2011年09月30日
前線通過後冬型の気圧配置、初雪の寒気南下(9月30日)
17時15分追記あり |
季節の変わり目に車を運転しながらラジオを聞いていると、季節を感じさせる曲がよくかかります。
9月といえば、松任谷由実の「9月には帰らない」、竹内まりやの「SEPTEMBER」、太田裕美の「9月の雨」なんかがよくかかるのですが(古くてごめんなさい)、「SEPTEMBER」は九月初旬、「9月には帰らない」は残暑もおさまる九月半ば、そして「9月の雨」は・・・・・今日あたりラジオで何度もかかるんじゃないでしょうか?
今朝の実況把握3点セット。

日本海沿岸に沿って延びる前線の雨雲がポイントということは、一目でわかると思います。
この前線は今夜にかけて太平洋岸まで南下して、明日は西高東低・・・冬型の気圧配置。

今日は前線通過のタイミングで一時的な強い雨や雷に注意。
そして雨が止んだあと・・・・今夜以降はこの秋一番の強い寒気の南下と冬型の気圧配置。
明日の予想天気図にマークを載せればよかったのですが、明日土曜日・・・太平洋側で晴れるものの、日本海沿岸ではぐずつき気味。
冬ならば雪になるところが、さすがに9月・・・何かが降ってもとりあえずは雨・・・・高い山では雪?
明日以降も、さらに寒気が南下しますから、明後日以降は北海道の各地から初雪の便りが届くかもしれません。
まずは今日・・・前線通過のタイミングで強い雨や雷がある・・・ということを、空気の湿り気や温度の様子を見るための専門天気図で確認。

前線が南下した後の今夜の予想図。
天気予報で「暖湿気」と赤の矢印で解説される340K以上の空気(雨の原料として十分な数字)は、南岸まで追いやられ、日本海からは300K以下の冷たく乾燥した空気が北風に乗ってやってきます。
冷たく乾燥した空気と暖かく湿った空気がぶつかれば・・・真夏に冷凍庫を開けたときのように、雲が発達して・・・・強い雨と雷。
二つの空気の間に何本もの線が引かれていますが、このあたりが異なる性質の空気がぶつかる場所・・・なので、前線にあたります。
太平洋岸中心にちょっと蒸し暑い陽気なりますが、今夜以降、北風が吹きはじめると一気に空気が入れ替わる・・・・そんな様子をアニメにしてみました。

冷たく乾燥した空気が南下してくるなら、日本海側がぐずつくのは変な感じがしますけど、日本海の海面水温は日本付近で23~24℃・・・・海面から海水が蒸発して雲ができ・・・これがやってくるのでぐずつき気味(冬なら雪)。
では、明日以降、西高東低の気圧配置になって寒気が南下してくる様子をチェック。

今夜、北日本の日本海側には、上空の気圧の谷。
そして、この気圧の谷の東側には、反時計回りの低気圧性の渦を作りやすい空気がたっぷり。
上空の気圧の谷がゆっくりと東に進むと、地上の低気圧が急速に発達して、立派な?西高東低の冬型の気圧配置が出来上がります。
そして、この上空の気圧の谷の西側を吹く上空の北西風が大陸の寒気を力強く運んでくるので・・・・

秋~晩秋~冬の寒気がまとめて日本付近を覆います。
北海道と関東の間の気温差は18℃も。
急激に気温が下がってくるということを実感していただけるのでは?
では、以上の天気変化の原因を頭にいれて・・・今日の雨の降り方を・・・・

今日の雨・・・まさに暖湿気と寒冷乾燥空気が戦う最「前線」の雨といえそうです。
何度も書いてきましたが・・・あくまでこれは生の計算値ですから、ご自分の地域の雨の降りだしは、安全マージンも考慮されている気象庁発表の府県天気予報でチェックしてくださいね。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
なお、週末の天気は、今夜「時間があったら」追記しておきます。
17時15分追記 週末の天気傾向をざっくりと天気図とGSM(シミュレーション)でまとめておきました。 気象庁発表の明日・明後日の予報と見比べて使ってください。 気象庁発表予報: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/ ![]() ![]() ![]() |
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです)
2011年09月29日
天気はゆっくり下り坂、この秋一番の寒気南下へ(9月29日)
今朝はちょっとバタバタしてしまったので、いきなりですが実況把握3点セットから・・・・
夏から秋にかけて、南海上ばかりを見ていたような気がしますが、今朝は久々に朝鮮半島方面をじっくりと眺めていました。

衛星画像では一目瞭然、朝鮮半島にまとまった雲・・・動画で見るとゆっくりと日本方面へ。
実況天気図でチェックすると二つの低気圧と前線の雲のようですが・・・・日本付近の雲の下ではツブツブの小さな雨雲ばかり。
影響はもう少し先?
あと・・・・九州南西海上と関東沖の雨?・・・高気圧の範囲内なのになぜでしょう?

上空1500m付近の実況天気図を見ると、矢印の方向に風が吹いていて、九州南西部には太平洋の湿った空気が流れ込んでいます(気温-露点温度の数字が小さいほど湿っている:赤塗りの数字)。
この暖湿気の影響で大気が不安定になっているようです。
一方、関東沖の雨・・・北海道付近の空気は乾燥していますが、関東沖だけ湿っています。
乾燥した空気が三陸沖を移動してくる際に海の水蒸気を吸収して雨雲になった・・・と思われます。
こちらは影響がなさそうなので・・・このくらいで。
では・・・この状態・・・今日から明日にかけてどのように変化するんでしょうか?

