2010年09月20日
9月末は気温乱高下?週間予報(9月20日②)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。

9月17日(金)に、異常天候早期警戒情報が発表されています。
今回の検討期間(9月22日から10月1日)においては、この時期としては強い寒気が北・東・西日本まで南下するため、北海道、東北地方では22日頃から、北陸地方では23日頃から、また関東甲信、東海、近畿、中国地方では24日頃からの7日間平均気温がかなり低くなる確率が30%以上と見込まれます。 農作物の管理等に注意して下さい。 |

むこう一週間の天気図に書き込みをしてみました。
23日~24日にかけて、本州南岸に停滞する秋雨前線上を低気圧が通過して太平洋側を中心に雨模様。
そして、低気圧は北海道の東で急速に発達。
25日には「西高東低」の気圧配置になります。
このタイミングで強い寒気が南下・・・・25日~26日朝にかけて気温が下がるということのようですね。
地上の気温変化の目安になる、上空1500m付近の寒気の様子をチェックしてみましょう。
今日と比較するとイメージしやすいので、今朝(9月20日09時)の観測値から。

9℃のラインは北海道の道南付近。
0℃以下の寒気ははるかオホーツク海付近です。
これが、今週どうなるか?というと・・・・

25日・・・9℃のラインは山陰付近まで南下。
0℃以下の寒気は北海道まで南下してきます。
本当にこうなるなら、北海道の高い山で降るものは間違いなく雪になるでしょうね。
これをグラフで平年値との差で表示してみると・・・・

異常天候早期警戒情報に書かれていたように、日本各地、タイミングは微妙に異なれど、平年を3~4℃下回るようになります。
25日の平年値を書き込んでおきましたから、何度くらいになるのかイメージしてみてください。
東日本・西日本では、22日あたりまで、平年をかなり上回る気温が続きますから、急激に涼しく(肌寒く)なったという印象を受けるかもしれませんね。

これは23日朝の上空5800m付近の気温の予想ですけど、猛暑をもたらした太平洋高気圧がまだ生きながらえているところに、冬の寒気(-30℃)が無理やり南下してきて、日本付近は晩夏・初秋・晩秋・初冬が圧縮して混在している状態。
どっちかの勢力が強まれば、そちら側に急激に傾くという状態です。
図やグラフで見た天気や気温の傾向を思い浮かべながら、気象庁発表の週間予報をチェックしてみてください。
週間予報は、毎日11時と17時に発表されますから、朝一番にチェックしたら、それは前日17時の予報。
週末の天気を早く知りたくても、11時までは我慢してくださいね。
今週は前線と低気圧の位置で予報が微妙に変化しそうですから、特に24日までは、新しい週間予報で頭の中をアップデートしてください。
先週土曜(11日)の週間予報は、寒気の南下がイマイチで、秋雨前線もイマイチでしたから・・・
気象庁発表週間予報: http://www.jma.go.jp/jp/week/

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可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年09月11日
猛暑いつまで?初雪も?週間予報(9月11日②)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。

週間予報は毎日11時・17時に発表されるので、朝の天気予報は古い予報。
マークだけで判断してませんか?予報のズレをチェックするには天気図も必要です。
暑さが続いたので、週末に週間予報をまとめるのが習慣になってしまいました。
9月第三週の週間予報・・・特に暑さはどうなるか?詳しくチェックしてみます。
昨日発表された一か月予報のまとめはこちら・・・
※※※※※※※※※※向こう一週間は晴れベース?※※※※※※※※※※

天気業界では通称「六コマ」と呼ばれている週間天気図に、9月11日11時発表の札幌・長野・東京・福岡の天気マークと予想最高気温を書き込んでおきました。
この天気図中の網かけ部分は”雨の可能性が高いエリア”と思っていただけばOK。
赤の点線は前線があるだろうと考えられる場所にKasayanが適当に線を引いたものです。
高気圧ど真ん中~北側は晴れエリアで網かけ部分に近いほど雲が多い傾向にありますから、「なんでこの天気マークになっているんだろう?」と考えて、最寄りのエリアの位置関係を確かめると、予報の安全マージンをチェックすることができます。
向こう一週間、前線は強まったり弱まったりしながら南岸に停滞気味。
西日本の南岸中心に曇りや雨も多そうですね。
一方、北日本中心に、秋の移動性高気圧が2個ほど通過しそうですから、北ほど晴れベースになりそうですが、17日頃に低気圧や寒冷前線が通過するタイミングで、北日本日本海側中心に一時悪化ということのようです。
もっとも、前線の位置や強さで、週間予報は毎日微妙に変更される可能性も高そうな感じがします。
※※※※※※※※※※本当に暑さはひと段落するの?※※※※※※※※※※
猛暑も終盤・・・などと天気予報では連呼されていると思いますが、本当にそうなるんでしょうか?

