2009年12月28日
年末年始は大雪?(12月28日)
今日、すでに仕事納めの方も多いようで、スーパーも人であふれていました。
年末カウントダウンモードに入ると、妙に週間予報の人気が出てきます。
ただ、テレビやラジオの天気予報番組の本数が減ってきますし、放送時間枠も短くなるので、天気マークだけ見せられて早口の解説がばかり。
こういうときほどネットでじっくりと週間予報をチェックしたいところですけど、わかったようなわからないような週間予報が多いんですよね。
ということで・・・・気象庁発表の週間予報を、もうちょっとビジュアルにいうコンセプトで記事を書いてみることにしました。

と思って・・・資料をチェックし始めたら、気象庁から、「暴風と大雪に関する全般気象情報 第1号」が発表されていました。
防災情報なので、無視できませんので、まずはこちらから。
この情報、年末年始の大移動や、冬山登山シーズンを控えて、前倒しに、防災上必要と判断して発表されています。ですから天気予報だけじゃなくてニュース番組でも取り上げられるはずです。
具体的な数字の記載などありませんから、とりあえず原本をそのまま引用しておきます。(原本はココ)
暴風と大雪に関する全般気象情報 第1号
平成21年12月28日11時00分 気象庁発表
(見出し)
12月31日から1月2日頃にかけて、強い冬型の気圧配置となり、日本付近に強い寒気が流れ込む見込みです。
このため、北日本から東日本を中心に風が強まり、日本海側では大雪となり、海や山は大荒れの天気となる見込みです。強い風と雪に注意してください。
(本文)
30日に低気圧が日本海を東北東に進み、北海道付近で急速に発達する見込みです。
このため、31日から1月2日頃にかけて、大陸から強い寒気が流れ込み、強い冬型の気圧配置となり、北日本から東日本を中心に風が強まり、日本海側では大雪となり、海や山は大荒れの天気が続くおそれがあります。
年末年始でもあり、強い風や降雪により交通機関などに影響が予想されます。
山岳部や積雪の多い傾斜地では、なだれの危険も高まりますので注意してください。
今後、地元気象台の発表する警報・注意報や気象情報に留意してください。
ちなみに、今日18時現在で、長野地方気象台から大雪に関する情報は発表されていませんが、遅くとも30日までには発表される可能性が高いので、発表され次第随時ご紹介することにします。
さて、気象庁発表の週間予報・・・30日から1日までの前半と、2日から4日までの後半に分けてまとめてみました(図中の天気マーク上段は北部、下段は中南部、気温は長野市の最高・最低気温)。
まず、大雪情報が発表されている前半から・・・・

要点は全部天気図の中に書き込んでおきました。
30日の日中はポカポカ陽気ですが夜になると一転、急速に冬型の気圧配置が強まってきます。
そして31日、1日と持続。
大雪の目安になる上空1500m付近の寒気も長野県中部にまで南下しています。
(矢印部分が長野県)
さらに、大雪の様子を詳しく見てみます。

これは、大雪のスタートラインになると思われる31日正午の降水(雪)と上空の気温の計算値。
前回の大雪は、上空5300m付近の寒気のピークと、地上に近い上空1500m付近の寒気のピークがほぼ同時にやってきましたが、今回は上層の寒気のピークのあとに下層の寒気のピークがやってきます。
このあたりが前回の大雪よりちょっとパワー不足の原因の一つですが、寒気のレベルとしては一級ですし、前回同様、日本海に雪雲のベルトコンベアーともいえる風の道(シアーライン)がしっかりとできますから、大雪を降らせるに十分な状況が整っているといえます。
南部の雪に関して、予報の信頼度はC(的中率が低め)ですが、北部は明日の予報なみにガチンコですから、お出かけの計画には大雪をしっかり織り込んでおいたほうがよさそうです。
(予報がそれなりに固まる30日朝の予報で最終決定するのをおすすめします)
次は、後半、2日から4日にかけて・・・・

