2010年02月28日
天気予報は当たるのか?(2月28日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝は雨音で目を覚ました方もいらっしゃるのでは?

太平洋側から日本海側までベッタリの雨雲ですねぇ・・・・
昨夜の予報では、県内、朝のうちだけ雨で急速に回復の予想でしたが、ちょっとだけ回復が遅れる方向に予報が修正されています。
せっかくの日曜日ですから、雨があがるタイミングを中心にチェックしたいと思います。
太平洋側の県では今日は天気よりも津波の心配がデカイはずですけど、海のない長野県・・・民放でも津波警報や注意報の画面スーパーは出すんだろうか?そもそも放送局のシステムに津波は搭載されていたっけ?
スーパーの基準を忘れてしまいました。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

レーダー画像で雨雲のかかっていたエリアはみんな「雨 のち 晴れ」マークになってますね。
ということは「のち」のタイミングが今日のポイントです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

天気マークだけじゃ回復のタイミングがわからないので、さっそく予報文を読むと・・・・・
全県で「昼前 から」ですから、用語集を開くと午前9時から12時までの間。
昼飯頃にはOKという感じがしますけど、スパッと止んでくれるんでしょうか?
ここは詳しくチェックしたいところです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

低気圧や前線が去って高気圧がやってくる・・・という実に単純な構成なんですけど、これ以上書き込む意味があまりないので・・・・・
雨が止むタイミング=低気圧が抜けるタイミングです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、「昼前 から くもり」を計算値で見てみましょう。

これはMSMという日本付近を中心に細かい要素まで計算しているシュミレーションデータ。
12時の降水量予測ですが、弱い降水が尾を引くようにして雨の本体が東へ抜けていることがわかります。
ちなみに13時にはすっかり東へ抜けています。
昼前後にはあがるという感じでしょうか?
ついでに、GSMという地球全体を計算しているシュミレーションデータ。
普段見る天気図もこの計算値をもとに作られているメインの計算値。

こちらでは、同時刻の降水域はすでに東へ。
こちらなら「昼前」でも良い感じです。
二つの計算値を見比べてどうのこうのというのはあまり意味がないのですが、天気予報の誤差というかズレを考えて安全マージンをとるならば、昼前後と考えておくのが吉。
長年ヨットで外洋へ出たりしていたので、安全マージンを大きめにとるのがKasayanのクセなんです。
で・・・雨が止んだらすぐに「のち 晴れ」になるのか?ですが、

上層と中層の雲は早々に東へ抜ける傾向。
下層の雲が消えるタイミングが晴れてくるタイミングになりますが、昼過ぎには雲の切れ間から日がさしてきて午後3時には青空が広がってくるという感じでしょうか?
上で見たGSMという計算値のようになるなら2~3時間早めに推移しそうですが、早めに晴れたらラッキーというように考えておきたいと思います。
ということで・・・・今日の予報、安全マージンをとれば予報文の「昼前 から くもり」を昼前後に考えておいたほうが良いのですが・・・・ほんの1~2時間の細かなことですから予報は当たると考えたいと思います。
最後に備忘録を兼ねてチェックした天気図を掲載しておきます。
つまらないと思いますので、ここまで読んでいただければOKです。

上空の気圧の谷・・・南海上の低気圧に対応する谷は順調に東へ。低気圧は発達傾向。
北海道付近へ別の谷が接近中。


天気回復の午後は、下層から中層まで北西の風中心。
県内飯山方面の下層雲が残り、回復が遅れる傾向。
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kasayangw@yahoo.co.jp
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可能な限り返信いたします。
2010年02月27日
天気予報は当たるのか?(2月27日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨夜、県南部ではこの時期としては珍しく強い雨が降りました。

24時間の降水量が2月の観測史上最大を記録した所もあって、南ア・中アの積雪地での雪崩や融雪洪水が心配されましたが・・・・今のところニュースは目にしていませんから無事だったのかな?

週末、今日日中はいったん回復ですが、今夜から明日朝にかけてまた下り坂。
マンネリ感のあるなだれ注意報や融雪・注意報ですけど、あまり経験がないようなまとまった雨ですから、新たな目で注意したほうがよさそうです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

回復エリアといったん回復下り坂エリアに分類しました。
長野県はちょうど境目ですから回復といっても中途半端。
今夜以降は太平洋岸の下り坂エリアの影響を受けてしまいそうですね。
下り坂の理由はなんでしょう?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

全部「のち くもり」マーク。
回復のタイミングは北部ほど早くなっていますけど、レーダーを見る限り、予報文に書かれたタイミングよりは若干早く回復しそうです。
レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
ただ、予報文からは今夜の下り坂エリアの影響がうかがえません?
本当?・・・ということで明日日曜日の予報もチェックしてみましょう。

「一時 雪」「一時 雨」のマークがついていますが、予報文を読むとタイミングは県内全域「朝 一時」です。
ということは、午前9時頃まで一時的に雨や雪が降るということですね。
これだけだと、今夜は大丈夫という感じがしますけど、ここは詳しくチェックしてみることにしましょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

いったん回復の理由は一目でわかると思いますが、前線に近い太平洋側では晴れ間がでるまで回復は難しいといったところでしょう。
だから、県南部の予報文は「のち 晴れ」がついていなかったんですね。
そして、西から再び下り坂の理由・・・弱い気圧の谷でした(前線の盛り上がり・キンクという説明も有りです)。
天気図だけ見てもちょっとわからないですよね?
ここを解説しないお天気キャスターがいたら教育的指導です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、今日日中の雨の様子からチェックしておきましょう。

書き込みのとおりですが、午後には弱い気圧の谷の雨が西から接近しているのがわかりますよね?
日中の回復は詳しく検討しても生産的じゃないので、再び下り坂になる原因の弱い気圧の谷の構造をチェックしてから、県内への影響をみていきます。

矢印が地上付近の空気の流れ。
前線や低気圧が東海上に抜けても、その北側で空気の流れが合流している部分があります(左側の図)。
これがシアーラインとか収束線とか呼ばれている雨雲が発生しやすいところ。前線のように気温の異なった空気がぶつかるところとはちょっと構造が違います。
こいつが明日朝にかけて東海沖まで進んできます。
東海沖に進んでくると、空気の流れが渦をまくようになって、プチ低気圧のような構造になってきます。
そのため、雨雲がわき上がってきて、関東甲信越を広く降水域が包んでしまうんですね。
西の雨雲が接近してくる・・・というイメージとは微妙に異なります。

明日朝の上空5500m付近の流れは東海付近で南に凹の状態になっています。
ここが上空の気圧の谷ですが、上空の流れのカーブには渦を起こすパワーがあるので、地上付近の空気の流れがこのパワーを受け取って、上の図のように渦になるわけです。
今夜から明日朝にかけて、雨の原料も南風にのって県南部に入り込んでくることも計算されていますから、ここまで雨雲が発達しちゃうんでしょうね。

