2010年03月31日

天気予報は当たるのか?(3月31日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 今朝の長野県内は氷点下の所が多くなっていますが、冷え込みも今朝まで。
日中は10℃を超えて、暖かい花曇りになりそうです。




 今朝の衛星画像ですが、西日本に雨雲がかかっていますが、東日本には薄っすらと低い雲。
右側の画像は可視画像といって、衛星に人が乗っていたらこう見えるだろうな・・・という画像。

 6時半で東日本付近まで夜が明けてきています。
 日の出もずいぶん早くなってきました

 三月も今日で終わり・・・Kasayanの30年ぶりの長野の越冬?も終わり。
長野県の冬の天気・・・ずいぶん勉強になりました。

16時30分追記
 今日、長野地方気象台から春の便りが発表されています。桜の開花だけが春の便りではありません。

 ■場所:長野県 長野
 ■内容:椿開花
 ■平年比:15日早い
 ■昨年比:04日早い
 ■備考:モトヨシチヨウ

 ■場所:長野県 長野
 ■内容:唐松発芽
 ■平年比:11日早い
 ■昨年比:01日早い

 ■場所:長野県 長野
 ■内容:しだれ柳発芽
 ■平年比:02日早い
 ■昨年比:12日遅い
 ■備考:シナイハコシミズ


2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 西日本に太陽マークはありません。
九州方面には傘マークも。
 西から下り坂に向かうことを想像させます。

 東日本・北日本も太陽マークはあるものの、ほとんどが雲マークとセット。
ゆっくりと下り坂なんですね。

 西日本の概況を読むと「気圧の谷や湿った空気の影響」と書かれています。
東日本の概況「高気圧の中心が日本の東に移動し、上空の気圧の谷が接近する見込みです」
 北日本は・・・「高気圧が関東の東海上へ移動し、気圧の谷が接近」とか「日本海北部には気圧の谷があって、北海道付近は気圧の傾きが急になって
います」
と書かれています。

 様々な見方があるんですね・・・・概況のイメージと天気マークのイメージを天気図に照らし合わせると、天気変化が多角的に見えてきます。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 県内は「のち くもり」マーク。
予報文を読むと「のち」のタイミングは「昼過ぎ」
 
 マークにはありませんけど、中南部では「所により 夕方 から 雨」なんて書かれています。
昼過ぎの曇りはよいとしても、「所により」と「夕方」の場所と時間はチェックしておく必要がありそうですね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 高気圧の後ろになれば南から湿った空気が流れ込む・・・・これから梅雨にかけてしばしば登場する天気解説のパターンです。
 高気圧の動きが遅いので、今日の段階ではそれほど湿った空気が流れ込みませんけど、明日になると北日本まで流れ込んで・・・明日は本格的に天気が崩れてしまいそう。

 今日の間に外仕事は終えてしまいたいところですね。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 今日の下り坂の原因・・・西日本の概況にあった「湿った空気の影響」を天気図でチェック。




 特に湿った空気は今夜の段階で九州付近まで。
湿った空気の先端は中部地方までやってきますから、全般に気温は上がりますけど、本格的な雨の心配は九州付近ということになりそうです。

 夜には大陸に前線ができるようですが、これが明日日本海へと進んで明日の雨に影響しそうです。

 で・・・・次は東日本の概況にあった「上空の気圧の谷が接近」の様子をチェック。




 午後から上空5400m付近の気圧の谷・・・赤の点線部分・・・がやってきます。
この谷に対応する地上付近では雲の活動が活発になりますから、湿った空気の本体がまだ九州付近にあっても雨雲が発達しやすくなります。
 午後、この気圧の谷が通過するタイミングで近畿地方をジャンプして東日本付近でも雨の心配がでてきます。

 ということで・・・雨の原因をチェックしたところで具体的な雨の降り方をチェックしましょう。




 午後3時頃が長野県に降水が計算され始めるタイミング。
 南西の湿った風が当たり上昇する北アルプス中心に降水が計算されています。
 ちょうどこのタイミング・・・上で見た上空の気圧の谷が県内上空に迫ってくる頃と一致しますよね。

 そして、夜9時の降水。




 南部にも降水が拡大していますが、アルプス中心の雨。
 湿った空気が上昇する高い山が中心ですが、これらの雨雲が盆地に流れ込めば雨になります。

 結局、午後3時以降は、山中心とはいえ県内全域ポツリポツリという可能性はありそうです。
 降水確率としては低めに発表されていますけど、Kasayanなら念のため折り畳みの傘は持っていこうかと考えます。

 で・・・今日の予報・・・「所により」は高い山の南西斜面付近を指していると思われます。
また、「夕方から」は用語集によると15時以降を指しますから、まさに上でみた降水が計算されるタイミングと一致します。
 中南部の予報は当たる・・・でよいでしょうね。

 もっとも、北部の予報文には「所により雨」がないんですよね。
 北アルプスが湿った空気をブロックして、北部を平均的にみると「所による雨」にするほどではないと考えた結果だとはおもいますが・・・計算値を見る限り大町や白馬方面では降ってもおかしくないですよね。
 このあたりを理解していれば北部の予報も当たるということですが・・・・微妙なところですね。
 北部でも雨じゃ困るという方は悪目に考えておいたほうが良いでしょう。

16時30分追記
 白馬・大町や安曇野方面では午後になって雨が降りだしています。
北部でも「所により 雨」があっても良かったのではないかと思うのですが・・・・どうなんでしょう?