低気圧と前線がやってきて、明日日本付近を通過・・・・明日は広範囲で前線が通過するタイミングで雨・・・ある意味シンプルです。
シンプルついでに、いつものMSMという計算値で詳しい雨の様子をチェックしてみると・・・

これまたシンプルですね。
この計算値を見る限り・・・西日本の雨の降り出しは早くとも夜になってからと思われますが・・・気象庁予報部発表の短期予報解説資料というプロ用の資料には・・・・「新しい初期値になるにつれて、日本海の低気圧からのびる前線南下のタイミングが早まる傾向がある点に留意。」なんて書かれています。
西日本の雨雲が早めにやってくる思われる地域(九州西部や山陰)では安全マージンをとって、夕方あたりには降り出す可能性も考えておいたほうがよいかもしれません。
シンプルついでに天気マークの予報も・・・・


「のち 曇り」エリアが帯状になっていて、実にシンプルな天気分布が予想されています。
ただ・・・シンプルというのは天気分布だけで・・・・変化のタイミングは実に難しい・・・・
予報は5時、11時、17時の3回発表されるのが原則ですから、どうしても雨に降られては困る・・・という方は、11時、17時の予報で、タイミングの情報をアップデートしてください。
気象庁天気予報: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
あと・・・・この雨の後、この秋一番の寒気が南下してくる・・・ということは天気予報でもバンバン伝えられていると思います。
ブログですから、今夜から2日夜にかけての寒気の南下の様子を一気にアニメにしてみました。

-30℃の寒気が北陸あたりに南下してきたら間違いなく日本海沿岸の平地でも雪になりますが、それと同じ寒気が2日には北海道に南下してきます。
東北上空にも-25℃の寒気・・・・山では十分に雪の可能性あり。
9月にこれだけの寒気が南下してくるのはちょっと珍しいかも?
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2011年09月28日
台風19号発生、移動性高気圧に覆われて秋晴れ(9月28日)
今朝のローカルの天気予報・・・キー局の関東対象の天気予報もそうだと思いますが・・・太陽マーク一色。
ここ十年ほどで増殖?した時系列予報・ピンポイント予報・詳しい予報・・・・の表も、太陽マークだけの表が何枚も連続して映しだされていたんじゃないでしょうか?

これはKasayanが住む長野県の老舗放送局・・・信越放送のポイント予報の画面を引用したものですが、今はこんな画面が全国各地の放送局で使われています。
これらの予報は気象庁ではなく、民間の気象会社が発表しているもので、予報地点はいずれもアメダスが設置してある場所・・・・予報が当たったのか?検証できる場所の予報でないと気象庁から許可が下りないからです。
まあ地点のことはイイんですけど、秋の移動性高気圧に覆われて、太陽マークだらけの単純な画面が何枚も放送されるとき、原稿を作成する人間はコメントに困ってしまいます。
こんなとき、すべての画面で「晴れるでしょう」では困りますから、「すっきりと晴れるでしょう」「秋晴れとなりそうです」「爽やかな晴天になるでしょう」などと手を変え品を変えてコメントを絞りだしたりします。
場合によっては、所々で気温の話しを持ち出したり、一部に曇りマークがついていようものなら「○○では夕方一時的に雲がかかりそうです」などとコメントして時間を稼いでいたり・・・・・
でも・・・・本当にそんなことでイイんでしょうか?
見れば一瞬でわかってしまうことをいちいちコメントすることは最低のプレゼンテーションと言われますが、まさにそれ。
たとえ晴れ一発の天気であっても、空の澄みかた、空気の乾燥具合、風の変化、気温の変化傾向が異なりますし、一時的に雲がかかるのであればその理由や地域的な傾向、雨の有無など、視聴者が知りたい情報について、いくらでもコメントすることがあるはずです。
それができないのは・・・・十分に天気を解析していなかったり、天気予報を役立つものとして伝えようとする使命感がないからでしょう。
それだけの解析能力が無いというのであれば論外ですが・・・・
昨夜や今朝、ご覧になったテレビの天気予報のコメントはどうでした?
偉そうなことを書いてしまいましたけど、むか~し、部下の書いた天気予報の原稿のことで、全国各地の放送局にお謝り行脚をしていたこともあるKasayanなので、晴れ一発の天気の日・・・・天気予報のコメントがヒドイときは、自戒も込めてついついグチを言いたくなってしまうのです。
余計なことはこれくらいにして、秋晴れの今日の天気をチェックしていきましょう。
まずは、いつものように、予想天気図で大ざっぱな天気傾向をチェック・・・今日は今朝の実況の気圧配置がどうなるか?という流れでアニメを作って置きました。

ざっくりとまとめると・・・・秋の移動性高気圧にお覆われて全国的に晴天・・・ただ、大雨が続いた奄美地方では、午前中まで不安定な天気が続いてしまいそう。
そして、夜になると高気圧の中心が東海上に抜けて、高気圧の圏内からはずれる九州は曇ってくるということです(テレビの解説もこんなものだと思います)。
今日のブログ・・・これだけでイイじゃん!という気持ちも働きますが、冒頭に偉そうなことを書いちゃったものだから・・・・専門天気図で今日の晴れの様子を詳しくまとめておくことにします。
まずは空模様の骨格・・・上空の気圧配置から。

しばしば耳にする「上空の気圧の谷」が天気を悪くする原因なら、「上空の気圧の尾根」は天気を良くする原因。
朝鮮半島付近にある上空の気圧の尾根がゆっくりと東進・・・・対応する地上の高気圧が日本を覆い、全国的な秋晴れになる・・・という骨格が出来上がっていることがわかります。
中国北東部にある上空の気圧の谷・・・・コイツが次第に九州に接近して(アッ・・・朝鮮半島の西の小さな気圧の谷に線を引き忘れた・・)、九州は午後から曇り空に。
そこで、湿数(気温-露点温度)という雲の様子をチェックする専門の天気図を見てみると・・・

湿数6℃以下の曇りエリア(教科書には3℃以下が雲エリアと書いてありますが、Kasayanは体感的に曇りと感じるのは6℃以下だと思っています)に色を塗ると、九州南部では朝から雲多め。
九州の西には大きな曇りエリアが控えていて、秋晴れの寿命も短そうです。
また、南岸の秋雨前線の曇りエリアの帯に近い関東南岸もちょっとアヤシイ感じ。
では、雲の下の雨はどうなっているんでしょうか?

