2011年05月31日
東日本の風と全国の天気傾向(5月31日)
台風2号と台風2号崩れの低気圧に翻弄された月末でしたが、5月最終日はどうにか爽やかな晴天に恵まれそうです。
もっとも、明日6月1日には、早くも下り坂。
今日のブログはシンプルにまとめておきます。
ということで、まずは気圧配置と大ざっぱな風の様子から。

解説はすべて書き込んでありますから、この図の見方をちょっとだけ・・・・
テレビやネットでも予想天気図が表示されますけど、「何時の気圧配置なのか」と意識してご覧になっている方はいらっしゃいますか?
予想天気図はあくまで「ある時間の気圧配置」を切り取って表示しているだけですから、頭の中ではアニメーションのように気圧配置の動きをイメージすることが大切です。
「天気は西から変化する」というお約束で十分ですから、上の図に書き込んだ気圧配置の影響の変化を考えてみるのがオススメです。
で・・・・今日の天気分布と詳しい風の様子。

こちらも必要なことは図に書き込んであります。
東日本の太平洋側で北東の風が強く、山陰方面から下り坂というのが今日のポイント。
この図については、上で見た気圧配置と併せて天気変化と風の変化をイメージしてみてください。
こちらは今日の半分・・・正午の計算値を使っています。
以上で、終わり・・・ですが、オマケに高層天気図を使った簡単な天気変化のチェック方法を・・・・

上空5700m付近の天気図ですが、実線は等高度線と言って、普通の天気図の等圧線と同じに考えればOK。
地上より上空のほうがシンプルな気圧配置で、地上の気圧配置の傾向と対応していますが、地上の天気図はちょっとだけ上空の気圧配置より東に先行する傾向があります。
書き込みのように、上空の天気分布を考えて・・・ちょっとだけ東へ進めて考えると、地上の天気分布をシンプルにイメージすることができます。
また、上空の気圧の谷(等高度線が凹の部分)が深くなる傾向だと、地上の天気は悪化して、特に低気圧は発達傾向。
地上の天気図だけでは低気圧が発達するのかしないのか?わかりませんが、上空の気圧の谷が深まる傾向か否かをチェックすると、地上の低気圧の発達傾向もわかります。

そして、上の図と同じ高さの気温の分布。
-18℃以下のエリアが次にやってくる上空の気圧の谷と対応していることがわかります。
天気予報ではしばしば「上空の寒気の影響で大気が不安定」とか、「寒気を伴った低気圧の影響で」なんていう解説がありますが、まさにコレ。
書き込みのようなことが予想されます。
上空の天気図・・・興味ありませんか?
興味をもたれたのなら、以下のURLで入手して眺めてみてください。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
2011年05月30日
台風2号崩れの低気圧の影響
台風2号は温帯低気圧になりましたけど・・・まだまだ大雨を降らす恐れがあるので要注意。
今朝は時間があまりないので、簡単に誰もが知りたいことをザッとチェックしておきます。
まず、誰もが一番知りたいこと・・・「雨はいつ止むのか?」ということと、「どの方向で風が吹くのか?」ですが・・・

雨(青とオレンジのエリア)と風(矢印)の様子をまとめてアニメにしちゃいました。
傾向は図を見ればわかると思いますが、ポイントは渦の中心・・・低気圧の動きが遅いこと。
つまり、朝の段階で雨が降っているところでは雨がなかなか止まないということと、地震の被災地がある東北の雨が一日続くということです。
あと、原発付近では海から陸へ吹く強い東~北東風が続くということでしょうか。
①「何ミリ降るの?」 については、気象庁発表の全般気象情報・府県気象情報で・・・・
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
②「具体的にいつ止むの?」については、気象庁発表の予報「文」
http://www.jma.go.jp/jp/yoho/ (マークをクリックして表示される各県の予報の文章)
・・でチェックしてください。
ちなみに、予報文に書かれている「止むタイミング」は下の表でチェックしてください。
日常使われているコトバですが、実は3時間毎に定義されていて、あたかも時系列予報のように読むことができます。
また、いわゆる電話番号や郵便番号などで検索できるピンポイント予報のような、生のコンピューターデータとは違って、各地の気象台の予報官が計算値をキチンと修正して発表しているもので、安全マージンも考慮された予報ですから、Kasayanとしては、この予報文を使用することをオススメします。