17時40分追記
 17時発表の北部の予報は・・・・・・
  長野県 31日17時
  北部
  今夜 南の風 くもり 所により 夜のはじめ頃 まで 雨
 になりました。たぶん気象台はガイダンスという統計的な情報を優先して検討した結果、当初北部に 雨を予想していなかったんだと思います。なんで、「所により」を付けないことにこだわったのか?長野の天気傾向の秘密が隠されているようで気になるんです・・・。







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2010年03月30日

天気予報は当たるのか?(3月30日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 今朝の長野市内、4センチほどの雪が積もっていますが、上空の雪雲は消えて氷のような青空。
 長野駅付近からも槍ヶ岳がこんなに綺麗に見えています。

 さて、「何センチ積もった?」という朝のドキドキも今シーズンはこれで終わりかも?




 24時間降雪量を見ると、小谷で32センチ全国トップ長野市内でも5センチの降雪があったようです。
 昨日気象庁が予想していた最大の降雪量の予想がズバリ当たっていました。
 で・・この降雪による今朝5時現在の積雪は・・・・




 春スキーの営業を予定しているスキー場には嬉しい雪だったでしょうね。

 さて、今日は・・・・・寒いけど回復・・・です。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 全国的に太陽マークだらけですけど、太陽マーク一発は東日本・北日本の太平洋側だけ
あとは雲マークとセットになっているので、天気の変わり目を予報文で見てみると・・・・西日本は午後から曇りへ・・・北日本の日本海側は昼前後からようやく回復

 回復パワーは日本全体を同時に晴れにしてしまうほどではなさそうです。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 県内全域「のち 晴れ」マークがついていますけど、予報文を読む限り、中南部は「朝から」、北部は「昼前」から太陽マークに切り替わるようですね。

 午前6時前の段階で長野市内はすっかり晴れていますから、北部も比較的早めに回復するかも?

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 なんじゃこれ・・・というような天気図ですよね。
気圧配置については「高気圧に覆われて」という以外にコメントしようがない・・・・・・

 典型的な移動性の高気圧ですから、高気圧のお尻?は雲が広がっています。
そのエリアが早くも西日本にかかってくるというところでしょう。

 昨日雪を降らせた寒気は東海上に抜けるので、抜ける様子まではアニメにしませんでした。
もっとも、地上付近に寒気のなごりの冷たい空気が残りますから、気温は低めのままでしょう。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 今日は特に検討することもないでしょう・・・・・・雲の残り具合?の検討までしなくても良いですよね?

 青空の色ですけど、昼前後には上空の高いところに湿った空気が流れ込んできます。
凍ったような青空は午前中だけで午後には白っぽい青空に変化してきそうです。

10時40分追記
 長野市内では高層雲が広がってきちゃいました。衛星の可視画像では昨日の冬型の最後のあがきの雲のようですが・・・・これが消える頃には高層の湿気で白っぽい空になっているかな?
 凍った青空は朝だけでした。





 冬の澄んだ青空は午前中で見おさめになるかもしれません。
午前中は遠くの山々が綺麗に見えそうですよ!




 
 最後は、4月3日あたりにまた気温が下がりそう・・・ということだけグラフでチェックして終わりにします。
え?・・今日の予報?・・・・これをネチネチ検討するほどヤボじゃないっす




 

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2010年03月29日

天気予報は当たるのか?(3月29日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 今朝の長野市内は薄っすらと雪が積もっています。
いつもの菅平方面も雲底高度600m前後の低い雪雲に覆われて寒々とした景色。

 ただ、上層の雲はないらしく、低い雪雲のすきまからは青空が顔を出していて、雪雲にすきまができれば太陽も顔を出しそうな空模様。

 パッと見では、このまま天気は回復しそうな感じがするのですが・・・・・・今夜にかけて真冬でも一級品の寒気が南下してきますから・・・・今日いっぱいは回復を期待できそうもありません

 そうそう・・・今日から番組改編のテレビ局もあるはず。
長野県の天気予報番組・・・少しはかわるのかな?

