2010年06月30日
天気予報は当たるのか?(6月30日)不安定続く
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今週は多忙につき、すっかりKasayanの備忘録になっています。
今日はコメントもほとんど書けませんが、昨日の記事の箇条書きに従って図の書き込みを読んでみてください。
・・・・あ・・・図のタイトル忘れてる・・・・けど、書き込みを見ればなんのことだけわかりますよね?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

全国的に梅雨モードになっちゃったんで、エリア分けなし・・・・
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

不安定な雷雨は午後・・・どのあたりかは一番下の降水の図でチェック・・・もちろん安全マージンをとってください。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


アニメも作れませんでした・・・・北・東・西日本の三分割でイメージしてください。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
地上天気の台本・・・上空5800m付近の様子

地上付近の暖湿流・・・上で見た上空の寒気との対応も見てください。

重なり合うところが不安定強烈なところ・・・
いつもの降水ですね。


17時30分追記:
仕事の片手間に・・・今日の雷雲の計算値・・・・非常によく再現されています。
いつもこうだとよいのですけど・・・・

今日も雷雨に注意です。
平成22年 6月30日10時22分 長野地方気象台発表
長野県の注意警戒事項
長野県では、30日昼過ぎから30日夜遅くまで急な強い雨や落雷に注意して下さい。北部では、30日夕方まで濃霧による視程障害に注意して下さい。
短期予報解説資料抜粋
①前線は、FT12 にかけて九州付近を通過する500hPa5820m 付近のトラフに対応し、前線の活動が活発となる。九州では今日昼前にかけて局地的に雷を伴い1時間50 ミリ前後の非常に激しい雨が降る見込み。特に、これまでの雨量が多い九州北部地方では、土砂災害、河川の増水やはん濫に警戒。また、竜巻などの激しい突風や落雷にも注意が必要。その後、前線は、日本の南海上のサブハイが後退するため、FT24~48 にかけては四国の南海上まで南下する見込み。
②西日本・東日本では、暖湿気(850hPa339K 前後)が残っている中、寒冷渦が日本海を通過すること
から大気の状態は不安定となり、明日にかけて局地的に対流雲が発達し、雷を伴った1 時間30~50
ミリの非常に激しい雨の降るおそれがある。これまでの大雨により、地盤の緩んでいる所も多いことか
ら、土砂災害には警戒・注意。また、河川の増水や、落雷、竜巻などの激しい突風にも注意が必要。
③北日本では、1 項の②の寒冷渦を回る500hPa5820m沿いに正渦度移流が続き、FT48 にかけてシアーラインがほぼ停滞し、大気の状態が不安定となりシアーライン近傍で対流雲が発達し、明日にかけて局地的に雷を伴い1 時間30 ミリ前後の短時間強雨のおそれがある。土砂災害、河川の増水、落雷、突風、降ひょうに注意。シアーラインが停滞することから降水量が多くなるおそれもあり、今後の動向に留意。
※FT12=30日午前9時、FT24=20日午後9時、FT48=1日21時
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2010年06月29日
天気予報は当たるのか?(6月29日)不安定のムシムシ
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

相変わらずインド洋から梅雨前線が延びていて、宇宙から見た地球も梅雨パターン。
インドシナ半島なんかは雨季になっているんでしょうね。
今日も多忙につきシンプルパターン。
箇条書きで掲載図のガイドくらいはしようかと・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

コメントがアレなんで・・・長野地方気象台が発表している概況も掲載しておくことにします。
天気概況
平成22年6月29日04時57分 長野地方気象台発表
北部、中部では、29日朝まで土砂災害に注意して下さい。
長野県では、29日夕方まで落雷に注意して下さい。
梅雨前線が東シナ海から西日本をとおり北陸地方の沿岸にのびています。
長野県内は、曇りまたは雨となっています。
今日は、梅雨前線が西日本から東日本に停滞する見込みです。
このため、曇りで、北部では昼過ぎから夕方にかけて、南部では明け方まで雨となり、中部では夕方まで雨の降る所があるでしょう。また、夕方まで雷を伴う所がある見込みです。
明日は梅雨前線が本州の南岸に停滞する見込みです。
このため、曇りで、昼前までは晴れますが、夜には雨となるでしょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

長めのアニメですけど、このアニメの書き込みにある具体的な情報が下の専門天気図。
アニメを見ながら専門天気図で具体的なイメージを作っていただければOKです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは実況から・・・・上空の気圧配置と暖湿流の様子を衛星画像と対応させて具体的にイメージしてくださいね。


