2009年12月31日
大晦日の大雪情報!(12月31日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
大晦日に天気図を見ていると、昔のことを思い出します。
大晦日・・・放送局の報道部の中にあるウェザーセンターは、天気図やらCG作成用の機器がゴミゴミとならび、ビデオラックの上にちょこんと置いたテレビは紅白歌合戦を映しています。

民放キー局の報道部といっても大晦日は閑散としていて、普段着のままのデスクや記者たちは、自局の番組を見ずに紅白を横目で見ながら視聴率がムチャクチャ低いであろうニュース番組の準備中。
初日の出は見えるのか?どこで見えるのか?日の出は何時?なんて自分には無関係の天気予報の原稿を夕方には書き上げて、ボケ~っと音のない紅白を眺めるKasayan。
紅白の裏番組・・・それも天気予報なんて誰が見るんだろう?
大晦日は家のコタツで一杯やりながら過ごすのが一番だとおもっていましたが、ずいぶん前にそんな生活も終え、今年は故郷長野で大晦日を過ごせるようになったのに、大晦日になるとちょっと寂しく感じるのは・・・貧乏性なのかな?

さて・・・・長野駅付近も雪の粒が大きくなって道路にも積もってきました。
この調子だと、紅白が終わってからの善光寺参り・・・熱燗で温まった身体でもキツそうですねぇ・・・・・
今朝5時半に、長野地方気象台から最新の予想降雪量が記載されている「大雪に関する長野県気象情報 第3号」が発表されました(原本はココ)。
これまでの予想降雪量とは異なり、雪のピークをまたいだ予想ですから、長野市でも30センチが予想されています。
記事の文末に、予想降雪量だけは転載しておきます。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

冬型が強まる一つの典型的なパターンは、九州の西部も日本海沿岸エリアと同じく雪雲に覆われること。
そして、名古屋で「のち 雪」になっているように、若狭湾から関ヶ原を通り抜ける雪雲が、東海地方にも雪を降らせることです。
このどちらにも当てはまる天気マークの配置です。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。
いつもと趣向を変えて、今朝の雨雲の様子から見ておきます。

雪雲が北陸を南西から北東方向に向かって流れています。
この流れがだんだん西寄りに変わると長野県の大雪のスタート。

日の出の時点で雪がちらついていた北部も「朝 から 雪」の予報。
午前6時~9時の間にまともな雪になってくるっていうことです。
中部や南部は「所により」がついていない雪。
「時々」ですから、降ったりやんだりしながら薄っすらと積もってくるというイメージだと思います。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

このところ、予想計算値に大きな変化はなくて、同じようなアニメばっかり作っているのでちょっとウンザリしてきましたが、それだけ強い冬型の気圧配置がガチンコだということですね。
大雪の目安になる寒気のピークは今夜。
朝は比較的気温が高めでも、日中も気温が下がり続けますから、雪とともに寒さが増してきます。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
例によって、防災情報の大雪情報が出ていますから、当たりハズレの検討はやめておきます。
一番気になるのは、雪はどんな降り方をするの?どこに降るの?ということだと思います。
そこで、上で見たレーダーの雪雲の様子から転じて明日朝までの降水(雪)をアニメにしてみました。
6時間おきの情報なので、その間に一時的に雪雲のエリアが拡大したり減ったりするので・・・断続的・・・というイメージをもって見てくださいね。

最後に、「大雪に関する長野県気象情報 第3号」の予想降雪量を添付しておきます。
[予想降雪量]
1日6時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 中野飯山地域 :70センチ
大北地域山沿い :60センチ
平 地 :30センチ
長野地域山沿い :60センチ
平 地 :30センチ
中部 乗鞍上高地地域 :30センチ
松本地域の聖高原周辺と
上田地域の菅平周辺:30センチ
その他の地域 :10センチ
南部 木曽地域 :20センチ
その他の地域 :10センチ
今朝のNHKの天気予報・・・長野県全域を対象に予想降雪量を70センチにしていました。
そんなわけないですよね。
全国ネットの部分は、気象庁本庁発表の全国版の大雪情報で制作しますからやむをえないんですが、長野ローカルに降りてきたあと、NHK長野では県内の予想降雪量の分布を詳しく説明していませんでしたし、ニュース項目にもなし。
人がいないから・・・とは思いますけど、情報発表時間から1時間以上あったわけですから、ちょっと配慮に欠けた構成じゃないかとブツブツ・・・・。
年末の風物詩もイイですけど、先にやることがあるだろうと・・・・。
ですから、ネットを使う方でしたら絶対の大雪情報の原本を読まれることをおすすめします。
注意報・警報も原本を読めば対象エリアの予想降雪量が書かれています。
内容も簡単ですよ。
気象庁HP
http://www.jma.go.jp/jp/warn/
(15時半追記)
長野市内、午前8時半頃からいったん雪が止み、青空が出ました。

この時点でのレーダーの雪雲の様子と降水・風の計算値。

西寄りの風では、今日の場合北アルプスが壁になって市内には細切れの雪雲しか流れ込んでこないようです。
ところが、昼頃から断続的ではありますが、大粒の雪が再び降り始めてきました。

午前中の雪雲は西から長野市内に流れ込んでいましたが、今度は北から。
北から長野盆地を覆いはじめ、松代や千曲市方面を包みはじめました。

対応するデータがこれ。

風は北西に変わっています。
長野盆地の雪の降り方と風向の関係はここから考察できそうですね。
これから夜にかけても、微妙に風向は変化しながらも北西の風。
どうなるんでしょう・・・????

ということで・・・・・
雪の降り方について夜の部をまとめようかと思っていましたが、近所の実家で大晦日の夜を過ごさなければなりません。
ということで・・・・この記事で今年の長野のお天気に関する放談は終わり。
来年もよろしくお願いいたします!