縦軸ゼロの位置が平年値。
12日(日)が猛暑のピークで、17日(金)に再び平年を大きく上回る傾向。
17日の気温上昇は、北日本を通過する低気圧と前線に吹き込む暖かい空気の影響と考えてよいでしょうね・・・たぶん。
寒冷前線が通過した後の18日(土)、北海道では気温急降下・・・・寒気が南下してくるようです。
この時期の平年値(昨日夜の記事に掲載)は、急激に下がってくる傾向にありますから、平年を少しばかり上回る傾向でも、ゆっくり着実に涼しさはやってきます。
ただ、前線がちょっとだけ北上したり、北日本を低気圧が通過すると、一時的に気温上昇。
一気に暑さが解消とはいきませんが、一雨ごとに秋が深まる・・・・という秋の周期的な天気変化のモードのドアをたたきはじめた(まだ入ったとは???)というところでしょう。
※※※※※※※※※※初雪?※※※※※※※※※※
最後に、涼しそうな話題を一つ。

この図・・・来週末に北海道の北に南下してくる寒気は、上空1500m付近で0℃。
また、上空5600m付近の寒気はマイナス25℃が予想されていますから、北海道の大雪山の山々では初雪になる可能性も・・・・
ちなみに、昨年は9月9日に初雪だったので、猛暑の今年でも、そろそろ降ってもおかしくはないんですよね?
昔、週末の天気予報番組を担当していたとき、人気のない報道部の部屋でのんびりと原稿を書いていたら、放送直前に大雪山黒岳の初雪のニュースが入ってきて、バタバタしたことがありました。
それ以来、9月に入ると気になるんです。

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2010年08月29日
猛暑いつまで?今週の週間予報(8月29日)

9月に入ってこの記事へのアクセスが多いようですが、猛暑や台風9号に関する最新の記事については、トップページ(http://kasayan.naganoblog.jp/)をご覧ください。
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、気予報をチェックしています.
1、今日の一言
久々に夏風邪をひいてしまったようですが、午前中ズーッと寝ていたらなんとか回復してきました。
毎朝のブログ更新・・・できませんでしたけど、猛暑はいつまで?ということで、今週の週間予報をまとめてみました。
その前に、今日は雷雨が少なめでしたから、その様子をちょっとだけ・・・・

昨日までは、午後3時には、少なくとも高い山の周辺では雷雨が発生していましたが、今日は極めて雷雨が少ない状態。
湿った空気が流れ込んでいないんですね・・・・・

青の濃いところほど、空気が水蒸気を含んでいるんですけど、東海や関東の沖は乾いた空気のエリアになっていますから、いつものように南から湿った空気が流れんで・・・ということにはなりません。
群馬県や栃木県周辺で雷雨が発生していますけど、そのあたりの青の濃さと、甲信越地方の青の濃さはずいぶん違いますよね。
2、今週の週間予報
まずは、むこう一週間の予想天気図を見てみましょう。
天気傾向と併せて見たほうがわかりやすいので、札幌・長野・福岡の11時発表の週間予報の天気マークものせておきました。

この図の網かけ部分は降水が予想されるエリア・・・・雨の可能性があるところです。
九州の西から朝鮮半島をとおって北海道付近まで、この一週間、帯のような雨のエリアが居座っています。
太平洋高気圧の北側にある秋雨前線?の雨のエリアですが、コイツが週の前半、北日本に影響します。
このため、札幌の天気マークは2日まで、傘マークつき。
それ以外のエリアは、太平洋高気圧がドンと居座って、太陽マーク優先の天気が予想されています。
ということは・・・・猛暑が続きそうですが・・・・・