あとは、今日の雨の傾向を・・・・

昨日の記事にも書きましたが、低気圧を中心に地上付近の風が回転(台風の名残)していて、低気圧の東側を暖湿流が北上し、低気圧の北側をグルリと回るように、北陸などの日本海側に吹きつけています(赤矢印)。
(上のアニメの風の矢印もそうなっていますよね)
そのため、低気圧の中心から遠い日本海側・・・北陸でもまとまった雨になっています。

暖湿流の流れに沿って雨雲が北東方向から北陸西部に流れ込み、大雨になっているのがわかりますよね?
特に強い雨が降っているのは、暖湿流がぶつかる北陸西部沿岸の山岳地帯の北~北東斜面。

これから、雨の中心は東北に移動しますが、上のアニメに描かれている矢印がぶつかる山岳地帯の風上側中心にまとまった雨になることが予想されますから、ご自分が山のどのあたりに居るのか?を考えて、大雨に備えることをオススメします。
ということで・・・・今朝はこのくらいで・・・・・
2011年05月29日
台風2号予想進路と風・雨の様子(5月29日)
今日から明日にかけてが台風2号のヤマ場ですから、気象庁発表の情報を中心に、テレビやネットの天気予報では解説しないこと・・・・「大雨」ならその理由、「強風」ならその理由・・・をまとめて、”防災の自己判断”に役立つ情報?をまとめておくことにします。
なお、頻繁に更新される予想進路図は、気象庁HPの予想進路図(http://www.jma.go.jp/jp/typh/)でコマメにチェックするのがオススメ(ブログじゃダメです)。
コースがどうしても気になる方には、セカンドオピニオンとして、米軍の台風予想進路図(http://www.usno.navy.mil/JTWC/ TC Warning Graphic)をご紹介しますが、これから温帯低気圧化して中心が拡大しますから、コースにこだわるよりも「台風の接近に伴い何が起こるのか?」をイメージするほうが重要です。
では、昨日と同様、今日から明日にかけての台風の様子をイメージするためのアニメから。
昨日までとは異なり、MSMという通常の天気予報よりさらに解像度の高い気圧・1時間降水量・風のシミュレーションに、風向の傾向や、およその中心位置を書き込んでアニメにしてみました。


原発がらみで放射能が気になる方のために、今日12時の詳しい風の様子も掲載しておきましたが、余計なことを書かなくても「見ればわかる」ですよね?
気象庁発表の台風予想進路図とは微妙に異なる部分がありますが、中心位置にはこだわらず、「自分の周辺の風向はどのように変化するのか?」「雨はどのタイミングで強まるのか?」「コースが若干変化した場合、イメージをどのように修正するか?」を考えておくことをオススメします。
で・・・・台風の様子がイメージできたところで、昨日同様、29日午前3時過ぎに発表された”短期予報解説資料”というプロ用に資料をザクッとチェックして、気象庁の予報官が、今朝の天気予報を作成するにあたって、「どのような思考過程をたどったか」を考えてみましょう。
これによって、予報を詳しく理解できるとともに、はずれた場合の修正方法を想定することも可能になります。
まずは、実況・・・観測値を見て、予報官は何を考えたのか?・・から。

赤のアンダーライン部分がポイントですが、簡単な事だけが書かれています。
②の雨の様子は、レーダー画像(http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/)でチェックすればOK。
「寒冷渦」とは、昨日の記事に詳しく書きましたが、上空の寒気の塊のこと(図に書き込んでおきました)。
寒冷渦が東進している・・・ということは、暖気の塊である台風と間もなくぶつかって、雨雲を発達させるととももに、台風を温帯低気圧化させるということを意味しています。
図には、今後の予想も書き込まれていますから、次は、予報官がどのようにして予報を組み立てたか?・・・という点について。