そして、予想・・・実況がどのように変化するのか・・・黄色で書き込みしてあるのでイメージしてみてください。


最後は具体的な雨の様子・・・・予報文と見比べて何時どこでどの程度降る?を確認してみてください。
不安定な天気・・・ですから、安全マージンは大きめに・・・です。


どうですか?天気予報は当たりそうですか?・・・当たりそうですよねぇ?
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2010年06月28日
天気予報は当たるのか?(6月28日)Kasayan備忘録
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
この先一週間、ちょっと忙しいので、ブログにあまり時間がかけられません。
今朝はコメントを書くヒマがなくて、長野県の梅雨修行中のKasayanの備忘録になっちゃいましたけど、図の書き込みを読めばなんとなくわかるように工夫はしてみたつもりです。

2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

曇りベースでも不安定・・・県境の山々中心ですが平地でも・・・
昨日まで雨がたくさん降った大北地域では特に突然ドバッと降る雨・・・要注意です。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。





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2010年06月27日
短期予報解説資料(6月27日)あなたもキャスター?
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨夕、むこう一週間の(あまり当てにならないかもしれない)週間予報をまとめておきましたので、興味がある方は昨日の記事もどうぞ・・・・・
ということで・・・日曜日の朝、久々に午前4時まで書きものをしていたので、遅い目覚め。
今日の予報は自体はさらりとまとめて・・・・・
時々思い出したように書いているんですが・・・今朝発表の「短期予報解説資料」という気象庁発表のプロ用の資料に図と書き込みを加えたものを作ってみました。
内容が簡単だったんで興味のある方はどうぞ・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。
いくらなんでも、一応、今朝気象庁が発表した予報くらいは・・・

3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

ほぼ一日雨・・・・ということのようですねぇ・・・・・
11時50分追記:
11時の予報は、北部中部「くもり 夕方 一時 雨」に訂正されました。
前線が日本海に北上するにともなって、一時的に雨雲退散・・・レーダーもそんな感じ。
午後はチラッとでかけようか・・・・
4、短期予報解説資料
今朝発表の短期予報解説資料・・・内容がとてもシンプルで、プロ用というより、天気にちょっと興味がある方なら簡単にわかっちゃうような内容だったので、そのまんま使おうと思ったわけです。
事前に知っておいたほうがよさそうな知識は二つだけ。
①地上付近に強い暖湿流が流れ込むと大気が不安定になって、雷雲モクモク・・短時間に強い雨
②500hPa(上空5500m付近)にトラフ(気圧の谷)がやってくると、その東側の地上で低気圧発生
これだけなんで、図だけ挿入しますけど、文章にはそのまんま加筆もしないで行きます!!
*********短期予報解説資料 2010年6月27日03時40分発表*********
1.実況上の着目点
①梅雨前線が東シナ海から対馬海峡を通って、北陸地方にのびている。


前線に向かって暖湿気が入り、西日本から東日本にかけて、所々で雷を伴った激しい雨となっている。西日本を中心に24 時間降水量も多く、四国地方では400 ミリを超える、6 月としては記録的な大雨となっている所がある。

②ボッ海付近には500hPa で-9℃以下の寒気があり、今後の動向には留意。

2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①梅雨前線は、FT36 にかけて東シナ海から対馬海峡にかけて停滞する。
東側は、FT36 頃までに東北地方にかかる。

前線の南側では広い範囲で暖湿気(850hPa で336K 以上)が入り、局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降る所がある(1 時間30-50 ミリ前後)。

地形による降水強化が予想される地域、前線に近い九州北部~東北地方日本海側を中心に降水量も多くなる。西日本~東北地方にかけては、落雷、突風、低地の浸水、河川の増水、土砂災害に注意。特に、これまでの雨量が多い西日本では、土砂災害、河川の増水やはん濫に厳重に警戒。また、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意。
②FT48 頃になると朝鮮半島付近に低気圧が発生し、梅雨前線の活動も活発になる。この低気圧の位置は、1 項②で注目する寒気中心を回る5820m 付近のトラフの予想により、位置ズレが見られるが、前線帯周辺での降水活動が活発になる予想は安定している。