館野は茨城県。
向こう一週間、沖縄をのぞいて気温のグラフは赤く塗ったエリア・・・平年より高い位置をずっとキープ。
本州付近は、赤道付近から上空を通って太平洋高気圧から吹き下りてくる熱風にさらされ続けそうです。
やっぱり雨も夕立程度で、猛暑は続くんですね。
一昨日金曜日に発表された一か月予報も、猛暑が続く傾向(金曜日の記事)。
週間予報解説資料というプロ用に資料にもこんなことが書いてありました。
「ほぼ全国的に気温の高い状態が続く。東日本、西日本では農作物の管理や熱中症などの健康管理に注意。」
お身体にも気を付けて・・・・といっても説得力ないですね・・・・寝込んでたKasayanが言っても・・・
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
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2010年08月09日
台風情報?盆休みの週間予報について

台風4号が日本海を北上しそうなので、台風のコース次第で、週間予報も変化・・・・・というコメントが天気予報番組の中でチラホラ聞かれるようになったと思います。
盆休みも始まった方・・・これから盆休みという方・・・台風の発生で週間予報が気になって仕方がないという方もいらっしゃるでしょうから・・・・Kasayanが予想するのではなく・・・気象庁がどんなことを考えて週間予報を出しているのか?ということをまとめておきました。
週間予報を作るにあたって、使っている天気図をザクッと見ておきましょう。

天気予報の業界では、通称「六コマ」と呼ばれる週間の天気図と、週間予報予報解説資料という気象庁発表の文字情報の抜粋です(六コマの網かけ部分は降水の可能性が高いと思ってください)。
代表的な地点4ヶ所(長野はKasayanの独断で代表的にしましたけど)の、本日11時発表の週間予報のマークを書きこんでおきました。
前線は、テキトーにKasayanが書きこんだものですから、他の見解は当然にアリです。
いずれにせよ、台風が完全に抜ける13日までは不安定な雨の可能性大。
台風に吹き込む湿った南風の影響で(このフレーズ、天気予報でたくさん聞かれると思います)、短時間強雨・・・ようは、ドバッと降ってはカッと太陽が照る・・・というような天気の可能性アリということになりそうです(今朝の記事のアニメ参照)。
13日以降、西日本中心に回復傾向ですけど、北日本は前線の影響でイマイチ。
特にどのあたりでまとまった雨?という点については、毎朝(夜の予報は変化する可能性があるので)こまめにチェックするしかなさそうです。
あと・・・・南風の影響で、北陸方面や山陰方面、フェーン現象の猛暑もあるかな?
もうちょっと大きな傾向を見ると・・・・

13日までは、太平洋高気圧のコアの部分が東海上で待機状態。
14日以降、日本の南岸を西日本方面に張り出す・・・でも・・・・北日本方面は上空の気圧の谷がやってくるので(地上の前線と対応)、イマイチ回復しきらない・・・という傾向になりそうです。
せっかく記事を更新するので、台風の予想進路図。

台風予想は、気象庁が独占して行うというのが、気象業務法という法律に書かれていて、実況は独自で発表してもイイんだ!とか、色々解釈があって昨年は民間気象会社と気象庁の間でトラブルもあったくらいです。
気象業務法の趣旨・・・「災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等公共の福祉の増進に寄与」(第1条)から解釈すると、実況も含まなければ公共の福祉の増進を図れないなどという意見もあるでしょう・・・・
こんなブログなんで、何を書こうが公共の福祉とはあまり関係ないはずですが・・・・気象予報士界という業界があるのなら、台風マニアの予報士がいるので、そうでないKasayanは、この程度にとどめておきます。
気象庁発表の進路図と比較するために、米軍の予想進路図。

コース的にも、速度的にも気象庁とほぼ同じですね。
今朝の計算値より若干北よりを通過する傾向になっていますけど、反対に南よりに変化する可能性もあります。
明日、明後日と、コマメにチェックするのが吉ですね。
あんまり役に立たない情報だった?・・・のなら、ゴメンナサイ。
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2010年07月18日
週間予報(7月18日)不安定な梅雨明け10日

