2011年10月31日

天気回復も、日本海側回復遅れ北日本不安定(10月31日)


 強力な咳止め薬で、週末のほとんどの時間を夢の中で過ごしてしまったので、まともに頭が動いていたのは朝のこの時間だけ・・・・
 さて・・・・今朝・・・・雨はどうなっている?




 土曜日、九州にあった弱い気圧の谷に低気圧が発生し、その低気圧は今朝の段階でまだ能登半島付近。
 雨のエリアは拡大しつつ東へ移動して今朝の段階では東日本中心
 午前3時の雨の様子を見る限り東日本は今日一日雨なんじゃないの?という感じもしますが・・・・どうなるんでしょう?

 今日は、地上の気圧配置の骨格・・・上空5700m付近の専門天気図からチェックしていきます。
 難しそうに見えますけど、気楽に読み流してください。




 上段の図の赤の点線・・・上空の気圧の谷が日中東日本を通過し、夜には東海上へ。
 東日本は、上空の谷が通過したところから天気回復ということになりそうですが・・・・・
 下段の図・・・上空の気圧の谷の接近により、東海上の低気圧発達・・・カタチは西高東低の気圧配置。
 日本海側に降水域が計算されているのはこのためでしょうから、日本海側の回復は遅めかも?

 一方、上空の気圧の尾根が接近する西日本
 上空の気圧の尾根の接近に伴い、下段・・・対応する地上の移動性高気圧が勢力拡大してきますから、今日は回復一本という感じ。

 今日の気圧配置・・・カタチだけは西高東低冬型・・・
 上空の谷が通過すると寒気が南下して季節が一歩前へ進むパターンが多いですから、続いて上空の寒気もチェック。




 前回、上空の気圧の谷が通過したときは、-30℃近い寒気が北海道付近を通過しましたけど、今回は-18℃
 季節を前進させるような寒気ではなさそう

 ただ、寒気は先に見た上空の気圧の谷と対応していますから、上空の谷が通過するタイミングで大気は不安定になるおそれあり。
 北日本は日中雷雨も想定しておいたほうがよいかも?

 専門天気図をチェックしてきたので、ついでに、雨の原料の分布から雨の降りやすい場所もチェックしておきましょう。




 湿り気や温度が異なる空気がぶつかるとそこに前線ができるのですが・・・・・赤の点線の部分は、天気図に描かれていなくても前線に近い性質を持っている場所。

 今夜にかけて北の冷涼乾燥空気が優勢になってくるので、天気回復傾向ということがわかります。
 反対に、前線帯にあたる沖縄付近には暖かく湿った空気が流れ込むので雨模様

 以上を今夜の予想天気図上にまとめてみると・・・・




 こんな感じになるでしょうか?
 今日の天気チェックの流れ・・・実は、予報を作成するときの流れ(かなりイイカゲンですけど)。
 これを反対の流れにすると・・・お天気キャスターの解説の流れになります。
 
 専門天気図というと難しそうな気がしますけど、予報を作るんじゃなくて、深読みするために使うなら気軽に使えばイイんです。
 ネット上でタダで見ることができますから、興味を持たれた方は今日掲載した図を参考にして使ってみてください

 日本気象HP: http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fsas24&cat=e2

 で・・・具体的な空模様は・・・・・




 専門の天気図を見てきましたから、特にコメントはいらないと思いますが、この図からは風が収束する場所と雨の関係を読みとっていただければ、「いっそう美味しくお召し上がりいただけます」というところです。

 最後に、マークの予報を掲載しておきます。




 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 
 
 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)

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Posted by kasayan at 07:26Comments(0)雑記

2011年10月30日

西からゆっくり下り坂、安全マージン考えて(10月30日)


