2009年12月14日
雪は積もるのか?(12月14日)
今朝の記事・・・予報の当たりハズレのコメントは避けて、自分に宿題を出しておきました。
とりあえず、雪・雨の降り始めの午後4時の情報中心に、今夜の空模様を検討してみます。
長野地方気象台17時発表の今夜の予報・・・・

北部は全域雪を予想しています。
もっとも、今日の午後、降りだし・・・善光寺付近の旧長野市内は雨。
ライブカメラで見る限り、山間部を除いて長野盆地内は雨となっているところが多く、信濃町方面でようやく雪となっているようです。
まず、なぜ雨か?
雨は本当に雪に変わるのか?
まず、なぜ雨か?について、雨(雪)が降り始めた16時現在の情報をまとめてみると。

長野市内の気温は4.6℃。
上空5500m付近の気温も雪に目安となるマイナス30℃に届かず、下層1500m付近の寒気もマイナス2℃前後で、雪の目安マイナス6℃に及びませんでした。
地上付近が0℃前後だった信濃町は雪で、4.6℃の長野は雨。
これが原因だと思いますが、その理由は?
もちろん、アメダスの日照観測と体感からして、日中の日差しによる気温の上昇は十分にあったと思います。
ただ、午後3時の実況天気図を見ると・・・・

日本海に消滅しつつある低気圧があって、この低気圧と関東沖に発生した低気圧を結んだ赤の線上・・・等圧線が北西側に折れ曲がっています。
ここが弱い気圧の谷・・・こいつがクセモノのようです。
そこで、詳細な計算値も見てみます。

弱い気圧の谷の部分、予想計算値では低圧部が計算されています。
この低圧部に吹き込む南の暖気が、弱い気圧の谷に沿って長野付近まで流れ込んでいたと考えるとつじつまが合いそうです。
実際、上空1500m付近の気温を見ても、低圧部の北側・・長野付近まで0℃の線が折れ曲がっていることがわかりました。
気温が高すぎて、市内の降り始めは雨になった・・・・当たり前のようですけど、その理由を考えるのって結構大変です。
今日の日中、長野市内の気温は8℃近くまで上がりましたが、この季節、日射だけでここまで昇温したと考えるのはちょっと強引ですから・・・
で・・・なぜ降り出しが雨になったか?という理由がわかったところで・・・・
これから雪に変わるのか?が問題になりますが・・・その前に、そもそも降ってくるモノがあるのか?をチェックしなくてはなりません。

午後9時頃までは南部も含めて、雨や雪のどちらかが降りますが、日付の変わる頃には北部の県境付近に限定されてくるようです。
この理由・・・高層の専門天気図を見ると・・・冬型を強める上空の気圧の谷が抜けるタイミングにあたるから。
・・・・レーダーの実況と照らし合わせても、平野部で降ってくるもの(この言い回し気を使ってます)は上がる傾向・・・・・・
じゃ・・・降ってくるものは雪になるのか?
まず、地上付近・・・・18時現在で長野市内は1.9℃。
地上付近が2℃以下になることが雪になる条件の一つといわれていますが、これはクリア。
気温の低下傾向からして、午後7時頃には、さらに気温が下降することが予想されますし、明日朝の長野市内の予想気温はマイナス2℃。
十分に条件を満たすと思われます。
加えて、上空1500m付近の寒気・・・

午後9時には、北部全域と上田佐久方面までマイナス5℃以下に下がってきます。
これなら雪と考えるのが自然でしょう。
もっとも・・・・・降ってくるものが上がるタイミングと寒気が南下するタイミングがクロスします。
このクロス・・・・・・どう考える????
結果的にどれくらいの降雪になるのか?
長野地方気象台が発表した「雪に関する長野県気象情報 第1号」によれば、
だそうです。
今回の雪・・・Kasayanは長野地方気象台発表の予報を徹底的に理解するための勉強中。
気象庁の予報の理由を考えておくにとどめます。
でも・・・本当にこれだけ降るのか?
明日の朝、しっかりと確認したいと思います。
最後にオマケ・・
今日午後4時の上空の風の流れと上昇流の発生場所、そして下層雲の発生場所がよくわかります。
長野の天気は本当に山に影響されているんですね。