気象庁17時発表の長野の週間予報。

梅雨明けの発表がありましたから、さすがに太陽マークが目立ちます。
左側の太陽、右側に曇りの「晴れ時々曇り」マーク・・・・晴れ優先のマークが並んでいますが、24日から並びが逆転・・・曇り優先のマークになっています。
信頼度がCですから、確度がやや低い予報ということで、降水の有無の予報が翌日に変わる可能性があるわけですが、それでも週末は晴れマークの勢いが弱まる傾向ということのようです。
向う一週間の天気図。いずれも21時の予想図です。

予報もあわせて書きこんでおきました。
ザクッと見ると、22日までは基本的に太平洋高気圧に覆われて猛暑継続。
23日以降は太平洋高気圧がちょっとずつ弱まる傾向で計算されているようです。
網かけの部分が降水の可能性があるエリア・・・23日以降は青で塗っておきましたが、週の後半から北日本を中心に降水が計算されていて、25日には九州方面でも。
天気マークどおりに考えても良いのか・・・・・・・?
このあたりの理由を、週間天気予報解説資料という気象庁発表のプロ用の資料を抜粋して見てみると・・・・
【】内はKasayanの加筆。
期間中頃の日本付近のリッジが【上空の気圧の尾根】強まりトラフは【上空の気圧の谷】浅まった。【太平洋高気圧のパワー強いということ】
期間前半、本州付近はサブハイ【太平洋高気圧】に広く覆われる。
期間後半は500hPa【上空5800m付近】で-6℃以下の寒気が南下してくる。
また期間を通じて下層の暖湿気【暖かく湿った空気】が関東甲信まで流入し、東・西日本は不安定な状態が続く【雷雲モクモク】。
北日本は前線帯近傍【戻り梅雨の前線】で雲が広がりやすい。

左側の図、週の前半は等高度線(等圧線のと同じ)は、凸傾向ですが、後半は凹傾向。
週の後半、上空の弱い気圧の谷が通過するということですが、この谷が日を追うごとに深い凹になってくると、天気はちょっと悪目になりますから、今度の週末に予定を立てるなら、週間予報からは目が離せないでしょう。
19日12時30分追記:19日朝の計算値では、気圧の谷が深くなる傾向に変化していますが、やや速度が遅くなった感じ。悪化傾向だけど、タイミングが遅いということですね。25日は上空の寒気がピークになりそう・・・不安定もピーク?。日々計算値がかわる微妙な状態なので、週末の計画は木曜日くらいまで待ったほうがよいかも?
また、むこう一週間、地上付近には湿った暖かい空気が流れ込みやすく、週末にかけては上空に寒気が入ってくるようで、気象庁は大気不安定の状態が続くと予想しているようです。
盆地の雷雨は直近の予報で確認しないとどの程度なのかはイマイチわかりませんが、発雷の可能性が高い山では、午後からの雷には特に警戒しておいたほうが良いかもしれません。
日々の予報では、「雷」という文字が目立つことになるかも・・・・・?
20日13時追記:今日(20日)の計算値では、暖湿流の流入が弱まる傾向に変化しています。不安定の程度は低くなる傾向。これ、太平洋高気圧の張り出し、上空の谷の深まりと位置にが微妙に変化するため、暖湿流の流入コースの計算値が日毎に変化しているからです。まだまだ計算値はフラフラしているようですね。
期間の後半、5880mが大陸で南下し南西流場となり暖湿気が流入する予想だったが、今日の資料では大陸での南下はなく暖湿気が入りにくい予想に変わったため、FEFE19での日本付近の降水は表現されていない。今日資料で予報を組み立てる。
ちなみに、週間予報は毎日11時と17時に発表されますから、いくら気になるからといって、週間予報を朝にチェックするのはダメです。
梅雨明けしたら梅雨明け十日の夏山登山シーズンスタート。

今朝、Kasayanの家から北アルプス槍ヶ岳が見え、久々に登りたいという衝動に駆られたので、長野県の週間予報をチェックしちゃいました。

朝の予報ではなかった雷・・・・今日も北部で夕立が発生しています。

菅平方面の雷雲、盆地には影響が少なくてすみそうですが、全県で雷に注意です。
山の雷はホント恐いですね。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年07月03日
大雨情報と週間予報(7月3日)夕立多い一週間?
大雨情報がまたまた発表されています。
今度は、大気不安定の夕立の雨じゃなくて、前線と前線上の低気圧の雨。
夕立のようにバケツをひっくり返した雨というよりは、ザーザーが一晩降り続くという感じ。