③北海道では、記録的な高温となった昨日(26 日)程ではないが、晴れて気温が上昇する。
3.数値予報資料解釈上の留意点
最新のGSM を基本に、前線の位置を考えた。
東北地方の24 時間降水量は西日本の実況などからも多いため、複数のイニシャルの値を含め検討する。降水分布は全般にはMSMの方が実況に近い。
4.防災関連事項[量的予報と根拠]
①大雨ポテンシャル(06 時からの24 時間:地点最大):東北地方日本海側・北陸地方・九州北部100-150 ミリ。 2 項の短時間強雨に留意。
②波: 西日本ではじめ風の強く吹く所で、最大3m。
5.全般気象情報発表の有無
「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」を5時頃に発表予定。
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2010年06月26日
週間予報をまとめてみました(6月26日)不安定な天気続く
梅雨も真っ盛りになってきましたので、むこう一週間の週間予報をチェックしておきました。
とりあえず、26日(土)午後5時気象庁発表の長野の週間予報を見てみます。

明日27日から7月2日まで、ずーっと同じマーク。
28日以降は「一時 雨」。
予報の用語集で「一時」を調べると”現象が連続的に起こり、その現象の発現期間が予報期間の1/4未満のとき”ですから、向う一週間は基本的には曇りだけど一日24時間のうち最大6時間くらいは雨だね・・・・という予報です。
また、信頼度の欄を見ると、30日以降は「C」判定。
通知表でCがついたら親に怒られそうですけど、週間予報の信頼度のC判定も最下位の判定。

もっとも、信頼度は降水について判断されていますから、予報に多少ズレが生じたとしても曇りベースの一週間になることは確かでしょう。
で・・・・これで終わったら、このブログで週間予報をわざわざチェックする意味がないので、もうちょっと詳しくチェックしてみます。
ただ、自分一人で考えると非常に手間がかかるので(普段の予想の7倍ですから)、気象庁の予報部が発表しているプロ用の資料「週間天気予報解説資料 6月25日10時発表」に基づいて、天気図をまとめてみました。
左の図は上空5800m付近の天気図、中の図は上空1500m付近の相当温位(雨の原料の程度)、右側の図は一般的な地上の天気図で、網かけの部分が過去24時間の降水域、マークは長野県の天気マークです。
なお、 文章中のカッコ内の書き込みはKasayanが書いてます。

朝鮮半島にトラフ(上空の気圧の谷のこと。左図点線)が進み、前線(右図赤の点線)は黄海~日本海に位置し、西日本~東日本では暖湿気(850hPa相当温位340K前後:中図オレンジ色)が流入する。
九州などでは前線による降水、その他の地域では内陸部を中心とした不安定性降水(雷雲モクモク)が見込まれる。北日本には温暖前線の位相がかかり、降水となるところがある見込み。

前線(右図赤の点線)は日本海からゆっくりと南下し、本州の日本海側に位置する。
西日本~東日本、北日本の一部では、前線近傍または暖域に入るため(中図オレンジ色)、広い範囲で降水となる見込み。北日本では、28日と同様の降水が残る所がある見込み。

前線(右図赤の点線)は次第に不明瞭になるが、本州付近には下層暖湿気が残っている。
そのような中、500hPaでは(上空)5820m付近のトラフ(上空の気圧の谷。左図点線)の東進に伴い(地上で空気の収束が起こる)-6度前後の(上空の)寒気が入ってくるため、大気の状態が不安定になる。西日本~東日本、北日本の一部では、内陸部だけでなく平野部でも広い範囲で、不安定性の降水(雷雲モクモク)が見込まれる。


前線の位相(右図赤の点線)は南下するが、日本付近での活動は弱まり不明瞭になる予想。
下層暖湿気(中図オレンジ)および500hPaのトラフ(左図点線)が残っており、大気の状態は引き続き不安定。
西日本~北日本では雲が多く、内陸部を中心に不安定性の降水(雷雲モクモク)が見込まれる。
ただし、FEFE19の降水域(右図の網かけ部分)は過大であり、割り引いて考える。
・・・・ということですが、上空の気圧の谷が日本上空にやってくる30日頃が雨のピークになるのではないかと思うのですが・・・
すくなくとも、長野県は、ここ数日の九州のような大雨が続くような心配はなさそうですけど、曇りベースで日差しの出る日もあるものの、モクモク雷雲が発生するような日が続く・・・というイメージの一週間になりそうです。
念のため、アメリカ海軍の計算値もアニメにしてみました。
12時間降水量のアニメですけど、日本の気象庁の計算値とほぼ似た結果になっているようです。

