2009年11月30日

週間予報は当たるのか?(11月30日)

 さて、週の始まり月曜日・・・
 今週の週間予報をざっと(かなりイイカゲンに)チェックしておくことにします。

 気象庁発表長野の週間予報はこんな感じ。




 とりあえず・・・・雪だるまマークはなし・・・・・・

 だけど、太陽マークがいまいち少ないですね。
 
 そして、北部の予報の信頼度はCがかなり多い
 Cというのは「降水の有無の予報が翌日に変わる可能性が信頼度Bよりも高い」とう場合や、「適中率」がかなり低い場合に使われますから、Kasayanを含めて北信に住む人は、ある程度予報が変更されることを想定しておく必要があります。

 そこで、週間の予想天気図を見ながら検討。




 3日(木)は本州南岸、前線を伴った低気圧が北東へ進みます。
曇り時々雨のマークですけど、南部中心の可能性がありそうですね。
でも、昨夜(29日)のように南から湿った空気がググッと入り込めば、北信も・・・・
 低気圧の発生と進むタイミングがズレるというより、影響の程度のサジ加減が信頼度Cかもしれません。

 そして4日金曜日。
 前日に南岸を通過した低気圧が北海道の東でやや発達。
みかけ、西高東低冬型の気圧配置
南信は晴れで信頼度A。北信は日本海の雲がかかる程度があやしいので曇りマークは信頼度C・・・かな?
 決定的に強い寒気は南下しそうもありませんから、初冬らしい・・・くらいのイメージだと思います。

 さらに5日は前日の寒気の影響で朝は氷点下の予想。
長野市内でそうですから、長野市より標高の高いところでは、いわずもがな?
 とりあえず、冬型は緩んできますけど、4日に大陸で発生した低気圧が早くも日本海へ。
 曇りマークですけど・・・・南信では多少晴れ間も?・・・・ただ、低気圧の影響や、サッサと東へ抜ける高気圧のお尻の気圧の谷の雲がヘビーなら曇りマークのまんまかもしれません。

 そして、6日は日本海にあった低気圧が北海道の東へ進んで発達。
低気圧から延びる寒冷前線が本州通過
 曇り時々雨マークですけど、前線通過の一時的なタイミング?
 前線がなかなか通過しないこともありますから、この傘マーク、7日の未明くらいまでは持ち越す可能性があるかもしれませんね・・・・・・たぶん・・・で信頼度C。

 最後7日(月)は冬型。
南部の晴れ時々曇りの信頼度Aは、冬型の気圧配置で南部はガチで晴れそうという自信の表れかもしれません。

 という流れですから、中南信の方は3日、6日に着目していれば良いですけど、北信は、3~5日にかけては、曇りマークで終始するか、多少の雨があるか?を毎日チェックするしかなさそうです。


 で・・・・チキンレースになっているスタッドレス交換は・・・・
このままなら、積雪!というほどの雪は無い・・・氷点下の朝に一部凍結の恐れはあるにせよ、寒気の南下は弱いので、日中10℃近くまで上がるんだし・・・・昼間は解けるだろう・・・・ということで、今週はナシ!!
 4日あたりの再チェックでもう一度判断!することにしました。

 自分のための予報は当たらないというジンクスと、自分のためにはイイ加減という性格と・・・・これに関しては住んでいる長野市しか考えていないという自己中心的性格から・・・・・信用して失敗しても責任は負えませんのであしからず。


  


Posted by kasayan at 19:30Comments(2)今週の週間予報は?

2009年11月30日

天気予報は当たるのか?(11月30日)

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 30年ぶりに長野で冬を越すことになったKasayan。
スタッドレスタイヤを買い込み、あとは交換のタイミングを待つだけですが・・・・・




 予報をチェックして、あやしい日の3日ほど前に交換してやろう・・なんてチキンレースを考えているんですけど、昨夜NHKテレビの天気予報・・・時系列の詳しい予報ってヤツを見ると長野市内にも雪だるまマークがついてるんです・・・・・ギョ!