今日の降りだしがかなり遅くなっているので、「大丈夫じゃないの?」という雰囲気になっているかもしれませんけど、これまでの雨も考慮して、土砂災害に関して早くも警報も発表されていますから、根拠もなく大丈夫・・・という気持ちで判断しないほうがよいと思います。
警報や大雨情報が発表されても・・・何もなければ・・・よかったで済むことですから。
大雨に関する長野県気象情報 第1号
平成22年7月3日17時23分 長野地方気象台発表
■見出し
北部や中部では、4日明け方にかけて、土砂災害に警戒して下さい。
■本文
[気象状況]
梅雨前線が華北から東海地方にのびており、前線上の日本海西部には低気圧があって東南東に進んでいます。
このため、4日にかけて、県内の広い範囲で雨となる見込みです。
北部や中部では、これまでに降った雨で地盤の緩んでいる所があり、少しの雨でも土砂災害の発生しやすい状況となっています。
[雨量の予想]
4日18時までの24時間降水量はいずれも多い所で
北部 80ミリ
中部 80ミリ
南部 100ミリ
の見込みです。
[防災上の留意事項]
これまでに降った雨で地盤の緩んでいる所があります。少しの雨でも土砂災害の発生するおそれがありますので4日明け方にかけて警戒して下さい。
今後、気象台が発表する、警報や注意報、気象情報に留意して下さい。
[特記事項]
次の「大雨に関する長野県気象情報」は4日6時頃に発表する予定です。
週間予報・・・ちょっとまとめてみましたが、図は専門的なものを掲載、コメントは週間天気予報解説資料を抜粋して【】内にコメントを記載していますから、なんとなーく雰囲気が伝われば・・・と思います。
ちなみに、6コマの天気図上のマークは長野県の週間予報のマーク。
前線が南に下がったままで曇りマークが多くなっていますが、また上空の切離し低気圧がやってきて、夕立が降りやすい日が多いかも????
だとしたら、夕立が多かった今週と似た天気ですね。
※【】内はKasayan書き込み
※上空の谷の話はコメント下の図の左側、線が凹になっている部分を参照

5日:北海道を寒冷渦【上空の寒気の中心】が通過し、北日本は一時的に弱いリッジ場【気圧の尾根】となるが、東・西日本の太平洋側には、5820m付近の正渦度移流が続く【空気が集まりやすく上昇気流が出来やすい状態】。前線は、太平洋沿岸に停滞するが、活動は比較的弱い。北日本と沖縄は概ね晴れる。東日本と西日本は、曇る所が多く、太平洋側を中心に雨の降る所がある。

6日:日本付近は西谷の流れ【上空の谷が日本の西にあり暖湿流が入りやすい】で、前線の位相は本州南岸~南海上に位置する。FEFE19【上の6コマの図】で北日本~東日本に降水域が予想されているのは、ENS/CCに前線の北側を低気圧が進むと予想するメンバーがあるため【計算値がばらついているから】。後述のとおりENS/51メンバーでもそのように予想するメンバーがあり、POPにもそれが反映されている【ようは悩ましい状態ということ】。東日本や北日本では、この降水を考慮されたい【予報を作る人におまかせしますということ】。西日本では九州や太平洋側を中心に高降水頻度域を参考に降水を残す方向で検討されたい【6コマの網かけ部は太平洋側だけど雨が残る可能性を考えとけよということ】。

7日:引き続き日本付近は西谷の流れ。ENS/CCでは前線は九州付近から日本の南海上に位置する予想【前線が南下している可能性が一番高そう】。前線に近い九州南部では降水を検討。

8~9日:ENS/CCでは5760~5820m付近のトラフが接近する【上空の気圧の谷接近の可能性大】。前線は南海上に南下し影響は少ない。前線近傍の九州南部では降水付加も可。7日、日本海に入ってくるカットオフロー【切離し低気圧、夕立のモト】に伴う降水は8日、日本海に表現されているがその後弱まる。太平洋側を中心に雲が多い見込み。


10日:5760~5820m付近のトラフは動き遅く浅まる【上空の谷が弱まり地上付近は天気回復傾向】。前線は若干北上すると見られるが、日本付近への影響は少ない。前線近傍の九州南部では降水付加も可。太平洋側を中心に雲が多い見込み。

