2010年08月31日
天気予報は当たるのか?(8月31日)台風8号発生雷雨活発

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
熱帯低気圧が台風に昇格して台風8号発生。
ついに台風6号~8号と、3個の台風がそろい踏みになりました。
台風については、あとで詳しくチェックするとして・・・・・

これ、悪天予想図(FBJP)というパイロットが使う空の天気図の一つで、空を飛ぶにあたってじゃまになりそうな積乱雲(モクモクの雷雲)や乱気流が描かれています。
普通に生活しているうえでは、全然関係ない天気図ですけど、特徴的な雲や前線なんかが漫画のように書きこまれていますから、これを有効利用しない手はありません。
気象衛星の画像を見るときに使ってみてはどうでしょう?
「東北に雲がかかっている・・・」程度しかわからなかった気象衛星の画像も、「東北の白い雲・・・孤立した積乱雲域と、積雲からできているようですね・・・雷も・・・雲の高度は2000フィート~4600フィートのようですから、モクモクも結構高そうですねぇ・・・こりゃ激しい雷雨になっているかもしれませんねぇ・・・」なんていう見方ができるようになります。
上の図は、31日午前3時23分発表で、31日午前9時まで有効。
今朝4時半の衛星画像は・・・・

悪天予想図は、以下のURLで入手できます。
いよいよ台風の季節・・・有効に使えるかもしれませんよ?
使い方は?・・・・ネットで調べてみてください。
悪天予想図: http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fbjp&cat=a
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道と東北日本海側がぐずつき気味のほかは、相変わらず猛暑夏空モード。
もちろん、沖縄方面はご存じの台風モード。
猛暑夏空は太平洋高気圧のせい・・台風モードは台風7号のせい・・・・北日本のぐずつきモードの理由は?
これは天気図を見ればわかるはず・・・・なのですが、今日は天気図を見ただけではちょっとわからないかもしれません。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

今日の東日本の天気マーク・・・日本海側は曇りベースですが「のち 雨」。
太平洋側は晴れベースですが「のち くもり」または「時々 くもり」になっています。
そして長野県は・・・全県で雲マークが左側ですから曇りベース。
「一時」あるいは「時々 はれ」というマークになっています。
この傾向を見ると、同じ長野県でも、北ほど雲が多く曇りに近く、南ほど雲は薄く晴れに近いということが想像できます。
また、傘マークの新潟に近い北部ほど雨の可能性が高いんじゃないか?ということも考えられます。
天気マークの天気予報も、自分に関係するところのマークだけを見るのではなくて、全体の傾向を見るようにすると、もっと得るものがあるはずです。
テレビの天気予報・・・・ローカル局では県内3つの地域の天気マークしか表示していないことがほとんどですが、せっかく横長液晶テレビが普及してきているんですから、もうちょっと天気マーク多くを表示したってイイと思いませんか?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

天気図だけではわからないのが、今日の北日本のぐずつきモード。
こうやって前線を書きこむだけで納得していただけると思います。
またテレビの天気予報の話になるんですけど・・・・この程度の工夫はしてほしいと思いませんか?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、気になる台風の様子から。

台風8号発生。
昨日の朝の段階では、台湾付近の熱帯低気圧が台風まで発達するとは考えられていませでしたが、台風と熱帯低気圧の境目・・・17.2m/s以上の風速が観測されちゃったんでしょうね。
なにしろ台湾に近いですから、なにもない海上とは違って、キチンと観測機器もありますから。
台風を流す上空の風の様子は、昨日の記事に掲載した天気図とほとんど変化していませんから、沖縄を除いて日本各地に直接の影響はないと思います。
もっとも、日本海を北上して北日本に接近・上陸するときには、風というよりは雨の心配がありますし、台風が日本海を通過すると、湿った空気が日本に流れ込みやすくなりますから、激しい雷雨が予想されますから、しばらくは天気予報のチェック・・注意しておいたほうがよさそうです。
さて、今日の天気・・・・
天気図のアニメでおわかりのように、ポイントは太平洋高気圧の周辺をまわる暖湿流・・・雨と雷の原料です。