ちょっと横にそれちゃったので、雨の様子を県内にズームしてもうちょっと詳しく見てみましょう。

今日夕方には、早くも静岡県境の南ア付近で雨雲が活発になってきます。
風がぶつかって上昇気流が発生しやすいからだと思いますが、それが明日朝にかけて次第に発達してきます。
で・・・それが雪か雨のいずれになるのか?
今日から明日にかけての上空の気温をチェック。


上空の気温は明日朝が最も下がるピーク。
0℃の線が県中部まで南下していますから、今日晴れ間が出て、今夜放射冷却でそこそこ地上付近の気温が下がれば雪の可能性があるので、予報文のように、「雨か雪」とか「雪か雨」になっているわけです。
もっとも、雪になるか否かは微妙なところでしょう。
で・・・その回復は?
上で見た明日の予報文を読んでいただければよいのですけど、天気変化のタイミングが計算値より微妙に早くなっているような気がします。
修正が出来ているか否か?ちょっとわからないので、このあたりは今夜の予報で確認するのがよいと思います。
ただ、上層の雲はすでに取れていて、地上付近だけで発生する現象ですから、回復すれば一気に青空が広がってくるはずです。
朝の雨や雪でがっかりしていると驚くと思います。
ですから、今夜の予報で回復のタイミングを再チェックして、できれば明日朝5時の予報でさらにチェックして行動判断をするのが吉です・・・・それだけ余裕があればの話ですけど。
で・・・今日の予報は・・・・予報文についている「晴れ」はオマケだと思っていれば当たりといえるでしょう。
今夜の南部の雨・・・これは多少覚悟したほうがよいかもしれませんけど、量もそれほど多い感じではないので、オマケしときます。
17時追記
午後5時発表の南部の予報は、「北の風 くもり 所により 夜遅く 雨」になっています。
明日?・・・そこまで言及できるほど、計算値はガチンコじゃないので、やめときます。
今日はたっぷり天気チェックして、アップの時間が遅くなったんですけど・・・・明日、Kasayanもお出かけモード。
自分のためには一生懸命・・・なんですけど、自分のために考えると、思い入れがあってダメというジンクスがあるんですよねぇ・・・・
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2010年02月26日
県南部でまとまった雨
県南部では午後9時前後から雨あしが強まっていて、おとなりの岐阜県、岐阜・西濃地域では洪水警報も発表されています。

また、長野地方気象台は、午後6時の「なだれと融雪及び洪水に関する長野県気象情報 第1号」を発表して、注意を呼び掛けています。
この季節にこれだけまとまった雨が降るのは珍しいですから、聞きあきた融雪・なだれの注意報もちょっと違った感覚でとらえたほうが良いかもしれません。
この雨、明日の明け方まで降り続き、その後はいったん回復する見込みですが、明け方にかなりまとまった降水が予想されています。

長野地方気象台発表の気象情報を備忘録を兼ねて以下に引用掲載しておきます。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html
なだれと融雪及び洪水に関する長野県気象情報 第1号
平成22年2月26日18時00分 長野地方気象台発表
(見出し)
県内では、27日にかけて雨が続き、気温も上昇するため、なだれや雪解けによる土砂災害、河川の増水に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
九州付近には前線を伴った低気圧があって、東に進んでいます。また寒冷前線が北日本を南下中です。
このため、長野県では27日にかけて雨となるでしょう。また南から暖かい空気が流れ込み、気温が上昇するため、多雪地では雪解けがすすむでしょう。
[雨の予想]
27日18時までの24時間予想降水量は、いずれも多い所で
北部 40ミリ
中部 50ミリ
南部 120ミリ
の見込みです。
[防災事項]
27日にかけて、雪解けによる土砂災害に注意して下さい。南部では27日にかけて、河川の増水に注意して下さい。また、積雪の多い傾斜地では、しばらくなだれに注意して下さい。
[補足事項]
次の「なだれと融雪及び洪水に関する長野県気象情報」は、27日6時頃に発表する予定です。
2010年02月26日
天気予報は当たるのか?(2月26日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
京都 京都 ウグイス初鳴
石川 金沢 ウグイス初鳴
石川 金沢 ウグイス初鳴
岐阜 岐阜 タンポポ開花
福井 福井 スイセン
これは昨日(25日)に気象庁が発表した季節の便りの一部です。
都会で仕事をしていた頃は、このような情報にあまり関心を持てなかったのですが、長野に帰ってから、妙にほのぼのとした情報に見えて、チェックするようになってしまいました。
寒い冬を通り抜ける長野県だけに、春の兆しに敏感になるのかもしれません。
お隣の岐阜県ではタンポポが咲き、ご近所の石川県でもウグイスが鳴いたんですね。

と・・・・ほのぼのしていたら、今日は一転して雨。
九州方面ではバケツをひっくり返したような強い雨になっているようです。
今夜には雨脚が強まる可能性もあるので、このところ慣れ過ぎてしまった融雪注意報や雪崩注意報ですが、今日は特に要注意といったところです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北日本は、「のち 晴れ」マークもあって、早めに回復傾向。
ところが他のエリアは「雨」や「のち 雨」の下り坂。
日本に雨を降らせる原因が二つあって、通過するタイミングが異なるということですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

全域「のち 雨」マークですけど、日の出の時点ですでに降り始めているところがありますから、県西部では事実上は雨一発に近い感じでしょう。
明日の予報文も書き込んでおきましたが、週末の明日も「時々 雨」。
菜種梅雨が一カ月近く早く来たような感じです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

衛星画像から実況天気図、そして予想天気図へとチェンジさせてみました。
北からは寒冷前線、西からは低気圧。
昨日に引き続き南から湿った空気が流れ込む傾向です。
雨の原料が次々と供給されますから、低気圧が長野県に接近する今夜、この時期としては珍しいまとまった雨が予想されています。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日は最初から、今日の予報はあたる・・・ということにしておきます。
雨が降るのは間違いないですし、雪崩に融雪洪水のおそれもありますから、雨があまり降らない可能性を考えるのは意味がないですから。
そこで、雨の降り方をまとめておくことにしました。

先に見たレーダーでは、すでに県南部や西部で雨が降りだしていますが、東部への拡大のタイミングは午前9時頃。
ただ、温暖前線全面の雨雲で、低気圧本体はまだまだ中国地方です。