とりあえず、雪・雨の降り始めの午後4時の情報中心に、今夜の空模様を検討してみます。
長野地方気象台17時発表の今夜の予報・・・・

北部は全域雪を予想しています。
もっとも、今日の午後、降りだし・・・善光寺付近の旧長野市内は雨。
ライブカメラで見る限り、山間部を除いて長野盆地内は雨となっているところが多く、信濃町方面でようやく雪となっているようです。
まず、なぜ雨か?
雨は本当に雪に変わるのか?
まず、なぜ雨か?について、雨(雪)が降り始めた16時現在の情報をまとめてみると。

長野市内の気温は4.6℃。
上空5500m付近の気温も雪に目安となるマイナス30℃に届かず、下層1500m付近の寒気もマイナス2℃前後で、雪の目安マイナス6℃に及びませんでした。
地上付近が0℃前後だった信濃町は雪で、4.6℃の長野は雨。
これが原因だと思いますが、その理由は?
もちろん、アメダスの日照観測と体感からして、日中の日差しによる気温の上昇は十分にあったと思います。
ただ、午後3時の実況天気図を見ると・・・・

日本海に消滅しつつある低気圧があって、この低気圧と関東沖に発生した低気圧を結んだ赤の線上・・・等圧線が北西側に折れ曲がっています。
ここが弱い気圧の谷・・・こいつがクセモノのようです。
そこで、詳細な計算値も見てみます。

弱い気圧の谷の部分、予想計算値では低圧部が計算されています。
この低圧部に吹き込む南の暖気が、弱い気圧の谷に沿って長野付近まで流れ込んでいたと考えるとつじつまが合いそうです。
実際、上空1500m付近の気温を見ても、低圧部の北側・・長野付近まで0℃の線が折れ曲がっていることがわかりました。
気温が高すぎて、市内の降り始めは雨になった・・・・当たり前のようですけど、その理由を考えるのって結構大変です。
今日の日中、長野市内の気温は8℃近くまで上がりましたが、この季節、日射だけでここまで昇温したと考えるのはちょっと強引ですから・・・
で・・・なぜ降り出しが雨になったか?という理由がわかったところで・・・・
これから雪に変わるのか?が問題になりますが・・・その前に、そもそも降ってくるモノがあるのか?をチェックしなくてはなりません。

午後9時頃までは南部も含めて、雨や雪のどちらかが降りますが、日付の変わる頃には北部の県境付近に限定されてくるようです。
この理由・・・高層の専門天気図を見ると・・・冬型を強める上空の気圧の谷が抜けるタイミングにあたるから。
・・・・レーダーの実況と照らし合わせても、平野部で降ってくるもの(この言い回し気を使ってます)は上がる傾向・・・・・・
じゃ・・・降ってくるものは雪になるのか?
まず、地上付近・・・・18時現在で長野市内は1.9℃。
地上付近が2℃以下になることが雪になる条件の一つといわれていますが、これはクリア。
気温の低下傾向からして、午後7時頃には、さらに気温が下降することが予想されますし、明日朝の長野市内の予想気温はマイナス2℃。
十分に条件を満たすと思われます。
加えて、上空1500m付近の寒気・・・

午後9時には、北部全域と上田佐久方面までマイナス5℃以下に下がってきます。
これなら雪と考えるのが自然でしょう。
もっとも・・・・・降ってくるものが上がるタイミングと寒気が南下するタイミングがクロスします。
このクロス・・・・・・どう考える????
結果的にどれくらいの降雪になるのか?
長野地方気象台が発表した「雪に関する長野県気象情報 第1号」によれば、
[予想降雪量]
15日12時までの24時間の降雪量は、いずれも多い所で、
北部 中野飯山地域 :20センチ
大北地域 山沿い :20センチ
長野地域 山沿い :20センチ
大北地域 平地 :10センチ
長野地域 平地 : 5センチ
中部 上田地域の菅平周辺 :10センチ
乗鞍上高地地域 : 5センチ
松本地域の聖高原周辺 : 5センチ
中部のその他の地域 : 3センチ
南部 3センチ
だそうです。
今回の雪・・・Kasayanは長野地方気象台発表の予報を徹底的に理解するための勉強中。
気象庁の予報の理由を考えておくにとどめます。
でも・・・本当にこれだけ降るのか?
明日の朝、しっかりと確認したいと思います。
最後にオマケ・・
今日午後4時の上空の風の流れと上昇流の発生場所、そして下層雲の発生場所がよくわかります。
長野の天気は本当に山に影響されているんですね。