2010年06月26日
週間予報をまとめてみました(6月26日)不安定な天気続く
梅雨も真っ盛りになってきましたので、むこう一週間の週間予報をチェックしておきました。
とりあえず、26日(土)午後5時気象庁発表の長野の週間予報を見てみます。

明日27日から7月2日まで、ずーっと同じマーク。
28日以降は「一時 雨」。
予報の用語集で「一時」を調べると”現象が連続的に起こり、その現象の発現期間が予報期間の1/4未満のとき”ですから、向う一週間は基本的には曇りだけど一日24時間のうち最大6時間くらいは雨だね・・・・という予報です。
また、信頼度の欄を見ると、30日以降は「C」判定。
通知表でCがついたら親に怒られそうですけど、週間予報の信頼度のC判定も最下位の判定。

もっとも、信頼度は降水について判断されていますから、予報に多少ズレが生じたとしても曇りベースの一週間になることは確かでしょう。
で・・・・これで終わったら、このブログで週間予報をわざわざチェックする意味がないので、もうちょっと詳しくチェックしてみます。
ただ、自分一人で考えると非常に手間がかかるので(普段の予想の7倍ですから)、気象庁の予報部が発表しているプロ用の資料「週間天気予報解説資料 6月25日10時発表」に基づいて、天気図をまとめてみました。
左の図は上空5800m付近の天気図、中の図は上空1500m付近の相当温位(雨の原料の程度)、右側の図は一般的な地上の天気図で、網かけの部分が過去24時間の降水域、マークは長野県の天気マークです。
なお、 文章中のカッコ内の書き込みはKasayanが書いてます。

朝鮮半島にトラフ(上空の気圧の谷のこと。左図点線)が進み、前線(右図赤の点線)は黄海~日本海に位置し、西日本~東日本では暖湿気(850hPa相当温位340K前後:中図オレンジ色)が流入する。
九州などでは前線による降水、その他の地域では内陸部を中心とした不安定性降水(雷雲モクモク)が見込まれる。北日本には温暖前線の位相がかかり、降水となるところがある見込み。

前線(右図赤の点線)は日本海からゆっくりと南下し、本州の日本海側に位置する。
西日本~東日本、北日本の一部では、前線近傍または暖域に入るため(中図オレンジ色)、広い範囲で降水となる見込み。北日本では、28日と同様の降水が残る所がある見込み。

前線(右図赤の点線)は次第に不明瞭になるが、本州付近には下層暖湿気が残っている。
そのような中、500hPaでは(上空)5820m付近のトラフ(上空の気圧の谷。左図点線)の東進に伴い(地上で空気の収束が起こる)-6度前後の(上空の)寒気が入ってくるため、大気の状態が不安定になる。西日本~東日本、北日本の一部では、内陸部だけでなく平野部でも広い範囲で、不安定性の降水(雷雲モクモク)が見込まれる。


前線の位相(右図赤の点線)は南下するが、日本付近での活動は弱まり不明瞭になる予想。
下層暖湿気(中図オレンジ)および500hPaのトラフ(左図点線)が残っており、大気の状態は引き続き不安定。
西日本~北日本では雲が多く、内陸部を中心に不安定性の降水(雷雲モクモク)が見込まれる。
ただし、FEFE19の降水域(右図の網かけ部分)は過大であり、割り引いて考える。
・・・・ということですが、上空の気圧の谷が日本上空にやってくる30日頃が雨のピークになるのではないかと思うのですが・・・
すくなくとも、長野県は、ここ数日の九州のような大雨が続くような心配はなさそうですけど、曇りベースで日差しの出る日もあるものの、モクモク雷雲が発生するような日が続く・・・というイメージの一週間になりそうです。
念のため、アメリカ海軍の計算値もアニメにしてみました。
12時間降水量のアニメですけど、日本の気象庁の計算値とほぼ似た結果になっているようです。

