2009年12月21日

予報はハズレたの?(12月21日)



 今朝の長野県北部の天気予報は・・・・・

 「雪 昼過ぎ から 時々 くもり」




 長野市内にお住まいの方は、「今日の予報ハズレじゃん」と思われた方も多いと思います。
だって長野市内は、綺麗な冬晴れでしたから。




 でも、予報は当たってるんですよ!

 ご存じのとおり、長野県北部の予報エリアは、大北地域・長野地域・中野飯山地域の3ブロック
これだけ広いエリアが一つの天気マークで表現されています。




 このエリアの平均的な天気を考えて予報を出すと、こういう天気マークや予報文になっちゃうんですよね。

 今日日中の天気分布はこんな感じ・・・




 長野市内では冬晴れでも、その周囲の山々では雪
平均的に予報を考え、午前中の雪に対する「防災的要素」を加味すると、太陽マークはちょっと付けられません。

 長野県北部を一つの予報区分にしてしまうのはちょっと強引ですけど、季節ごとに予報区分を変えるのも混乱を生むことになりますし、冬だといって雪以外の気象現象が起こらないとは限りません。

 じゃ・・・どうすればイイの?ということになりますが、簡単な方法は、今朝の記事で紹介したように、気象庁のHPにある分布予報(クリックを見て、予報エリア全体の天気分布を確認するのが良いと思います。




 Yahoo天気やその他のサイトには、ピンポイント予報などという名前で市町村単位の細かな予報もありますけど、基本的に分布予報の一つのマス目を時系列的に表現したもの。




 もし、実際の天気がマス目一つズレたら、いきなり異なる天気になることもありますから、ピンポイント予報「だけ」を見るのはあまりおすすめできません

 テレビの「詳しい予報」ってやつも同じですから、自分の住んでいる所の予報をじっくりと見るのではなく、「地域全体の傾向」を見るのが良いと思います。


 今日の午後、空気が澄んで、長野市内から美ヶ原の王が頭のアンテナ群を見ることができました。





 明日は、今日よりもっと晴れ間が広がりそうですよ!

 朝はずいぶん寒いですけど・・・・・

  


Posted by kasayan at 18:53Comments(0)雑記

2009年12月21日

天気予報は当たるのか?(12月21日)

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 昨夜、一杯やったら急に眠くなってバタン・・・・・・・
4時に目がさめちゃったんで、外を見ると長野駅周辺は薄っすらと雪・・・でも、空には雲の切れ間が見えています。




 レーダーを見ると午前1時前後から3時頃まで雪雲が長野市内まで流れ込んでいたようです。
さらにアメダス積雪データを見ると、長野市で午前1時から3時までで3センチ白馬では昨夜20時から今朝4時までで8センチの降雪、信濃町でも7センチ





 昨夜、長野県を寒冷前線が通過しましたが、そのタイミングの雪だったんですね。




前線の後ろには、弱い前線が隠れていますから、もうしばらく降ったりやんだりするかもしれません。

 雪道の運転も、この週末で感覚を取り戻しつつあると思いますけど、県内全域で氷点下で、薄い積雪の下はバリバリですから、運転気をつけなくちゃね。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 天気マークの配列にも冬型がゆるむ兆しが見えてきました。

 昨日まで九州西部も雪や雨でしたが、今日の九州は回復
雪エリアは山陰から北海道にかけての日本海沿岸中心になっています。

 九州や四国の太陽マーク、明日には長野県付近までやってきそうですよ。

3、長野県の予報
 長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。





 中・南部は、「時々 晴れ」マーク。
予報文に、所により「昼過ぎ まで 雪」「朝 まで 雪」って書いてありますけど、これは冬型解消のタイミングの目印になりますね。

 一方、北部の雪・・・「所により」がついていませんから、北部全般に雪の可能性あり・・ということを意味しています。
 ただ、「昼過ぎ から 時々 くもり」って書いてありますから、こちらでも冬型がゆるむ傾向
 いつも雪が降りやすいところ・・・白馬や黒姫、飯山・菅平方面が中心で、平地ではせいぜいチラチラ程度と考えておいてよさそうです。

 天気マークだけじゃなくて、予報文(電話の177と同じですよ)を読めば、かなり突っ込んだことまでわかるっていうことが、今日の予報文によくあらわれてますね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。





 冬型は北日本中心に変化しています。

 等圧線が混んでいる場所は東北・北海道方面だけ。
大陸から張り出してくる高気圧が、九州方面から等圧線の間隔を広げています。

 今日、長野県中部・南部で広がる晴れ間が明日には北部まで拡大傾向です。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 で・・・・今日の予報の怪しそうな点は?

 中部・南部については、曇り時々晴れの予報ですから、基本的に曇りベース
予想に反して太陽マークの比重が多少多くなったとしても、ハズレという感覚までは至らないでしょう。

 ということで、まず中・南部の予報は当たる・・・と考えます。

 さて、北部




 降水エリアの予想ですが、雪になる十分な寒気が残っていますから、今日正午の段階で、北アルプス、新潟県境、飯山・志賀エリアは雪
 もちろん、降ったりやんだりというイメージです。

 そこで、こんな時は、天気分布予報を見ます(気象庁HPクリック
雨や雲の計算値を統計的に処理したもので、テレビでも良く見るメッシュ予報ってやつです。




 上で見た降水が予想されているエリア以外はかなり広い範囲で晴れるようです。
メリハリのある天気分布。
 こういうときは、スキー場でも雪が止むと晴れ間がパッと出たりするんですよね。

 ということで、北部の予報・・・このエリア分布をイメージして、スキー場の多いエリアほど雲が多くて雪も降りやすい、そして長野市内や千曲市内は結構晴れ間が出ると考えておけば、ハズレという印象はもたないでしょう。
 
 ということで、予報ユーザーがキチンと予報を理解しているという条件付きで当たると考えます。
最悪は、「雪の予報なのに晴れちゃったぞ」というイメージを持ってしまうことです。

 ただ午前6時30分現在、長野・中野飯山・大北地域に大雪注意報が出ていて、夕方までに40~50センチの降雪が予想されているわけですから、甘くは見ないでくださいね。