 NHKの時系列予報は、気象庁じゃなくて、日本気象協会発表のモノ。
ちなみに日本気象協会って財団法人で、気象庁や国とはなんの関係もありません(天下り?は???)。

 一方、気象庁発表の予報は雨ベースで標高の高い所のみ雪。

 で・・・・・今朝、長野市内は・・・結局雪にはなりませんでした

 さて、昨日夕方以降、県内に降りだした、今朝の段階ですでに東に抜けています。




 この雨、高気圧と高気圧の間の気圧の谷に南から湿った空気が流れ込んでできた雨雲が降らせたもの。
 県内はほとんどのエリアで雨だったようですが、中南信も含めて高い山や高原では雪やみぞれになったようです。




 スタッドレス交換のチキンレースは、今日のところはセーフでした。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 いつものエリア分け。
四国・近畿から長野県にかけて太陽マークが並んでいますけど、多くは雲マークとセットになってます。
 
 このエリアの周囲には雲マークが多く見えるので、周囲の雲マークがイタズラしないか?が今日の予報の心配要素になりそうですね。

3、長野県の予報
 天気マークしか見ていませんか?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。





 長野県周辺を見ても、新潟方面は曇りマーク関東に至っては「のち 曇り」マークですけど、傘マークが散らばってます。

 上で見たレーダーの様子では、雨雲はほぼ抜けたようなので、関東方面の傘マークは県内にイタズラしそうにありません。
 じゃあ、新潟県の曇りマークはどうなんでしょう?
 このあたりは確認しておいたほうがよさそうです。

 もう一点、県内の予報の「朝晩 くもり」
「朝」は雨雲の残りカスのことでしょう。じゃ「晩」の雲は?

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。





 それらしくポイントを棒で指して読み上げれば、お天気キャスターの解説になるようにしてみました。
ネットの天気予報でも、もうちょっと手間をかけるべきだと思うんですが・・・・グチはやめて・・・

 結局、今日の長野県内、関東沖の低気圧、九州の気圧の谷、日本海の気圧の谷(低気圧)の三方向あやしい要素に囲まれた「晴れ間」のようです。

 西の気圧の谷までは距離があるようですし、関東の沖の低気圧は離れる方向。
ということは・・・日本海の低気圧の影響がどれだけあるのか?が太陽マークと曇りマークのバランスを決めることになりそうですよね。

 そこで・・・本当は、プログという専門の天気図に手書きした図をお見せしたほうががいいんですけど、時間がないので、いま話題のスーパーコンピューターが計算した正午の雲の様子を見てみます。





 上層・中層の雲は県内にかかっていませんけど、上越との県境付近にベッタリと雲がかかっています。
日本海の低気圧の影響ですね。
 北信、それも北ほど雲マーク優勢、南部ほど太陽マーク優勢というイメージです。

 予報文のあった「晩」の曇り・・・この低気圧の影響ですから、低気圧が東北東へ進むに従って、北信から南信に広がっていく感じです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 ということで・・・予報が「晴れ 時々 くもり」ですから、快晴!をイメージしていなければハズレと感じることはないでしょう。

 あとはイメージする太陽のバランスの問題。
北信ほど雲マーク優勢、夕方に近づくにつれて雲が広がってくるというイメージだと思います。

(12時追記:11時発表の予報で、北部は「くもり」に訂正されました。あやしさが現実になりました。)

 
 スタッドレスチェック・・・しなくっちゃ・・・  


2009年11月29日

善光寺40年前(番外編)

 ずっとずっと気になっていても行けなかった場所というものがあります。
今日も引き続き善光寺40年前番外編。
 善光寺の裏山・・・地附山




 かつて旧長野市街地に最も近いスキー場が地附山山頂のスキー場。
善光寺裏、桜坂の上から善光寺ロープウェーに乗り、山頂駅にたどり着いて徒歩数分。
 雪の少ない地附山にあって、山頂北側の雪の溶けにくい緩やかな斜面は、飯綱山を望む子供向けのゲレンデでした。