そしてお昼。
雨雲は県内全域に拡大。
もっとも松本・諏訪方面と上田方面の降水が帯状に少なくなっています。
今後の天気チェックのために風の様子からこの理由を確認。

北アルプスを越える上空3000m付近の風の流れがこれ。
南西の風が中心です。
そして、見えにくいですけど、雨の少ないエリアは下降流域になっています。
北アルプスや中央アルプス・霧ヶ峰の南西斜面で雨雲が特に発達して、これらの山を下る風のエリアでは雨が少なくなっているようです。
12時40分追記
やはり松本・諏訪 上田・佐久方面まで降水域が拡大しません。今後のための備忘録にレーダー画像を掲載しておきます。

さて、次は低気圧が接近してくる夜9時。

低気圧が二つ書き込んでありますが、MSMという計算値とGSMという計算値で低気圧の位置が異なっています。
気象庁はGSMという計算値が示す位置に低気圧を予想していますが、計算値がばらつくということは予報も微妙に誤差があると考えておいたほうが吉。
ただ、今夜はいずれの位置に低気圧が進もうと、日中降水が少なかったエリアも含めて南部中心にまとまった雨になりそうです。
昼間のうちに、雪解け水が大量に流れ込む水路や雨どいのが冬の間に詰まっていないか確認しておいたほうが良いかもしれませんね。
最後に、雨の原料となる湿った空気が流れ込む様子も確認。

夜になっても長野県付近まで沖縄と同じ湿った空気が流れ込んでいます。
太陽が出ていないぶん、昨日ほど気温は上がりませんけど、それでもかなり高めで、夜の雨はやっぱり南部ほど強めになることが予想されます。
で・・・この雨は、明日どんな降り方を見せるのか?
計算値がばらついている状況ですから、今夜の天気予報でチェックするのが良いでしょう。
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2010年02月25日
天気予報は当たるのか?(2月25日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
12時45分追記
今朝、東京湾で霧が発生し、羽田空港の離発着が停止する事態になったとのニュースがありました。
この霧の様子を通常テレビやネットで見ることのできる衛星画像で見ると何も見えません。
赤外画像という雲の温度を映した画像を使用しているため、温度の高い霧は映らないんです。
夜でも雲の様子がわかるというメリットはあるんですけど、こういう場合はダメなんですね。
ただ、気象会社のサイトや気象庁のサイトで見ることができる可視画像を見ると、キチンと映っていました。

春はあけぼの・・・なんていいますけど、日の出前の菅平。

上空に湿った空気が流れ込んでいるので、なんとなく薄ぼんやりとしたピンクに染まっています。
毎朝菅平を見ていると、冬のシャープな輪郭からずいぶん変化していることがわかります。
このところ、晴天と高温が続きましたけど、それも今日まで。

日本の北と西にまとまった雲が見えていますが、この雲が今夜から日本を覆います。
明日はズバリ雨。
女房のおかかえ気象予報士としては洗濯・布団干し情報を発表しておかねばなりません。
ところで、長野ローカルの天気予報でも衛星画像を使っていたりしますけど(全く使っていない局もありますが)、この程度の書き込みをしただけでかなり番組全体がわかりやすくなると思うんですけど・・・・
自動で天気予報画面を送出するシステムを使う前にちょっとだけズクを出せばイイんですけど、天気が即命にかかわる漁業人口の少ない長野県・・・放送局もメンドウなことはしたくないんでしょうね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

衛星画像で見た雲が北と西から接近するので、天気マークの配置もそのとおりになっています。
ただ、傘マークは北と西お端っこだけですから、これだけ見ると、どう予報がハズレても県内で雨が降るような感じはしませんよね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内全域「晴れ のち くもり」マーク。
予報文を読むと、北部と中部は昼過ぎから「時々 くもり」程度で済みそうですけど、南部は「夕方 から」しっかり「くもり」。
昼過ぎあたりから衛星画像で見た雲がゆっくりとかかってくるんですね。
明日の予報文も書き込んでおきましたが、いまのところ予報の流れでは明日の昼前後から雨ということになりそうです。
そうそう、県内各地昨日よりも気温上昇。
長野、松本、飯田のいずれも予想最高気温17度ですけど、場合によってはもっと上がるかも?
16時追記
県内各地、今年最高の気温を観測しています。長野19.4℃、松本19.2℃、飯田19.6℃、上田20.6℃で、いずれも今年最高気温。湿った空気が山々を越えるときに発生するフェーン現象が起こっているんでしょうね。
18時追記
さらに気温上昇。長野20.6℃を記録しました。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

日中は昨日と同じ高気圧に覆われて晴れ。
ただ、高気圧の中心が東海上に移動してしまうので、高気圧の後ろ側を湿った暖かい風が北海道付近まで吹きあがります。
これが春一番を関東甲信・・・東北もかな・・・に吹かせそうです。
(長野県内は高い山がブロックするので、あまり春一番という感じはしないかもしれませんけど)
春一番が吹くと天気予報では必ず伝えなくちゃいけないという昔から?のお約束があるので、気象会社の番組担当者は気象庁の電文を待ち受けていることでしょう。
18時追記
18時現在、まだ春一番の発表はないようです。
東京大手町は16時58分に7.6m/sを観測していますから、あと0.4m/sに迫ったんですけど。
夕方の天気予報の前フリに春一番を企画しちゃったキャスターは困っているでしょうね。
19時15分追記
ようやく関東で春一番の発表があったようです。だからどうなの?という話なんですけど、なぜか昔からのお約束で真っ先に報道しようとするんですよね。
そして、暖かく湿った空気が北上して冷たい空気とぶつかれば雨雲が発生します。
これが前線ですが、今日から明日にかけて日本海を南下。
また、東シナ海でも雨雲が発生して明日にかけて発達。
明日はこの二つの雨雲がすっぽりと日本を覆ってしまいそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
ここまでの天気チェックでは今日いっぱい県内は雨の心配はなさそうという感じがします。
でも・・・・湿った空気が南西の強い風にのってやってくると、山の多い長野県では、高い山にぶつかった湿った空気が上昇して雨雲を発生させることがあります。
本当に雨の心配はないの?ということが気になります。
そこで、雨の原料がどの程度運ばれてくるの?という点をチェック。

昨日に引き続き、高気圧の西の縁をまわる空気が北海道付近の低気圧に吸い上げられて北海道まで南西風が吹いています。
そして、昨日に増して湿った空気=雨の原料が流れ込むことが予想されています。
また、昨日は北海道の南にあった上空1500mで0℃のラインも北海道の北まで北上。