 昨日朝は、風邪をひいて咳が止まらず、ボロボロのブログ更新になっちゃいました・・・・・
 病院でもらった強力な風邪薬のおかげで丸一日ほとんど睡眠状態で過ごしたので、なんだかついさっきブログを更新したばかりのような不思議な気持ちでPCの前に座っています。
 今朝も最小限・・・ショートバージョンで更新します・・・ゴメンナサイ。

 空模様のほうも、昨日の朝からの変化はそれほど大きくはありませんが・・・・・




 九州付近にあった雨雲は一日かけて西日本全体に拡大
 先端は北陸付近にかかっています。

 この図は午前3時のレーダー画像ですから、雨雲の東端のちょっと先・・・・長野県ではまもなく雨になって、関東でも昼頃には・・・・・・・・なんて気がしますが・・・・・・・

 府県天気予報を読んでみると・・・・・・
   長野県北部: 「くもり 夜遅く 雨」 ・・・かなり遅め
   東京地方: 「くもり 所により 昼過ぎ から 雨」 ・・・・ぐずつくだけ?

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 今日の天気・・どうなっているんでしょうか?




 日本海に発生した低気圧・・・イマイチ発達せず、東進の速度もゆっくり
 低気圧から南に延びる弱い気圧の谷・・・・風が集まるシアーライン(収束線)に対応しますが・・・の動きもゆっくり

 とにかく気圧配置の変化がゆっくりですが、気圧配置がゆっくり、それも少しだけ変化するときは、コンピューターのシミュレーションも非常に微妙
 早く・大きな変化のとき、少しのズレは感じにくいものですが、遅く・小さく変化するときは、少しのズレが目立ってしまう・・・というイメージです。

 今朝の短期予報解説資料(プロ用の資料)を読むと、気象庁ではGSMというシミュレーションを使って予報を組み立てているようですが、GSMが予想する雨の予想を見ると・・・・




 雨のエリアの東への拡大が遅く府県天気予報の内容とほぼ整合しているように思えます。
 長野県北部などでは一時的に雨が降る可能性はありますが、予報どおり本格的な雨は「夜遅く」という感じ。
 関東も「所により」という表現をしているのが理解できます。

 一方、MSMという別のシミュレーションを見ると・・・・




 雨域の東への拡大がGSMよりやや大きい感じ。
 さあ・・・どうしたもんか?

 気象庁の熟練の予報官が、計算値のクセや実況を考慮して考えた府県天気予報通りのなる可能性が高いと考えるべきですが、とるべき安全マージンは日々状況のよって変化します。
 そこで、MSMを参考にして、少し前倒しの降り出しを予想して、安全マージンをとっておくわけです。

 たとえば、長野県北部なら午後はアヤシイ・・・と考えるわけですが・・・・・
 イイカゲンな感じがしますけど、結構イイ線いくんですよ!
 
 今や気象レーダーも携帯電話でチェックできるようになっていますから、レーダーも併用して、行楽の雨を避けてください

 とりあえず、今日の天気変化が遅い理由・・・考えておきました。




 天気悪化のモト・・・上空の気圧の谷の東進が遅いこと。
 そして、日本全体を覆うような広範囲に深まり方ではなく、東西600キロくらいのシャープな深まり方で、影響するエリアが絞られているということ。

 そして、雨の降り方が微妙な理由は・・・




 予想天気図のアニメでは、低気圧と弱い気圧の谷として一体的に描きましたけど・・・・・
 実際は、南岸の前線帯と日本海側の前線帯と二つにわけて考えることができ、南岸は強めの暖湿気(雨の原料)の流入で雨が活発・・・・日本海側への暖湿気の流入はイマイチなので雨もイマイチと理由づけができそうです。

 11時発表の予報で修正が入るかもしれませんから、気になる方は再チェックしてください。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

11時40分追記
 はっきり言ってしまえば、今日GSMを採用するとした予報官の判断は失敗だったと思います。
「降水についてはMSMを参照」という判断をすべきだったかと・・・・・
 11時におもいっきり修正がかかっている地域がありますから、これからお出かけの方はご注意を