今日午前9時と午後9時の湿った空気の様子(青色が濃いところが水蒸気の多いところ)ですが、日本海側から東日本・北日本方面に流れ込みやすくなる傾向です。
反対に関東方面は比較的乾燥傾向。
このため、昨日より今日の夕立は激しくなる傾向。
北日本方面は、弱まった寒冷前線の影響も加わって、局地的に雷雲モクモクになるので、ぐずつきエリアになっているわけです。
また、前線がなくても、気温が上昇すれば、暖まりやすい山沿いでは雷雲発生。
今日の長野県の予報文には「激しく降る」がついていましたよね?
ということで、全国の降水の様子。

湿った空気の流れと対応して降水が計算されていますよね。

今日のアニメ、長野県中心に降水が計算されていますが、はじめは湿った空気が流れ込みやすい北部中心の雷雨。
夕方からは、太平洋からの海風が入ってくるので、風がぶつかって上昇気流が発生しやすい南部の山々でも雷雲発生という流れになっています。
発生した雷雲を押し流す上空の流れは?

全般に風は弱く、長野県の上で渦を巻く傾向。
ほとんど停滞すると思いますが、発生した雷雲がどの方向に流れやすいかわかりますよね?
今朝はこの程度にしておいて、昼前後に、実況を見つつ、どのあたりで雷雲が発生しやすいかという予想を追記してみたいと思います。
11時20分追記:ひまわりの可視画像と、地上流線の計算値から、雷雲が発生しそうな場所を考えてみました。詳細は図中に記載しておきましたが、関東方面の大気は今朝9時のエマグラムを見る限り、比較的安定していて、午後からの気温の昇温があっても、雷雨の可能性はかなり低めです。11時時点で海風は弱いものの、相模湾・鹿島灘方面からの海風が、東京・埼玉付近で収束する傾向はありますから、海風の状態次第ではゲリラ雷雨の可能性は出てきます。もっとも発生したとしても、局地的に、短時間で終了すると考えます。


15時35分追記:長野市内は15時前後から激しい雷雨になっています。小谷・鬼無里方面で発生した雷雲が、3つ上に掲載した上空3000m付近の流れにのって、長野市内西部からやってきました。上空の風が穏やかなので、夕立としては比較的停滞気味。少々長めに降って、志賀・菅平方面へと抜けていくものと思います。予想されていたので、ゲリラ雷雨というわけではないでしょう。
16時15分追記:激しい雷雨になっている長野市。雨の降り出しとともに気温が下がっています。13時40分に34.9℃を記録しましたが、16時現在では24.2℃。いきなり10℃気温が下がっています。
このまま今夜は、天然のクーラーの中ならイイんですけど。上空の南西の風に流されて、中条方面からの雷雲も長野市へ。ちょっと長めの雷雨なので、大雨洪水警報も発表されています。

いずれにせよ、ここまで読み進んでいただいたなら、今日の天気予報がはずれたと感じることはないと思います。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月30日
天気予報は当たるのか?(8月30日)台風6号、7号と夕立
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
南の海上が、ようやく賑やかになってきました。

週末に九州の西側を北上した熱帯低気圧は、気象庁の予想に反して台風まで発達しませんでした。
気象庁が予想天気図にTS(台風)と書きこんで、実際に台風まで発達しなかったケースは非常に珍しいケースだと思います。
もっとも、週末には連発で台風6号と7号が発生し、さらには南西諸島付近に熱帯低気圧まで発生しています。
太平洋高気圧がまだまだ元気なので、台風を日本付近に寄せ付けませんから、今のところ沖縄以外に直接の影響はなさそうですが、これから太平洋高気圧が弱まってきたときのことを考えると、ちょっと心配になります。
台風については後で詳しく・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道は曇りベースですが、それ以外は相変わらず太陽マークが左側・・・・猛暑夏空モードが続きます。
九州方面に傘マークがついているので、九州各県の予報文を読むと「激しく降る」の文字がズラリ。
太平洋高気圧と台風から流れ込む湿った空気の影響ですから、台風の間接的な影響といえそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