2日、冬型は弱まってくる傾向ですから、雪も北部限定へ。
寒気も新潟県付近まで北上します。
もっとも降るものは確実に雪になる上空1500m、マイナス6℃の寒気は長野県全域を覆っています。
中部や南部でも黒い雪雲が流れ込めばすぐにチラチラ・・・
もっとも積もるような雪はないはずです。
諏訪地方などは冬晴れの可能性大。
ただ、木曽地方は・・・・正直わかりません・・・・晴れだと思いますが、Kasayanの今回の宿題です。
最後、3日と4日は黄色の枠でくくってあります。
南部の晴天の可能性は高いのですが、北部の予報の信頼度がイマイチなので。
計算値どおり北日本中心の冬型であれば山沿い中心の雪ですが、このあたりは来年になってからチェックすればよいですね。
・・・・う~ん・・・情報盛り込みすぎて余計わかりにくくなっちゃったかな?・・・・・
テレビの天気予報の解説で分かりにくいところがあったら、この記事を使ってみてください。
ご存じのとおり、週間予報は水もの?の要素もありますから、修正する必要があれば明日以降の記事で修正したいと思います。
2009年12月28日
天気予報は当たるのか?(12月28日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
朝の7時前・・・薄暗い窓の外を見ながらシコシコと・・・気象解析・・・という仰々しいものではなくて・・・目覚めのお天気チェック。
観測データや計算値を沢山見比べて考えたほうが良いので、モニター二つで対応してます。

どんな家に住んでも、もう一部屋あったら・・・なんて考えてしまうもんですが、PCの画面も同じ。
でも・・・頭の処理能力が減退しているから増やしても意味ないか?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気マークが二つでワンセットになっている所が多いですけど、「のち ?」の後半部分だけでエリア分けするとこんな感じ。
結局「のち」には、日本海側ぐずつき傾向、太平洋側晴れ傾向の冬型になるってことがわかります。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

県内の天気マークも、全部「のち」になっていますから、「のち」の部分だけ見てみると・・・北部だけ雪で、中部南部は晴れ。
典型的な冬型の天気分布ですけど、「のち」がいつになるのかは、予報文を読まないとわかりません。
北部は夕方から雪。
中部南部は、昼前後からゆっくりと晴れてくるようです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
年末になるとテレビの天気予報番組も減ってきます。
ワイドショーが無くなるし、放送局だって年末休みをとりたいから・・・・。
解説のある番組はNHKに限られてきますけど、アニメに書き込んだような解説になると思います。

今朝の段階で、低気圧や前線は中部付近を通過中。
明け方前から中部南部で雨が降り始めています(高いところでは雪かな?)。

この雨、予報どおりちゃんと止むのかな?・・・が、一番の気になるところです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日の予報のチェックポイントは、まず南部の雨(雪)が止むのはいつか?ですよね。
予報は昼前を予想しています。

雨がピークだろうと思われる午前9時の雨エリアの予想がこれ。
寒冷前線の進路の前に流れ込む湿った空気による雨です。
寒冷前線が午前中に通過するので、そのタイミングで上がってくると考えられます。
「昼前 から くもり」という予報のタイミング・・・多少雨の残るエリアもありそうですが、あまりアヤシサは感じられません。
そのあとの晴れ間は・・・湿り気が残りそうなのが気になります。
北アルプスが湿った空気をブロックする関係で、午前中の北部の雨や雪は限定的・・・くもりの予報のイメージで推移すると思います。
最後は北部の雪。
冬型が強まってくる夕方以降、山沿いで降るのは確実だと思いますが、平地ではどうか?が悩ましいところです。
専門の天気図でチェックしてみると・・・・

低気圧や前線のメインの雲は右の図の赤の点線のところまで進みます。
でも、この図では表現されない雪雲が日本海に広がってきます。

日本海に北西の風と西の風が集まるシアーラインができて、雪雲が北陸から県内に流れ込むので、それなりに雪が降ってもおかしくないパターンなんですけど・・・冬型がすぐに弱まっちゃうんですよね。
多少ちらつく程度はあるかもしれませんが、がっちり積もるということはないと思います。
この点、北部の予報には、「所により」という限定はありませんが、防災的にエリアを限定していないと考えます。
結局、今日の予報・・・・中部南部は晴れ間を期待しすぎなければ予報は当たる、北部の雪は限定的と考えれば予報はあたる・・・と考えます。
条件付きですね。
今夜は、正月を含むむこう一週間の天気をチェック・・・してみようかな?