九州南部・・・色塗りした並雨エリアは海上ですが、青線を引いたぐずつきエリアは鹿児島付近ギリギリ。
全国的に雨の降る心配はなさそうですけど、秋雨前線の西の端っこ・・・奄美方面はしばらく雨の可能性があるということですね。
最後は、秋晴れで暑さがぶり返すんじゃないか?ということをチェックしておきましょう。

上空1500m付近・・・高原の気温は全国的に15℃以下。
でも、15℃ラインは夜にかけて北上傾向。
空気が比較的乾燥しているので、地上付近は+10℃くらい・・・気象庁発表の予報では、西日本中心に余裕で25℃を超えるようです。
まあ・・専門天気図はこのくらいにしておきましょう。

お遊びで、上の専門天気図の書き込みを午前3時の衛星画像に重ねてみました。
午前3時の画像に午前9時の予想をかさねるという無茶をしていますけど、天気変化が遅いので、計算値と実況がそれなりに一致していることがわかりますよね。
ちなみに、天気変化の傾向は午前9時の計算値だけではわかりません。
本当は午後9時の計算値にも書き込みをして掲載すればイイんですけど、時間がいくらあっても足りないので、原本の図だけをサムネイルで掲載しておきますから・・・・興味のある方は、上の色塗りを参考に、ご自分でチェックしてみてください。


(以上の専門天気図は、http://n-kishou.com/ee/index.html で無料で手に入ります)
以上あれこれ専門天気図でチェックしてきましたけど・・・・今ではスパコンのシミュレーションをそのまんま見ることができます。

でも、専門天気図を使ったチェック・・・これをしっかりすることで、お天気キャスターのコメントも充実してくるはずなんですが・・・・・イヤですね・・・爺臭くて・・・・
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

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2011年09月27日
秋晴れも南岸雲多い、奄美は雨、台風19号発生?(9月27日)
昨日は、短期予報解説資料というプロ用の資料を噛み砕くいてまとめる・・・・という無謀?な挑戦をしてしまいましたが、今朝PCの前に座って思いついたのが・・・・「天気マークの予報をしゃぶりつくす」ということ。
というのも、昨日15時の空模様を衛星画像とアメダスでチェックしてみると・・・・

秋雨前線の雲の帯を境に、太平洋側と日本海側で天気や気温がスパッと変わっていることがわかります。
南岸では所々で雨になっていて、大雨被害が出た奄美方面では多めの降水量。
こんな単純な天気分布なら、天気マークの予報を詳しくチェックするだけで、かなり詳しい空模様も読みとれるんじゃないか?ということ。
で・・・・秋雨前線が原因のこの天気分布・・・今日はどうなるのか?
早速、今朝の天気マークの天気予報からチェックしてみましょう。

気象庁HP: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
大ざっぱにエリア分けしてみると、こんな感じ。
北海道は例外的に曇り⇒晴れという天気の変化を見せるものの、その他のエリアは昨日同様日本海側と太平洋側でエリア分けができ、南岸には太陽マークとセットになっているものの雲マークが目立ちます。
これだけで、秋雨前線が南下して、天気が回復傾向?ということがなんとなく分かりますが、断定はできません。
そこで、さらに狭いエリアの天気マークをチェックすると・・・・・

傘マークは関東南岸のごく一部と伊豆諸島方面、そして大雨が続く九州南部~奄美方面。
それ以外の地域では、先に広いエリアで見た天気分布とほぼ同じです。
やっぱり秋雨前線が南下する・・・という方針で気象庁は予報を作成しているんですね。
ただ、関東南岸の傘マークを見ると、南下の程度は「やや南下」というところでしょう。
天気マークの予報も、じっくりと眺めるだけで色々考えられるものだ・・・という気持ちになっていただければ上の図を作った意味があるんですけど・・・・そんな気持ちになりました?
ところで、気象庁HPには天気分布予報という予報もあります。

天気分布予報: http://www.jma.go.jp/jp/mesh20/
いつもご覧いただいているGSMとかMSMというシミュレーションデータは、降水量とか気圧、雲量という物理的な情報で出力されますから、天気予報として伝達するためには、一般的に感じる「晴れ」とか「曇り」というコトバに翻訳する必要がありますが・・・・分布予報は、統計的な計算によってコンピューターが自動的に翻訳をしてくれたもの。
天気マークの予報と併せて見ると、天気分布のイメージがよりリアルになりますよね。
天気マークの予報と天気分布予報を組み合わせた天気チェックもお試しください。
では、ここまでチェックした空模様の理由をいつものように予想天気図でチェックしてみましょう。

秋雨前線がやや南下・・・前線に伴う雨のエリアと雲のエリアが南下して、昨日の日本海側の晴れのエリアが南に拡大。
ただ、日本海の移動性高気圧から吹きだす北東風によって運ばれる冷たく湿った空気と、太平洋高気圧から吹きだす南東風によって運ばれる暖湿気がぶつかる奄美付近・・・・短時間の大雨のおそれはまだ続きそう・・・ということが読みとれます。
そして・・・明日にも台風19号発生?
これらの事柄の裏をとるには、専門天気図が必要になります。
まず、湿った空気が秋雨前線と奄美方面に流れ込む様子。

水色が濃いところほど水分が多い空気と思えばOK。
暖かい空気の流れ、冷たい空気の流れは矢印で表示しましたが、雰囲気は読みとっていただけると思います。
さらに、湿った空気による秋雨前線の雨の様子。

青系の色が降水で、紫系の色が下層雲・・・頭上にくると曇りのイメージになりやすい雲を意味しています。
奄美方面では引き続き雨の可能性大・・・そして南岸はギリギリ曇り時々晴れ程度で済みそうな感じ。
前線が予想よりちょっとだけ北側に位置すれば雨になってしまいそうですね。
最後は・・・・明日にも発生しそうな台風19号?