黄色のアンダーラインが「予想の理由」で、赤のアンダーラインが「何が起こるのか?」ということ。
それほど難しいことは書いてありませんよね?
①②ともに、「湿った空気」とか「暖かく湿った」と書かれていて、ニュースなどでもよく聞かれるコトバですから、これは一応図でチェックしておきましょう。

書き込みを読んでいただければOK。
水色の濃いところに雨の原料が集中していると思ってください。
以上の事だけ知っていれば、テレビやネットで最新の天気予報や解説を見ても、何が起こるのか?どうなるのか?簡単にイメージできると思います。
ということで・・・最後は、ご自分で台風の様子をチェックできるように、実況データの簡単な見方を・・・

どのサイトのアメダス観測値を使っても良いのですが、台風には反時計回りの風が吹きこむので、風向をチェックするだけで台風のおよその位置と、これから風向や風速がどのように変化するのか?をある程度イメージすることができるはずです。
気象庁発表の予報「文」(マークじゃありません)(http://www.jma.go.jp/jp/yoho/ ご自分の地域をクリックすると予報文が表示される)に書かれている風向と照らし合わせるとなおイイですね。
また、雨の様子は、上にも書いたようにレーダー画像(http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/)でチェックすればOK。
できれば動画で表示させて、強い雨のエリアの移動する様子を見れば、あらかじめ強い雨の有無を予想することができるでしょう。
Kasayanが住んでいる長野も、今日は朝から雨。
たぶん・・・・一日家で過ごすことになりそうですから、今日こそは、日中に追記や更新も・・・できるかな?
12時11分追記 アメダス風データとレーダーで台風の影響をチェック。暖湿気が台風の北側を大きく北に回り込み、台風の北東側、山岳の東斜面付近で大雨になっているようです。 ![]() |
2011年05月28日
台風2号予想進路と雨・風の様子(5月28日)
テレビやラジオの天気予報も、ネットの予報サイトも完全に台風2号モードに入っているでしょうから、ブログで同じことを書いたって意味がありません。
そこで、テレビの天気予報でキャスターがチラリと触れる話や、気象庁のプロ用の資料(短期予報解説資料)に書かれている「予報作成の根拠(キモ)」を簡単にまとめて、”自己判断の資料”を増やす手助けになりそうなことを書くことにしました。
ということで、コロコロ更新されるのでブログ向きではない予想進路図は、気象庁HPの予想進路図(http://www.jma.go.jp/jp/typh/)でコマメにチェックしていただき、セカンドオピニオンとして、米軍の台風予想進路図(http://www.usno.navy.mil/JTWC/ TC Warning Graphic)をご紹介するにとどめます。
で・・・・このブログでは、台風の進路がわかっても、「何が起こるのか?」がわからないと意味が無いと考えて、まずは視覚的に台風の影響をイメージできるよう、通常の天気予報を作成するためのシミュレーションの計算値・・・・GSMという資料に書き込みをしてアニメを作成しました。

沖縄が暴風域に入ってくるのは一目瞭然ですが、「先行して今日から本州南岸の梅雨前線が活発化」すること、そして「明日29日から明後日30日にかけて西日本~東日本の南岸中心に暴風と大雨のおそれがある」ということが、この図から読みとれるポイント。
なお、福島の原発がらみ・・・放射性の塵や気体の飛散が気になる方がいらっしゃるでしょうから、台風通過に伴う風向の変化について、オレンジの矢羽根を書き込んでおきました。
明日(29日)夜以降、関東地方では強い北東風が福島県方面から吹き込む可能性がありそうですが、あくまて放射性物質が多量に飛散した場合に影響がある・・・ということなので・・・・・
次に、気象庁がプロ用に発表している資料(短期予報解説資料)に沿って、台風に関する情報を簡単にまとめてみましょう。

上で見たアニメを一枚の図にまとめるとこんな感じ。
図の読み方を書き込んでありますから、解説は不要ですよね?
で・・・・この図に付随して、こんなコメントが書かれています。