PS,以前、本の企画についてメールをたくさんいただきました。返事をコツコツ書いているのですが、もう月末になってしまいました。
 たぶん、今日明日には返事を書き終わるのでは・・・と思いますので、返事が遅くなってしまった方・・・もうしばらくお待ちください。

 
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Posted by kasayan at 07:28Comments(3)雑記

2011年10月29日

週末の天気はゆっくりと(10月29日)


 久々に・・・・風邪ひいちゃいました。
 昨夜から咳が止まらなくなって寝不足状態・・・身体は重く・・・・・・

 とはいっても、・・・・「たまにしか天気チェックをしない有名気象予報士より、毎日天気チェックをする無名気象予報士のほうが頼りがいがある」・・・・というもの。

 今朝はまとめた図だけを掲載しますので・・・・府県天気予報を読むための資料として活用してください

 実況チェック3点セットで今朝の様子をチェックして・・・・




 今朝の気圧配置が今夜~明日夜と、どのように変化するのか?・・・天気変化の骨組みのチェックをして・・・・




 具体的な雨の様子を、雨の原料を運びこむ風の様子とからめてチェックすると・・・・




 気圧配置とからめた天気変化の様子が見えてくるはず・・・・なので、これを頭に思い浮かべながら・・・・最寄りの地域の府県天気予報や天気マークの予報をチェックする・・・・・

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 その流れの続きで・・・日曜日もチェックしてみる・・・・




 もちろん、府県天気予報で最寄りの地域をチェックするけれど・・・・17時の最新の予報でも再チェック・・・・

 こんな流れで・・・セルフチェックしてください。

 
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Posted by kasayan at 08:00Comments(2)雑記

2011年10月28日

週末の天気はギリギリまでチェックの価値あり(10月28日)


 今朝6時現在、日本で1番寒いのは岩手県藪川2番目に寒いのが長野県菅平
 放射冷却の影響で、よく晴れた本州が、北海道より寒くなっています。




 写真は今朝6時・・・氷点下の菅平




 一番高いとがった山が根子岳・・・右側の裾野の高原に菅平アメダスがあります。




 写真中央の銀色の筒がまさに菅平アメダスの通風型の電気式温度計
 標高は1253 m・・・どんなに山深いところだろう?・・・と思われるかもしれませんが、レタス畑の中にある学校の校庭の横にあって、日本一を記録したときでも、校庭では子供たちが早朝のランニングをしていたりします。
 一度アメダスを訪ねておくと、無味乾燥な観測値から景色が思い出され、季節の便りのように思えるから不思議です。

 そんな今朝の実況チェック3点セット
 



 九州南部で雨が降っています。

 実況天気図を見ると、日本付近は帯状の高気圧に覆われていますが、九州付近は弱い気圧の谷
 条件さえ整えば、等圧線のこんなゆらぎだけで雨になってしまいます。

 これを同時刻のMSMというシミュレーションの計算値で見てみると・・・・




 上空5700m付近では、九州の西に弱い気圧の谷・・・天気予報番組でわかったようなわからないような・・・「上空の気圧の谷の影響で・・」と解説されるアレです。

 この上空の谷が地上に低気圧性の反時計回りの渦パワーを送り込み、地上では弱い気圧の谷が発生・・・・弱い気圧の谷付近では風が大きく蛇行シアーラインといいます)・・・・急カーブには空気が渋滞して上昇気流発生・・・雨雲成長という仕組み。
 この仕組みが、これから週末にかけてどのように変化するのか?・・・週末の天気からチェックしてしまいましょう。




 今朝、九州付近の西にある上空の気圧の谷は、明日の昼には東日本まで進んで消滅
 日曜日になると、新たな深い上空の気圧の谷が朝鮮半島付近に接近して広く天気は下り坂というのがチェックポイント。

 でも・・・・明日東日本で消滅する上空の気圧の谷はホントに消滅して影響がなくなるの?
 日曜日にやってくる深い気圧の谷の東進の程度や深まり具合はホントに計算値どおり?
 このあたりがちょっとアヤシイ・・・・
 行楽の天気チェックは、できるなら当日の朝05時発表の予報で判断、ダメなら前日17時発表の予報で判断するなど、ギリギリまで期待してみるのが吉だと思います。

 ということで、週末の天気からチェックしてしまったので、今日の天気を・・・・




 これだけ高気圧に覆われていて、週末の天気がイマイチなんて想像できないですよね?
 