とりあえず、ヨーロッパの計算値も気象庁の計算値も西へと進むことを予想しています。
しばらく横目でチェックしておくことにしましょう。
今日の記事のストーリーもイマイチな感じ・・・・
明日からは平常営業?に戻ります。
今朝はバタバタして更新が遅くなってしまいました・・・・
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2011年09月26日
台風17・18号は西へ、南岸はぐずつき気味(9月16日)
毎朝の天気チェックの後、思いつくままブログを書いていますが、今朝思いついてしまったのが・・・・久々に短期予報解説資料というプロ用の資料をうーんと噛み砕いて書いてみようということ。
短期予報解説資料(PDF)
http://img.n-kishou.co.jp/image4/lfax/tkaisetu_201109260340.pdf
昨日の記事で、マニアックな天気チェックの方法をご紹介したので、もっとマニアックに・・・なんて考えてしまったのが吉と出るか?凶と出るか?
同じことに挑戦して以前大失敗してしまったのですが・・・・理屈っぽい長野県民の県民性・・・・難しそうな理屈をいかに簡単にまとめられるか?・・・再び挑戦。
同じ長野県出身の池上彰氏のマネをして挑戦してみることにしましょう。
さて、昨日の記事にも書きましたが、予報をチェックするには、まず予報のスタートラインになる現在の空模様(実況)を把握していなくてはダメ。
気象庁の予報官が書いている短期予報解説資料も、「実況上の着目点」から書かれています。

今朝の着目点は、①南岸の発達した雨雲と、②北海道の一部で降っている激しい雨。
予報官は、それぞれ①高気圧の回りの暖かく湿った空気と、②寒気を伴った上空の気圧の谷(トラフ)が原因だと考えているようです。

確かにレーダーを見てみると、西日本南岸と北海道に活発な雨雲があって、実況天気図と照らしてみると、南岸の雨雲は高気圧から吹きだす風が集まる場所で発生しています。
この雨雲・・・湿った空気が雨の原因ということですから、衛星の水蒸気画像をチェックしてみましょう。

別途風の観測値と併せて見ると、白く映っている水蒸気が南と北から西日本南岸へと流れ込んでいることがわかります。
二つの風がガチンコにぶつかる場所が奄美方面・・・・雨雲の発生が活発になる状態になっていますよね。
そして、北海道付近の雨の原因・・・寒気を伴った上空の気圧の谷の様子を高層天気図でチェックしてみると・・・

確かに北海道付近には、-15℃以下の寒気を伴った上空の気圧の谷が通過中。
地上付近では反時計回りの低気圧性の渦が出来やすく、寒気の影響で大気も不安定・・・小さくてもピリリとした?活発な雷雲が発生しやすい状態になっています。
これらの原因がどう変化するのか?・・・これで今日の天気が決まってきます。
予報官はどう考えているんでしょうか?・・・・「予想根拠」・・・

まず、①南岸に湿った空気が流れ込む状態が続くので、雨雲が発生しやすい状態も続くと考えているようです。
今夜の湿った空気の予想図を見ると・・・・

先ほど見た衛星の水蒸気画像と同様、冷たく湿った空気と暖かく湿った空気が南岸に流れ込んで、特に九州南岸~奄美方面でぶつかることを示しています。
このあたりの活発な雨雲・・・・やっぱり今夜まで続くんですね。
さらに、予報官は、500hPa(上空5800m付近)で「正渦度移流」があることも雨雲が活発化することの理由に挙げています。

「正渦度」???ですけど、空気の渦の巻きやすさの程度を示すもの。
「正」は反時計回りの渦を意味していますから・・・・低気圧性の空気の流れが出来やすい・・・上昇気流が発生しやすい空気を意味します。
こんな空気が偏西風に乗って九州南部~奄美方面に流れ込むので・・・ただでさえ湿った空気が流れ込んで雨雲が発生しやすいのに、さらに雨雲が発生しやすいと考えているわけです。
今朝は記録的短時間大雨情報なんていいう「記録的」な雨が降った奄美方面ですから、防災上しっかりと解説しているんですね。
一方、②北海道方面の活発な雨・・・・こちらは上空の気圧の谷が通過してしまえば、いったんは解消してしまうわけですが、予報官は今夜になって寒冷前線がやってくることを予想しています。
もう一度、上2枚の専門天気図を見てみると・・・北海道付近にも上空の気圧の谷が接近し、上空の谷付近で風が大きくU字に曲がっていて、湿った空気の様子を示す図でも、異なる性質の空気が、風が曲がった場所付近でぶつかる傾向を示しています。
北海道では今夜以降、前線の接近に伴って急な強い雨や雷のおそれがありそうですね。
・・・・・以上で、今朝の短期予報解説資料は終わりですが・・・・・・天気が悪くなる場所のことはわかりましたが、それ以外の場所が全然わからないじゃん!!
予報官は、防災上問題がなさそうな場所のことなんか解説しないんですよね・・・・・・
しかたがないので・・・・

今夜の予想天気図に、ざっくりとコメントを書きこんでおきました。
一言で言ってしまえば、日本海側や北日本は秋晴れが続き、南岸・・・それも西日本中心にぐずつく・・・ということになります。
そして、どの程度ぐずつくのか?といえば・・・・・

(灰色や黒は雲のエリアですが・・)ちょうど梅雨時に南岸に前線が停滞しているときのような感じ。
強い雨のおそれがありそうなのは九州や奄美方面ですが、その他の南岸エリアも一時的にパラッという雨があるかもしれません。
天気マークに傘マークが無くても、予報官は予報文の中に「所により一時雨」なんて書いているかもしれませんから、先の台風で傘を壊してしまった方・・・・この機会に新しい傘の準備はしておいたほうがイイかもしれません。
それから・・・短期予報解説資料では解説図に波のことだけコメントがあった台風17号と18号。
それだけ予報官は無関係?と考えていたのかもしれませんが、一応・・・大丈夫そう・・・ということだけ・・・・