最後は気温の傾向。

沖縄付近は平年並み。
北にいくほど平年よりちょっと高め・・・北海道は今日をピークに平年よりちょっと高めの状態が続くようですね。
え?・・・明日日曜日の予報?・・・明日は明日の風が吹くぜ・・・といいたいところですけど、気象庁発表の長野県の予報は・・・・こちらを見ていただければよいのですが・・・
http://www.jma.go.jp/jp/yoho/322.html
はっきり言って、計算値がばらついている状況。
Kasayan的には信頼度Cなので、明日朝5時発表の予報で最終確認をすることをおすすめします。
2010年06月10日
この先一週間の天気?梅雨入りは?(6月10日)
明日、11日(金)の朝の更新ができないかもしれないので・・・・・・
今夜のうちに、気になる梅雨入り(このフレーズ、天気予報が煽っているような気がしてならないのですけど)も見据えつつ、向う一週間の空模様の図を掲載しておきたいと思います。
図の計算値の初期時間は9日21時、図の内容は午前9時の地上気圧・風・1時間降水量です。
図の右下にある天気マークは長野県の週間予報の天気マーク。
日々の天気予報では、長野県の南部と北部では天気が全然異なることも多いのですが、週間予報は長野県全体を天気マーク一個で予想されているんですよね。
ですから、長野県全体の平均的な天気傾向くらいのつもりでみておかないと失敗します。
気圧配置も雨のエリアも時々刻々と動いています。
図の午前9時の様子がそのまま一日の様子を表しているわけではありません。
前後の日の雨エリアの様子を横目で見つつ、「流れで」天気傾向を把握して見てください。
もちろん、雨エリアの周辺には曇りエリアがあることも忘れずに・・・・そして、12時間程度進行がズレたり、前線や低気圧の位置もズレることも・・・・・




九州や四国方面・・・近畿?はこの週末あたりに梅雨入りしそうですけど、東日本まで梅雨入りの判断が下されるのか?
こればっかりは、予報官の胸先三寸なんでKasayanにはわかりません。
長野県の平年の梅雨入りは6月8日・・・もう過ぎていますけど・・・・
気象庁発表週間予報:http://www.jma.go.jp/jp/week/322.html
最後・・・ちょっと低温傾向だった長野県の5月の気象状況の速報が長野地方気象台から発表されています。
リンク先のURLを掲載しておきますので、農作物の生育等、気になる方はリンク先をご覧ください。
長野県の農業気象速報(旬報): http://www.jma-net.go.jp/nagano/junpou/index.html
できれば、明日(11日金)夜に週末の天気について「放談」したいと思います!
2010年04月23日
週間予報の図だけです(4月23日)
この先一週間の天気予報をまとめようと思って・・・・図を作りかけたところでくじけちゃいました。
図だけ掲載しておきますから、中学校の理科で習う天気のお約束・・・・
高気圧は晴れ・・・だけど高気圧の中心より西や南にいくほど雲が多い。
低気圧は雨・・・・だけど、温暖前線と寒冷前線があるときは温暖前線の東側の広い範囲で雨、寒冷前線付近ではシャープな雨
なんてことを思い出しながら天気図を見れば、それなりのイメージがつかめると思います。
ここの掲載した天気図にもとづいて、週間予報が作られていますから、週間予報がハズレるとしたらどうなるのかな?・・・ということを低気圧が進む速度が速くなったり、遅くなったりした場合を考えながらイメージして見てください。
気象庁が週間予報という答えを発表しているわけですから、答えを見ながら問題(天気図)を見るならわかりやすいですよね?
週間予報:http://www.jma.go.jp/jp/week/

下の気温のグラフも、なんとなく気温が高そうだな?低そうだな?ということが読みとれますよね?