 このブログでは、500hPa、上空約5700m付近の天気図を、「地上の気圧配置の骨格」なんて言ってよく使いますが、その理由は地上の天気図だけではなかなか見えてこない天気悪化の理由がわかりやすいからです。
 等圧線(正確には等高度線)が凹になっている部分・・・上空の気圧の谷を探すだけで天気悪化の目印になりますから、興味のある方は使ってみてください。

 FXFE502(上段の天気図2枚、左下の日時は世界標準時なので+9時間)
  http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

 例によってMSMシミュレーションで見る今日の空模様は・・・・(紫は下層雲)




 九州や山陰でぐずつく感じですね。
 矢印が急カーブしている九州南部・・・・シアーラインがどこなのか?わかりますか?

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 
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Posted by kasayan at 07:03Comments(0)雑記

2011年10月27日

冬型ゆるみ秋晴れも・・週末の天気は・・・(10月27日)


 長野県と群馬県の県境の山々・・・昨日夕方草津白根山方面の景色。




 薄っすらと雪が積もっていますよね・・・「・・山の雪だより・・・♪」です。
 すでに初冠雪(東方連山)の便りは届いているんですけど、やっと写真におさめることができました。




 そして、今朝の志賀高原、横手山付近の様子。
 朝焼けの空に標高2000m以上の山々が凍りついている感じです。




 衛星画像を見ると、冬型はゆるんで、今朝は全国的に秋晴れ
 このため放射冷却が強く、気温が低下しています。
 今朝6時現在、日本で最も気温が低いのは、長野県開田高原の-4.1℃(5時40分)。

 日中は気温も上がり、まさに秋という天気になりそうですが・・・・そうなると雨続きだった週末の天気・・・今週こそは!!という気持ちになりますが・・・・どうでしょう?

 まずは、今日の天気からチェックしていきます。




 秋の移動性高気圧に覆われて、誰が見ても秋晴れの気圧配置。
 ケチをつけるとすれば、高気圧の中心が北寄りなので、海面の湿り気を吸い込んだ北東風が流れ込む関東や九州南部で雲が広がりやすいということくらいでしょう。

 いつものように、MSMデータで詳しく。




 高気圧が北日本を横断
 それにともなって、北東風が吹き込む南岸で雲がかかる雰囲気が伝われば・・・・・

 では、問題の週末の天気
 とりあえず、今朝発表の短期予報解説資料というプロ用に資料を見ると・・・・・




 今日の晴天をもたらす高気圧が東海上へ遠ざかってしまいますが、明日夜には朝鮮半島付近に次の高気圧がやってきます。
 この高気圧が、日本付近にやってくればイイんですけど、どうも朝鮮半島付近でコースを北東に変えて、日本までやってきそうもない雰囲気。




 忘れかけていた秋雨前線の残骸がゆーっくりと北上して、西日本南岸から雨模様
 低気圧によるメリハリある雨というわけじゃないので、例によって計算値が微妙に変化しそうですから、今から週末の行楽をあきらめる必要はないと思いますけど、コマメに予報と実況を把握して、天気を見方につけたいところです。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 
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Posted by kasayan at 07:00Comments(3)雑記

2011年10月26日

冬型の気圧配置ゆっくり緩む(10月26日)


 昨日からの東京大手町の風の様子・・・・・




 昨夜18時頃から北風に変わって風速が上がり始めましたが最大6m/sまで
 10分刻みの観測値では7m/sも観測しましたから、木枯らし1号の定義「8m/s」目前まで風速が上がったのですが・・・届かず・・・・昨夜の木枯らし1号の発表は見送りになったようです。
 (今日日中、イレギュラーに8m/sを記録すれば木枯らしになりますけど・・・どうなりますやら?)