これだけでイイですよね?
ということで、今朝のブログ書きは終わりにしますが・・・・・なんだか冗長になってしまって・・・・・今回も失敗?
長々とお付き合いいただいたのであれば・・・失礼いたしました。
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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2011年09月25日
台風17号と18号?秋晴れでも虫食いの晴れ?(9月25日)
今朝の天気予報・・・もうご覧になりました?
「今日も秋晴れ・・」という原則の話しから始まって、「ただ」と言って注意を引いて、「○○方面では・・・雨が降りそうです」という例外の話しへと進んだはずです。
確かに今日の天気は秋晴れですが・・・虫食いのように雨が降るという天気チェックがメンドウな天気。
そこで、マニアック?な天気チェックの方法で、ブログを書き進めたいと思います。
Kasayan的にはちょっとオススメの天気チェックのワザをお伝えするにはイイ機会だと思うので・・・・・
さて・・・今日の天気をチェックするには、予報のスタートラインをキチンと把握しておかなければなりません。
どんなにリアルな天気のシミュレーションを見ることができても、あくまでバーチャル。
今の空模様がどのように変化するのか?と考えることによって、誤って予報を理解してしまうことを防ぎます。

実況天気図・衛星画像・気象レーダーが、今の空模様(実況)を把握する3点セット。
お天気キャスターが放送局に入って、まずチェックするのはこの3つです(赤点線が着目点)。
オススメページ: http://www.jma.go.jp/jp/g3/
気圧配置を見て⇒対応する雲の様子を確認し⇒雲の下の雨の様子をチェックする、という流れ。
(順番が違うキャスターもいるはずですが大筋は同じことを考えています)
すべての情報を気圧配置に集約するわけですが、これは予想天気図を見て、現在の空模様がどのように変化するのか?を推測するための下準備。
したがって、次にチェックするのは未来の空模様の骨格・・・・予想天気図です
オススメページ: http://www.jma.go.jp/jp/g3/wc24h.html

気圧配置の特徴・・・・特に悪天になる要素からチェック。
黄色の字で書きこんだように、一つ一つ天気への影響を考えていきます。
この程度のことなら、中学校の理科の授業程度の知識で考えることができますよね?
で・・・・ここで専門天気図を使って詳しい予報を組み立てる?と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
Kasayanもそうですが、放送局にいる予報士の多くは・・・・気象庁の予報をチェックします。
気象庁の予報を解説するなら当然ですが、自分で予報を組み立てるにしても、大本営発表?の予報がどうなっているのか?敵の予報を知っておくのが、より良い予報を組み立てるための一つの情報になるからです(予報を組み立てた後に気象庁発表の予報と見比べる時もありますけど)。
オススメページ: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/

でも・・・ただ単に天気マークの予報を眺めるわけではありません。
頭の中では、書き込みのように天気マークでエリア分けして、予報官の頭の中には、どんな天気分布が描かれていたのか?を想像します。
敵?の作戦?を把握するためということもありますが、短時間で効率的な解説をするためのコメントを考える上でも、エリア分けして天気が悪化する部分を把握しておく必要があるからです。
このとき・・・今日のようにエリア分けが複雑な場合には、地域毎の予報も併用してエリア分けの正確性にこだわります。
オススメページ: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/ (最寄りの地域をクリック)

特にローカル局のキャスターは放送エリアについては注意深くエリア分けをするはずです。
これで予報官の頭の中にあった天気分布を把握したことになりますが・・・これだけでは終わりません。
気象庁発表の天気予報の最終製品は府県天気予報・・・・簡単に言ってしまえば電話の177番の予報ですが・・・・これが安全マージンも考慮して極めて良くできているので、天気分布と照らし合わせながらチェックしていきます。
オススメページ: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

天気マークの傘マークがついている場所の予報文だけピックアップして地図に書き込んでおきましたが、特に気にするのは、傘マークがついているエリアと隣接する地域の予報文。
福井県と岐阜県の予報文を書きこんでおきましたが、マークの傘マークはなくとも予報文には「所により 雨」という趣旨の内容が書かれています。
いくらマークで天気を表示したとしても、天気がデジタル的にスパッと変化するわけがありませんから、異なる天気分布の境目の地域では、予報文に「所により」・・・を書くことによって、予報がハズレないよう工夫がされています。
天気マークの予報だけ見て・・「予報がはずれたぞ!!」と騒いでも、「予報文を読みましたか?」と言われてしまえば・・・・恥ずかしい思いをするだけですね。
そして・・・・ここからがいよいよ専門天気図の出番。
オススメページ: http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

まずは天気分布の骨格になる上空からチェック(赤丸が着目点)。
実線(等高度線といいますが等圧線と同じと思ってOK)が凹になっているところを探して赤線を引きます。
この部分が上空の気圧の谷で、コイツがやってくると地上の天気が悪化するからです。
しばしば、お天気キャスターが「上空の気圧の谷の影響で・・」と、わかったようなわからないような解説をしますが、地上の天気図では解説が難しいので、この谷のことを言ってお茶を濁して?いるわけです。
どうですか?今日の気圧の谷の様子・・・先に見た天気マークの予報の悪天のエリアと対応していませんか?
続いて、上空の気圧の谷に対応する地上の雨の様子をチェック。

点線で描かれている12時間降水量のエリアを色塗りするだけ(赤丸が着目点)。
この塗り方はKasayanのオリジナルで、塗り方は図中に書き込んでおきました。
雨が予想される点線の内側でも、雨の降り方は異なりますから体感的な降り方に対応するような塗り方をしているわけです(これで全国ネットの予報アニメの原図を作っていました)。
これまた先に見た天気マークの予報の悪天エリアと対応していますし、雨の降り方もなんとなく対応しているように思えませんか?
ここまで把握しておけば、とりあえず気象庁発表の天気予報を解説する最低限の情報を収集したことになります。
で・・・ここからが予報士の予報士たる技量が試されることになりますが・・・・さすがに長くなってしまうので、今日はここまで。
機会を見てここから先をご紹介したいと思います。
でも・・・・ここまでのチェックをマネできるようになれば、気象庁発表の予報を120パーセント、あるいはそれ以上、使いこなすことができると思いませんか?
今日の虫食いの秋晴れに、運悪くぶち当たってしまった方・・・・空を怨みながら?試してみてください。
ちなみに、もっと詳しいシミュレーションデータで今日の雨の様子を見ると・・・・

