考えてみることにしました。

 冬の夜長?に興味をもったヒマな方はお付き合いください。

 で・・・これ、午後3時の極軌道衛星の画像。




 テレビで見るひまわりの画像は上空36000Km上空から撮ったものですが、これはわずか800Km上空から撮影したもの(矢印と番号は上の写真の撮影方向)。
 志賀高原にかかっていた雲・・・どうにか写っています(赤の点線)。

 そして、アメダスの風をチェック。
まずは、外出した午後1時の風向を確認。




 志賀高原方面、群馬県側東よりのほぼ南の風。
長野県側も南系・・・志賀高原の南の菅平で西南西、長野市で

 次は、写真を撮った午後3時の風向




 長野県側の風は新潟方面から北の風(海風かな?)が吹き込み、正反対に。
一方、群馬県側の風は南東から東の風に変わり、草津方面から志賀高原に吹きあがる風に変わりました。

 関東平野を北上した湿った空気が、志賀高原を群馬県側からはい昇り、雲ができたのかも?
そして、その雲が長野盆地側に波のように広がらなかったのは、盆地を吹いていた北よりの風のせい?




 立体的に見ると、こんな感じでしょうか。

 同時刻の上空1500mの上昇流の分布の計算値を見ると、志賀高原の東側で赤の上昇流帯西側の長野盆地は青の下降流帯になっています。




 やっぱり・・・上のイメージでいいのかも。

 最後に、南・・②の写真で見えた卷雲と、美ヶ原方面の中層の雲の理由




 上空3000m付近の湿り気の計算値を見ると、県南部では相当に湿った空気が入ってきていることがわかります。
 これ、明日長野県に雨を降らせる雲の東の端っこ

 天気が悪くなる時には西のほうから、高い雲・・中くらいの雲・・・雨雲・・と、順番にやってきますが、この雲がそれなんでしょうね。

 ざっと・・・こんなもんかな・・・・
上空の雲の流れも面白かった
 一番高い雲は西から東へ。
 低めの雲は南から北へ・・・方向バラバラ。

 ウインドプロファイラという上空の風の様子を調べた図を見ると・・・・まあ、その通りになってますね。




 さあ・・・一通り考えたところで・・・・熱燗でもいきますかぁ・・・かなりイイカゲンだけど・・・考えないよりマシ?。

   


Posted by kasayan at 19:55Comments(0)雑記

2009年12月10日

天気予報は当たるのか?(12月10日)

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 長野の気象は、パイロットの視点で見る!・・・と悟りましたっ!!

 関東の天気をメインにチェックしていたころは、船長の視点
ほぼまっ平らの関東は、海風・陸風にはじまり太平洋の影響も強く、海の天気の延長で見ることがほとんどでした。

 一転・・長野は高い山でデコボコばかり。
3Dで物事を考えないとなにも見えてきません。




 そこで・・・・出番が少なかったエマグラムという空の心電図?みたいな図もマメにチェック開始。
パイロットには欠かせない資料。

 イモを食いながら・・・パイロットになって空を飛ぶイメージで・・・・冬休みのお天気しらべだな・・・こりゃ???


2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 一目で、西半分は傘マーク、東半分は太陽マークというイメージができます。

 ていねいに見ると、西の傘マークエリアは東ほど「のち 雨」になっています。
一方、東の太陽マークは北海道をのぞいて雲マークとセット

 西から下り坂。東日本は晴れるけど曇りがちなんだな・・・というイメージ。
誰でもそれなりに天気マークを眺めればこの程度はわかるはずですけど、テレビのお天気キャスターの中には、この程度しかコメントしない人も結構いるんですよ。
 天気マークの傾向だけしか伝えられないのでは・・・ブツブツ・・・・

3、長野県の予報
 長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。





 基本的に晴れベースですけど、北部・中部「朝晩 くもり」になってます。
ちなみに、朝晩は「午前0時頃から午前9時頃までと、18時頃から24時頃まで。 」だそうです。

 一方、南部「夕方 から くもり」・・・ちょっと早めですね・・・南部だけ何かあるのかもしれません?

 そこで、お隣の愛知県東部を見ると傘マーク・・「のち 」・・・予報文を見ると「夜遅く」のようです。
21時頃から24時頃には雨。
 愛知県の雨が、南部の「夕方から から くもり」にズレこまない?
あとでチェックしておくことにします。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 まずは、全体の天気変化の傾向を確認しときます。




 いろいろ書き込みをしましたけど、注目は九州付近に発生する低気圧と前線

 この前線がゆっくりと北東に進んでくるので、西から下り坂。
この下り坂が、今日長野県まで影響してくるのか?という点が一番のチェックポイントになります。
 
 あと、東日本の太陽マークが雲マークとセットになっている理由も書き込んでおきました。

 で・・・・・まずは、愛知県の雨が南部に影響しないか?から確認。




 予報官が見ている資料と同じもの・・・MSMというお空のシュミレーションデータがコレです。
夜の10時で愛知県と長野県の県境まで。

 添付はしませんが、もうひとつ・・・予想天気図なんかを作るためのGSMというもう一つのシュミレーションデータを見ても、今日の間は愛知県で雨は打ち止め。

 データ毎にバラツキもないので、予報どおりで良さそうです。

 MSMデータをチェックしたところで、オマケにMSMデータで「朝晩 くもり」も見ておきましょう。




 ご覧のとおり。地上付近の雲はこんな傾向ですが、中層・上層の雲が比較的多めに計算されています。予想天気図で見た前線の東側に流れ込む湿った空気のため?
 ということは、昨日のように上空の雲で曇りになるということはないにしても、うっすらとした高い雲に覆われてくる・・・というイメージでしょうか。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 今日も予報は当たるでしょう!

 別に気象庁の回し者ではありませんけど・・・・・

 天気マークは「一時」または「時々」曇りマークですから、例によって太陽マークの比重を極端に上げてイメージさえしなければOK

 最後に、明日の予報も掲載しておきます。・・・・傘ばっかり・・・