 もっとも、空模様は冬型
 日本海一面に筋状の雲(冬なら雪雲になる雲。日本海の水蒸気が風に沿ってロール状に対流してできます。)が広がって、日本海側沿岸は時雨れています。

 昨夜9時の上空約1500mの気温の様子を見ると・・・・・




 高い山や高原で雪になる0℃のラインが日本海沿岸まで南下
 北海道の峠道では、降雪だけでなくさらに積雪が観測されています。
 峠でなくとも、雪混じりの雨になっている所もあるんじゃないでしょうか?

 また、西日本から寒気が南下してきたので、西日本ではこの秋一番の肌寒さになったところが多いようです。

 ただ、冬型の気圧配置は早くも緩む傾向




 能登半島の北50Kmにある舳倉島という小さな島の灯台の風の様子を見ると、風速や波高が徐々におさまってきました
 日本海に飛び出たアンテナのような風速計ですから、冬の季節風の最先端を計るにはもってこいの観測値。
 東日本の風の変化を考えるヒントになります。
 (西日本では隠岐や見島など)

 ちなみに、この観測値は、各地の灯台の風向風速等を表示してくれる海上保安庁のMICSというサイトからの引用。

 海上保安庁MICS: http://www6.kaiho.mlit.go.jp/kisyou.html

 気象庁のアメダスはやや内陸部にあるため、地形の影響を受けやすいのですが、吹きさらしの灯台の観測値は、気圧配置に起因する風の様子をリアルに表示してくれます。
 Kasayanがヨットで本州一周したときには、テレホンサービスでこの情報を使い倒しましたが、気圧配置と風の関係を読みとるには大変重宝な情報。
 ライブカメラもありますから、海好きの方、沿岸部にお住まいの方にはオススメの情報です。

 さて、今日の空模様・・・・・




 西高東低冬型の気圧配置といえば、日本海側と太平洋側で天気傾向が二分されるのはご存じのとおり。
 高気圧が張り出してくるとともに、日本海のしぐれも西から回復してくることになります。




 MSMシミュレーションでも、その様子がよくわかりますよね?
 各地の回復のタイミングについては、いつものように府県天気予報で確認してください。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 となると、残るは気温




 上空約1500mの0℃のラインは、今朝の段階で北陸まで南下していますが、夜にかけてゆっくり北上
 寒気の抜け方がゆっくりなので、やや強めの風と相まって晴れても肌寒く感じられるかもしれません。

 また、西高東低の気圧配置が緩んで高気圧に覆われると、翌朝は放射冷却というのがパターン。
 農家の方は、霜注意報の発表にアンテナを立てておいてください。

 で・・・今後の気温の見通しですが・・・・




 異常天候早期警戒情報というおどろおどろしい名前の情報ですが、30日あたりから平年をかなり上回ることになりそうです。
 
 
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Posted by kasayan at 06:17Comments(4)雑記

2011年10月25日

今夜冬型へ、長野初雪?関東木枯らし1号?(10月25日)


 行きつ戻りつする季節の変わり目・・・今日は初冬が季節のドアをたたきます




 さっそく実況3点セットから。

 誰が見ても天気悪化の前兆がわかりますよね?・・・・寒冷前線の通過
 寒冷前線が通過するタイミングで雨が降る・・・というのは教科書通りですが、教科書通りにならないのが空模様のメンドウで面白いところ
 今朝は、前線通過前にも暖かく湿った空気の流れ込みで雨雲が発生・・・西日本中心に雨が降っています。