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 北日本と日本海側中心に雪マークが多くなっていますから、冬型の気圧配置を想像させる天気マークの分布ですけど、関東や東海の天気マークをズームして見ると、沿岸部にズラリと傘マークが並んでいます。
 このため、晴れマークしかない関東にぐずつきエリアの線を引いてあるわけです。

 冬型の天気分布なのに何で?ということはあとでチェックしておきます。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 さて、県内は・・・北部だけ雪だるまマークがついていますけど、予報文を読むと県内全域雪がチラチラ降る可能性がありますよね。

 また、北部は「昼前まで時々くもり」ですから、昼過ぎになると「時々くもり」がなくなって・・・・「雪」メインの天気になるようです。
 今夜にかけて雪が強まるということですから、強まる原因と雪の降り方はチェックしておくことにします。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 西高東低の気圧配置になって、日本海から北よりの風が吹く・・・同時に上空には-42℃の寒気が南下してくる・・・・日本海の海水が蒸発して雪雲発生・・・・北よりの風にのって日本海側へ・・・という流れはいつもの冬のお約束です。

 もっとも、今日は東海沖に等圧線が北西側に凸になっている弱い気圧の谷が発生。
北風と西北西の風が交差するラインができて雨雲発生
 このため、東海や関東南岸にぐずつきエリアができているわけです。

 また、今回の寒気はこの時期としては超一級品
寒気の中心に覆われる東北では、太平洋側でも大気が不安定になって、雷や雪が予想されています。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 まずは、冬型の気圧配置の強まりをサラリとチェック。




 上空5400m付近にはこれまた一級品の気圧の谷があって、今日日本を通過
この谷に対応する関東付近の低気圧が急速に発達して西高東低冬型の気圧配置が強まります。

 次は冬型の気圧配置とセットになって雪雲の発生・発達に関係する寒気の様子をチェック。




 中心で-42℃の寒気というのは2月に南下してきたとしても一級品と言われるくらいの寒気です。

 この寒気のコアが今夜東北日本海側に上陸
 県内は-36℃~-39℃くらいですけど、十分に大雪の目安にできるくらい強い寒気に覆われます。
また、上空1500m付近でも‐12℃前後になりますから、県内は何が降っても雪でしょう。

 北部の新潟県境は、シーズンを終えたスキー場が復活してしまうほどのパウダースノーになるかもしれません。
 気象庁の見積もりでは最大30センチの降雪の可能性もあるということですから・・・・県境付近でしょうけど・・・・

 ということで、冬型がガチンコということを確認したところで、具体的な降り方を確認。




 全国的に見ればこんな感じの降り方。
 日本海側中心ではあるけれど、太平洋側もそこそこ不安定な雨や雪がありそうですね。




 長野県にズームしてみると、一日を通して北部県境中心に降水が計算されています。
 南部では晴れ間もあるかもしれませんけど、基本的にはぐずついた一日というところでしょう。

 北部の雪が、寒気が南下してくる夜にかけて拡大してくるのもわかりますよね。

 最後は、一応、東海・関東の南岸の雨の様子を詳しくチェック・・・というのも県内南部に影響する可能性があるから・・・・




 21時の計算値ですけど、南岸に北風と西北西の風がぶつかるラインが見て取れます。
このライン・・・県内南部に影響しそう。
 南部の予報・・・・「所により・・・・雪」を重めに見ておいたほうが良いかもしれませんね。


 ということで・・・・今日の天気予報・・・・・・午前中に顔を出す晴れ間にだまされない・・・・今夜にかけて北部中心に雪の可能性が高まるということを理解しておけばハズレというイメージは持たないでしょう。

 昨日ほどではないにしろ、大気は不安定ですから、中部や南部でも午後から夜にかけて突然に広がる雪雲と舞ってくる雪を十分に想定しておいたほうがよさそうです。

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2010年03月28日

天気予報は当たるのか?(3月28日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 久々に横浜に行っていたので、約1週間ブログをお休みしていました

 25年近く住んでいた横浜でしたが、人が多くて多くて・・・・
山も見えないし、だからといって綺麗な海がすぐに見えるわけじゃないし・・・・
 いつでも山が見えて、日本海の海だって1時間以内に見に行ける長野に帰ってきてよかったと実感してきました。

 さて、今朝の菅平の様子。
薄ぼんやりとした雲に覆われています。




 実は一昨日長野に帰っていて、昨日は朝からこの写真のエリア・・・・菅平の裾野の山の上を飛んでいました




 飛行の航跡をGPSで記録して立体的に表示したものです。
 朝は北アルプスが良く見えていましたが、午後になると飯綱方面から雲の橋がかかってきて冷たい北風が吹きはじめました。
 今日は午後から雪がチラチラ??

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 北海道付近はまだまだ冬・・・冬型の天気分布が続いています。
一方、九州方面も太陽マークが目立っていて、まずまずの天気ですけど、日本のお腹のあたりは雲マークと傘マーク、そして雪だるまマークまで並んであきらかにぐずつきゾーン。
 
 各地の予報文を読んでみると「雷」の文字が多くなっています。
大気不安定のようですから、そのあたりはキチンとチェックしておくことにします。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 太陽マークは見当たりませんね。

 予報文を読むと、「昼過ぎ」「夕方」から下り坂
中南部は雨中心ですが、北部は雪中心

 降り出しのタイミングや降り方を見ておく必要がありそうです。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 予想天気図を見ると、日本付近に低気圧なんか見えませんけど・・・・・・