完全に日本は春のエリアに入っています。
で・・・一番気になる降水の予測を見ると・・・・・

雨雲の本体はまだまだですけど・l・・・・
南西風がぶち当たる南部の山の南西斜面では弱い降水が予想されています。
岐阜県にも同じ程度の降水が予測されているので、岐阜県の予報文もチラリと見てみると・・・・美濃地方で「所により 夜 雨」と書かれています。
なんで長野県南部には「所により 夜 雨」がついていないの?
木曽地方・・・場合によっては塩尻方面もちょっとアヤシイ感じがするのに・・・・・
エリアが超?限定されているとの判断?
今日の県内の予報・・・南部では「所により 夜 雨」があるかも知れないということが、予報文からも降水確率からも読みとれないという点で、南部の予報はちょっとアヤシイと思います。
たいした雨ではないと思いますが、岐阜県と同様に考えても良いのでは?
一方、中部や北部では、天気を悪目にするもう一つのシナリオが現実化する可能性が少ないと思いますから、予報は当たると思います。

これは今日12時の空の湿り気。
南西の風にのって、午後にはかなり湿った空気が流れ込んできます。
朝から白っぽい青空ですけど、午後にはますます白っぽさが増してくると思われます。
昨日に増して春霞・・・という感じでしょうね。
最後に明日朝の降水量予測を掲載しておきます。

日本列島に沿うように雨雲ベッタリ。
雨の降りだしが早まる可能性もありますから、今夜の天気予報で確認する必要がありそうです。
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2010年02月24日
天気予報は当たるのか?(2月24日)
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1、今日の一言
昨日は、長野の梅開花の話を書きましたけど、春の陽気に全国各地の気象台から生物季節情報の電文がバンバン打たれていました。これは全部昨日の電文。
長野 長野 梅開花
岡山 岡山 雲雀初鳴
岡山 岡山 ウグイス初鳴
埼玉 熊谷 ウグイス初鳴
石川 金沢 椿開花
京都 京都 梅開花
鹿児島 鹿児島 モンシロチョウ初見
宮城 仙台 ウグイス初鳴
徳島 徳島 雲雀初鳴
長野ローカルのニュースでも、梅の花をこぞって放送してましたが・・・・・
観測開始以来2位の早さということですけど、比べている木が違うんですよね。
気象台の職員の方に直接聞いたんですけど、気象台構内の梅が枯れちゃって城山公園の梅を標準木にしているとのこと。
それに、標準木の場所は、東側は石垣、南側には大きなモニュメントがあって半日は日陰。
これが長野の平均的な木といってイイのかな?という感じ。
状況の説明がない新聞情報も鵜呑みにできないですね。
ところで、調べてみるとイチョウの落葉についても長野地方気象台から発表があるのですが、そのイチョウのある場所が長野市内の箱清水の湯福神社。
Kasayanはここの氏子で、小さいころ神輿を担いでいたんですけど、ここのイチョウが標準木だったとは知りませんでした。
ちなみに、椿の標準木は元善町・・・善光寺の仁王門付近ですが、どの椿の木なんでしょうね?

28日~3月9日までの気温・・・北海道を除いて真っ赤っか・・・
2月28日頃からの1週間は、気温が平年よりかなり高くなる確率が30%以上という「高温に関する異常天候早期警戒情報」が発表されています。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道の北部にくもりエリアがありますけど、これだったら全国的に晴れというコメントをしてもOKの天気分布です。
東日本や東北の太平洋側では、湿った東風が吹き込む影響を考慮して「のち くもり」にしてますけど、それも夜ですから問題なし。
これなら県内の晴れもガチンコでしょう。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

全県で「所により 昼前 まで 霧」。
暖かく湿った空気が残っているところで朝の気温が下がっているので、冷蔵庫のドアを開けたときのように霧が発生する可能性が出てきたんですね。
濃霧注意報が早くも発表されてますから、朝の通勤はご注意を。
長野県の周辺もほとんど太陽マーク一発。
お隣の県の天気がズレこんできても太陽マーク一発に影響はなさそうです。
予想最高気温は飯田で17℃。
フェーン現象が発生すれば県内全域もっと気温が上昇する可能性もありますから、雪崩や屋根の落雪は特に注意が必要ですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨夜9時の衛星画像に実況天気図を合成(お手製ですよ)したものから、今夜9時の予想天気図にチェンジするアニメにしてみました。
昨夜の晴れのエリアがガッチリ日本を覆うという感じ。
高気圧の西側を暖かく湿った空気が回り込むように北上してこの時期にしては異常な暖かさが予想されています。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今朝は、もう最初から今日の予報は当たると宣言しちゃいます。
湿った空気が流れ込んでくるし、午前中は霧の所も多いでしょうから、春霞のような青空をイメージしておけばよいと思います。
で・・・・今日はテレビの解説の元ネタになる情報を掲載しておきます。
まず、なんでこんなに晴れが続くの?という根拠から・・・・

これ、上空5500m付近の天気図ですけど、日本付近は一昨日からずっと気圧の尾根。
明日もその傾向が続くんですけど、地上の気圧配置を決定づける上空の様子が固定されちゃっているからです。
次は、おなじみの暖かく湿った空気・・・の流れの様子。

上空1500m付近の風の様子ですけど、三陸沖に中心を持つ高気圧の周辺を流れる風が北海道まで吹き込む様子が計算されています。
これが暖かさの原因。

このため、上空1500mで0℃のラインは北海道付近まで北上。
明日には北海道の北側まで北上してしまう勢いです。
いくらなんでも、この気温上昇は良いことなさそうですよね。
今日、明日でとんでもない生物の活動の電文が発表されるかもしれません。
チホウソウケイ1 キシヨウ
高温に関する異常天候早期警戒情報(関東甲信地方)
平成22年2月23日14時30分
気象庁 地球環境・海洋部 発表
要早期警戒
警戒期間 2月28日頃からの約1週間
対象地域 関東甲信地方
警戒事項 かなりの高温(7日平均地域平年差+2.3℃以上)
確率 30%以上
今回の検討対象期間(2月28日から3月9日まで)において、関東甲信
地方では、2月28日頃からの1週間は、気温が平年よりかなり高くなる確
率が30%以上となっています。また、この状態は3月3日頃からの1週間
まで継続する見込みです。
農作物の管理等に注意して下さい。北部山沿いの積雪の多い地域では、な
だれに注意して下さい。また、今後の気象情報に注意して下さい。
なお、関東甲信地方では、向こう2週間程度、気温の高い状態が続く見込
みです。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
2010年02月23日
天気予報は当たるのか?(2月23日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日は北陸で春一番が吹きましたが、長野も春の陽気。
9時15分追記
長野地方気象台から生物季節情報の電文が発表されました。
気象台では、植物の開花や野鳥の鳴きはじめなども観測しているんです。
長野市内、梅が開花しちゃいました。
■日時:2010年02月23日
■場所:長野県 長野
■内容:梅開花
■平年比:25日早い
■昨年比:08日早い
■備考:ジヨウヤマコウエン
(午前10時半 長野城山公園標本木)