最後は気温の傾向。

沖縄付近は平年並み。
北にいくほど平年よりちょっと高め・・・北海道は今日をピークに平年よりちょっと高めの状態が続くようですね。
え?・・・明日日曜日の予報?・・・明日は明日の風が吹くぜ・・・といいたいところですけど、気象庁発表の長野県の予報は・・・・こちらを見ていただければよいのですが・・・
http://www.jma.go.jp/jp/yoho/322.html
はっきり言って、計算値がばらついている状況。
Kasayan的には信頼度Cなので、明日朝5時発表の予報で最終確認をすることをおすすめします。
2010年06月26日
天気予報は当たるのか?(6月26日)予報はコマメに確認!
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

西日本に活発な雨雲・・・特に九州南部や四国には一時間に30ミリを超えるような激しい雨。
もちろん、大雨に関する情報(ニュースで予想される雨量は・・と言っているヤツ)が出ています。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
長野県付近にズームしてみると・・・

雨エリアの本体の東の端っこがすでに長野県にかかってきています。
南部ほど活発な雨雲。
今はバラバラな雨雲ですけど、岐阜県付近の雨雲の本体が何時頃長野県にかかってくるのか?
それが今日の天気予報のキモですね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

西日本から東海にかけての太平洋岸は傘マーク一発・・しっかりとした雨。
東日本は「のち」傘マークですから、次第に下り坂。
上で見た衛星やレーダーの画像のエリアと同じイメージですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日午後5時に発表された予報では、雲マーク一発で、予報文の中で「所により 雨」でした。
それが今朝になると、傘マークがキチンとついていて、北部中部は「のち雨」マークに・・・降り出しのタイミングは「昼過ぎ」。
南部は「時々雨」マークですから、朝から広い範囲の雨・・・に変更されています。
予報は昨日よりちょっとだけ悪目になったということですね。
昨夜更新した記事に、「明日朝5時発表の予報で最終確認してください」と書いておきましたが、梅雨前線の東の端っこにある長野県は予報が微妙な状態。
さらに高い山々が県境を城壁のように囲っているので、湿った空気や雨雲が県内の盆地に流れ込むのを防いでいるので、この城壁がいつ決壊するのか?しないのか?はたまた盆地をすり抜けるように雨雲や湿った空気が流れ込むのか?判断がさらに悩ましくなります。
(Kasayanの感覚では、コンピューターの計算値をほんの少し割り引く程度が実際のイメージと一致する傾向なんですけど・・・)
この程度の予報訂正なら、昨日の予報も当たりといってイイと思うんですけど・・・昨夜の予報・・・マークだけしか見ていない人の中には、予報がコロコロ変わる!!と文句を言う人もいるんでしょうね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

アニメにするより、短期予報解説資料(プロ用の資料)に添付されていた図が、シンプルでわかりやすかったので、そのまま使わせていただきました(プロ用なんで、本当はもう少し別の書き込みが欲しいところなんですが)。
前線の位置、昨夜の予報では、太平洋高気圧が強まる影響で、もう少し北上するはずだったんですけど、高気圧がイマイチ強まらず、山陰沖から北陸沖にかけて同じようなところに停滞する方向に変わってきています(よろしければ昨日の記事もご覧ください)。
ということは・・・・前線が十分に北上しないので・・・・天気はちょっと悪目の方向です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
いつものように、地上の気圧配置の台本になる上空の天気図と気温の様子から。

相変わらず、上空の天気図の線(等高度線:等圧線と同様に見ればOK)が思いっきり蛇行。
朝鮮半島の北西(華北)にある低気圧・・・上空の強い風の流れから切り離された渦(寒冷渦)・・・の位置は留ったまま。
台本がストップしているので、地上の天気変化もストップしたままです。
そして、華北の低気圧は下の図の青で塗った-9℃の冷たい空気のカタマリを持っていて、このカタマリがグルグルと反時計回りに回転。
寒気のカタマリの一部がググッと南に触手を伸ばすと一時的に梅雨前線が活発になります。
九州方面の梅雨前線の雨、動きが遅く、このタイミングで断続的に活発化しますから、雨が弱まっても安心できません。
一方、地上付近・・・雨の原料になる暖かく湿った空気が流れ込む傾向は?