 日本は二つの高気圧にはさまれて・・・高気圧を山に例えると二つの山にはさまれた谷に位置します。
 気圧の谷ということですが、谷には山肌から沢筋に沿って風が流れ込んできます。
そうすると・・・・雲が発生しやすくなるのですが、さらに上空には冬の寒気が南下

 上空に冷たい空気が入って、冷蔵庫のドアを開けたように上空まで雲が発達しやすい状態になります。
大気不安定・・・・雷や突風・・・そして、雨や雪もベターっと降るんじゃなくて、降ったりやんだりのまさに不安定な天気になってしまいそうですね。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 大気不安定の原因・・・上空の冷たい空気の様子から。




 日本海にあった寒気が今夜にかけて本州の太平洋側まで南下してきます。
寒気の冷たさは一カ月ほど前の寒気と同じ。
 地上付近に強い暖気が入り込んでいるわけじゃないですけど、相対的に大気は不安定になるようです。

 ただ、寒気が入り込んだだけじゃそれほど天気は悪化しませんから、地上付近の気圧配置専門天気図でも見てみましょう。




 テレビで使われる天気図には低気圧は描かれていませんけど、専門天気図を見ると今朝9時の段階で山陰沖に低気圧(低圧部)が計算されています。
 この低気圧は弱まりながら今夜北陸方面へ

 この低気圧とあいまって寒気が南下してくるので、青の点線で示した降水域が西日本や東日本を広く覆ってしまうようです。
 もっとも、大量の降水が計算されているわけじゃないので、まさに不安定な雨や雪が降ったりやんだりという感じで降るんだと思います。

 大気不安定のイメージがつかめたところで、具体的な雨や雪の様子をチェック。




 降り出しは午後2時前後
 強い降水のエリアは散在していて、不安定という雰囲気をかもしだしています。
北ア・南ア・八ヶ岳や志賀高原付近の山中心に降水が多く計算されている傾向がありますけど、盆地でもこれらの雨(雪)雲が流れ込んでくるタイミングで降ったりやんだりなんでしょうね・・・




 そして、夜になると・・・・北陸を中心に風が反時計回りの渦を巻いている様子がわかります。
 相変わらず山中心の降水域ですけど、夜遅くになって南部中心に強めの降水が計算されています。

 なんだかハッキリしない降り方ですけど、不安定なんだから・・・・まさに字のとおりです。


 ということで・・・・今日の天気予報・・・・・・

 久々の天気チェックだったので、Kasayanのカンというか天気の流れの把握がイマイチ不十分なのですが、天気予報がはずれる要素が見つかりません。

 予報文にはズバリ午後から何かが降るという表現がされていますけど、実際は不安定な降り方をすると思うので、イメージ的には「所により」「一時」というニュアンスも含めたいところだと思います。

 したがって、ベターっという雨や雪をイメージしなければ今日の予報は当たるということにしておきます。


 しかし・・・久々に天気図を見ると、おもいっきりダメになっている自分に気づきます・・・・はぁ・・・・


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2010年03月21日

3月26日までブログ休止



 本日から5日間ほど、長野を離れます。

 ちょっと忙しいので、3月26日あたりまでブログ更新を休止したいと思います。

 気象庁HP: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 予報文のHP: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 を参考にしての天気チェックをおすすめします。
Yahoo天気をはじめ、他の気象情報サイトのピンポイント予報などは、基本的に上記HPの情報を補完するという位置づけでお使いいただくのが良いと思います。

 それでは!!  


Posted by kasayan at 08:55Comments(2)雑記

2010年03月20日

天気予報は当たるのか?(連休バージョン3月20日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 今朝も長野地方気象台から「強風となだれ及び融雪に関する長野県気象情報 第2号」が発表されています。
 気温が急上昇したあとに急降下すること、南よりの強風が吹いた直後に北西の強風が吹くこと、という激しい天気変化ですから、まだ冬山のアルプスなどの登山に関しては最悪の条件でしょう。

 今朝、ラジオで今日は何の日?というコーナーを聞いていて、昭和47年に富士山で一度に24人の死者を出す大量遭難があった日であることを思い出しました。
 昔、放送の企画で取り上げたことがあるのですが、明日の天気図にそっくりです。




 気象情報の原文を引用掲載しておきます。
 風速が予想さていますが、瞬間の風速はもっと強いと思います。
強風となだれ及び融雪に関する長野県気象情報 第2号
平成22年3月20日05時30分 長野地方気象台発表
(見出し)
急速に発達する低気圧の影響で、21日にかけて、長野県では風が強まり、山岳では荒れた天気となるおそれがあります。強風、なだれや雪解けによる土砂災害等に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
 20日は日本海を低気圧が急速に発達しながら北東に進み、21日には北海道付近を通過する見込みです。
 このため、県内では広い範囲で風が強まり、南からの暖かい空気が流れ込み気温が上昇する見込みです。
 また、21日は、明け方を中心にまとまった雨となり、その後は、冬型の気圧配置が強まるため、山岳では荒れた天気となるでしょう。
[風の予想]
 20日から21日に予想される県内の最大風速は、
 北部  南の風 13メートル
 中部  南の風 14メートル
 南部  南の風 13メートル
[防災事項]
 県内では、強風、なだれ、雪解けによる土砂災害や河川の増水に注意して下さい。
[補足事項]
 次の「強風となだれ及び融雪に関する長野県気象情報」は、20日17時頃に発表する予定です。