18時15分追記
夕方のラジオニュースで、梅の開花が観測開始以来2番目に早いことを伝えていました。
午前中、ちょっと抜けだして気象台で標本木を確認して撮影したんですけど良い記念になりました。
信濃毎日新聞のサイトを見ると・・・・撮影時間はこちらのほうが2時間早かった!!
日曜日は長野の上空から春探しをしましたが、昨日は地上から。

長野大橋付近から見た景色の美しさについパチリ。
先週は日本海の雪雲の南端が頂上にかかっていた飯綱山や戸隠連峰の高妻山もくっきり。
空の青と山の白が素敵なコントラストを見せていました。

もちろん志賀高原も青空の中。
千曲川の水量も、雪融けのせいでしょうか?こころなしか増しているような気がします。
また、堤防はまだまだ枯れ草ばかりでしたが、もう少しすれば地面の中から息吹が聞こえてきそうな雰囲気でした。
今日から明日もますます春めく善光寺平ですが、ちょっと季節の変わり目が早すぎですよね。
寒の戻りなんていうコトバがありますけど・・・・・・
むこう一週間、多少は気温が下がる日もありますけど、それでも平年を上回り続ける可能性が高くなっています。
このまんま冬が終わりっていうわけじゃないと思いますけど、もうちょっと冬の楽しさを満喫したいもんです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

日本の北と南はぐずつきエリアですけど、ほとんどのエリアは晴れベース。
ぐずつきエリアに近いところは雲マークとセットになっていますけど、晴れベースエリアのど真ん中の長野県は太陽マーク一発。
天気のハズレを検討するのもバカバカしくなりそうですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

太陽マーク一発の県内・・・今日は「時々」も「一時」も「所により」もありません。
予想最高気温も書き込んでおきましたが、昨日以上に暖かくなりそうです。
昨日は、南風に乗って流れ込む湿った空気がぶつかる北アルプス方面を中心に、夕方雨雲が発生しましたけど、今日はその気配もなし。
また、昨日は松本方面で強風注意報が発表されましたが、強風の兆候もなし。
ホント、穏やかな春の陽気になりそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

北海道の解説は省いちゃいました。
県内は高気圧のど真ん中で晴れ。
ただ、天気図に前線は描かれていませんけど、南岸には前線モドキのような風向・風速が急変する場所(シアーライン)ができて、そこに雨雲が発達します。
この雨雲のエリアが、全国の天気マークで見た南岸のぐずつきエリアにあたります。
今日、県内の晴れに影響してくるとしたら、このエリアの南部への影響だと思います。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日の県内の天気予報は当たり・・・ということで終わらせちゃおうかと思いましたが、それじゃ天気チェックのリハビリにならないので、生の計算値を見るのもやめて、昔ながら?の専門天気図をまとめてみることにしました。
せっかくいじくった天気図をそのままにするのももったいないし・・・・・
専門天気図を使った天気チェックなんてオタッキー以外のなにものでもありませんから、興味のない方は天気予報は当たるということにして、これ以上は読み進める必要はありません。
チェックのポイントは南岸のぐずつきエリアの県内への影響。
風向・風速が急変する南岸のシアーラインの様子から。

地上付近の風の流れは南岸で急激に西風に変化しています。
二つの方向の風がぶつかると、空気が上昇して雲が発生しますけど、今日の南岸では南の暖かく湿った空気に急ブレーキがかかって雨雲発生というイメージです。

これは上で見た予想図にアニメの原図ともいえる専門天気図。
南岸のシアーラインのあたり、水色で塗ったところが12時間の予想降水量。
傘マークがついていた九州南部や紀伊半島南部ギリギリに降水が計算されています。
こいつがちょっと北よりに変化したら、南岸の天気はすぐに悪目になってしまいそうです。
また、アニメに使った一般的な予想天気図を作る際に、関東南岸の低圧部は省かれていましたけど、一応低圧部が出来る可能性があるわけですから、この低圧部の発達次第でも南岸の天気傾向は悪目に変化しそうです。
で・・・この南岸の雨のエリア・・・今日日中、九州方面を通過する上空の気圧の谷からパワーをもらって活発になります。

上空の気圧の谷は九州を通過したあと、かなり南下する傾向。
九州の雨雲は活発になりそうですけど、その後ぐずつきエリアの北上に関係する可能性は低いと思われます。
ついでに上空の寒気もチェック。

上空の気圧の谷は寒気を伴っていますから、上空の気圧の谷が通過するタイミングで大気は不安定。
九州では落雷の可能性なんかもあるかもしれません。
まあ・・・長野にゃ関係なさそうですね。
で・・・雨のエリアより広い曇りのエリアもチェック。

上空3000m付近の湿り気の図。色を塗った所が湿った曇りエリア。
このエリアの周囲は薄曇りというイメージですけど、曇りエリアのコアの部分は南海上ですから、エリアが北上してもそうそう県内まで影響することはなさそうです。
長野県内の天気チェックのためには、あんまり意味のない検討ばかり。
最後におなじみ目に見える生データを見ておきましょう。

昼の計算値ですけど、雨のエリアは九州と紀伊半島南岸が中心。
雲のエリアも雨のエリアとほぼ対応していて、県内にはほとんど影響なさそうです。
細かくいえば、静岡県境に近いほど大空が白くなって場合によっては曇りのエリアもあるかも知れないという感じ。
最悪、南部は「晴れ 時々 くもり」が良かったということになるかもしれませんが、これじゃうるさい小姑のようですから、予報文のまま「晴れ」でイイでしょう。
・・・・あまり生産的じゃないことしたような気分です・・・・・
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2010年02月22日
天気予報は当たるのか?(2月22日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日、長野の春の空を散歩してきました。

須坂上空から見た長野市街地と飯綱・戸隠と北アルプス。
移動性高気圧に覆われた青空に、北アルプスをはじめとする山々を風が通り過ぎるときにできる雲の波が穏やかに浮かんでいました。

雪雲に覆われていた飯山方面の空も、青空。
下層に薄っすらと湿った空気が残っているようでしたが、春先のような茶色の田園地帯が広がっていました。
まるで、菜の花が咲き始める頃の空の色でしたが、今日はもっと春めいてきます。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

全国的に下り坂エリアにしてしまいましたが、あまり悪いイメージは持たないでください。
北日本や九州南部は下り坂といっても良いですが、その他のエリアは次第に雲が広がる程度。
お隣のエリアの東日本沿岸は「のち 晴れ」てきますし、九州北部も「晴れ」です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内全域「のち くもり」マークですが、予報文を読むと夕方以降南部から曇ってくるようですから、日中は晴れといってよいですね。
また、県内全域南風。
この南風が暖かさを運んできます。
そこで、今日は県内の気温も・・・・