赤で塗った強い暖湿流が、太平洋高気圧の西の縁にそって北上し、九州方面・・・幸い対馬海峡付近へそれてはいますけど・・・で強まる傾向。
先端部分は今夜には東北南部付近まで北上します。
赤の点線は暖湿流の北限ですけど、ここが天気図上の前線に対応。
長野県もこれからもっとムシムシする傾向・・・雨の原料がたくさん流れ込んできます。
で・・具体的な雨は?
まず、12時間降水量で・・・・

点線の内側はぐずつくというイメージのエリア、その内側の青で塗ったエリアがしっかりとした雨というイメージのエリア。
長野県付近はぐずつくというイメージとしっかりした雨というイメージの中間。
「時々雨」という予報・・・そのまんまです。
そしてもっと具体的に1時間降水量で見ると・・・・

今夜東北南部まで拡大・・・中部地方は・・・なんだか雨エリアにすきまが・・・・
長野県にズームしてアニメで・・・

北部中部の降り出し・・・予報は「昼過ぎから」ですけど、上のレーダーで見たように、実際は午前中からぐずつき気味。
また、午後から県内広く雨が拡大という流れですが、高い山々が湿った空気をブロックして、山中心の雨。
盆地では予報どおり「時々雨」というイメージでしょう。
ということで・・・・キチンと雨の傾向を理解していれば・・・今日の予報は当たる・・でよいと思います。
明日日曜?・・・こういう状況ですから、もちろん明日朝に最終確認してください。
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2010年06月25日
週末の天気予報はアヤシイ?(6月25日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝は・・・ご想像どおりの理由で更新ができなかったので、週末の天気をザクッとまとめてみました。
Kasayanが住んでいる長野市はムシムシの一日。
午後から雲が厚くなってきましたが、ムシムシの暑さは解消するどころかより強まっているような気がします。
というのも・・・・

梅雨前線が九州・四国を北上中・・・このあたり、明日までに300ミリの大雨が予想されています。
週末の天気はこの前線の動き次第。
ちょっとオマケですけど、目を南に向けると小笠原の南あたりに雲のカタマリ。

これから熱帯低気圧に変わるのか?上陸云々とは別にして、この時期の熱帯低気圧や台風は、梅雨前線に湿った暖かい空気(雨の原料)を運びこむポンプの役目をしますから、今後の動向に注目する必要がありそうです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。


土曜、日曜の天気マークの予報を並べました。
雨や、ぐずつくエリアが日曜日にかけて津軽海峡付近まで北上していくのがわかります。
また、土曜日の西日本のマークは傘マーク一発・・・しっかりとした雨ですけど、日曜日に広い範囲に散らばっている傘マークのほとんどは雲マークとセットになっていて、基本的には曇りベース・・・雨よりも曇りの時間のほうが長いということになります。
雨の降り方が違いますから、単純に前線が北日本に延びるというわけじゃないんですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。


土曜日は雲マーク一発ですから、基本はくもりですけど、「所により雨」のおまけつき。
日曜日は左側が雲マークですから雨も降るけど、曇りの時間のほうが長いということのようです。
で・・・予報文の違いは「所により」と「一時」。
ちなみに、予報用語集を開いてみると・・・
「所により」とは、”現象が地域的に散在し、複数の地域を指定して表現することで冗長な表現になる場合に用いる。 ”とのこと。さらに、”その発現域の合計面積が、対象予報区全体の50%未満である”とのことですから、土曜日では長野県の半分以下のエリアで雨が降る可能性があるということのようです。
また、「一時」とは、”現象が連続的に起こり、その現象の発現期間が予報期間の1/4未満のとき”ですから、雨が降っている時間が6時間くらいということになります。
なんだかんだと言いましたけど・・・昨日から計算値を見ていると、新しい計算値が出るたびに雨のエリアがコロコロ変化するんです・・・・これが現在の予報技術の実力。
気象庁も、「前線・低気圧や降水の予想はイニシャル変わりがあり、予想やや不確実」なんてコメントしています。
はっきり言ってしまいますけど、本当に明日の天気が気になるなら、早起きをして朝5時発表の予報で行動を確定してください。
特に長野県は前線の東の端っこですから、超微妙な位置なんです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