猛暑夏空モードのど真ん中にある長野県。
昨日は夕立がほとんどありませんでしたが、今日は全県に「所により雨」がついています。
もっとも「雷」の文字はありませんから、弱い夕立。
どこで、どの程度?については、降水のアニメでチェックしておくことにします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日の天気を悪くするポイントは3つ。
湿った暖かい空気による九州と西日本南岸の雨。
接近する前線と、そこに流れ込む暖湿気による、北海道の夜からの雨。
気温上昇による本州内陸部の局地的な夕立です。
太平洋高気圧が幅をきかせているので、台風についてはテレビの天気予報もあまり神経質な扱いはしていないと思います。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、誰もが気になる台風の予想進路図からチェックしていきましょう。

九州の西側を北上していきますから、いまのところ沖縄以外に直接の影響はなさそう。
その原因はまだまだ活発な太平洋高気圧です。

上空5800m付近の太平洋高気圧の様子ですが、今夜にかけて西日本方面に勢力を強めます。
この状態がすくなくとも明後日までは続きそうですから、台風が日本に接近するおそれはありませんが、そのかわり猛暑が続くという悩ましい状態ですね。
ついでに、太平洋高気圧の周辺を時計回りに回る、上空の台風を流す風(指向流)の様子もチェックしておきましょう。

5800m付近の流れだけで台風のコースが決まるわけではありませんが、この高さの流れは台風のコースにかなり影響します。
一目で、台風は日本に来ないね・・ということがわかると思います。
ただ、台風と太平洋高気圧がセットになると、南の海上の湿った空気が日本付近に流れ込んできます。
台風の間接的な影響で、大雨をもたらすおそれがありますから、まずは、湿った空気を流す風の様子を見てみましょう。

太平洋高気圧周辺の流れを台風や熱帯低気圧が加速して、朝鮮半島付近を通り、北海道方面に流れ込むことがわかります。
この流れの中で、どのあたりが一番湿った空気なのか?

明日朝までのアニメにしてみましたが、青が濃いところほど混合比が高いところ・・・つまり水蒸気がたっぷり含まれている場所です。
今日は日本海の上ですけど、明日になると北陸方面へと南下してきます。
水色の比較的乾燥したエリアにある東日本・・・今日の夕立は少なそうですけど、湿った空気が流れ込んでくる明日には夕立が活発になるかもしれませんね。
ということで、湿った空気と雨の関係・・・今日の具体的な雨の様子を見てみましょう。

湿った空気の流れに沿って、スコールのようなポツポツの降水域が計算されています。
強い流れの東の端にあたる九州や四国南岸の予報に「激しく降る」と書かれている理由がわかりますね。
では、東日本の夕立は?

昼間はいつもの関東北部、夜になってから、南アルプスや北アルプス方面を中心とする高い山に少しだけ降水が計算されているだけ。
予報に「雷」がついていなかった理由がわかります。
17時30分追記:菅平~地蔵峠付近にポツンと積乱雲が発達しています。関東から軽井沢・上田へと盆地を抜けて北上する風と、上越から信濃町方面を抜けて長野盆地東側を南下する風が収束して上昇気流が発生し、それが、山肌の気温上昇による不安定のトリガーになって発生していると思います。
上空3000m付近の流れは南風ですから、長野盆地、特に南側は、短時間ですけどザッとあるかもしれません。
レーダー:http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=207
ということで・・・・今日の予報も当たりとしか言いようがありません。
夕立が少なかった昨日の長野県北部には上空にすじ雲・・・卷雲が発生していましたが、今朝はなし。
卷雲と雷雨の関係・・・考えていたら更新ボタンを押し忘れてました・・・・。
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kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

1、今日の一言
南の海上が、ようやく賑やかになってきました。

週末に九州の西側を北上した熱帯低気圧は、気象庁の予想に反して台風まで発達しませんでした。
気象庁が予想天気図にTS(台風)と書きこんで、実際に台風まで発達しなかったケースは非常に珍しいケースだと思います。
もっとも、週末には連発で台風6号と7号が発生し、さらには南西諸島付近に熱帯低気圧まで発生しています。
太平洋高気圧がまだまだ元気なので、台風を日本付近に寄せ付けませんから、今のところ沖縄以外に直接の影響はなさそうですが、これから太平洋高気圧が弱まってきたときのことを考えると、ちょっと心配になります。
台風については後で詳しく・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道は曇りベースですが、それ以外は相変わらず太陽マークが左側・・・・猛暑夏空モードが続きます。
九州方面に傘マークがついているので、九州各県の予報文を読むと「激しく降る」の文字がズラリ。
太平洋高気圧と台風から流れ込む湿った空気の影響ですから、台風の間接的な影響といえそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