 この寒冷前線通過で何が起こるのか?・・・今日の天気をチェックしていきましょう。




 この季節、低気圧と前線が通過して西高東低の気圧配置になる・・・・前線の後から寒気が南下してきて、日本海側はしぐれて、寒気の強さ次第では雪も・・・・という流れも教科書通り。
 でも・・・・教科書通りにならないのが実際の空模様。

 まずは、今日の天気変化の第1段階・・・前線通過のタイミングで降る雨から見ていきましょう。




 前線に沿った雨の様子は言わずもがなですが、前線通過後に南西の風が北西の風に変化する様子がハッキリと計算されています。
 この季節・・・急に北風が吹きだして気温が下がるといえば・・・・「木枯らし1号」
(昔、NHKBSの天気予報で「木枯らし一番」と言ってしまい落ち込んでいた同僚を思い出すんです・・このコトバを見ると)




 気象庁の時系列予報では、夕方から風向きが180度変化して強まり、気温が急降下
 木枯らし1号の定義は「10月半ばから11月末・西高東低の冬型の気圧配置・北よりの風速8メートル以上」ですが、東京大手町の気象庁で風速8メートルを観測すれば定義にバッチリあてはまります。
 気象庁の営業時間?との関係で吹きはじめの時間が気になりますが、可能性はあるかな?

 横道にそれてしまったので・・・・次は、前線通過後の寒気の南下について。




 これは上空5700m付近の寒気・・・天気予報番組で天気図上に「冬将軍」とか「寒」のマークを載せる場合の原図です。
 今日あたりは、北海道の西側に「冬将軍」マークを載せるパターンでしょうね。
 教科書通りだと・・・・-30℃の寒気が平地で雪の目安と言われますから、北海道は平地でも雪の可能性がたかくなってきそう・・・ですが・・・・・




 こちらは、地上に近い上空1500m付近の寒気
 0℃なら、そこそこの高原で雪になることが考えられますが、その0℃のラインが今夜には山陰や北陸、東北付近まで南下してきます。




 ついにKasayanの住む長野県北部の予報に「雪」の文字がついてしまいました。
 標高の高いところで雪が混じる程度でしょうけど、ついに来たか・・・という感じ。

 じゃぁ上空に強い寒気が近づいてくる北海道はどうよ?と思って北海道各地の予報を見ると、明日の「胆振西部」を除いて「雪」の文字は見当たりません
 上空1500m付近の気温の様子をもう一度良く見ると、北海道の北へ進む低気圧に吹き込み暖かい風の影響で、道東を中心に気温が高め
 明日朝の予想気温ものきなみ5℃を上回っているので、雪が予想されていないのでしょう。

 でも・・・・教科書通りにならないのが空模様(しつこいですね)・・・・先日の稚内の初雪は地上付近が6℃以上なのに降りました。
 今日17時に発表される最新の予報で確認しておいたほうがイイんじゃないかと思います。

 最後・・・明日朝の気温はまだそれほど下がらないと思いますど・・・明後日朝の気温が特に要注意
 農家の方・・・・霜注意報の発表には注意をしておいてくださいね。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 
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Posted by kasayan at 07:21Comments(2)雑記

2011年10月24日

天気再び下り坂、気温も下降中(10月24日)


 昨日、本州南岸中心に気温上昇・・・・そして夕方以降は所々でにわか雨・・・・
 にわか雨の雨雲は今朝も関東付近に残っています


 さあ・・・今日から秋晴れだぁ・・・・と言いたいところですけど、朝鮮半島付近にはモワッとした雲のカタマリが・・・

 次に天気を悪くする原因・・・上空の気圧の谷が早くも西から迫ってきていて、今夜から明日にかけて天気は再び下り坂

 まずは、予想天気図で概観しておきましょう。




 日本だけを見ると、発達した低気圧も無いので、とりあえず今日の日中は晴れ間も出そうですが、日本周辺を高気圧が取り巻いているということは、相対的に日本付近は気圧の谷
 雲がとれにくく、スカッとした秋晴れ復活というわけにはいきません。