2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 全国的に下り坂ですが、何かが降るマークがついているのは西日本と北日本。
東日本・・・予報文を読むと、日中は暖かい晴れで次第に雲が広がってくる程度・・・夜になって南風の強まりとともに雨が降ってくるという流れです。

 連休なので、続けて明日の予報も。




 西日本は晴れマーク主体という感じですけど、他のエリアは傘マークや雪マークとセットになっています。
 詳しく予報文を読んでみると、太平洋型は朝のうち一時的に雷を伴った激しい雨が降ったあと、次第に晴れ間が広がってくるという流れ。
 一方、日本海側は朝のうち雨が降ったあと、次第に雪に代わってくるという流れです。

 穏やかな晴れから、南風が吹きだして西から下り坂、そして前線通過時に強い風と雷、前線通過後は冬型へ・・・という春の嵐の典型パターンが見えてきます。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 県内は日中晴れでも夕方以降南風が強まってきて、雲に覆われたと思うと南部から雨が降りだすようです。
 南部の雨には「所により」がついていませんから南部中心の雨ですね。

 こちらも明日まで見てみましょう。




 前線通過後、北部・中部は北風に変化・・・寒気が流れ込んできそうですね。

 今夜降りだす雨は、明日朝にはいったん回復しそうですが、夜再び雪
今度は北部に「所により」がついていませんから、北部中心に雪ですね。

 予報文では中南部に「時々 晴れ」がついていますけど、マークは全県とも曇りベースですから、予報官の頭の中では前線通過後もスパッと回復しないというイメージがあるようです。
 北部中部で北風にかわっても南部で南風の場合・・・回復が遅れる傾向は先週末・先々週末と同じパターンです。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 今日の一言でご覧いただいた天気図とそっくりですよね。
どれだけ山に厳しい天気かということがわかりますが、海も同様です。

 春と冬が一気に交代する春の儀式ですけど、連休にくることはないですよねぇ・・・

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 注意喚起の情報が出ていますから、天気予報の当たりハズレは検討しません
天気変化の内容は上のアニメでわかりますから、もっと詳しく知りたい興味のある方向けに専門天気図のアニメ集を作っておきました。

 わかるところだけ眺めるだけでも、今日明日の天気の特徴がわかると思います。

 まず、上空の気圧の谷が急激に深まりながら通過していく様子と、上空の谷に対応する地上の低気圧の様子




 先週末と同様、南岸の前線と日本海の寒冷前線が合体するように東進しますから、長野県付近の天気は非常に複雑に変化します。
 各アルプス方面でちょっと早めに雨が降り始めるパターンとも考えられそうです。

 次は、上空の気温の様子。




 今日は暖かい空気に覆われますが、明日前線が通過すると上層・下層ともに冬の寒気南下
 明日夜には、北日本や北陸を中心に降るものは雪になる寒気に覆われます。

 太平洋側中心の雨から日本海側中心の雪へと変化する理由ですね。

 続いて雨の様子




 今夜西日本を通過する前線の雨域が非常にシャープになって東日本を通過
明日朝にはサッサと東海上に抜けていきます。
 雨が止めば一時的に急速に回復・・・冬型にバトンタッチする前にかなり青空が広がるかもしれません。また、一時的に風がおさまるかも。
 ただ、この青空にだまされるとヒドイしっぺ返しがやってきます。
 夜にかけて日本海側は雪雲の降水が計算されています。
 北西の冬の風も強くなってくるようです。

 県内も詳しく見てみましょう。




 今夜、前線接近前にすでに湿った空気が流れ込み、南西斜面中心に雨が降り出します。
そして雷をともなった激しい雨は午前4時前後
 一気に通り過ぎていきますけど、窓をガタガタいわせる風とともにドッと降りますから、家のまわり、物が飛ばないようにしときましょう。

 県内、今日日中は大丈夫・・・夜から下り坂で明日は激しい天気変化・・・・明後日は冬型が弱まって天気回復傾向という流れですけど、どんなペースで回復するかは明日朝の検討にしときます。

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2010年03月19日

強風となだれ及び融雪に関する長野県気象情報


 気象庁から「強風となだれ及び融雪に関する長野県気象情報 第1号」が発表されています。

 気象情報とは、テレビのニュースなどで、「・・・海や山は大荒れになるため気象台は注意を呼び掛けています」と流れる原稿の原文です。
 注意報や警報が発表される前、特に行楽が予想される連休の前などは、少々早めに警戒を呼び掛けるもので、17日にはすでに「発達する低気圧に関する長野県気象情報 第1号」として発表されていました。