猛暑夏空モードのど真ん中にある長野県。
昨日は夕立がほとんどありませんでしたが、今日は全県に「所により雨」がついています。
もっとも「雷」の文字はありませんから、弱い夕立。
どこで、どの程度?については、降水のアニメでチェックしておくことにします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日の天気を悪くするポイントは3つ。
湿った暖かい空気による九州と西日本南岸の雨。
接近する前線と、そこに流れ込む暖湿気による、北海道の夜からの雨。
気温上昇による本州内陸部の局地的な夕立です。
太平洋高気圧が幅をきかせているので、台風についてはテレビの天気予報もあまり神経質な扱いはしていないと思います。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、誰もが気になる台風の予想進路図からチェックしていきましょう。

九州の西側を北上していきますから、いまのところ沖縄以外に直接の影響はなさそう。
その原因はまだまだ活発な太平洋高気圧です。

上空5800m付近の太平洋高気圧の様子ですが、今夜にかけて西日本方面に勢力を強めます。
この状態がすくなくとも明後日までは続きそうですから、台風が日本に接近するおそれはありませんが、そのかわり猛暑が続くという悩ましい状態ですね。
ついでに、太平洋高気圧の周辺を時計回りに回る、上空の台風を流す風(指向流)の様子もチェックしておきましょう。

5800m付近の流れだけで台風のコースが決まるわけではありませんが、この高さの流れは台風のコースにかなり影響します。
一目で、台風は日本に来ないね・・ということがわかると思います。
ただ、台風と太平洋高気圧がセットになると、南の海上の湿った空気が日本付近に流れ込んできます。
台風の間接的な影響で、大雨をもたらすおそれがありますから、まずは、湿った空気を流す風の様子を見てみましょう。

太平洋高気圧周辺の流れを台風や熱帯低気圧が加速して、朝鮮半島付近を通り、北海道方面に流れ込むことがわかります。
この流れの中で、どのあたりが一番湿った空気なのか?

明日朝までのアニメにしてみましたが、青が濃いところほど混合比が高いところ・・・つまり水蒸気がたっぷり含まれている場所です。
今日は日本海の上ですけど、明日になると北陸方面へと南下してきます。
水色の比較的乾燥したエリアにある東日本・・・今日の夕立は少なそうですけど、湿った空気が流れ込んでくる明日には夕立が活発になるかもしれませんね。
ということで、湿った空気と雨の関係・・・今日の具体的な雨の様子を見てみましょう。

湿った空気の流れに沿って、スコールのようなポツポツの降水域が計算されています。
強い流れの東の端にあたる九州や四国南岸の予報に「激しく降る」と書かれている理由がわかりますね。
では、東日本の夕立は?

昼間はいつもの関東北部、夜になってから、南アルプスや北アルプス方面を中心とする高い山に少しだけ降水が計算されているだけ。
予報に「雷」がついていなかった理由がわかります。
17時30分追記:菅平~地蔵峠付近にポツンと積乱雲が発達しています。関東から軽井沢・上田へと盆地を抜けて北上する風と、上越から信濃町方面を抜けて長野盆地東側を南下する風が収束して上昇気流が発生し、それが、山肌の気温上昇による不安定のトリガーになって発生していると思います。
上空3000m付近の流れは南風ですから、長野盆地、特に南側は、短時間ですけどザッとあるかもしれません。
レーダー:http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=207
ということで・・・・今日の予報も当たりとしか言いようがありません。
夕立が少なかった昨日の長野県北部には上空にすじ雲・・・卷雲が発生していましたが、今朝はなし。
卷雲と雷雨の関係・・・考えていたら更新ボタンを押し忘れてました・・・・。
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2010年08月29日
猛暑いつまで?今週の週間予報(8月29日)

9月に入ってこの記事へのアクセスが多いようですが、猛暑や台風9号に関する最新の記事については、トップページ(http://kasayan.naganoblog.jp/)をご覧ください。
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1、今日の一言
久々に夏風邪をひいてしまったようですが、午前中ズーッと寝ていたらなんとか回復してきました。
毎朝のブログ更新・・・できませんでしたけど、猛暑はいつまで?ということで、今週の週間予報をまとめてみました。
その前に、今日は雷雨が少なめでしたから、その様子をちょっとだけ・・・・