短期予報解説資料というプロ用の資料に添付されていた図が、いたってシンプルでわかりやすかったので、そのまま使わせてもらいました。
一般的な予想天気図もこれとほとんど変わりません。
ようは前線が明後日にかけて日本海に北上するということ。
長野県・・・前線の東の端っこですよね。
まさに不確実エリアです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
明日の予想・・・不確実ではありますけど・・・・なぜ不確実なのか?はキチンとまとめておきました。
長野県の梅雨の天気を修行中のKasayanの備忘録だと思って、興味のあるところだけでも読んでやってください。
まず、地上の天気変化に大きく影響する上空の気圧配置・・・そして地上の天気図と降水のエリアをセットにした図です。


上空の天気図の線(等高度線)が南北に思いっきり蛇行。
蛇行した流れから切り離された空気は低気圧になって、朝鮮半島の北西側に停滞しています。
このため、上空の天気図は明後日までほとんど変化なし。
そうなると地上付近の天気変化の速度もうーんとゆっくりに。
ゆっくりになると、前線や雨のエリアの動きの誤差が予報に大きく現れてしまうわけです。
一応、計算上では、明日夜には東日本まで雨のエリア拡大。
明後日朝には津軽海峡付近まで拡大するようですから、上でみた全国の天気マークと同じですね。
もっとも、強い雨のエリアは九州方面と日本海。
太平洋高気圧が勢力を強めて前線を押し上げてしまうからです。
続いて前線の位置・・・湿った空気が流れ込むエリアの図で見てみましょう。

赤の点線が前線の位置とほぼ対応していますけど、明日にかけて北上して日本海を東北方面に延びていきます。
そして、前線の南側には湿った空気(雨の原料)が大量流入。
今日よりもっとムシムシ傾向。
西日本の暖湿流はかなり強まります。
そして・・・湿った空気と上空の寒気がセットになると大気が不安定になって、雷雲が発生しますから、上空の寒気もチェック。

朝鮮半島の北西側に寒気のカタマリがあってアメーバのように回転していますけど、これが南下してきて、前線が活発になるのははまだ先のこと。
もっとも、東日本方面には-6℃の寒気が南下してきていますから、それなりに雲がモクモクという可能性が高まってきます。
一方、西日本方面は上空より相対的に強い暖湿流が流れ込むために不安定・・・南斜面を中心に集中豪雨が発生してもおかしくない傾向が続きそうです。
で・・・いつものように、土曜日と日曜日の全国の雨のエリアのアニメ。
明日朝の計算値ではまた変化がありそうですからアニメを作るのもちょっと空しい感じもするんですけど、明日朝、比較ができるので一応作っておきました。


太平洋高気圧が張り出してきて、その縁を回るような梅雨前線の雨エリアが日本海に延びていくのがわかりますよね。
土曜日は雨のエリアの東側の端、長野県の予報がアヤシイ感じが見てとれます。
そして、日曜日は強い雨の中心は日本海になりますけど、日本付近は細切れの不安定性の降水・・・これを予報に表現すると・・・・やっぱり「一時」という表現しか使えませんよね?
そして、県内の明日・・MSMという計算値でチェック。

この計算値だと、昼頃には県内のかなり広いエリアで雨になるんですよね。
長野地方気象台・・・GSMという計算値や、一つ前の計算値なども考慮して、この計算値をちょっと割り引いて予報を出しているかもしれません。
そうなると・・・曇りマークの予報のイメージより悪くなってしまう可能性も十分あります。
いずれにせよ、明日の予報はかなりアヤシイ・・・・
Kasayanの感覚では、ちょっと悪目に変わる可能性があると思うのですが・・・・とにかく明日朝5時発表の予報で最終確認してください。
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kasayangw@yahoo.co.jp
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可能な限り返信いたします。
2010年06月25日
天気予報は当たるのか?(6月25日)ワールドカップ超短縮編
まずい!!!!

パチッと目が覚めてしまいました・・・こんな時間に・・・・・・
あと30分ほどで試合開始・・・もちろんデンマーク戦。
こりゃ見るっきゃないので、試合終了後ブログの更新ができるかどうか????