 明後日21日に、日本海を低気圧が発達しながら通過することは、今朝の記事(クリック)でご紹介しました。

 今年になって、日本海を通過する低気圧の中では最も急速に発達し強い南風の影響を与える低気圧だと考えられます。
 このような低気圧は、穏やかな日の直後に突然やってくる強烈な低気圧ですから、昔から山や海などの遭難を引き起こしてきました。
 三連休と重なるので、気象庁もずいぶん心配してのことだと思います。

 具体的に何が起こるのか?何が心配されるのか?という点が書かれていますので、引用掲載しておきます。
 
強風となだれ及び融雪に関する長野県気象情報 第1号
平成22年3月19日17時15分 長野地方気象台発表

(見出し)

急速に発達する低気圧の影響で、20日から21日にかけて、長野県では次第に風が強まり、山岳では荒れた天気となるおそれがあります。強風、なだれや雪解けによる土砂災害等に注意して下さい。

(本文)
[気象状況]
 20日は日本海を低気圧が急速に発達しながら北東に進み、21日には北海道付近を通過する見込みです。
 このため、県内では広い範囲で次第に風が強まり、山岳では荒れた天気となるおそれがあります。
 また、低気圧に向かって暖かい空気が流れ込み気温が上昇するため、多雪地でのなだれや、雪解けによる土砂災害等のおそれがあります。

[防災事項]
 強風、なだれ、雪解けによる土砂災害や河川の増水に注意して下さい。

[補足事項]
 次の「強風となだれ及び融雪に関する長野県気象情報」は、20日6時頃に発表する予定です。


  


Posted by kasayan at 17:36Comments(0)雑記

2010年03月19日

天気予報は当たるのか?(3月19日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 昨夜は新潟県境付近で10センチ前後の積雪があったようです。
まだまだ冬は続いていますねぇ・・・・




 テレビの天気予報でも明日からの3連休の天気を特集していると思います。

 昨日の記事に、21日(日)は嵐だよ・・・という気象庁発表の「発達する低気圧に関する全般気象情報 第1号」を掲載してありますので、アウトドアのレジャーの計画をされている方はは読んでおいてください(コチラ)。

 今朝はちょっと忙しいので、メモのような短めの文章で、説明が不十分なのでわかりにくいかもしれません・・・・ごめんなさい。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 基本的には日中全国的に晴れベースではあるんですけど、北日本の日本海側は夕方以降下り坂。
とりあえず、状況が違うということでこのようなエリア分けにしておきました。

 明日から連休ですから、今日は明日の予報も掲載しておきます。




 北と南で下り坂ですけど、南のほうが明らかに嵐の始まりです。
とりあえず明日の下り坂は近畿地方どまりといったところでしょうか。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 予報文は明日まで書き込んでおきました。

 今日は朝の雲がとれたら基本的に晴れ

 むしろ明日の風・・・中南部で南風が次第に強まることが書かれていますけど、この南風が強まり始めたらいよいよ春の嵐がやってきたという印
 明後日にかけてどんどん強まりますから、アウトドアレジャーは撤収のサインだと思ったほうがよさそうです。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 今朝はちょっと手抜きになっちゃいました・・・わかりにくいですね・・・・・・

 今日は高気圧が南から覆うというのがミソ。
北日本は高気圧の勢力圏に入りきれないという感じです。

 明日の天気図も入れておきましたが、着目してほしいのは、今夜の天気図から明日夜の天気図にチェンジするとき、一気に低気圧が発達しているというところです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 あ・・・・・時間がない・・・・・

 今朝から明日夜にかけての上空5500m付近の気圧の谷と地上の天気図の移り変わりをチェック。
上空の谷が深まるほど、そして上空の谷の東側に対応する地上の低気圧があるほど低気圧は発達しますが・・・・低気圧発達のセオリー通りの天気図になっていますよ。







 そして、今日午後あたりから南風の場に代わって、明日夜にかけて西から風速が上がってきます。

 次は今朝から明日夜にかけての上空の気温の変化







 今日は気温が上昇・・・・上でみた南風と対応しています。
ただ、明日になると西から寒気が南下。
 明日夜には上層下層ともに、太鼓の皮の巴のマークのように、低気圧の東に暖気、西に寒気が入ります。
 暖かい空気と冷たい空気が混じりあうエネルギーこそ低気圧発達のモトですから、気温も低気圧の発達を示しています。

 で・・・県内の気温・・・今日は上昇傾向、明日もはじめは上昇したまま・・・明後日、低気圧が通過したら急降下になるんでしょうね。

 ザクッと気になる明日から明後日にかけての雨の様子もチェックしておきましょう。




 明日夜の前線の雨域は近畿地方手前まで
 県内の雨のピークは明後日21日の朝
 寒冷前線が通過すれば回復に向かう・・・・と思いきや・・・・寒気が流れ込んで、日本海いは雪雲発生。
 冬型の気圧配置になるんですね。
どうやら北陸以北の日本海側は雨や雪ですから、すくなくとも県内は北部県境付近で雪か雨になりそうです。