 小学生の私が持っていたスキー靴は、靴ひものある皮製。
ゴム長靴を皮ベルトでスキーにくくりつけるスキーが多かった時代の自慢の一品。
 そのスキー靴をはいて本格的なスキーデビューをしたのがここでした。




 ゲレンデにリフトは存在せず、モーターで動くロープにつかまった人を引き上げる方式。
必死にロープにつかまるのですが、バランスを崩すとのけ反って転ぶのが難点。
 一人が転ぶとドミノ倒しのごとく後ろの人も・・・・




 小学校高学年になった私は、このスキー場では物足りず、飯綱スキー場へ
しばらくここに足を運ばないでいるうちに、いつの間にかスキー場は廃止になっていました。

 モーターやロープをささえていた滑車は、40年の歳月を重ね、雑木の生えたゲレンデの中に埋もれていました。

   


Posted by kasayan at 16:41Comments(0)昭和の長野へ

2009年11月29日

天気予報は当たるのか?(11月29日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 土日の朝、テレビの天気予報番組の数が平日よりグーンと減ります。
朝のワイドショーが無い日曜日の朝は特に。
 放送局で働く人だって週末は休みたいですからね。

 となると、週末の朝はネットで天気予報をチェックしたほうが便利。
 ただ、今日の天気の場合、天気マークの予報を見ただけでOKな人はいいですけど、予想天気図を見た人は???になるかもしれません。

 長野県には「のち 雨」マークがついていますけど、予想天気図には低気圧が描かれていませんから。
 
 今朝、ブログを書きながら、ラジオを聴いていたら、気象予報士が「気圧の谷の影響で」を連発していました。伝える者には便利なコトバですけど、聞いている人にはなんか分りにくい感じがしませんか?




 今日のテーマは「気圧の谷の影響」
どこまでわかりやすくまとめられるか?に挑戦してみます。
  

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 全国の天気はざっくりとエリア分けしてみると、予想天気図と対応した天気変化の傾向が見えてきます。
 中部・関東方面だけ傘マークがついている・・・「のち 雨」・・・・天気下り坂ね・・・・ということだけ把握しておけばOKです。

3、長野県の予報
 天気マークしか見ていませんか?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。





 目的の長野県にズーム。
 全県で「くもり 後 雨」マークということが分かったら、「後」が何時?予報文(クリック)でチェックします。
南部が「夕方」で、その他は「夜」
 よく読むと、全県傘マークなのに予報文では北部だけ「雨か雪」になっています。
 長野地方気象台は、基本的に雨ベースにしながらも、雪も想定しているんですね。
県内の概況を読んでみると、標高の高い所を想定していました。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 未来の予報を作った時のスタートライン・・・昨夜9時の実況の天気図から今夜9時までの天気図の変化をアニメにしてみました。





 ポイントは書き込んでおきましたが、気圧の谷が”高気圧のクビレ”部分や高気圧と高気圧の間の”相対的に気圧の低い部分”にできることがわかりますよね?

 これ、詳しくは上空の空気の流れとも対応して複雑なんですけど、この程度に覚えておくだけで十分です。

 今夜、高気圧が張り出しすぎちゃって、本州は日本海と太平洋の高気圧にはさまれます。
ですから谷・・・になってしまって、谷には”谷川”のように南から湿った暖かい空気が流れ込み・・・・冷たい空気とぶつかって水蒸気の粒が出来て・・・雨雲発生・・・というストーリーです。

 念のため、雪はどこで降る?を確認




 夕方5時には県内全域が降水域になってますから、暗くなるころには雨とイメージしておけばよいでしょう。そして、上空1500m付近の寒気は北部中心に0℃近辺。
 標高1500m前後の高原や山・・・霧ヶ峰や美ヶ原、アルプス方面や志賀高原、黒姫・飯縄方面は雪を想定しておいたようがよさそうですね。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 上で見てきたように、今日のポイントは雨の降りだし

 北部・中部では「夜」になってますけど、予報用語で夜の定義は「午後6時以降」。
でも計算値を見ると、午後5時くらいにはあやしい感じ
 ただ、雲が広がった午後5時はもう暗いので、用語の定義を知らない人は夜になって雨が降ったと感じるでしょうから、今日の予報は当たる・・と考えておいてよいと思います。

 帰りが遅くなりそうなら、要注意ですね。

 で・・・・気圧の谷・・・・説明になってました?