昨日までは、午後3時には、少なくとも高い山の周辺では雷雨が発生していましたが、今日は極めて雷雨が少ない状態。
湿った空気が流れ込んでいないんですね・・・・・

青の濃いところほど、空気が水蒸気を含んでいるんですけど、東海や関東の沖は乾いた空気のエリアになっていますから、いつものように南から湿った空気が流れんで・・・ということにはなりません。
群馬県や栃木県周辺で雷雨が発生していますけど、そのあたりの青の濃さと、甲信越地方の青の濃さはずいぶん違いますよね。
2、今週の週間予報
まずは、むこう一週間の予想天気図を見てみましょう。
天気傾向と併せて見たほうがわかりやすいので、札幌・長野・福岡の11時発表の週間予報の天気マークものせておきました。

この図の網かけ部分は降水が予想されるエリア・・・・雨の可能性があるところです。
九州の西から朝鮮半島をとおって北海道付近まで、この一週間、帯のような雨のエリアが居座っています。
太平洋高気圧の北側にある秋雨前線?の雨のエリアですが、コイツが週の前半、北日本に影響します。
このため、札幌の天気マークは2日まで、傘マークつき。
それ以外のエリアは、太平洋高気圧がドンと居座って、太陽マーク優先の天気が予想されています。
ということは・・・・猛暑が続きそうですが・・・・・

館野は茨城県。
向こう一週間、沖縄をのぞいて気温のグラフは赤く塗ったエリア・・・平年より高い位置をずっとキープ。
本州付近は、赤道付近から上空を通って太平洋高気圧から吹き下りてくる熱風にさらされ続けそうです。
やっぱり雨も夕立程度で、猛暑は続くんですね。
一昨日金曜日に発表された一か月予報も、猛暑が続く傾向(金曜日の記事)。
週間予報解説資料というプロ用に資料にもこんなことが書いてありました。
「ほぼ全国的に気温の高い状態が続く。東日本、西日本では農作物の管理や熱中症などの健康管理に注意。」
お身体にも気を付けて・・・・といっても説得力ないですね・・・・寝込んでたKasayanが言っても・・・
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2010年08月28日
天気予報は当たるのか?(8月28日)台風6号、台風7号?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
暑さいつまで?・・・・昨日一か月予報が発表されたので、昨晩の記事にその内容をまとめておきました。
猛暑続く・・・?

東シナ海を北上する熱帯低気圧・・・早ければ午前中にも台風になりそうです。
お盆前の台風5号に続く台風6号?になる可能性が高いと思いますが、今日中にもう一つ台風が発生しそうですから、とりあえず5号。
今日だけで、台風6号と7号の連続発生です。
17時追記:ふと台風の号数を見たらひとつ間違えていましたので修正しました。放送だったら大事故ですね(その前にADに「ボケてんじゃないの?」といわれると思いますが)。お詫びして訂正します。5号があまりに地味だったので、飛ばしていました。
熱帯低気圧の台風への格上げ・・・ちょっと遅めです。

今日、台風に発達しても、東シナ海から黄海へと進み、明日夜には大陸で温帯低気圧になってしまいそうですから、日本への直接の影響はありませんが、大雨で甚大な被害があったと伝えられている中・朝国境付近で再び大雨の可能性。
北朝鮮問題も、また複雑になる?
ところで、毎年8月最終の日曜日には、気象予報士試験が行われていて、明日の日曜日も試験日。
なんとも試験には全く不向きな季節に行うものですが、私が受験したときは、東大の本郷キャンパスが会場で、信じられないことに冷房無しでした。
短パンにサンダル履きで、汗どめにタオルで鉢巻しての受験でしたが、天気図が汗をかいた手に張り付いて大変だったことを思い出します。
今は冷房完備の会場になっていて、数年前に試験監督をしたとき、とてもうらやましく思いましたが、私の場合は、暑さに耐えられるか?という耐久試験になったのが幸いしてマグレで合格できたので、ラッキーだったかもしれません。
時々、このブログに、気象予報士の受験をされる方の書き込みやメールをいただきますが、明日受験される方は、5パーセント前後の合格率といっても、実質はもっと高いはずなので、諦めないで最後まで平常心で問題を解いていただきたいと思います。
試験監督として会場を巡回しながら答案を覗いてみると、実技試験では1/3近くの人が・・・忙しいはずなのに、ヒマそうでしたから。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