 今朝は時間がないので、今日はこのへんにしておきます。
Kasayanの備忘録そのものになってしまいました。

 え・・・・今日の天気予報?・・・・・雨は降ることないですし・・・・検討が明日に分散されてしまったので、無責任なことはいえないので・・・・・・

 しかし・・・今日のまとめはひどかった・・・・あくまで時間がなかっただけですので・・・・
ここまで読んでくださった方がいらっしゃったら・・・心から感謝です。


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までメールしてください。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年03月18日

天気予報は当たるのか?(3月18日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 今週末、20~22日は3連休の方も多いようですが、昨日、気象庁からちょっと早めの注意喚起の情報が出ちゃいました
 行楽の事故を防ごうとしているんですね。

 「発達する低気圧に関する長野県気象情報 第1号」と題して、三連休中日の21日(日)には嵐になるから行楽や登山は気をつけなさいというお達しです。
 原文を引用掲載しておきますので、3連休の計画・・・じっくりと考えてくださいね(図はKasayan掲載)。
発達する低気圧に関する長野県気象情報 第1号
平成22年3月17日15時00分 長野地方気象台発表
(見出し)
 低気圧が急速に発達しながら21日に北海道付近を通過する見込みです。このため、長野県では広い範囲で強い風が吹き、山岳では荒れた天気となるおそれがあります。また、湿った空気が流れ込むため、大気の状態が不安定となる見込みです。短時間に降る強い雨、雷、突風、なだれや融雪に注意して下さい。
(本文)
 20日は低気圧が急速に発達しながら日本海を東北東に進み、21日に北海道付近を通過する見込みです。このため、長野県では20日から風が次第に強まり、21日は広い範囲で強い風が吹き、山岳では荒れた天気となるおそれがあります。
 また、低気圧に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が不安定となり、短時間に強い雨が降る可能性があり、雷や突風のおそれもあります。積雪の多い地域では雪解けが進み、なだれや融雪による災害にも注意が必要です。
 今後、気象台の発表する警報・注意報や気象情報に留意してください。





2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 西日本南岸と北日本はそこそこ太陽マークがついていますけど、日本の腹?のあたりだけ傘マークや雪マークがついています。
 
 小粒のピリリと辛いものが、日本の真ん中あたりを通り過ぎていくという感じですね。
低気圧の通過ですけど、影響は地域的に限定されてくる感じです。
 長野県は、このエリアのど真ん中・・・ズバリ影響を受けてしまいそうですね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 県内全域曇りベースで、「夕方 から」下り坂のようです。
降るものは「雨か雪」「雪か雨」で、どっちつかず。
 こういうとき、標高の高いところは雪を想定するのが吉でしょうね。

 いずれにせよ、降り出しの様子はチェックしなくちゃならないですね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 発達する低気圧が通過するんじゃなくて、小粒の低気圧が西日本から関東沖へと進んでくるんですね。

 この低気圧と前線が冬と春の境目ですから、低気圧の反時計回りの渦の影響で、前線の前に春の空気がながれ混んできます。
 このため、地上付近の暖かい空気と上空の寒気がぶつかって大気不安定
 ちょうど関東甲信付近で特に雨(雪)雲が発達して一時的にドッと降るという感じになりそうです。

 嵐というわけじゃないですけど、小粒ですがピリッとくる山椒の実低気圧?
 特に県内山岳部では一時的な強い雨・突風・落雷も想定しておいたほうがよさそうです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 降り出しの様子から見ておきましょう。




 予報文では「夕方 から」ですけど、実際は午後になると、南から流れ込む湿った空気が各アルプス付近で強制的に上昇させられてもくもくとした雨雲が湧いてきそうです。
 そして、夕方には県内全域が雲に覆われて・・・・雨ということになりそうですね。

 ですから、午後は降っていなくても雨具をもって出かけるのが吉でしょう。

 次は、上空の寒気と地上付近に流れ込む暖気の様子




 必要なことは書き込んであります。
 SSIというのは、発雷の可能性を示す指数ですけど、関東甲信付近は十分雷の可能性があります。
予報文に雷は書いてないですけど、可能性があることは覚えておきたいところです。

 で・・・・今日の天気予報・・・・なにせ不安定な空模様ですから、「夕方 から」にあまりこだわると失敗するかもしれません。
 午後は不安定の状態が強まって、いつ降ってもおかしくない程度に考えておけば今日の予報は当たると思います。

12時40分追記
 低気圧に先行して、県西部で雨雲が発達しつつあります。
県東部への拡大は遅くなるかもしれませんが、ちょっと早めの雨(雪)を想定しておいたほうが良さそうですね。





 繰り返しますけど、21日の嵐・・・無理されませんように
早めの情報が出たのは年末年始の大雪以来ですから、気象庁も結構気にしているんでしょうから。

 最後に雨の原料が流れ込む様子だけオマケで掲載しておきます。






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2010年03月17日

天気予報は当たるのか?(3月17日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 今朝3時の衛星画像に同時刻の実況天気図を重ね合わせてみました。