  


2009年11月28日

善光寺40年前(番外編)

 ずっとずっと気になっていても行けなかった場所というものがあります。
今日も善光寺40年前番外編。
 善光寺の裏山・・・地附山




 地附山山頂の裏側には、地滑り以降に廃道となったバードラインが木々に埋もれています。
ここは、地附山から大峰山へと続く長い直線

 バードライン経由戸隠行きのバスに乗り、桜坂上のロープウェイ乗り場を過ぎると、道はつづら折りの急坂になり、地附山山頂の北側へと回りこみます。
 そして、山頂スキー場の下を通り過ぎると、バスはこの直線でスピードを上げていきました。

 高校生のころ、生物班に所属していた私は、月に最低1回は、徒歩でこの場所に足を運んでいました。 このガードレールの外側に、試薬の入ったガラスの臭気瓶(理科の授業で酸素の燃焼実験に使うやつです)を沢山置いてCO2濃度を測定し、自動車による自然破壊を観察していたわけです。




 道端に瓶が沢山入ったバックを置いていて車に踏みつぶされてしまったこと・・・夏の午後、突然の夕立に濡れていたら、通りすがりの車が雲上殿まで乗せていってくれたこと・・・・
 
 高校生のころ、心配していた自然は、力強く人間の仕業を消し去っていました
  


Posted by kasayan at 16:45Comments(0)昭和の長野へ

2009年11月28日

天気予報は当たるのか?(11月28日 週末版)

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 長野ローカルの天気予報番組と関東ローカルの天気予報番組の違いが一目でわかるのが番組の冒頭です。
 間近に雨が降りだすような場合、関東ローカルでは必ず気象レーダーや雨雲の予想の画面を表示します。




 そして、「箱根方面の雨雲・・これから関東全域に広がって、日付の変わるころには広い範囲で雨になりそうです」なんていうコメントをして、お出かけや帰宅時間を考慮してもらう情報を提供するわけです。
 これ、長野ローカルではほとんどありません

 天気予報番組って、沢山の人が携わって作られていると思われるかもしれませんが、それは関東キー局や大阪などの準キー局だけ
 長野ローカルなどの場合は、調整室の中にパソコンラックが一台置かれていて、番組の時間になると、気象会社から送られてきたデータをもとに自動的にCGが作成され、放送時間になると自動的に送出される仕組みになっています。

 もちろん、番組で使うCGを入れ替えることは可能ですが、災害になりそうな場合をのぞいて、局のスタッフはそんなことをしているヒマも関心もありません
 だから、番組の冒頭で「現在、注意報警報は発表されていません」なんていうCGが毎日放送されたりしているわけです(注警報がないというのも大切な情報!と言い訳をする人もいますけど)。




 
 じゃ、原稿の作成は?・・・これも気象会社から送られてきた定型の原稿をCGにあわせて読むだけ

 昨夜遅く、長野県北部で雨が降り出しましたけど、どの局もレーダーを使わず、定型のCGだけでした。いつもグチばっかりになってしまいますが、ホントに天気予報の地域格差はひどいんです。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 週末特別版・・・土日の予報ですけど、回復傾向の今日は良いとして問題は明日日曜日ですよねぇ・・・

3、長野県の予報
 天気マークしか見ていませんか?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。





 問題の明日。北部・中部は曇りベースから雨マークへ
雨の降りだすタイミングが問題になりますから、177番のもとネタの予報文を読む必要があります。

長野県 28日 5時
北部
今日 くもり 夕方 から 晴れ 所により 昼前 まで 雨
明日 晴れ 後 くもり 夜 雨か雪
中部
今日 くもり 時々 晴れ 佐久地域 で 昼前 まで 霧
明日 晴れ 後 くもり 夜 雨
南部
今日 晴れ 時々 くもり 所により 昼前まで 霧
明日 晴れ 後 くもり 夕方から 雨