①~③の考察が書かれているわけですが、赤のアンダーラインが「観測値や計算値を観察して読みとれること」で、黄色のアンダーラインが「読みとったことから考えられること」になります(だから「考察」ですね)。
ちょっと難しい感じがしますけど、いずれも天気予報番組でお天気キャスターが解説している内容を専門的に書いてあるにすぎません(キャスターは黄色のアンダーラインの部分しかコメントしないんですよね)。
まずは、台風の発達や衰弱に大きな影響を与える①海面水温の様子から。

台風のエネルギー源は暖かい海水(蒸気機関車みたい)ですから、日本付近の冷たい海水域ではエネルギーを断たれて台風は衰弱します。
予報官は、気象衛星で観測した海面水温の様子を見て、「台風は今後、衰弱過程に入る」と考えています。
また、台風が衰弱するとしても、「何時まで台風としての性質を維持し続けるのか?」「台風としての影響があるのか?」ということが気になりますから、予報官は、②台風が暖かい海水から暖湿気としてパワーを受け取る様子(相当温位)をチェックしています。

水色が濃いところほど、暖かく湿った空気として雨雲を作るパワーのあるところを意味しますが、台風が台風としての性質を維持している場合、台風の上空では温かく湿った空気が円形に渦を巻いているという傾向にあります。
図のように、明日(29日)21時の段階で、暖湿気の渦が台風上空に計算されているので、紀伊半島付近に進むまでは台風の性質を維持し、西日本の南岸は暴風域に入る可能性があると判断されているわけです。
最後に予報官は、③上空の寒気と相まって大雨になる理由を説明しています。

上空のジェット気流の蛇行が激しくなって、やがて上空の空気が流れから切り離されて淀みの渦のようになることがあります(蛇行する川の蛇行部分での淀みと同じです)。
その空気が冷たい空気だったとき、これを”寒冷渦”などと言うのですが、この寒気の渦が台風の接近と同じタイミングで、大陸から九州付近にやってきます。
寒冷渦の寒気と、台風の暖湿気がぶつかれば、大気が不安定になって、雷雲が発生。
夕立ならすぐに収まりますけど、台風が南から次々と暖湿気=雨の原料を吸い寄せるので・・・大雨の恐れがあるということです。
以上、今朝発表された予報のポイント①~③を簡単にまとめてみましたが、たぶん、多くのお天気キャスターは、①~③の中にいずれかを簡単に(結論だけ)説明するでしょうから、そんなときには、上の図を思い出してください。
最後は、今日正午の風や雨の様子。

詳しいことは書き込んであるので・・・・・
東日本太平洋岸は基本的に南東の風で推移しそうです。
週末ですから、時間があれば・・・気が向けば・・・・・随時加筆・・・あるいはブログの更新をしてみたいと思っていますので、気になる方はチラリと覗いてみてください。
2011年05月27日
台風2号予想進路と影響(5月27日)
5月最後の週末をひかえ、台風2号の動向が気になる方が多いと思いますから、今日は台風2号中心の内容で・・・・
まず、気になる台風の予想進路については、気象庁HPの5日間予想(http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html)でコマメにチェックするのが一番良でしょう。
そして、予想進路のセカンドオピニオンには、米軍の台風予想進路図(http://www.usno.navy.mil/JTWC/ TC Warning Graphic)を使われるのが良いでしょう。
問題は、台風が来てどうなるのか?ということですが、気象庁が計算しているシミュレーションのうち、GSMという通常の天気予報のモトになっている計算値に書き込みをして30日までのアニメを作っておきました。

ここ数日の記事に掲載した同じデータと比較していただくとわかりますが、昨日の段階で、台風の動きがやや早めに計算されるようになり、今日も同様の計算結果になっています。
つまり、計算が安定してきたということ。
そして、台風専用の計算値とも一致してきましたから、これからも微妙に速度やコースの変化はあると思われるものの、この計算値をベースに、何が起こるのか?を考えてよさそうです。
詳しいことは、アニメ中に書き込んでありますが、ポイントは「台風に先行してまず東海以西の太平洋岸で梅雨前線が活発になって大雨の恐れがあること」、「台風が南岸に極めて接近するため、台風の南岸通過に伴い、西日本→東日本と、雨風の強いエリアが約24時間をかけて移動すること」だと思います。
詳しい予想雨量などは、今夜、あるいは明日朝に気象庁から発表される全般台風情報(http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh_text.html)に詳しく掲載されるはずですから、必ずチェックすることをおすすめします(テレビのニュースの原本になるものですから)。
ところで、台風2号は、27日朝の時点で、フィリピン付近をノロノロと北上していますが、これは、台風を北上させる上空の弱い流れに流されているから。
これから、明日にかけて日本付近を東西に流れる上空の強い流れに近づいてきて、上空の流れに乗ると日本の南岸を北東へと進み始めます。