 この図を言葉で説明すれば、お天気キャスターみたいですけど、誰でも簡単にできます
というのも、気象庁は予報だけではなくて概況文も発表しているので、それを読めば良いからです。

 ちなみに長野地方気象台が今朝5時に発表した概況は・・・・
「日本付近は西高東低の冬型の気圧配置となっています。長野県内は、概ね晴れで、北部では、雪の降っている所もあります。」
 でした。

 ちょっと視点を変えて、札幌管区気象台が発表した概況には・・。
「北海道を気圧の谷が通過中です。17日は、次第に冬型の気圧配置が強まってきます。17日3時の石狩・空知・後志地方の天気は、概ね雪となっており、ふぶいている所があります。」
 となっています。

 また、福岡管区気象台の概況は・・・・
「九州北部地方は、高気圧に覆われて晴れています。」 だけ。

 同じ天気図ですけど、日本各地で自分の頭上の天気を気にしているわけですから、視点が異なっているんですね
 各地の概況をザッと読むと、全国の気圧配置と天気分布の関係が短時間で簡単に把握できる・・という裏技の話でした・・・・全国の天気マークの図を見ながら試してみてください。

 概況はお天気マークをクリック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 今日の一言で各地の概況を読んであれば、なんでこのようなエリア分けがされているかわかりますよね?

 北日本中心に冬型・・・日本海側で雪傾向・・・・ですね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 気象台発表の概況には、実況だけではなく予報の理由も書かれています
せっかく気象台の予報官が作った解説があるなら、それを読まなければソンですよね。

 ちょっと読んでみましょう。
「今日は、はじめ冬型の気圧配置となりますが、夜には日本の南に進んで来る高気圧に覆われる見込みです。
 このため、北部では、日中は晴れますが、朝晩は曇りで昼前まで雪の降る所があるでしょう。中部、南部では晴れますが、夜は雲が広がる見込みです」


 風のことは書かれていませんけど、予報文では諏訪地方と下伊那地方では西風がちょっと強めに吹くと言っています。
 同じ県内だけでこれだけ複雑に風向が変わるのは、関東などの平野部の県では考えられないことです。
 これが長野県の特徴ですね。
 今日は晴れベースなので、風の様子でもチェックしてみましょうか・・・・・

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 これからの気圧配置の説明も、概況に書かれている予報の理由を読めばわかっちゃいます
県内は冬型が崩れて日本の南に進んでくる高気圧に覆われるんでしたよね。

 天気図が読めない、読めるようになりたい・・・と思われている方は、概況を読みながら天気図を見る練習を試してみてください。
 時々、概況になってねーじゃんと思うような出来の悪い概況もありますけど、短文でわかりやすい素晴らしい概況はとても勉強になります

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 最初は、唯一天気が悪そうな要因・・・北部の「所により昼前まで雪」の様子をチェックしておきましょう。

 まずは今朝のレーダー画像




 雪(雨)雲はほとんど新潟県内
 県北部は雪ではなく低い雪雲に覆われているという感じでしょう。

 そして、夕方6時の下層雲と降水の計算値。




 新潟富山県境付近は下層の雲に覆われて一部で降水が計算されています。
 予報文では「昼前」には止むようですけど、なんだかんだと今日いっぱいは重い雲に覆われやすくチラチラの可能性もあるようですね。

 ちなみに新潟地方気象台の概況「北日本中心の冬型の気圧配置となりますが、午後には西から緩む見込みです。」となっていますから、予報官の頭の中は冬型中心なんですね。

 ついでに長野県内の風の様子・・・図中の矢印を見てみましょう。
ものすごく複雑に風が流れていますが、地形に依存していることがわかります。
 山を迂回し、盆地に沿って流れるという目で見ると、それぞれの風の理由がわかってきます。

 ホースの先をつまむと水が勢いよく飛ぶ・・・ベルヌーイの定理ですね・・・も加味して考えると、山間の風の強さもなんとなくわかります。
 予報文の風と照らし合わせてみてください。

 ちなみに同時刻の全国の風の様子・・・・




 冬型が残る北日本は西の風で西日本は北西の風。
長野県はその中間で、さらに高い山々が風を乱しています
 乱れた風の風下の関東・東海も複雑な風になっていますけど、この複雑な風が関東の天気予報を難しくしています。
 乱れの原因の長野県の天気も複雑になるのがわかりますよね。

 最後に、上空の寒気も見ておきましょう。




 上空1500m付近の気温は県内で-5℃前後
北部の降水は雪になりますし、太陽が出ても北部や中部は6℃前後までしか上がりません。
 ずいぶん暖かくなってきたという感じはしますけど、今日は春よりも冬のほうがちょっとだけ勝っているという感じですね。

 で・・・・今日の予報・・・・北部県境付近の山沿いで雲が多いということを理解していれば、はずれることはなさそうですよね


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