 南部は夕方、中・北部は夜から雨。
明日の雨の降りだしが、天気予報が当たるか?のポイントになりそうですね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 土曜の朝、長文になっちゃいますけど、短期予報解説資料という天気予報を作成する人のために気象庁本庁が発表している天気予報の虎の巻の内容を紹介しながら天気図を見てみます。
 難しそうに見えますけど、簡単なコトバにすれば下手なお天気キャスターより役立ちますよ。太字にしたとこだけでも十分です。
 (かっこ)内はKasayanの書き込みです。

 1.実況上の着目点
低気圧がオホーツク海と千島近海にあって寒冷前線が東北を抜けつつあり、北日本
から西日本は寒気移流場(寒気に覆われる場所)に移行中。
北日本の広い範囲と北陸以西の日本海側に降水域。
 北海道は内陸や山沿いで3 時間数センチの降雪。北陸周辺で1 時間10 ミリ前後の雨。
四国沖~東シナ海は下層収束場(地上付近で風が集まり上昇気流が発生)で、雨域を伴う雲バンド(雨雲の帯)が見られる。
③台風第22 号は北上が止まりつつある。


 気象庁の予報官も、予報を作成するためには、まず予報のスタートライン=実況をじっくりと観察します。
 ①と②を図に書き込んでおきました。





 次は、実況にもとづいた予測になります。

2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意
①日本付近は一時的に冬型気圧配置となるが、FT24(28日午後9時) には気圧傾度が緩み(等圧線の間隔が開き)、中国東北区の高気圧に覆われてくる。
 日本海側の降水(冬型気圧配置による)は、今日昼頃までで概ね終息の見込み。
②九州から朝鮮半島にかけては、2 つの高気圧にはさまれて気圧の谷(相対的に気圧が低い所)となり、FT24(28日午前9時) 以降シアーライン(風向きが急変している場所。雨雲が発生しやすい)が明瞭となる。
 FT36 (29日午前9時)頃には500hPa・5580~5640m付近のトラフ接近(上空の気圧の谷。地上の低気圧のパワーのモト)によりシアーライン周辺で雨が強まるが、九州は水蒸気の流れ込みにくい場で、雨は局地的。
 FT48 (29日午後9時)にかけては、トラフ前面の近畿、東海、関東甲信で雨域が拡大する。
③1項②(実況の着目点の②)の収束場は、四国沖はFT12(28日午前9時) にかけて収束が弱まるが、東シナ海では収束域が持続してゆっくり南下する。
 先島諸島ではこれに伴いFT36(29日午前9時) にかけて雨の降りやすい状態が続く。
④台風第22 号はFT48 (29日午後9時)にかけて動きが遅く、緩やかに衰弱する見込み。

 これも予想天気図に書き込んでみます。





 結局、気象庁の予報官が考えた週末の天気変化のシナリオは・・・・・

 今日午前中は西高東低の冬型の気圧配置になって、日本海側で雨。
長野県北部もその影響があるけど昼までには回復。

 一転、明日朝には九州方面では気圧の谷の影響で局地的な雨。
ただ、明日夜にかけては九州よりも近畿・東海・関東甲信で雨雲が発達してくる。
長野県も夕方以降、順次雨が降りだす


 ・・・・っていうことのようです。

 天気マークを使った天気予報がどういう理由で作られたか・・・わかりました?