今夜(27日夜)の時点で、上空の強い流れは西日本の南岸付近(太い矢印)。
強い流れを南下させる(台風に近づける)上空の気圧の谷が朝鮮半島の西にあって、東進しています。
何時、台風がこの流れに乗るか?が台風の今後の位置を予想するキモになります。
あと、今後の天気予報番組では、「台風から湿った空気が梅雨前線に流れ込んで」という解説が多くなると思いますが、その様子。

台風の東側の南風が、太平洋の暖かく湿った空気(水色の濃いところ)を、日本の南岸の梅雨前線に運び込んでいる様子がわかります。
台風に先行して、東海以西の太平洋側の雨雲が活発になる様子を、上のアニメでもう一度チェックしておいてください。
最後は、原発がらみで気になるであろう風向きの様子。
上のアニメにもオレンジの矢印で書き込んでおきましたが、台風には反時計回りに風が吹きこみますから、台風の中心が関東の南岸を北東進すれば、福島沿岸から関東方面へと吹く北東の強風になることが容易に予想されます。
ちなみに、今日(27日12時)の風は以下の通り。

今日の段階では、梅雨前線の北側の東~南東の風が中心。
上のアニメと併せて、台風の接近、通過にともない、風向がどう変化するのか?を頭の中でイメージしてみてください。
台風には反時計回りに風が吹きこむ、高気圧からは時計回りに風が吹きだすというルールだけ知っていれば、そこそこイメージできると思います。
台風の接近、通過が週末ですので、必要があれば、この天気チェックのついでに、このブログも不定期に更新してみたいと思っていますので、興味のある方は時々のぞいてみてください。
2011年05月26日
台風2号速度速まる?天気は下り坂(5月26日)
そろそろ台風2号を気にする方が増えてくる頃なので、まずは台風2号の予想から・・・

昨日、一昨日の記事と見比べていただくとよくわかりますが、台風2号の日本接近の予想が3日ほど早まっています。
これは、台風を動かす上空の強い風の流れに何時乗るのか?というタイミングが、シミュレーション計算の初期値になる観測値が更新される度に変化するから。
この計算値は多くの計算値のひとつに過ぎませんし、今後も大きく変化する可能性がありますから、台風の進路が気になる方は、朝晩2回は気象庁HP(http://www.jma.go.jp/jp/typh/)で進路予想をチェックすることをおすすめします(計算が大きく更新されるタイミングでチェックするということ)。
で・・・どのような影響があるか?ということですが、これまた計算値が変化する可能性があるものの、最新の計算値から見ると・・・・29日夜・・・・・

台風が上空の強い流れに乗って南岸を北東進するタイミングで、太平洋岸中心に大雨の恐れ。
長時間強い雨が降り続くというものではなさそうですが、一時的に集中豪雨のような雨が降る恐れも考えられますから、この週末のレジャーを予定されている方は、コマメな予報チェックは欠かせませんね。
ということで・・・・台風2号の話はこのくらいにして、下り坂の今日の天気。

今日も天気変化が微妙な梅雨の天気を把握するため、「短期予報解説資料」というプロ用の資料で気圧配置の「流れ」をチェック。
ひとことでいえば「西日本から前線が北上して西から天気は下り坂」。
昨日の朝の計算値より、前線北上のタイミングが遅くなっています。
詳しい雨の様子は・・・・