沖縄をのぞいて、全国的に太陽マーク優先ですけど、道南の曇りベースエリアを境にして同じ晴れでも爽やかと猛暑に分かれます。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

このエリアの天気マーク・・・今日は群馬県に夕立の傘マークがついているだけ。
もちろん、その他では夕立がないというわけじゃなくて、予報文には「所により・・・雨・・・雷」が付いていて、夕立が予想されています。
ただ、その地域も比較的限定されていて、いわゆる山沿いと呼ばれる地域中心。
昨日より夕立が限定されているということのようです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

フィリピンの西でも台風が発生するので、広いエリアの天気図を使いましたが、日本付近は高気圧が支配的。
昨日に引き続き、道南方面には前線帯がありますが、雨の心配もなく、雲が多いという程度。
西日本南岸の暖湿流による雨、その他のエリアの気温上昇による山沿い中心の夕立。
あとは猛暑がポイントです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。

いきなり上空5900m付近の天気図ですけど、太平洋高気圧のエリアが拡大して発達することを示しています。
これだけ太平洋高気圧が強いので、台風も日本付近には近づけません。
そのかわり・・・・・猛暑は続く・・・・・・
それでも、台風は台風・・・・台風が運んでくる湿った暖かい空気の様子は?・・・こいつがやってきただけで大雨の可能性がありますから・・・・

湿った空気が台風へ流れ込むコースも太平洋高気圧に阻まれて、東シナ海の海上中心。
沖縄方面では強い雨が断続的にふりそうです。
一方、西日本方面は、太平洋高気圧の縁辺を北上するそこそこ湿った空気が流れ込む傾向。
西日本南岸を中心ににわか雨の降りやすい状態です。
そして、東日本方面・・・東海付近にも暖湿気が流れ込みやすい傾向はありますけど、イマイチ。
関東南部は昨日に引き続き比較的乾燥した空気のエリアになっていて、下降流が支配的。
海風が集まってゲリラ雷雨のタマゴは発生しても、短時間で局地的・・・極端な発達やエリアの拡大のおそれはないのでは?と思います。
まあ、これで降ることもあるから、ゲリラなんですけど。
さっそく、雨の様子をチェックしておきましょう。

ポイントは書き込みをしておきました。
上の相当温位の図の傾向をそのまま表していますよね。
いつものように、東日本へ。

昨日ほどの夕立ではありません。
予報と同じですね。
ただ、発達不十分の雷雲が、夜になって、上空の空気が冷えてくるとモクモク発達する可能性はアリ。
夜遅くまで局地的な強い降水が計算されています。
では、具体的にどこで?どの程度?・・・ですけど、今朝はちょっと忙しいので、昼ころに(遅くとも15時までの間には)追記してみたいと思います。
降水の計算値が少ないときは、午前中の様子も見てから考えたほうがよいですし・・・・
12時25分追記:12時現在、関東北部の山沿い、長野県志賀高原北部付近に雷雲が発生しつつあります。昨日よりは雷雲まで発達するものは少ないと思いますが、11時30分現在の可視画像と、地上流線から、いつものように雷雲が発生する可能性のあるエリアを赤の点線で予測してみました。
上空の流れは、南よりですから、南で雷雲が発生した場合は、自分に向かってくると思って対処するのがおすすめです。もっとも風速が弱いので、途中で衰退してしまうかもしれませんが。




今日の予報?・・・なにせ「所により・・・」ですから、ハズレはしないでしょう。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月27日
猛暑いつまで?一か月予報と高温に関する情報(8月27日)

9月に入ってこの記事へのアクセスが多いようですが、猛暑や台風に関する最新の記事については、トップページ(http://kasayan.naganoblog.jp/)をご覧ください。
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、天気予報をチェックしています
今日の雷雨については、今朝の記事をご覧いただくとして・・・・・
気象レーダー:http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a_top
猛暑が続いていて、「猛暑はいつまで続くの?」、なんてことばっかりが気になっている方も多いことと思います。
今日は金曜日・・・週に一回の一か月予報が発表されました。
え?・・・毎週発表?と思われるかもしれませんが、週間予報だって毎日発表されているんだから、一か月予報を毎週発表したってイイじゃなないですか・・・・
未来の予測は、新しいデータが加わることで、日々変化するのがあたりまえ。
絶対これが当たるんだ!と修正もせずにハズされるよりずっと良心的だとおもいませんか?
横道にそれてしまいましたが・・・この図が向こう一カ月の平均気温の傾向・・・・