2009年12月14日
天気予報は当たるのか?(12月14日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
朝、布団の中でラジオを聴いていたら、「今日は北陸でも遅い初雪になりそうですよ」とか、今週後半は寒くなりますよ」って連呼してました。

今日の雪は第1ラウンド・・寒気も様子見のジャブ程度。
明日は一休みして、明後日以降の第2ラウンドから本格的な雪になりそうです。
ただ、今日の雪の降り始めのタイミング・・・夕方の帰宅時間と重なりそう・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

冬型定番の二つのエリアに分けられますが、日本海側も雨エリアと雪エリアにわけることができます。
各地の予報文をしっかり読むと、どうやら富山県以北・・・降ってくるものが雪になるようです。
石川県能登の予報文を添付しておきましたが、能登で雪にならないようではパワー不足の寒気ですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

きましたねぇ・・・
北部だけ雪マークがついてますけど、予報文では全県とも雪の可能性が見てとれます。
そして、中・南部には「所により」がついていますが、北部にはついていません。
北部は広い範囲でそれなりに雪になると気象庁は予想しているようです。
雪の降りだし時間・・夕方・・・予報用語では、15時~18時。
帰宅時間に重なりますから、気をつけてくださいね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
今日のお天気放談!、長野地方気象台のHPにある「長野県の冬の特徴」という解説に照らし合わせながら検討してみます。
予報が当たるか?よりも、雪に関してはなにせ勉強中の身ですから。
まず、大雪と上空の気温との関係は・・・・
長野県北部の雪の降る量は、上層の気温と深い関係があり、特に500hPa (5,300m付近)で-35℃以下の寒気が入ると大雪になりやすいといわれています。また、700hPa (2,900m付近)では-20℃以下、850hPa(1,500m 付近)では-10℃以下といわれています。
・・・とういうことだそうです。気象の教科書に書かれていることとほぼ同じ。
確認してみます。

マイナス30℃の寒気が東北南部にかかる程度。

上空1500m付近の寒気も、一応の雪の目安となるマイナス6℃が北部にかかる程度ですから、北部の雪は妥当としても、大雪ってほどではありません。ジャブですな。
ただ、長野は標高が高い点は要注意でしょう・・・これが宿題。
次に、北部全域の大雪のパターンの解説。
季節風の最盛期で、上層の寒気の中心は日本海北部や北日本にあって、下層から上層まで北西の風となり、上層の気圧の谷が通過中に出現します。
地上の等圧線は南北に立って、北部の信越県境に近づくほど雪の量が多くなります(信越線の大雪)。新潟県では、山沿いで大雪となります。
気圧の谷:通常、上層の流れが蛇行したときの谷の部分について用いられます。
・・・とのこと。
これを今夜9時の予想天気図でチェックしてみます。

今日は雪マーク、明日は曇りマークなので、一応今日が冬型の季節風最盛期として考えます。
上層と下層の風について触れられているので、専門の予想天気図を見ると、長野県北部の地上付近は北の風中心。上層になるにしたがって、北西~西に風が予想されています。
下層から上層まで西の風・・・じゃない。
これ、今日北陸沖で消滅する低気圧が作用しているようです。
等圧線が南北に立たないで、福井県付近で北西側に折れ曲がっているところ。
やっぱり大雪パターンにはちょっと遠いようですね。
まあ、こんなところでしょうか。
寒気のジャブですけど、一応、どこのエリアでどの程度の雪?ということも考えておきます。

予報用語の夕方の定義は15時~18時。
15時の予想降水域がコレですけど、広い範囲で降水が予想されています。
この範囲・・・どこまでが雪と観測されるか?
中南部全体が降水と予想されていますが、「所により」ってどこなのか?
別のMSMという計算値では・・・

中南部は、中央アルプスや美ヶ原方面が予想されています。
このあたり・・・本当にそうなるのか?については、正直なところ確信がもてないので、今夜確認しておきたいと思います。
最後・・・降りだしたら止む時間も気になります。

次第に北部県境あたりに限定されてきて、明日朝までには止んじゃうようですね。
明日朝の凍結が心配。
フウ・・今日の天気チェック・・・いつもの倍近く時間がかかっちゃいました。
・・・・・スタッドレスに換えておいてよかったぁ・・・・になるかな?