まだ、今夜(25日午後9時)の予想天気図すら気象庁からは発表されていない時間なので、すでに発表されている専門の天気図に書き込みしたものだけ掲載しておきます。


どう見ても、西日本・・特に九州四国方面の大雨が気になります・・・かなりの雨です。
長野県は雨の心配はなさそうですが・・・・
すでに、雨雲は九州南部に・・・

昨日から早めに大雨情報も発表されていますから、気になる方・・・午前5時前後に新しい情報が発表されますから、以下のURLで確認して見てください。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
ということで、今日の更新、夕方以降に週末の天気についてまとめてみます。
2010年06月24日
天気予報は当たるのか?(6月24日)安定した晴天に
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨夜のテレビの天気予報を見ていたら、どの放送局の天気予報でも、「梅雨前線が南下して」というコメントが使われていました。
「ふーん、晴れるのね」という感じがするのですが・・・・・

テレビの天気予報、特にローカルの夕方の天気予報では、右側の天気図・・・翌日朝9時の予想天気図が使われるのですが、右側の天気図だけ見せられても、関東付近には前線が近づいているようにも見えますし、九州方面だって南下しているんだか陸地に近いんだか・・・前線南下のイメージが湧かないですよね?
左側は昨日夕方6時の実況天気図ですけど、二つを見比べると右側の予想天気図の梅雨前線は若干南下しているようにも見えますけど・・・・それでも、パッと見ただけではわかりにくいものです。
天気図をアニメで見せながら解説も交えたり、実況の前線の位置だけでも図に書き込めば理解できるのですが・・・・・

これは今朝の衛星画像ですが、梅雨前線の雨雲の帯が南海上に南下していることがわかります。
衛星画像はあくまで実況ですけど、これをアニメーションで動かして見せることで、今後雨雲がどのような方向へ進んでいくのかをイメージさせてくれます。
さらに解説で、「・・・・晴れの区域が広がってきました」で終わるんじゃなくて、「この晴れの区域、明日日中、西日本・東日本に広がりそうです」なんて言えば、イメージもしやすくなりますよね。
天気予報の番組作りは、状況に応じて視聴者に分かりやすい構成にする必要があるのは当然ですが・・・・いつものグチになっちゃいますけど、ローカルの天気予報、もうちょっとやる気を出して、解説部分の構成くらいは工夫してほしいものです。
番組を請け負っている気象会社の責任でもあるんですけど・・・・・
そういえば昔、福島県出身のキャスターが「前線が南下して」と言ったのですが、福島弁のイントネーションでは「何かして」になっちゃうんですよね。
何度も言いなおして・・・それが原因の一つになって・・・番組降板させられちゃたことを思い出しました。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日の太陽マークのエリア、予報文を読んでもほとんど「雷」という文字がありません。
一昨日までは、太陽マークがあっても夕立の可能性がメチャクチャ高かったんですが、今日は九州南部や四国南岸を除いて安定した晴天。
日中気温は上がりますけど、日陰なら案外快適に過ごせるかも?
一方、北の大気不安定エリア。
不安定といえば上空の寒気を思い出しますが・・・・やっぱり寒気の通過です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内の予報文にも、久々に「所により雨」のオマケも「雷」の文字もありません。
北部は「のち北の風」、南部は「のち南の風」ですから、いつものように松本付近の気温上昇によって、弱い低圧部が発生して、北と南から空気が流れ込んでくるんでしょうね・・・普段の生活じゃあまり関係ありませんけど。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

長野県に主眼をおいた見方をすれば、乾いた高気圧による安定した晴天がポイント。
脇役の現象は、寒気通過による北日本の不安定と、暖湿流が強まることによる九州南部や四国南岸の不安定。
主眼と書きましたけど、北海道の放送局で、こういう視点で解説したら・・・クビ。
天気図も見方次第で、違ってみえてくるものです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まあ、今日の長野県はとくに考えるようなこともないので、長々とコメントしても読むのが大変・・・・・
ということで、コメントは図の中にほとんど書きこんでおきました。
で・・・まず、地上天気の台本になる上空の天気図と地上の天気図との対応をチェック・・・地上天気図には12時間降水量の色塗りをしてあります。

次は、北日本を不安定にする上空の寒気。

そして、九州南岸・四国南岸方面で夜不安定になる原因・・・地上付近の暖湿流の様子。

最後は、全国の降水エリア。

ということで・・・・今日の予報がはずれる可能性・・・重箱のスミを突き破る?ようなものなので、この程度で今日は終わりにします。
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2010年06月23日
天気予報は当たるのか?(6月23日)前線+不安定の雨
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝のレーダー画像、東日本中心に活発な雨雲。
ここ数日の長野県の雨は、梅雨前線の雨というよりは大気が不安定になって降る夕立の雨でしたけど、今朝は久々にしっかりとした雨になっています。
梅雨といえば、(オホーツクの)冷たい気団と暖かい気団がぶつかって・・・という説明がされますけど、今日は地上付近にも冷たい空気が流れ込み、冷たい空気の出所は違うものの、これに似たフォーメーション。
ここ数日、日本付近は太平洋高気圧から流れ込む暖かい空気が優勢で、九州方面で発達していた梅雨前線は湿った空気と乾いた空気がぶつかって・・・という説明のほうがピッタリでした。