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 予報を信頼していいか?これも短期予報解説資料にヒントがあります。

3.数値予報資料解釈上の留意点
①モデルは概ね安定、最新のGSM(天気を予測するプログラムの計算値) を基本に考える。
 2項②のFT48 頃の雨域(明日の関東甲信の雨)は、地上じょう乱を伴わないもので(低気圧の発生とは無関係)、今後、初期値変り(実況によって変化する)する可能性がある。
②波浪モデル:モデルをほぼ採用で、寒気移流場内は早め、高めの修正(+0.5~1m程度)


 ②は波なので無視。
 ①を読むと、明日夕方以降の雨は今日の観測次第では、ずいぶん様子が変わってくる可能性があると言っています。

 結局、今日の回復傾向の予報は、北部の県境で回復が遅くなる可能性はあるものの当たると考えてもよいでしょう。
 ただ、明日の雨については、最新の予報で再チェックする必要があるということになります。

 予報は5時、11時、17時の一日3回発表されますが、全く新たなデータで計算されて発表されるのは5時と17時
 ということは、明日の予報がすごく気になる方は、17時発表の新しい予報を必ず確認したほうが良いということです。
 もちろん、明日朝5時発表の予報でも確認したほうが良いにきまっています。


 今日もずいぶん長文になっちゃいましたけど、週末の予報はこれだけ検討項目が多くなります
これをどれだけ削って天気予報番組にするか?が技量の見せどころですけど、長野ローカルの天気予報番組・・・あまりにも簡単すぎるぞ・・・・・またグチになっちゃいました。


  


2009年11月27日

善光寺40年前(番外編)

 ずっとずっと気になっていても行けなかった場所というものがあります。
 今日からしばらく、善光寺40年前番外編
 善光寺の裏山・・・地附山

 地滑り以降、登山できる雰囲気ではなかったのですが、ボランティアの方々の努力によって素晴らしい遊歩道が完成したことを知り行ってきました。

 かつて長野市民のレジャーの中心地のひとつだった地附山山頂。 
子供の頃、町の育成会のイベントや、家族の行楽に何度も訪れたところ。

 山頂までは、桜坂の上から善光寺ロープウェーを利用。
 山頂のスキー場に行くときは、スキーをゴンドラの外にくくりつけるため、スキーが飛ばされないかとハラハラしながら、小さくなっていく善光寺を眺めていたものでした。









 そんなロープウェーの山頂駅も今では階段状のコンクリート製発着場駅の土台を残すのみ。
変わり果てた土台を見ながら、小学校の窓からゴンドラが山頂駅に吸い込まれていく姿をぼんやりと眺めていたことを思い出していました。
  


Posted by kasayan at 19:30Comments(0)昭和の長野へ

2009年11月27日

天気予報は当たるのか?(11月27日 週末編)

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 これ、今朝3時の実況天気図を衛星画像に”手動”で合成したもの・・・ローテク・・・




 日本海に低気圧と前線があって、東西に雲の帯ができています。

 この低気圧が北海道方面に進むとともに、低気圧の西側の前線が北陸まで南下。
この前線の動きが今日と明日土曜日の長野県の天気を左右します。




 そして、これが今朝9時の上空1500m付近の寒気
これが青で塗ったマイナス6℃以下になると、空から落ちてくるものはになる可能性が高くなります。

 11月最後・・・晩秋の週末の天気はどうなるのか?が、今朝のテーマです。


2、全国の予報
 「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 大雑把に天気傾向をエリア分けすると、北日本と北陸の日本海側は、「のち 雨」マークが沢山並んでいます。
 上の衛星画像でみた前線の雨雲がやってくるんですね。
 ただ雪マークじゃなくて雨マークですから、上空の寒気はそれほど南下してこないと気象庁は判断しているようです。




 そして気になる明日土曜日の天気。
北日本は雪マークなんてついてますが、北陸はどこも「のち 曇り」マークがついていますよね。
 早くも土曜日には回復へ向かうってこと・・・・前線の影響は北陸では弱いんですね。
 
 そして、今日の天気マークになかった傘マークが突然登場・・・長野のマークは「雨 のち 晴れ」になってます。
今夜日付が変わってから雨になって、はやくも明日回復ということになります。