今日の雨の到達地点・・・・中部地方の雨の降りだしは夜になりそうですね。
で・・・・原発関連で気になる風の様子は・・・・

基本的に東風。
海から陸へと吹く風です。
ということで、ずいぶん盛りだくさんになってきた今日の記事ですが、最後は昨日発表された3か月予報。
電気不足で気になる方も多いようですが・・・・

「こんなんでましたぁ・・・」という占い師がおりましたが・・・・・
赤線を引いたところだけ目を通せば・・・回りくどい言い方がされていますが、「真夏に北日本中心に気温が低めに推移する可能性が・・・微妙にあるかも?」ということを言いつつ・・・・昨年ほどの暑さじゃないけど平年並には暑いよ・・・という煮え切らない態度を示しています。
どの天気予報サイトでも解説があるでしょうから、そちらを読んでみてください。
今日もこの季節の一曲・・・・「潮風にちぎれて」松任谷由実
2011年05月25日
貴重な晴天と台風2号(5月25日)
梅雨入りした九州南部以外は晴れるところが多い・・・というのが今日の天気分布ですが、明日は早くも西から下り坂なので、貴重な晴天。
天気予報番組でも、似たようなコメントが多いと思います。
梅雨前線の位置や、前線上の低気圧の様子で天気が変化しやすい梅雨時には、日々の天気変化を「流れ」で把握するのが大切ですから、「流れ」で気圧配置を把握することができるように、気象庁予報部発表の「短期予報解説資料」というプロ用の資料の一部でチェックしてみましょう。

かつて、全国の気象台が発表する予報が統一的なものになるように、本庁の予報部の指針として発表されていた資料ですけど、今は、「気象庁はこんな解析をして予報を作りました」という見解を発表するための資料になっているものです。
ちょっと難しそうなコトバが書かれていますから、読み方を書き込んでおきました。
一言でまとめてしまえば、「今日から明日にかけて北日本を高気圧が通過するため、前線が南下して晴れる所が多くなる。もっとも、前線上の低気圧が沖縄付近にあって、明日にかけて北上するため、梅雨入りした九州南部では雨が続き、明日は西から下り坂」ということになります。
この資料の全文をご覧になりたければ、以下のURL(PDFファイル)でチェックしてみてください。
http://n-kishou.com/dat/lfax/tkaisetu_201105250340.pdf
ということで、気圧配置を把握したところで今日の風の様子。

書き込みをご覧いただければOKですが、日本海の高気圧から吹きだす風の影響が太平洋岸までイマイチ及ばないので、太平洋岸ではちょっと複雑な風。
もっとも、高気圧が東北に接近するに従って、高気圧の南東側の風の影響を受けて、北東の風(関東ではイヤな風ですね)に変化してくると思われます。
最後は、台風2号の予想進路。
コースについては、気象庁発表の5日間予報をご覧いただくとして(http://www.jma.go.jp/jp/typh/)、昨日と同様、31日21時のGSMという予想計算値をチェックしてみましょう。

昨日の記事と比較していただくと・・・書き込みのように、状況は大きく変化しています。
注目すべきは、台風が弱まる傾向・・・・ではなくて、先行する西日本南岸の降水が多く計算されてきたこと。
台風から暖かく湿った空気が流れ込み・・・というしばしば梅雨末期に天気予報番組で耳にする大雨の恐れがある状況になっています。
まだまだ計算値は変化する可能性がありますが、引き続き台風の影響と先行する大雨の可能性について、注意する必要があるということです。
今日は、これでおしまいですが・・・・昨日に引き続き、5月らしい曲でしめくくります。
2011年05月24日
天気回復・台風2号は?(5月24日)
昨日は九州南部で梅雨入りの発表。
そして、今日は朝から雨・・・という所が多いと思いますけど、天気は回復傾向。
天気予報番組では「前線が南下して」という解説があると思いますけど・・・・その通りです。

前線が南下・・・そのまんまですね。
なんで今日、前線が南下するの?という解説はテレビではまずあり得ないと思いますけど・・・昨年はこのブログでそんな解説もしていました。
今年はどうしようか?と考えていますが今日は省いちゃいますけど・・・暖かく湿った夏の空気と春の冷たく乾燥した空気のせめぎ合いの場が梅雨前線になっている・・・という様子だけご紹介しておきます。