沖縄が梅雨明けして、これからが梅雨本番の一か月。
インド洋から日本にかけての梅雨前線がしっかり見えます・・・・・・が・・・・・週末から太平洋高気圧が頑張っちゃうようです。
昨日、異常天候早期警戒情報というお知らせ?が気象庁から発表され・・・・・
要早期警戒
警戒期間 6月27日頃からの約1週間
対象地域 関東甲信地方
警戒事項 かなりの高温(7日平均地域平年差+2.8℃以上)
確率 30%以上
だそうですから、農業関係の方は特に週間予報に注目です。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

回復エリアと不安定エリアで分けたようなものですけど・・・・・
上に掲載しておいたレーダーを見れば、このエリア分け、なんとなく理解してもらえますよね?
長野県は二つのエリアの境目・・・イヤな場所・・・・ということになります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

まず、気温ですけど、ここ数日より、グッと下がります。
雲が厚く日差しが少ないこともありますけど、中部も含めた「のち 北の風」の予想が寒気の南下を想像させてくれますよね。
そして、予報文はいずれも「昼過ぎから」少しずつ曇りの時間が出てくると言っていますが、「所により」以下はいずれも「夕方まで雷を伴う」と書かれていて、相変わらず大気が不安定だということも教えてくれています。
全国の天気マークの図で見た二つのエリアの中間・・・悪いところばかり影響されているようでね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

ここ数日も上空の寒気と地上付近の暖湿気で、大気が不安定になっていましたが、どちらかといえば暖気優勢でした。
今日は南と地上付近に降りてくる寒気と、北と上空に攻め込もうとする地上付近の暖気が戦うフォーメーション。
北は寒気優勢で大気不安定の雨、南は寒気と暖気の主戦場の梅雨前線の雨、長野県付近はその中間。
午後にかけて寒気が勝ち始めますから、西日本・東日本では戦いが終わって陸地の雨は回復傾向です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
ここ数日続いていますけど、例によって地上の天気を左右する上空の天気図をチェック。

上空の寒気を伴った低気圧(寒冷渦)がいよいよ北海道上陸寸前・・・ホントにゆっくりでした。
ここ数日、似た天気が続いていたのも、コイツがノロノロしていたから。
この低気圧から南に延びる上空の気圧の谷のメインの谷が、今日本州を通過するので、地上では雨雲が活発に。
谷が過ぎる夜には、冷たい空気を運ぶ強風軸も日本に上陸し・・・・気温下がり気味になって前線も夜にかけて南下傾向です。
で・・・寒気の様子を見ると・・・・

上が上空、下が地上付近の寒気の様子ですけど、上空の寒気の中心が北日本に接近するにつれて、暖気優勢だった地上付近にも冷たい空気が流れ込んできます。
冷たい空気と昨日までの暖かい空気がぶつかる場所・・・前線ですけど、寒気優勢になってきているので、上の天気図のアニメの梅雨前線は、教科書のような停滞前線じゃなくて、寒冷前線として描かれています。
この様子、地上の風で見てみると・・・

北よりの風と南よりの風がぶつかるエリアで雨が計算されていて、ぶつかるエリアが夜にかけて南下しているのがわかりますよね。
ちなみに、北海道に上陸しようとしている寒冷渦の東側では空気の収束が起こっていて雨の活発化が予想されています。
で・・・いつものように具体的な雨の様子。

夜にかけて・・次第に回復・・・寒気が上陸しつつある北海道方面は不安定性の雨が継続です。
長野県付近は?

午後には回復に向かいますが、山岳地帯中心に降水有り。
盆地では昼過ぎには回復ですけど、高原や山では夜まで雨が尾を引いてしまうようです。
前線の影響が弱まっても、寒気の影響が残っちゃうんですね。
ということで・・・・今日の天気予報はイメージ通りに当たる・・・でイイでしょう。
場合によっては、もっと回復が早く感じられる可能性が少しはあるかも?・・・ですけど、雨があまり残らなければラッキーと思って、安全をみて予報のイメージでよいと思います。
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