今朝は県内全域氷点下でしたが、日中は10℃以上の暖かさ。
朝と昼間で14℃前後の気温差です。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

暖かい南風の原因は日本海の低気圧。
東海上の高気圧の周囲を時計回りに回る南風を低気圧が吸い上げるんですね。
久しく聞かなかったフェーン現象が起これば県内の気温はもっと上がるかもしれません。
また、低気圧から延びる前線付近では湿った暖かい空気が雨雲になります。
また、九州南部でも湿った空気が集まって雨雲が発生。
午後からは、この二つのエリアの雲が広がってきます。
北と南のはさみうちですね・・・・県内には大きな影響はなさそうですけど。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、湿った空気=雨の原料がどれだけ流れ込んでくるかをチェックしておきます。
雨の原料が多いほど、フェーン現象の発生や雨雲の発達に影響しますから・・・・

この時期としてはそこそこの湿った空気という感じです。
南風・・・関東付近では春一番になるかもしれませんが、高気圧の位置や低気圧の発達具合から可能性は低め。 実況監視といったところ・・・テレビじゃ春一番とはいいにくい感じです。
16時追記
北陸地方で春一番の発表があったようです。
関東でも吹かせるだけのパワーはなかった?横浜地方気象台では南西が強まるとの予報が出ていますけど・・・・・
ということで、気温は上がっても、上空の寒気もそこそこ抜けていますから、湿った空気がにわか雨などのイタズラをすることはなさそう?
念のため、降水の様子を見ると・・・・

日中降水域は海上です。
今朝、関東にかかっている雲のエリアも海上に抜ける傾向。
続けて県内を詳しくチェック。

日中は晴れガチンコですが、夕方になると予報文どおり南部から雲が広がる傾向
湿った南風の影響を受けやすい南部ほど雲が広がるっていうことですね。
さらに細かく見ると、夕方には北・中央・南アルプス方面で弱い降水が計算されています。
南風がぶつかる高い山では空気が上昇して雨雲ができるんですね。
小さいですけど南風のイタズラが予想されています。
ただ、これを「所により 一時 雨」にするにはためらわれる感じ。
ということで、今日の県内の予報は当たる・・・と思います。
もちろん、南部を中心に南風がぶつかる高い山の南西斜面付近では、雲がもくもくとわいてきたらにわか雨に注意が必要です。予想外に発達しちゃう可能性もゼロじゃないですから。
最後の今日の青空の色。

湿った空気が流れ込む影響で、コバルトブルーの青空は厳しいですが、そこそこ鮮やかな青空。
ただ、午後には上空の薄い雲がかかってくるので、白っぽい青空になってきそう。
そして夕方からはくもり・・・ですね。
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1、今日の一言
昨日、長野の春の空を散歩してきました。

須坂上空から見た長野市街地と飯綱・戸隠と北アルプス。
移動性高気圧に覆われた青空に、北アルプスをはじめとする山々を風が通り過ぎるときにできる雲の波が穏やかに浮かんでいました。

雪雲に覆われていた飯山方面の空も、青空。
下層に薄っすらと湿った空気が残っているようでしたが、春先のような茶色の田園地帯が広がっていました。
まるで、菜の花が咲き始める頃の空の色でしたが、今日はもっと春めいてきます。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

全国的に下り坂エリアにしてしまいましたが、あまり悪いイメージは持たないでください。
北日本や九州南部は下り坂といっても良いですが、その他のエリアは次第に雲が広がる程度。
お隣のエリアの東日本沿岸は「のち 晴れ」てきますし、九州北部も「晴れ」です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内全域「のち くもり」マークですが、予報文を読むと夕方以降南部から曇ってくるようですから、日中は晴れといってよいですね。
また、県内全域南風。
この南風が暖かさを運んできます。
そこで、今日は県内の気温も・・・・

今朝は県内全域氷点下でしたが、日中は10℃以上の暖かさ。
朝と昼間で14℃前後の気温差です。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

暖かい南風の原因は日本海の低気圧。
東海上の高気圧の周囲を時計回りに回る南風を低気圧が吸い上げるんですね。
久しく聞かなかったフェーン現象が起これば県内の気温はもっと上がるかもしれません。
また、低気圧から延びる前線付近では湿った暖かい空気が雨雲になります。
また、九州南部でも湿った空気が集まって雨雲が発生。
午後からは、この二つのエリアの雲が広がってきます。
北と南のはさみうちですね・・・・県内には大きな影響はなさそうですけど。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、湿った空気=雨の原料がどれだけ流れ込んでくるかをチェックしておきます。
雨の原料が多いほど、フェーン現象の発生や雨雲の発達に影響しますから・・・・

この時期としてはそこそこの湿った空気という感じです。
南風・・・関東付近では春一番になるかもしれませんが、高気圧の位置や低気圧の発達具合から可能性は低め。 実況監視といったところ・・・テレビじゃ春一番とはいいにくい感じです。
16時追記
北陸地方で春一番の発表があったようです。
関東でも吹かせるだけのパワーはなかった?横浜地方気象台では南西が強まるとの予報が出ていますけど・・・・・
ということで、気温は上がっても、上空の寒気もそこそこ抜けていますから、湿った空気がにわか雨などのイタズラをすることはなさそう?
念のため、降水の様子を見ると・・・・

日中降水域は海上です。
今朝、関東にかかっている雲のエリアも海上に抜ける傾向。
続けて県内を詳しくチェック。

日中は晴れガチンコですが、夕方になると予報文どおり南部から雲が広がる傾向
湿った南風の影響を受けやすい南部ほど雲が広がるっていうことですね。
さらに細かく見ると、夕方には北・中央・南アルプス方面で弱い降水が計算されています。
南風がぶつかる高い山では空気が上昇して雨雲ができるんですね。
小さいですけど南風のイタズラが予想されています。
ただ、これを「所により 一時 雨」にするにはためらわれる感じ。
ということで、今日の県内の予報は当たる・・・と思います。
もちろん、南部を中心に南風がぶつかる高い山の南西斜面付近では、雲がもくもくとわいてきたらにわか雨に注意が必要です。予想外に発達しちゃう可能性もゼロじゃないですから。
最後の今日の青空の色。

湿った空気が流れ込む影響で、コバルトブルーの青空は厳しいですが、そこそこ鮮やかな青空。
ただ、午後には上空の薄い雲がかかってくるので、白っぽい青空になってきそう。
そして夕方からはくもり・・・ですね。
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2010年02月21日
天気予報は当たのか?(2月21日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
長野の天気チェックの修行?のために早起きしてるんですが、今朝はジャンプ・ラージヒルを見ちゃいました。
長野オリンピックのときは白馬のジャンプ会場の外から双眼鏡で観戦してたんですけど、多くの選手の着地が見える場所だったのに、大ジャンプ連続の日本選手の着地点だけが見えなかったのを思い出しました。
今朝の中継でも「別次元、別世界のジャンプです」という実況がありましたけど、やっぱり生で見るとピッタリの表現なんでしょうね。
さて、春を感じられるようになってきましたが、来週は本当に春になりそうですね。
テレビの天気予報でも、週間予報の画面で「春」という単語を連呼していると思いますが、ここでは気温のグラフを掲載しておきます。