赤丸が着目点。
ここまで、詳しく天気チェックしてきましたから、これと同じデータを見て予報を作った予報官の意図がなんとなくわかるような気がしてくるはずです。
これが大切・・・・予報官が予報を作るのに迷ったであろう場所まで考えられるようになったら、いざというとき何が起こっているのかを瞬時に判断して、次善の対応をとれるようになるわけです。
連休3日目の朝・・・久々にのんびりとブログを書いてしまいました。
台風18号が発生しそうですが・・・とりあえず日本に直接影響はなさそうですし・・・・17号の間接的な影響(沖縄方面)はレーダーで見てのとおりですし・・・・
お出かけ前のチェックに間に合わなかった方・・・ゴメンナサイ。
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2011年09月24日
連休2・3日目の天気と朝の冷え込み(9月24日)
連休2日目の朝・・・4時前だというのに肌寒さに目を覚ましてしまいました。
Kasayanの住む長野市の今朝3時の気温は9.7℃。
2年前まで住んでいた横浜では冬の日中の気温ですから、寝ぞうの悪いKasayan・・・パジャマ一枚で寝ていれば寒いのは当たり前ですね。

モゾモゾとPCのスイッチを入れ、アメダスの気温を見ると・・・北海道と長野県付近では10℃以下。

全国の最低気温ランキングをチェックしてみると、なんと長野県がトップ3を独占・・・本州初の氷点下も。
そして・・・Kasayanの家から車で50分の菅平は全国6位の2.4℃。
どのくらいの強さの寒気が入っているんだろう?

北海道には-20℃、輪島上空には-18℃の寒気。
高い山では雪降ったり氷が張ってもおかしくない晩秋の寒気。
平地で雪が降る目安は-30℃の寒気ですから、さすが冬の寒気とまではいえません。
長野県上空にも-15℃以下の寒気が南下しているので寒いのは当然ですが・・・・北海道上空の寒気のほうが強いはずなのに、長野県がトップになっているのはなんでだろう?

北海道では上空の寒気の影響で(上空の気圧の谷=赤点線の影響も)、大気が不安定。
北海道を覆う雲が毛布の役目をして気温がイマイチ下がらず、良く晴れている長野県では放射冷却が作用して、気温が下がっているようです。
ということは・・・・連休2日目も秋晴れ?
とりあえず、コーヒーでもいれて・・・・暖まりまりながら、今日・明日の天気のチェックでもするとしましょう。

案の定、移動性高気圧に覆われて全国的な秋晴れが予想されます。
細かいところを見れば、北海道北東の高気圧と本州上空の高気圧にはさまれる道南付近・・・・弱い気圧の谷になっています。
このため、雲が広がり易く・・・上空の寒気も作用して大気不安定・・・にわか雨・・・・ということが考えられますが・・・・・今日の雨と風の様子をMSMというシミュレーションで見ても・・・・

北海道や東北日本海側の雨も解消傾向ですから、全国的に秋の行楽日和といってイイでしょう。
そして・・・・

つい先日まで、天気予報で毎日聞いていた(大雨をもたらす)「暖かく湿った空気」ははるか南海上。
日本付近は乾燥した冷たい空気に入れ替わり、晴れても爽やかに過ごせそうです。
あと・・・・一つ気になるのは・・・早くも台風17号の発生が予想されているということ。
今後の動向が気になるところですが・・・・

気象庁のGSMというシミュレーションを見る限り、日本の南岸に張り出す太平洋高気圧に北上をブロックされ、台湾方面へ進むと思われますから、とりあえずは様子見程度でイイでしょう。
普通はここで終わるわけですが・・・・連休2日目ですから・・・明日連休3日目の天気もチェックしておきます。

一応、明日も秋の移動性高気圧に覆われて秋晴れが続く・・・・ということになりますが、高気圧の中心がイマイチ北寄り。
そして、北海道の東の高気圧と、朝鮮半島付近の高気圧の間にはさまれて、日本付近はうんと弱~い気圧の谷へ。
紀伊半島付近には、東の高気圧からの吹き出しの風が南東の風になって吹きこみます。
この風が太平洋の湿った空気を運びこんで、雲を作りやすく、パラッと雨を降らせることもありそうです。

さて・・・・今朝の天気チェックはこれくらいにして・・・善光寺あたりまで散歩してくるとしますか・・・・・
(7時30分 Wi-Fiルーターを買ったので善光寺から書き込みテスト。いまさらですけど、イイですね。早い・・・これからは外でもバッチリね?)
【Kasayanの備忘録】

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2011年09月23日
3連休の天気 明日にかけて秋晴れ拡大も・・ (9月23日)
台風も過ぎ、3連休が始まって、台風被害の後始末やレジャーに秋晴れが期待されるところですが・・・・
まず、今日の天気・・・珍しく天気マークの天気予報から見てみましょう。

天気マークの予報は最寄りの地域のマークだけを見るものではありません。
こんなふうに、大ざっぱにエリア分けして、全国の天気分布を把握する道具。
隣のエリアの雨が影響してくるかも?とか、晴れのエリアに近い?遠い?、天気は西から好転?悪化?なんてことを見ながら、予報の安全マージンをとるために使います。
というのも、天気マークの予報には、「所により雨」とか「夕方から雨」なんていう細かな情報は表示されないからです。
ですから、天気マークの予報とセットで、最寄りの地域の予報を府県天気予報の予報文(177番の予報と同じです)でチェックしなくてはなりません。
(テレビでは「良心的」なキャスターがコメントしてくれるでしょうけれど)
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
さらに、細かくチェックしたかったら・・・お気に入りのピンポイント予報で雨の降りだしの時間を確認したり、「所により」にあたるのか?を確認すればイイですね。
さて・・・なんでこんな天気分布になるんでしょう?・・・そしてこの天気分布は3連休、どのように変化するんでしょうか?
それを確認するのが天気図。