一目瞭然ですね。
さて・・・具体的な雨の様子と、気になる風向の様子。

書き込みを読んでいただければ分かると思います。
最後は、台風2号の今後・・・

昨日の記事に掲載した図と比較していただくと、台風の速度が若干遅くなるとともに、コースもやや南よりに・・・・
このように、計算値は計算毎に微妙に変化しつつ誤差が小さくなってきますから、日々チェックしつつ照準を定めていく必要があるわけです。
最後に・・・・かなーり古いんですけど、この季節にピッタリの曲。
Kasayanの年齢?・・・・ちょうど半世紀・・・・だったりして
2011年05月23日
梅雨入りモードで北東の風(5月23日)
気温急降下で驚かれているかと思いますが、暑いよりはマシ?
ところで、今日の太平洋岸は北東の風の場。
南岸に停滞する梅雨前線に吹き込む北東風ですから、雨を伴う北東風。
3月を思い出せば、このような気象状況の日に原発から何かがドッと放出されると関東甲信は一番イヤな状況に陥るパターン。
これから始まる梅雨の典型的なパターンですから、梅雨明けまでの2ヶ月間、無事であって欲しいものです。
そんな風と雨の様子をアニメにしてみました。

赤の点線で示した南岸の梅雨前線の北側に雨雲発達。
そして九州の西の前線上に低気圧が発生してゆっくりと北東進。
したがって、活発な雨のエリアが東へと拡大。
西日本は朝からまとまった雨、そして東日本も昼過ぎには活発な雨雲に覆われて梅雨の雨に・・・
一方、東北を高気圧が通過。
北日本はおおむね晴れますけど、高気圧から時計回りに吹きだす風が、前線と前線上の低気圧に吹き込むため、東日本・西日本の太平洋岸は北東の風がメイン。

そんな様子がはっきりと分かりますよね?
実際は、北日本の高気圧も中心が数個あって、多少複雑な風の吹き方をしますけど・・・まあイメージとしては上の説明のとおりでイイでしょう。
あと・・・・台風が気になりますよね?・・・台風2号・・・・
どうなるかというと・・・・

30日21時の予想・・・・
あくまで多くの計算値のひとつで、今後大きく変化する可能性がありますから、これを鵜呑みにして、ワーワー言うようなものではありませんけど、この図のようになる可能性はあるわけです。
仮にこの計算値のように太平洋岸を北上パターン?だと、南岸は荒れ模様になりますし、台風の北上の接近に伴って、北東の風が強く吹く恐れもあります。
いずれにせよ、今後しばらく注目といったところです。
2011年05月22日
前線南下し気温急降下(5月22日)
5月らしからぬ暑さが続いていますが、今夜から気温急降下。
天気予報番組のありきたりなコメントじゃありませんけど、気温変化に身体がビックリしないように注意・・・ですね。
ということで・・・気温変化の原因・・・前線(梅雨前線)の動きについて久々にアニメを作ってみました。

昨日21時の実況天気図から今夜21時の予想天気図への流れ・・・前線の位置の変化をチェック。
この前線、梅雨前線と言ってもイイものですが、昨夜の段階で日本海に停滞。
今日一日かけてゆっくりと太平洋岸まで南下。
前線通過時に、一時的な雨。
暑さをもたらしている暖かく湿った空気が流れ込んでいるので、前線が活発になっていて、ザッと強い雨が降ったり、雷が鳴ったり。
うま~く、雷雲のエリアからはずれると、雨に遭わずに済むかもしれませんから、予報がハズレたと感じる人もいらっしゃると思いますが、それはラッキーだったから・・・と考えてくださいね。
で・・・・前線通過の前後の風の様子。

南西の場の風が、前線通過後に北よりの風に変化。
そして、冷たい大陸の空気(本来の5月の空気)に入れ替わりますから、今夜から気温低下。
本来の気温に戻るのですが、ここ数日気温が高めに推移していましたから、身体がビックリしそうですね。