そして・・・・専門の天気図ですが・・・・・

これはちょっとわかりにくいと思いますけど・・・・気象庁が発表している専門家向けの虎の巻・・・「週間天気予報解説資料」を以下に抜粋しておきますから、読みながら・・・・なんとなくイメージをつかんでみてください。
わかるところだけ理解できれば・・・・ヘタなテレビの天気予報より週間予報を深く理解できますよ!
●25日:高気圧が本州付近を東進する。はじめ北日本で寒気の影響が残って雲が多めとなる可能性がある他は、広く高気圧に覆わ
れて晴れる見込み。朝は晴れて、放射冷却により気温の低下が顕著となる見込み。
●26日:高気圧の中心は日本の東。北日本は概ね晴れるが、東日本と西日本は高気圧の後面となる。特に西日本では、黄海付近の低気圧に向かう暖湿気の流入が顕著となってくるため、西の方で一部天気の崩れる所がある見込み。
●27~28日:大陸で長波のトラフが深まり、日本付近は深い気圧の谷となる。沿海州付近の低気圧から伸びる前線と黄海付近から進んでくる低気圧が日本付近を通過する見込み。崩れの中心は27日。28日は北日本中心に崩れ残る。西から崩れ、西から回復してくるイメージ。
●29日:日本付近は低気圧や前線は抜けるが、西谷の場が継続するため、雲が多目と見る。
●沖縄・奄美:前線や湿った気流の影響で曇りや雨となるが、高気圧圏内となる24~25日は晴れる見込み。
こんな記事でも・・・少しはお役に立つかな?
最後は、アメリカ海軍の似たような天気図を掲載しておきます。
セカンドオピニオンになるでしょうか?

ゴールデンウィーク間近・・・・これ以上先の計算値もありますけど・・・・12時間くらい低気圧が通過するタイミングがずれたり、低気圧の発達やコースがズレまくったりしますから、あまりあてにはなりません。
それでも行楽の計画の目安・・・占い?・・・・が欲しいのでしたら・・・・・
こんなサイトがありますから、いじり倒して使ってみてください。
http://www.arl.noaa.gov/ready/cmet.html
2010年04月19日
向う一週間の天気や気温は?
今日は朝から出かけていたので、朝一番の更新ができませんでした。
訪問してくださった方・・・申し訳ありませんでした。
その代りといっては何ですが・・・ゴールデンウィークの連休を前にして週間予報が気になる方も多いこのごろ・・・
さすがに5月の連休の予報は「占い」になってしまうのでコメントできるような代物ではありませんが、野菜高騰がニュースになるようですから、気になる週間天気(このフレーズテレビの天気予報で良く使うんですが、ホントに気になるんだろうか?といつも思っていました)をまとめておくことにしました。
まずは、むこう一週間の天気図から。

業界用語で六コマという週間の天気図ですが、これは午後9時の予想天気図です。
ですから、日中の天気は低気圧や高気圧の位置、黒いハッチ部分(前24時間に降水が予想されるエリア)の位置を若干西寄りにイメージする必要があります。
一番目につくのが低気圧の位置だと思いますが、上段の23日(金)までは低気圧が日本海側を北東に進むとともに、低気圧が抜けても寒冷前線が南下。
長野の天気マークも添付しておきましたが、パッとしないマークが並んでいます。
とはいっても、低気圧が日本海を進んでいるうちは、低気圧が南の暖かい空気を吸い上げますから、気温はそうそう低いという感じにはなりません。
もっとも、週末・・・下段の24日から26日は移動性高気圧がやってきますが、寒冷前線通過後にやってくる高気圧は晴れとともに寒気もつれてきます。
この寒気の様子を上空1500m付近の気温の様子で見ると・・・・・

23日に寒冷前線通過後、一気に0℃のラインが南下していることがわかります。
そして26日、高気圧の中心が東海上に移動し、高気圧の西側の南西風のエリア・・・暖かい空気を南西風が運び込んでくるまで気温はさがったまんまです。
これをグラフで見ると・・・・

グラフがオレンジのエリアにあれば、この季節らしい気温・・・もちろん雨が降れば暖かいまではいきませんけど・・・・の範囲だと思ってください。
22日を境にして一気に気温が下降していることがわかります(館野は関東です)。
ということで・・・・テレビの天気予報では・・・・
「最高気温は、平年並か平年より低く、期間の後半はかなり低い所もある見込みです。最低気温は、期間の前半は平年並か平年より高い見込みですが、期間の後半は平年より低く、かなり低い日があるでしょう。」
・・・なんて、気象庁発表の週間の概況を読み上げるだけの局が多いのですが、大ざっぱにでも天気図を見せたり、グラフを見せたりしてわかりやすい工夫をしてほしいもんです。
と言う私も、現役時代、そんなグラフを作るのはゴールデンウィークや年末年始ぐらいでしたから、デカイことは言えませんけど、気象庁発表のわかりにくい概況を読み上げるのだけでは止めてほしいもんです。
それじゃ解説にならないですから。
明日は、いつものように朝に更新いたします。