 それどころか、地上に天気悪化のパワーを与える上空の気圧の谷が西から接近
 日本海に低気圧が発生して北東進・・・・明日には北海道の北で急激に発達します。
 夕方以降は、山陰や東北北部から天気は下り坂

 上空の気圧の谷がやってくるタイミングが天気悪化の目安になりますから、上空の気圧の谷の様子をチェックしておきましょう。




 今日は上空の谷が「接近」までですが、明日「通過」へ。
 「接近」に伴う影響は、日本海での低気圧発生と、山陰・東北北部の雨

 明日は上空の谷の通過直前が雨のピーク
 ピークのタイミングは、西日本で明日未明~午前中、東日本は昼頃から?北海道は夕方頃?
 新しい計算値で明日朝キチンとアニメにします。

 そして、一雨ごとに季節が進むこの時期・・・・上空の谷が通過すると当然寒気がやってきます




 北海道には再び-30℃以下の寒気が接近。
 前々回の寒気では、旭川に初雪、前回の寒気では稚内で初雪、今回の寒気では?

 明日夜には一応冬型の気圧配置になりますが、関東では「木枯らし1号」が吹くでしょうか?
 昨年は10月26日に観測されていますけど・・・・風向・風速ともに厳しいかな?

 明日にかけて下り坂ということは確かなので、下り坂を降りはじめる今日の空模様を詳しくチェック。




 気圧の谷にあたる日本付近・・・・スカッとした秋晴れにならないということがわかるように、下層雲の様子も表示しておきました(紫色)。
 雨のエリアは一部だけですけど、冷たく湿った空気が流れ込む関東~東北沿岸部を中心に、雲が多いことがわかります。

 この様子・・・気象庁発表の予報で見ると・・・・・




 太陽マークはありますが、左側に雲マークがある「雲優先の晴れ」エリアと、左側に太陽マークがあっても「のち 曇り・雨」エリアばかり。

 明日になると傘マークのオンパレード。
 今週前半は、イマイチの天気です。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 一応、気温の変化傾向をまとめておいたので・・・・




 低温のピークは明日と明後日
 その後は平年を上回る気温が予想されていますから、温度差の激しい一週間になりそうです。

 
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Posted by kasayan at 07:10Comments(0)雑記

2011年10月23日

回復はやや早めに、気温上昇夏日も雷?・・(10月23日)


 2週続いた雨の土曜日でしたが・・・・・
 日曜日の朝・・・・雨はどうなってる?・・・・気になる方、多いですよね?




 午前3時の実況3点セット。
 関東南岸で激しい雨、北日本日本海側にも活発な雨雲がありますが、全般に陸地に雨雲は少なめ
 最新の雨雲の様子はレーダーでチェックしていただくとして・・・・・

  気象レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/

 なんとか日曜日の空模様は、早めに回復という感じがしますが・・・




 今夜の予想天気図を見ると、低気圧や前線は北に進んで、日本海にちっちゃな高気圧
 小粒の高気圧で、中心が日本海にあるので、日本全国スカッと秋晴れをもたらすパワーはなさそうですが、それなりの青空は運んできてくれそうな感じがします。

 秋の高気圧ですが、夏の太平洋高気圧と冬のシベリアの高気圧にはさまれながらも頑張ってくれたので、新しい予報が発表されるたびに、少しずつ傘マークが減っていきました。

 ただ・・・・パワーの弱い高気圧ですから・・・・




 短期予報解説資料を読むと、トラフ=上空の気圧の谷の影響で、大気が不安定
 局地的に雷雨が予想されています。

 「上空の気圧の谷の影響で・・・」だけでは????なので、上空の天気図でチェック。




 等圧線(正確には等高度線)が凹になっている上空の気圧の谷が、浅くなりながらも日中東日本を通過

 上空の気圧の谷は、反時計回りの低気圧性の渦パワーを地上に送り届けます。
 さらに、上空の気圧の谷は、そこそこの寒気を伴っていますから、特に、昨日から流れ込んだ暖かい空気や湿り気がある場所では雷雲の発生が予想されるわけです。