グラフの見方はどうでもかまいません。22日以降右肩上がりのグラフだな・・・・「別次元の暖かさだな」・・・と感じていただければ・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

雪エリアは北海道の日本海側と青森の津軽地方だけ。
すっかり北に追いやられています。
長野県は晴れベースのエリアのど真ん中ですから、今日の予報がハズレる可能性が低いことは感覚的にわかりますよね。
関東付近だけ「のち くもり」マークになっていますが、予報文を見ると夕方以降。
仮に影響してくるとしても夜ですから心配するほどのものではないでしょう。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

南部が太陽マーク一発で、中部北部が「のち 晴れ」ですけど、「のち」のタイミングが「朝 から」なので事実上県内全域晴れといったところでしょう。
北部の「明け方 雪」ですが6時過ぎの段階でレーダーに雪雲は映っていません。
新潟富山県境の山のあたりに低い雪雲が舐めるようにかかっていて、チラチラと舞っている程度でしょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

とってもシンプル。
重箱のスミを突けば、関東付近の等圧線が凸になっている部分・・・弱い気圧の谷ですが、この気圧の谷の雲の影響で関東は「のち くもり」になっています。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日は珍しく衛星画像から見てみましょう。

白が濃い雲ほど背の高い発達した雲ですが、日本付近は白が薄い地上付近の雲中心。
東北~北海道の日本海側にある雲は、背は低いですけど、おなじみ「寒気に伴う筋状の雲」。
昨日までは北陸付近まで広がっていましたからずいぶん小さくなりました。
で・・・・これを覚えておいて、計算値の雲を見てみましょう。

左側の下層雲の様子が衛星画像で見た日本付近の雲の様子に一番近いですよね。
北日本の日本海側ではお昼になっても、薄い雪雲が計算されています。
もっとも長野県付近はクリアですね。
ただ、右側の上層雲を見ると、ちょっとだけ雲がかかっています。
晴れには違いありませんが、少し白っぽい青空になる可能性がありそうです。
中層の雲はほとんど計算されていないのでカットしました。
最後に念のため降水の様子もチェック。

県内で何かが降るという可能性はほぼないでしょうね。
関東沖の弱い気圧の谷に沿って降水のラインが見えますが、このラインが北上して関東は夕方以降くもりへ。
県南部への影響は、とりあえず心配なさそうです。
今日の予報・・・文句なしですね・・・・当たりです。
さあ!今日は出かけるぞ!
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2010年02月20日
天気予報は当たるのか?(2月20日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝6時半の長野駅周辺。
気温は-2℃で寒々とした風景に変わりありません。
そして屋根の上には薄っすらと雪・・・昨夜のうちに少し雪が舞ったようです。
ところで、昨日の朝の某テレビ局(長野ローカル)の天気予報で、「中部と南部は、平地で雪の降る所はないでしょう」とアナウンサーさんが原稿を読んでいました。
このとき画面に表示されていた中部と南部の天気マークはこれ・・・

ただ、予報文には、中部と南部いずれも「所により 昼過ぎ から 夕方 雪」と書かれていました。
気象庁の予報は地域を限定などしていないのです。
で・・・・昨日の中南部、平地でも雪が舞ったはずです。
気象庁の予報を使った天気予報のはずなのに、原稿を作った人・・・某気象会社の原稿作成者だと思いますが、雪は山沿い中心という自分の考え方を原稿に盛り込んでしまったんでしょうね。
天気マークに描かれていない雪をコメントできちんとフォローしなくてはいけない場面で・・・・
気象庁の予報を伝えている天気予報番組でも、原稿を作成する人間の考えが入り込むと、誰が作ったかわからない予報になってしまうのです。
たかが天気予報の原稿ですけど・・・・・イイカゲンな気持ちでは作れないんです。
テレビをラジオの天気予報を使う立場でも気を付けないといけませんね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

相変わらず雪エリアと晴れエリアに二分される天気分布ですけど、その形が日本海側と太平洋側に二分される分布とは異なります。
そこで、東北を拡大してみると、太平洋側でも雪マークがついて、予報文も読むと北日本の太平洋側では昼頃から一時雪という予報になっています。
長野県付近はあいかわらず日本海側雪、太平洋側晴れの傾向に変わりはありませんが、なにか雪を降らせるものが日中北日本を通過するようです。
これが県内に影響しないか?気になります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

基本的に県内全域晴れベース。
二個セットの左側に太陽マークが目立っています。
ただ、予報文を見ると、北部では「所により 夕方 から 夜のはじめ頃 雪」。
用語集によれば、「夕方」は15時~18時、「夜のはじめ頃」は18時~21時を指していますから、午後3時~午後9時までの間、北部では雪の降る所があるようです。
全国の天気マークで見た北日本に雪を降らせるもの・・・県北部にも影響しているかもしれませんね?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

なぜ一時的に雪が降るのか?ちょっと見ただけではわかりにくい天気図です。
上空の気圧の谷が通過して・・・という手もありますが、上空の気圧の谷という表現は一般の人にはわかりにくい表現ですから、使わないで済むなら使わないほうがイイに決まっています。
ということで、上空の谷の下にできた弱い気圧の谷の影響ということでアニメをまとめてみました。
良く見ると、岩手県の東海上に等圧線が凹になっている部分があります。
ここが弱い気圧の谷(地図でいえば沢)なのですが、凹の部分が今日日中北日本を通過します。
弱い気圧の谷の部分では風向きが急激に変化していて、そこに雪雲が発生します。
この雪雲が通過するタイミングで北日本や北陸の雪が一時的に強まるわけです。
あとでもうちょっと詳しくチェックしておきましょう。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
北部の雪が気になりますから、まずは天気図のアニメで見た弱い気圧の谷が通過する様子を詳しくチェックします。

細く黒い線が等圧線なのですが、日本海で凹になっていることがわかります。
そして、この弱い気圧の谷の部分にそって降水エリアがライン状に出来ています。
これが今日日中北日本を通過。