今朝3時⇒今夜9時⇒明日夜9時の流れでアニメを作っておきました。
秋晴れをもたらす移動性高気圧が明日にかけて日本方面に移動。
今日は西日本がガチンコの秋晴れ・・・東日本や北日本はイマイチ。
明日は全国的にガチンコの秋晴れになるということがわかります。
では・・・明後日は?
とりあえず、中国大陸にも高気圧があって、東西帯状の高気圧になっていますから、高気圧の南側にあたる南岸中心に雲が広がり易いものの、とりあえず秋晴れは維持される・・・・ということになりそうです。
具体的に、今日の雨の様子を風の流れとからめてチェックしてみましょう。
MSMという解像度の高い気象庁のシミュレーションデータです。

北日本の日本海側でぐずつくほか、東日本の太平洋側もにわか雨がありそうですよね。
東日本太平洋側・・・関東方面の府県天気予報には「所により」とか「夕方から」というコメントが書かれていましたよね?
マークの天気予報じゃわからないところ。
実は、昨夜の予報では「所により」「夕方から」が書かれていませんでした。
昨日の記事に3連休のシミュレーションを追記しておいたのですが、予報官は今朝の計算値が出力されるまで様子を見て、「所により」「夕方から」を予報文に書こう・・・と考えていたのかもしれません。
ですから・・・天気予報は当日朝の再確認が必要だということですね。
東日本のにわか雨・・・・今朝の涼しさ(肌寒さ)をもたらした寒気の影響。

上空の気圧の谷が通過中。
上空の気圧の谷が運んできた(晩秋~初冬)の寒気が東日本上空を通過して大気が不安定になるので・・・にわか雨(雷も)になるわけです。
秋のキャンプ・・・河原でバーベキューもイイですけど、川の増水には気を付けたいところです。
さて・・・最後にオマケ。
昨日、3か月予報と、寒候期予報=この冬の予報が発表されました。
テレビの天気予報でもやっていると思いますから、その原本の図だけを掲載しておきますが、偏西風が大きく蛇行気味の昨今・・・寒気がドッと南下してきたり、さっぱり南下してこなかったり・・・・
この夏のように気温変化が大きく、平均してみるとこんな感じになる・・・・と、イメージしておいたほうがイイかもしれません。


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2011年09月22日
台風15号去り、晩秋の寒気で朝は寒さも(9月22日)
16時00分追記あり |
北海道では台風15号の影響がまだ残っていますが、その他の地域はホッと一息といったところ。

週末3連休の天気のほうが気になっている方も多いと思いますが・・・・・・・まずは今日の天気をキチンとチェックしておきたいと思います。

このところご紹介していた短期予報解説資料(プロ用の資料)には、台風の影響がメインに書かれていたので(当然ですが)、久々に予想天気図にポイントを書きこんだアニメを作ってみました。
西高東低の(冬の)気圧配置になって、寒気が南下してくる・・・・・
まるで冬の天気解説のようですが、今夜以降プチ晩秋の天気になるということです。
したがって、日本海側中心にぐずついて、朝を中心に冷え込みます。
寒気が南下して涼しく(寒く)なるということは簡単に理解できますけど、日本海側でぐずつくということの理由が地上の天気図ではわかりにくいので、高層の天気図も使って詳しくチェックしておきましょう。

(図に時間を書き忘れていました。22日21時です)
台風15号が急加速した理由は、上空の気圧の谷が深まって、谷の南側の偏西風が南下したからですが、上空の谷はさらに深まりながら東進してきます。
上空の気圧の谷(赤点線)付近では低気圧性の反時計回りの空気の渦が出来やすく、地上では天気がぐずつきます。
この上空の気圧の谷の影響で日本海側はぐずつく・・・ということになるわけです。
また、上空の気圧の谷が深まって偏西風が南に大きく蛇行するようになると、谷の西側の北西風が大陸の寒気を運んでくるようになります。

(図に時間を書き忘れていました。22日21時です)
北西方向の偏西風が吹く西日本から寒気南下。
北海道付近には、明日にかけて-24℃の初冬の寒気まで南下してきて気温は急降下(大雪山系では雪も?)。
今日日中は影響はありませんが、今夜以降ジワジワと影響が出て、明日朝は肌寒さを感じる所も。

大陸の乾燥した冷たい空気が明日朝にかけて南岸まで南下する様子をイメージしていただけましたか?
気象庁発表の時系列予報を見ると・・・・・

長野県松本市の予報ですが、今日の昼をピークに明日朝まで気温が下がり続け、明日朝は10℃前後の肌寒さ。
東京の冬の日中の気温ですね。
この寒気、24日あたりまで居座り続けます。

明日からの3連休・・・・比較的涼しい行楽日和になるかも?
でも・・・・雨が降ったら意味がない・・・・・
まず、今日の雨と風の様子・・・日本海側中心にぐずつくということでしたが・・・・・