3、長野県の予報
 天気マークしか見ていませんか?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。





 全県「晴れ 時々 くもり」ですけど、お隣の上越は「夜遅く 雨」
お隣の影響がどれだけ?がポイントになりますけど、夜遅くですから多少時間帯がズレて影響しても、雨の心配はないでしょうね。




 そして、明日土曜日・・・北部に傘マークがついています。
結局、今夜上越に雨を降らせる前線は、明日未明に北部にも影響するわけです。
おまけに予報文を読めば「雨か雪」で、回復は「昼前」
 上空の寒気は弱くても、標高の高い長野県。
今夜遅く、北部では標高の高いところでは雪の可能性も考えておいたほうがよさそうです。
 

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。





 今夜9時と明日夜9時の予想天気図を並べておきました。

 日本海の前線が北日本を通過するのは今夜。
日本海側中心に雨が降るのは今夜で、明日夜になると前線と低気圧はすっかり抜けて高気圧が張り出してきます。
 そして、西高東低冬型の気圧配置になるのは北日本中心
おかげさまで、北陸は回復傾向で、お隣の長野県北部では晴れてくる・・・ということになりそうです。

 で・・・スタッドレス交換が気になる、上空の寒気は・・・・




雪の目安の寒気は東北北部まで
 それほど強いものではありませんから、今夜の雨が雪になるのも長野市より北のエリアの標高の高い所中心と考えてよいと思います。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 今日の予報がハズレでも問題はなさそうなので、明日について・・・




 明日朝9時の降水域。
長野県北部の県境までぎりぎり雨エリアです。
明日の予報は「昼前」まで雨か雪ですから、明日朝の傘マーク、基本的に予報は当たると考えます。

 ただ、太陽マークまで回復するのか?という点については、冬型の気圧配置の影響を受ける上越のお隣・・・小谷、信濃町方面、飯山方面ではあやしい感じ

 まあ、少なくとも上越県境をのぞいて、まずまずの土曜日と考えておいてよさそうですね。

 で・・・日曜は?
高気圧が張り出しすぎてしまって、今度は太平洋側に低気圧や前線が発生しそう・・・
ということは、明日の北部と入れ替わって、南部が下り坂
 詳しくは明日朝に検討するつもりです。


 週末の天気をここにまとめるのは難し・・・・・・・
   


2009年11月26日

善光寺40年前

 ご存じ、大門から善光寺参道への入口
今では大門通りも石畳になっていますけど、それまではここが石畳のスタート地点でした。





 石畳に沿って本堂にたどり着くまでには、宿坊や仲見世をはじめ、数多くの店が立ち並んでいますが、その昔、善光寺に向かう時、第一番目に出会うお店が、石畳スタート地点左側にあった甘栗屋さんでした。
 お祭りの屋台とは違い、周囲が紅白に彩られたトタンでおおわれているそれなりのお店。

 小布施の栗が有名な長野にあって、売っている栗はなぜか「天津甘栗」
店の中のカマで小石と栗を撹拌しつつ、この交差点に香ばしい栗の臭いを漂わせていました

 今でこそ、スーパーなどで天津甘栗を買うことができますが、昔は旧長野市内で唯一、常時天津甘栗を買うことができたお店
 子供の私にとっては高価だったので、特別なときにだけ買ってもらえました。

 残りの栗の数を数えながら少しずつ食べる癖は、今でも抜けていません。
  


Posted by kasayan at 18:59Comments(0)昭和の長野へ

2009年11月26日

天気予報は当たるのか?(11月26日)

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 昨夜7時前のNHK、民放の長野ローカルの天気予報を見比べたんですけど、どこも「明日は高気圧におおわれてさわやかに晴れるでしょう」みたいなことを言ってました。




 これ、天気予報番組の原稿作成の初心者がやりがちなんですけど、南北に長く天気分布の異なる長野県の天気予報としては配慮を全く欠きます
 同じ晴れでも”晴れ方”というものがあって、曇りに近い晴れから快晴まで色々です。
 この季節、晴れ方と気温もリンクしていたりしますから、外作業の多い農家のことを思えば、もっと空の様子を具体的にイメージできるコメントが欲しいところです。