午後3時が北日本にかかるタイミング。
このタイミングで北陸でも雪のエリアが拡大し、降水量も増加します。
そして、長野県内でも降水域拡大。
昨日のように、県内奥深くまで広がらないで、北アルプス付近や新潟県境付近が中心。
北部全域ではなくて「所により」という表現がピッタリです。
また、降水域の拡大が午後3時頃ですから「夕方から」という表現もピッタリ。
17時15分追記:
午後5時発表の北部の予報は「くもり 山沿い では 雪」。実況をもとに朝の予報の「所により」を「山沿い」に限定してきました。実況は、ほぼ計算値どおりに推移しているようです。
降水域拡大のタイミングはちょっとずれる可能性もありますが、北部の予報、雪に関しては文字どおりに受け取ってよさそうです。
また、県境付近では朝から雪が舞ってもおかしくな状態ですが、北部全域を平均的に見れば「時々 くもり」でよさそうに思えます。
晴れベースの予報が曇りベースに変わって「時々 晴れ」になる可能性もありますが、そうなっても大ハズレということではありませんから、北部の予報は当たると考えます。
で・・・中南部。
雲の様子ですが・・・・

上層雲はありませんから、白っぽい青空というより普通の青空。
ただ、北部で雪雲が広がる頃には岐阜県方面から中層下層の雲が迫ってきます。
ただ、この雲はほとんど北アルプスを越えられそうもないので、「時々 曇り」程度で済むということでしょう。
この部分、「のち くもり」になってしまう可能性もありますけど、そこまで考えるのはアラ探しになっちゃいますから、中南部の予報も当たるということにしておきます。
晴れベースの週末・・・明日はもっと晴れベースですから、雪質がまだ良い今の時期にウィンタースポーツを楽しんでおきたいですね。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
1、今日の一言

今朝6時半の長野駅周辺。
気温は-2℃で寒々とした風景に変わりありません。
そして屋根の上には薄っすらと雪・・・昨夜のうちに少し雪が舞ったようです。
ところで、昨日の朝の某テレビ局(長野ローカル)の天気予報で、「中部と南部は、平地で雪の降る所はないでしょう」とアナウンサーさんが原稿を読んでいました。
このとき画面に表示されていた中部と南部の天気マークはこれ・・・

ただ、予報文には、中部と南部いずれも「所により 昼過ぎ から 夕方 雪」と書かれていました。
気象庁の予報は地域を限定などしていないのです。
で・・・・昨日の中南部、平地でも雪が舞ったはずです。
気象庁の予報を使った天気予報のはずなのに、原稿を作った人・・・某気象会社の原稿作成者だと思いますが、雪は山沿い中心という自分の考え方を原稿に盛り込んでしまったんでしょうね。
天気マークに描かれていない雪をコメントできちんとフォローしなくてはいけない場面で・・・・
気象庁の予報を伝えている天気予報番組でも、原稿を作成する人間の考えが入り込むと、誰が作ったかわからない予報になってしまうのです。
たかが天気予報の原稿ですけど・・・・・イイカゲンな気持ちでは作れないんです。
テレビをラジオの天気予報を使う立場でも気を付けないといけませんね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

相変わらず雪エリアと晴れエリアに二分される天気分布ですけど、その形が日本海側と太平洋側に二分される分布とは異なります。
そこで、東北を拡大してみると、太平洋側でも雪マークがついて、予報文も読むと北日本の太平洋側では昼頃から一時雪という予報になっています。
長野県付近はあいかわらず日本海側雪、太平洋側晴れの傾向に変わりはありませんが、なにか雪を降らせるものが日中北日本を通過するようです。
これが県内に影響しないか?気になります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

基本的に県内全域晴れベース。
二個セットの左側に太陽マークが目立っています。
ただ、予報文を見ると、北部では「所により 夕方 から 夜のはじめ頃 雪」。
用語集によれば、「夕方」は15時~18時、「夜のはじめ頃」は18時~21時を指していますから、午後3時~午後9時までの間、北部では雪の降る所があるようです。
全国の天気マークで見た北日本に雪を降らせるもの・・・県北部にも影響しているかもしれませんね?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

なぜ一時的に雪が降るのか?ちょっと見ただけではわかりにくい天気図です。
上空の気圧の谷が通過して・・・という手もありますが、上空の気圧の谷という表現は一般の人にはわかりにくい表現ですから、使わないで済むなら使わないほうがイイに決まっています。
ということで、上空の谷の下にできた弱い気圧の谷の影響ということでアニメをまとめてみました。
良く見ると、岩手県の東海上に等圧線が凹になっている部分があります。
ここが弱い気圧の谷(地図でいえば沢)なのですが、凹の部分が今日日中北日本を通過します。
弱い気圧の谷の部分では風向きが急激に変化していて、そこに雪雲が発生します。
この雪雲が通過するタイミングで北日本や北陸の雪が一時的に強まるわけです。
あとでもうちょっと詳しくチェックしておきましょう。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
北部の雪が気になりますから、まずは天気図のアニメで見た弱い気圧の谷が通過する様子を詳しくチェックします。

細く黒い線が等圧線なのですが、日本海で凹になっていることがわかります。
そして、この弱い気圧の谷の部分にそって降水エリアがライン状に出来ています。
これが今日日中北日本を通過。

午後3時が北日本にかかるタイミング。
このタイミングで北陸でも雪のエリアが拡大し、降水量も増加します。
そして、長野県内でも降水域拡大。
昨日のように、県内奥深くまで広がらないで、北アルプス付近や新潟県境付近が中心。
北部全域ではなくて「所により」という表現がピッタリです。
また、降水域の拡大が午後3時頃ですから「夕方から」という表現もピッタリ。
17時15分追記:
午後5時発表の北部の予報は「くもり 山沿い では 雪」。実況をもとに朝の予報の「所により」を「山沿い」に限定してきました。実況は、ほぼ計算値どおりに推移しているようです。
降水域拡大のタイミングはちょっとずれる可能性もありますが、北部の予報、雪に関しては文字どおりに受け取ってよさそうです。
また、県境付近では朝から雪が舞ってもおかしくな状態ですが、北部全域を平均的に見れば「時々 くもり」でよさそうに思えます。
晴れベースの予報が曇りベースに変わって「時々 晴れ」になる可能性もありますが、そうなっても大ハズレということではありませんから、北部の予報は当たると考えます。
で・・・中南部。
雲の様子ですが・・・・

上層雲はありませんから、白っぽい青空というより普通の青空。
ただ、北部で雪雲が広がる頃には岐阜県方面から中層下層の雲が迫ってきます。
ただ、この雲はほとんど北アルプスを越えられそうもないので、「時々 曇り」程度で済むということでしょう。
この部分、「のち くもり」になってしまう可能性もありますけど、そこまで考えるのはアラ探しになっちゃいますから、中南部の予報も当たるということにしておきます。
晴れベースの週末・・・明日はもっと晴れベースですから、雪質がまだ良い今の時期にウィンタースポーツを楽しんでおきたいですね。
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