2009年12月13日

長野上空から天気チェック!

 長野の天気の考え方・・・・高い山や細長い盆地を3D・・・立体的に考える・・・・

 というのがここ数カ月、長野の天気をチェックしていてたどり着いた結論
海の影響が強く、まっ平らの関東では船長の視点長野ではパイロットの視点ということですが、やっぱり自分自身の目で見ないと満足できないのがKasayan。

 関東の海は、伊豆諸島、相模湾、鹿島灘と・・・一通りヨットで帆走して自分の目で見てきました。
じゃあ長野の空は・・・・・

 ということで、パイロットの視点になるべく・・・・・
善光寺の空を飛んできました




 まずは、善光寺を上空750mから参拝して・・・・




 須坂上空から北北東方面。
地上から上空1200m付近までは北の風
新潟方面から北風に乗って流れ込む雪(雨)雲が飯山方面から志賀高原へ滑り上がっていくのがわかります。




 同じく須坂上空から豊野、野尻湖方面。
 長野盆地上空から日本海が見渡せるほどの風の通り道があることを昨日の記事に添付した3D地形図で確認しておきましたが、日本海方面から中下層の雲が川のように流れ込んでいました。




 そして長野盆地の北西の山際・・・飯綱・戸隠方面も、山の上にだけ層状の雲
牟礼方面から盆地に吹きだす風と、戸隠方面を迂回して流れ落ちる風が収束して雲を形成しているように思えます。




 最後に、南の松代方向。
雲が砕けて、青空から日差しが見えていました。
北信五岳を越えた風が盆地に下降して雲を消しているようです。

 下から見上げているより、自分が雲の位置まで昇って見るのが一番理解できますね。

 今日の気圧配置・・・
今朝の記事にも書いたように、西高東低、冬型の気圧配置のはじまり




 冬の大雪のミニチュア版ともいえますから、このイメージに強弱つければこの冬の雪の予想に役立ちそうです。




 そして、今日正午の上空の風と雲が作られる様子の計算値
計算値に現れない規模の天気傾向を考えるための情報量が増えました。

 スタッドレスタイヤに交換を終え、冬場の天気チェックの特効薬?を飲んだところで、明日からの本格的寒気の南下・・・

 天気チェックの朝稽古、まだまだ頑張りますかぁ!

  


Posted by kasayan at 18:54Comments(4)雑記

2009年12月13日

天気予報は当たるのか?(12月13日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 毎日、こうやって天気チェックしながらブログに思いつくことを書きつつ、ちょっとした図を作ったりしています。

 ブレーンストーミングってわけじゃありませんけど、こんなことをしているだけで、だんだん頭の中が整理されて、未来の空のシナリオがイメージされてくるんです(ならないこともあるけど)。
 それに、記録として残りますし・・・。

 中でも図を作るのが効果的なんで、たくさん図を作っているのですが、これを削るのもプレゼンテーションの勉強になるので、泣く泣く削っています。




 これ、今日作った図の一部。作るにあたっては、もっと多くの天気図を見ています。

 天気予報は、伝えるタイミングが遅れると「予」報じゃなくなっちゃうんで、確実なものを早く出すことが必要です。だから天気図解析のスピードも大切。番組担当をしているなら、放送時間に遅れたらゴミですし。
 相撲の朝稽古と一緒です

 年齢とともに処理能力の衰えを感じるわけですが、解析作図30分、ブログ仕上がり20分、どんなに長くても全体60分以内・・・・今日も滑り込みかぁ・・

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 ほんとに大ざっぱですけど、日本海側と太平洋側にエリア分けできます。
日本海側ぐずつくってほどではないですけど、曇りがち・・・冬型の気圧配置のはじまりを予感させます。

 ということは、太平洋側はピーカンではないにしても晴れベース。

 長野県は南北に長いですから、北部と南部もこんな傾向がイメージできますよね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。





 全県とも「くもり 時々(一時) 晴れ」マークですけど、予報文を読めば、マークの裏に隠された微妙な違いがわかります。

 北部・中部は、「時々 晴れ」ですけど、南部は「朝から昼前 晴れ」ですから、「一時 晴れ」
北部・中部は曇りベースで晴れ間も出るというイメージですけど、南部は午後になって曇るというイメージ。今日はそこそこの天気。

 明日の予報文もオマケにつけておきましたけど・・北部「夕方から 雨か雪」・・これ「所により」はありません。中部「所により 雪」
 今朝のお天気放談は、今日から明日の流れでチェックします。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 いつもは、ここで、予想天気図のアニメに書き込みをしてますけど、今日は雪の目安になる上空5500m付近、マイナス30℃の寒気が南下してくる様子をチェックしてみます。

 ここ数日、この寒気は中部地方に到達してなかったんで、予備的な雪の目安・・・上空1500m付近の寒気の様子をチェックしてきました。
 でも、上空5500m付近の寒気ががっちり南下してくるようになれば、本格的な冬もスタートって感じ。




 今日は、まだ大陸沿岸までしか南下しませんが、明日になると急激に南下速度を速め、明日日中には、長野県北部に到着します。今日はまだ寒気の影響は小。

 まず、寒気をチェックしましたが、寒気だけでは雪になりません

 寒気が暖かい日本海から水蒸気を吸い上げて雲を作り、冬型の気圧配置で吹く北西の風にのって日本海沿岸、そして長野にやってくることはご存じだと思います。

 で・・・雪雲を流し込む冬型の気圧配置は?




 今夜にかけて北にかたよっているものの、西高東低、冬型の気圧配置が強化開始
大陸の高気圧から、北海道の北の発達した低気圧に風が吹き込みはじめます。

 そして、明日、南下してくる寒気が日本海の水蒸気を吸って筋状の雪雲を作り・・・寒気長野到達にワンテンポ遅れて雪雲が長野に流れ込む・・・というシナリオになりそうです。

 ですから、冬型が強まり始める今日は、県内北部中心に曇りベース。
明日はいよいよ雪雲の登場で、北部中心ですけど盆地でも雪ですね。
 
 北部「雨か雪」というあいまいな表現なのは、地上付近の気温がイマイチ下がらないためだと思います。
 ただ、気象庁は、明日、天気マークに雪マークを使いなさいというテロップ番号という数字を予報文につけていますから、控え目ながら雪の可能性が高いと判断しているようです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 長野にUターンして、久々の長野の雪。

 今回は、気象庁の予報官のキモチを読み取る練習として、謙虚に長野地方気象台の予報を見守りたいと思います。
 あやしい・・・と思う部分・・・たとえば、明日の降りだしのタイミング・・・なんかはありますけど・・・いや・・・今回は・・・