 ところが、「高気圧に覆われて・・・」以外は、気温の数字や天気マークなど、”見りゃわかる”はずの画面の表示を読んでいるだけの原稿の多いこと。多少傾向を伝える必要があるにせよ、同じような時系列の表(「詳しい天気を見てみましょう」ってヤツです)を連続で見せられて「すっきりと晴れるでしょう」「さわやかに晴れるでしょう」「雨具の必要はありません」と連発されたら頭にきます。
 また、太陽マークばかりで困ったあげくは、気温の数字を読み上げて、「14℃まで上がります」。

 ピンキリあれども関東ローカルでは、こんなバカなことはやっていません。
地域格差と叫ばれていますけど、天気予報までとはヒドイ話・・・・・朝から酔っ払いのような天気オヤジの暴言でした。

2、全国の予報
 「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 朝の天気予報では、「全国的に晴れて小春日和」みたいな話が多いんじゃないでしょうか。
でも、よーく見ると、日本海には傘マークもあるし、関東は「曇り 時々 晴れ」ですから、基本的には曇りベース。北海道も太平洋側は雪マークだってついています
 全国ネットの天気予報番組を担当していたとき、「全国的に」というコトバを使うにはものすごく慎重にならざるをえませんでした(クレームってあるんですよ)。
 そのエリアの人を見捨てるようなコトバなんですよね。

3、長野県の予報
 天気マークしか見ていませんか?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。






 天気マークは「晴れ 時々 曇り」
予報文を見ると、曇りは「朝晩」。加えて「所により霧」も。
なんで朝晩・・・朝だけですむの?・・・霧の「所」はどこ?
 これに答えようとすれば、「気持ちよく晴れるでしょう」なんていうコメントをしているヒマはないはずなんですが・・・・。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。





 今朝、予想天気図を使って最低限伝えるべき内容をまとめてみたつもりです。
長野県向きにさらに加えるとしたら、「高気圧の中心が東海上にあるため、高気圧の縁にあたる県内は夕方から雲が広がりやすい」点だと思います。

 ここで、北信で午前中影響があると思われる、日本海の寒気の雲の様子をチェックしておきます。




 ひまわりの画像をそのまま見ても、雨雲なんだかよくわかりませんよね?
これ強調画像といって発達した雲が赤で表示されるんですけど、北信を含む北日本に雨雲がかかっているのがわかります。
(台風も見えますね。これ北上してきますけど、東にそれる可能性が高そう?)




 ついでに、落雷の状況を見ると、新潟や山形で落雷多し。
小粒でもパワーのある雲・・・これが北信にどの程度影響があるのか?が今日のポイントになりそうです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 中部・南部は基本的に高気圧の範囲内を重視して小春日和の晴れ午前中の霧がかかりやすいところ・・・たとえば千曲川や天竜川沿い(川からの蒸発した水蒸気による)、美ヶ原・霧ヶ峰・南中央アルプス沿い(山の冷たい空気が下りてくる、または水蒸気が登る影響)では、霧の回復を待つといったところだと思います。
 まあ、天気予報のままで考えておいて良いと思います。

 で・・・・今日のポイントの北信の雲




 これ、今日正午の下層から上層までの全雲量を示したもの。
 長野市内はギリギリOKですけど、飯山や信濃町方面は薄雲がかかっています。
下層にも雲が多く、今朝新潟に雨を降らせた寒気の影響が若干残るんだと思います。
 雲量から統計的に計算した分布予報などでは晴れのエリアに入るとは思いますが、今日予報がハズレと感じる場合があるとすれば、この雲の下で曇りと感じるパターンでしょう。

 いずれにせよ、新潟県境で雨が上がってしまえばそれ以降雨の心配はほとんどないので、どうでもイイ話なんですけど・・・・
 今日の一言で、クダを巻いたので、同じ晴れでもコメントの余地はあるんだと、重箱のスミをつつき破って?みました。