2009年12月07日
長野の空に波?
これ、長野駅周辺のビルから見た北アルプス方面の雲。
北アルプスに平行したカタチで、南北の線状の雲がいくつか並んでできていました。
たぶん・・・北アルプスの山岳波による雲だと思うんですけど・・・・・
長野の天気を勉強中のKasayan。
色々考えていたら・・結構面白くなっちゃったんで、ズク出してまとめてみました。

今朝の北アルプスでは、岐阜県側から山越えの西風が吹いていました。
山越えの西風は白馬側で下降流になります。
ただ、下降した空気はミニミニのフェーン現象で気温が高くなって、白馬付近で再び上昇。
この空気、上空で雲を作りながら膨張して温度が下がり、重くなって再び下降。
これを繰り返しながら何本もの線状の雲を山の風下に作ります。

これが山岳波。
北アルプス→白馬→小川村→長野市→菅平を断面でみるとこんな感じ。

白馬から長野の間では、山岳波の雲ができそうな地形になってます。
これを、コンピューターの計算値で見ると・・・・

北アルプスの東側に縦長の下降流のエリア。
長野にかけて順番に上昇と下降を繰り返すように計算されています。
30年前、長野市に住んでいましたが、住んでいたのは善光寺のすぐそば。
善光寺平の北西のはしっこですから、家から北アルプス方面は見えません。
こんな雲が長野にあったのかぁ・・・・と、新鮮な思いでながめてしまいました。
北アルプスもきれいですしね。
あんまりおもしろかったので・・・・模式図まで作ってしまいました。

そうそう・・・志賀高原に比べて、白馬方面のスキー場は雪が降らずに大変そうですが・・・このエリアの積雪との関係も今後検討してみよう・・・・
・・・・こんなことやっていると、「空が好きなんですね」とよく言われるんですけど・・・
本当は、ヨットが好きで、怖いおもいをしたくないばっかりに、仕方なく天気の勉強をしたら、それが仕事になっちゃっただけ。
楽しかったのは・・・・美人のアナウンサーさんと仕事ができることだったりして。
だけど・・久々の故郷の空は面白いっす!
2009年12月07日
天気予報は当たるのか?(12月7日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

これ、日本海と遠くに見える米山。
有間川フィッシャリーナという漁船兼プレジャーボートの港です。
4日前の穏やかな景色ですけど、今朝は5mの波・・・・

そんな日本海の今朝の衛星画像。
北海道の北の雲ほど白くないのは比較的背の低い雲だから。
日本海を風呂にたとえれば、湯気みたいな雲・・・雪雲の子供です。
日本海の水温、今でも15℃以上もあります。
この熱で暖房できれば温暖化なんて・・・って考えちゃいますけど、日本はそれなりに日本海に温められてもらっています。

左は日本海の海面水温と、昨夜9時の輪島の気温、そして対岸のウラジオストックの気温。
気温の差は17℃もあります。
一方、右側は上空1500m付近の気温ですが、この高さになると両都市の温度差は7℃。
大陸から南下してくる寒気・・・地上のほうが上空より10℃近く温められていることがわかります。
日本海を寒気が渡ってくる間・・・海面付近の空気だけがずいぶん暖められるんですね。
天然のストーブ日本海。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

冬型の気圧配置なんだなぁ・・というのが天気マークの配置だけでもわかってしまうようです。
昔、日本海側を裏日本なんていってましたけど、こういう天気分布をみると、裏のイメージなんですよね。
長野県北部は、裏窓?勝手口?
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

冬型のパターン・・・・北信は曇りベースの晴れ間あり・・・・中南信は晴れベースの曇りもあり。
今日は風の傾向も添付しておきました。
基本的に冬型の北の風。
あれ?諏訪地域だけ西の風・・・・なんで?
それから・・北部は「所により 夕方まで 雪」・・・どこよ?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

冬場は、この図を作ってもワンパターンですね。
とくにコメントはなし。
とうことで、上で書いた「諏訪地域だけ西の風」をまず考えてみました。

今日正午の県内の風の予想計算値を見ると、北アルプス越えの西風、野尻湖越えの北西風・・・・
そして、松本付近の北風が諏訪付近で西北西に変化して山梨方面に吹いています。
また、岐阜県高山から諏訪方面へ流れる風も。

風の気持ちになって考えてみる・・・なんだかオタクな感じがしてイヤなんですけど・・・・
岐阜県高山上空1000m付近から東を見た立体図・・・北アルプスの南端と木曽御嶽山の間・・・遠く南アルプスが見えるほど、山が低くなっているんですねぇ。
風の通り道になってもおかしくなさそうです。
おまけに諏訪の東側には八ヶ岳、南には中央アルプスや南アルプス、北は霧ヶ峰でブロックされています。
諏訪が狭い風の通り道になって、風速を上げながら吹きぬけていくのかもしれませんね。
で・・・もうひとつ・・・北部の「所により 夕方まで 雪」のこと。

正午の地上付近の雲・・・小谷方面は県境までですけど、飯山や志賀高原、そして菅平までかかっています。
これも立体地図を見ると、妙高や黒姫の東側は比較的低い山なんですよね。
夏場、日本海の海風は野尻湖を越えて、はるばる長野盆地にもやってきますけど、雪雲だってやってきます。
これが志賀高原や菅平の2000m級の山にぶつかって・・・・良いスキー場になってるんですね。
今朝、長野市内は弱い日差しがありますけど、志賀高原と菅平には雲がかかっています。
で・・・この範囲と県境標高1000m付近で雪って感じでしょうか。
レーダーをみると、県境付近にしか雨雲は見えませんが、低い雲、それも山の影響を受けている雪雲は、レーダー電波がうまく届かなかったりしてうまく見えないかもしれません。
ネットのライブカメラを見ても・・・この雲の下では弱い雪やみぞれの所が多いようです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
長野県の天気の勉強中のKasayanなので、本題からちょっとズレてしまいましたけど・・・・
今日の予報を疑うとしたら・・・・やっぱり北部がどれだけ日本海の雪雲(雨雲)の影響を受けるか?というところでしょうね。
曇りベースということを意識して、太陽マークの比率をちょっと低めにイメージしておけば、ハズレと感じることはないと思います。
うーん、地形の効果は難しい。
今日は、北アルプス越えの風で発生するうろこ状の雲が見えるかも・・・・広がったら、どんな感じになるんだろう・・・・
曇りマークのイメージに影響するのかしらん?