東日本では、太平洋側でも午後にぐずついてしまいそう・・・・
台風15号・・・尾を引きますね。
では明日以降の雨は?
明日夜の予想天気図を見ると・・・・・

西から秋の移動性高気圧がやってきて・・・今日より天気は良くなる傾向。
北日本は、二つの高気圧にはさまれた弱い気圧の谷にあたってぐずつき気味。
連休はだんだん天気が良くなる感じがしますが・・・具体的にどうなるでしょう?
でも・・・・今朝は時間切れ・・・・連休の詳しい雨の様子(晴れの様子?)は、今日中に必ず追記したいと思います。
(夜になるかも?・・・夜のほうが新しい情報なので・・イイかな?)
16時00分追記 明日からの3連休、天気が気になる方も多いでしょうから、気象庁のシミュレーションをざっくりとまとめておきました。 あくまでシミュレーションデータですから、各地方気象台の予報官が同じデータを見て、計算値のクセや地形的な影響などを考慮して作った予報(府県天気予報・週間予報)が基本。 予報文に、「所によって」とか、「一時」などと書かれていた場合に、いわゆるピンポイント予報などを併用しつつ、具体的にどのあたり?とか、何時頃?ということを考えるための道具として使ってください。 府県天気予報(予報文:最新は17時発表、明日朝は05時発表) http://www.imocwx.com/yohoud.htm 府県天気予報(天気マーク:図をクリックして拡大し隣の県からの影響もチェック) http://www.jma.go.jp/jp/yoho/ 府県週間予報 http://www.jma.go.jp/jp/week/ まずは、3連休を通して12時間毎の1時間降水量と気圧配置のシミュレーション(GSM)から。 ![]() 明後日以降は書き込みのとおり。 明日は北日本中心に上空の寒気の影響で大気不安定ですが・・・関東甲信越もちょっと怪しそう・・・・・ 明日18時の様子をMSMという解像度の高い別のシミュレーションで見ると・・・・・ ![]() 関東甲信越も一時的に雨が降り易く、新潟県方面はぐずつく・・・というイメージに近くなっています。 これを予報官がどのように予報として作り上げたのか? 必ずご自分の頭上の予報と対比してチェックして判断してください。 明日朝の冷え込みは今朝の記事に書きましたが、寒気のコアもさらに南下傾向。 このため、大気が不安定になることが予想されます。 ![]() 関東甲信以北で大気不安定の影響がありそうですが、近畿地方の方は、明日朝の予報で影響がないこと・・・を確認してくださいね。 |
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
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2011年09月21日
台風15号進路予想と大雨・強風の推移(9月21日)
(昨日の名古屋の大雨のメカニズムについては昨日の記事に簡単にまとめておきました)
15時05分追記あり |
愛知県を中心に100万人を超える人を対象にした避難勧告が出ている台風15号の大雨。
雨台風のイメージが強くなっていますが、これからは風台風の様相を呈してきそう・・・・・
このブログでは、ニュースや天気予報では伝えてくれない専門的な情報を使って、台風の様子をチェックしていきたいと思います。
まずは、一番気になる台風の進路予想ですが、時々刻々と変化しますから、引用はせずにURLをご紹介しますので、最新の情報をチェックするようにしてください(米軍サイトは非常につながりにくい状態です)。
気象庁5日間予報
http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html
米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
http://www.usno.navy.mil/JTWC/
進路予想をチェックしたところで、次は気象庁が着目している台風の注意点を、短期予報解説資料というプロ用の資料で確認しておきましょう。

テレビの天気予報で伝えられていることと同じですね(お天気キャスターもこれを見ていますから当然同じになるはずです)。
大きくまとめてしまうと・・・・
①停滞する秋雨前線の影響で台風本体だけでなく離れたところでも大雨のおそれ。
②暴風域を伴ったまま台風が加速するので、風が急に強まるおそれ。
ということが注意点になると思います(風と関連して高潮のおそれも)。
まず、①大雨のおそれ・・・ですが、雨雲の発達に関係する風向の様子とからめてMSMという気象庁のシミュレーションでチェックしておきましょう。

一応、ポイントは書き込んでおきましたが・・・・
台風には反時計回りの風が吹き込みますから、台風が北東に進むに従って、頭上の風がどのように変化するのか?風との関係で雨はいつ?どのように変化するのか?とい視点で、時間・場所ともに安全マージンをとりながらアニメを見ていただきたいと思います。
次は、②風が急に強まる点について、まずは午前3時の上空の実況天気図でチェック。

朝鮮半島方面付近の上空の気圧の谷が深まりながら東進。
これに伴って、偏西風も南下。
北上する台風と接触するタイミングで台風が加速します。
暴風域を伴った台風が加速すれば、急に風が強まるおそれがあることは容易に想像できますが、以上の様子をわかり易いよう立体的なアニメにしてみました。

南岸中心に暴風域に入ること、関東付近で偏西風と接触して急加速することがわかると思います。
ここまでお読みいただければ、あとは最新の天気予報やニュースをチェックしてイメージを微調整することで、天気予報を120パーセント活用していただけると思いますが、台風は時々刻々と変化しますから、ネットの気象情報を使って、目先の危険を回避することも非常に有効です。
そこで、気象庁HP( http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/ )にある情報を使って、午前3時の紀伊半島や東海方面をモデルに、目先の大雨や強風を察知するテクニックの一つをご紹介しておきたいと思います。

さて、目先の大雨をチェックするなら、多くの方は気象レーダーを使われると思います。

着目点は、どこで雨雲が発生しているのか?雨雲はどこへ流れていくのか?雨雲は増える傾向か減る傾向か?ということ。
ですから、必ず動画でチェックする必要があります。
雨雲の傾向がわかったら、次はアメダスの風向風速をチェック。

雨雲は、暖かく湿った空気が山にぶつかったり、風向が大きく変化したり風が集まっている場合(収束線)に多く発生・発達します。
そんな風の様子をチェックするわけですが、風速が弱い場合、風向は地形の影響でばらつきます。
細かなことは気にしないで、上の図のように、大ざっぱな流れを考え、どこで異なる風向の風がぶつかっているのか?どこに風が集まっているのか?考えてみてください。
この図では、暖かい風と冷たい風を色分けしていますが・・・・これはアメダスの気温でチェック。

風向の違いと気温の急激な変化がみごとに対応していることがわかると思います。
暖気と寒気がぶつかると、より雨雲が発達しやすくなります。
今回の台風は秋雨前線とセットになっているので、以上の傾向が顕著。

これらの関係をあらかじめ実況で把握しておけば、風向の変化とともに雨が強まることを直前に察知することも可能になります。
少々難しいかもしれませんが、今後の台風のために、この機会を使って練習されてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、関東でも同様の傾向がみられています。



ご自分の地域でも同様の大雨が起こる可能性があると考えて、税金で作られている気象庁HPの情報を使いこなし、防災に役立ててください。
15時05分追記 気象庁の解析では、台風15号は14時頃に浜松市付近に上陸とのこと。 上陸の様子を雨雲と風の様子でまとめておきました。 ![]() ![]() 上陸の様子がこれほど明瞭に観察される台風は少ないものです。 それだけ中心付近の風速が強く、台風の目がしっかりとした発達した台風。 台風周辺では陸上でも20m/s以上の風が吹いていて、最大瞬間風速はその1.5倍~2倍が想定されますから・・・・ 関東方面の帰宅時間・・・相当な乱れがあるかも? |
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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