 今日の予想気温




 南岸を中心に夏日の予想。
 10月ですけど、夕立という言葉が似合いそうな雷雨になりそうです。

 いつものMSMシミュレーションを見ると・・・・
 






 なんだか夕立は少なそうに見えますけど、このシミュレーションは5Km格子で計算していて、10~20Km以下の雷雲については計算の限界
 雨が計算されていないからといって、安心はできないわけです。

 じゃ・・・どうすればイイ?
 気象庁の予報官は、統計的な別の計算値なども使ってキチンと予想してくれています。
 最寄りの地域の府県天気予報に「雷」の文字があるのか?チェックしてください

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 
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2011年10月22日

荒れ模様の週末・


 週末土曜日・・・荒れ模様の朝

 大雨に関するニュース原稿の元ネタ・・・「大雨情報」や「竜巻注意情報」が発表されています

 「大雨情報」: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
 「竜巻注意情報」: http://www.jma.go.jp/jp/tatsumaki/

 実況3点セットで今朝の空模様からチェックしておきましょう。




 いつも天気チェックをしながら思いつくまま図を作って、その後でブログの構成を考えているんですが・・・実況天気図の色塗りは、気圧配置と暖かい空気・冷たい空気の関係をなんとなくイメージして色塗りしたもの。

 晩夏と晩秋の空気が日本付近で混ざり合おうとしている雰囲気が伝わるんじゃないかと・・・・・
 なんとなく激しい現象が起こる感じがしますよね。

 多くの方は、この荒れ模様・・・いつ回復する?明日の日曜日には回復するんだよね?と考えておられると思いますが・・・・・
 まず、今日の空模様から。




 今夜の予想天気図も、前線が記載されておらず、間が抜けた感じの天気図になっています。
 どこで雨が降るのか?・・・これだけで解ったらすごいと思います。




 昨日ご紹介した短期予報解説資料http://img.n-kishou.co.jp/image4/lfax/tkaisetu_201110220340.pdf)を見ると、昨日に引き続きシアーライン(空気が集まって上昇気流が出来る場所)と暖湿気がポイントになっていますが・・・・まだわかりにくいですよね・・・・

 で・・・・・こんな図を作ってみました。




 シアーラインといっても、今回のものは寒気と暖気(密度差がある空気)がぶつかっているわけですから、寒冷前線として解析してもイイんじゃないかと思うんですけど・・・・
 密度差という定義にこだわり過ぎるあまり、天気図を見る人に情報が伝わらないのは本末転倒のような気がします(解析しないならそれを表現する新たなマークが必要なのかも)。

 で・・・具体的な雨の降り方は・・・・




 南岸の雨の降り方は、寒冷前線のそれとそっくり
 狭いエリアに活発な積乱雲(雷雲)が並び、ゆっくりと東進
 急に雨が強まって突風も・・・・さらに竜巻も予想されます。

 また、北海道方面でも夜には活発な雨
 こうやって見ると、今日は全国的に荒れ模様の天気と思っておいたほうがよさそうです。


 で・・・・明日(日曜)はどうなるのよ?・・・GSMという計算値でアニメを作ってみましたが・・・・




 低気圧や前線が北海道の東海上に抜けますけど、東日本はぐずつき気味・・・・北陸~東北日本海側は回復が遅れてしまいそうです。
 でも、そのぐずつきの程度は・・・今日17時に発表になる最新の府県天気予報で判断するのが吉
 計算値が微妙に変化する可能性がありますから・・・早合点は損するかも?

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 
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Posted by kasayan at 07:31Comments(0)雑記