日本列島全部真っ赤っか!
これ、向う一か月、気温が平年より高くなる確率が60パーセント以上だということ。
しばしばこのブログでも、上空5800m付近の気圧の谷・・・なんて話を書いていますけど、向う一か月、上空の気圧の谷は、平均すると日本の西側にあると予想されています。

一般的に、上空の気圧の谷の西側では大陸の冷たい空気が南下、東側では南の暖かい空気が北上する傾向があります。
したがって、向う一か月、日本の西側に気圧の谷がある傾向が続くということは、気圧の谷の東側の日本付近では、ずーっと暖かい空気が流れ込みやすいということ。
そりゃ、上空の気圧の谷が、日本海北部や北海道を通過して、冷たい空気が流れ込むこともあるでしょうけれど、平均すると・・・です・・・あくまで。
また、日本の西側に気圧の谷があるとすると、日本付近は気圧の尾根。
上空の気圧の尾根付近の地上には・・・・通常、高気圧があるわけですが・・・・これが秋の移動性高気圧ならイイんですけど、なんと太平洋高気圧の可能性大。
さすがに9月に入れば太平洋高気圧が南に下がる気配はあるんですけど、中途半端に南下して、かえって高気圧の縁を湿った暖かい空気が流れ込んで、梅雨末期のムシムシのスコール状態になる可能性も。
気温の様子をグラフで見てみましょう。

何度がご紹介しましたが、計算の誤差を減らすために、少しずつ違った値を入力して計算しているので、グラフの線がたくさんあるわけですが、ほとんどの計算値が平年より高い傾向を示しています。
北日本~沖縄まで・・・・。
平年より気温が高くなる可能性・・・十分ですね・・・・これを見る限り・・・・・
おまけに今日は、「高温に関する長野県気象情報 第1号」なんていう情報も発表されています。
高温に関する長野県気象情報 第1号
平成22年8月27日15時25分 長野地方気象台発表
■見出し
長野県では、向こう一週間は気温が平年より高く、最高気温が34度前後となるところがあるでしょう。
■本文
長野県では、向こう一週間は気温が平年より高く、平均気温は平年より3度から4度程度高い日が続くところが多い見込みです。
また、最高気温が34度前後となるところがあるでしょう。
気温の高い状態が続きますので、熱中症などの健康管理や農作物、家畜類等の管理に十分注意して下さい。
農業県の長野県・・・・農作物への影響が心配です。
ただ・・・・すこしばかり涼しい便りが届いています。
■日時:2010年08月27日
■場所:長野県 長野
■内容:ススキ開花
■平年比:11日遅い
■昨年比:13日遅い
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kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月27日
天気予報は当たるのか?(8月27日)熱帯低気圧発生夕立は?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝から通常更新に戻ります。
わかりにくい記事になっていたり、昨日は更新しなかったりして・・・・お越しくださった方・・・失礼いたしました。

日本の東に中心を持つ太平洋高気圧の縁を、雲の帯が取り巻いています。
熱帯の湿った暖かい空気が、東シナ海を北上し、朝鮮半島付近で方向を東へ変え、東北北部を通過して北太平洋の低気圧へと流れ込むという壮大な流れ。
この1カ月以上、ダラダラとこのような流れが続いていましたが、そろそろ北上する流れがカタマリになってきました。
東シナ海に熱帯低気圧発生。
これが台風になるのかならないのか?

”とりあえず”、熱帯低気圧のまま朝鮮半島方面に進むと気象庁は予想しています。
もっとも、新しい計算値が出されるたびに、その発達の程度はコロコロと変化する状態ですから、天気予報を見るときのチェック項目にしておきたいところです。
先日、「弱い熱帯低気圧」というコトバが天気予報から消えた話を書きましたが、今朝発表の短期予報解説資料には、こんなことが書いてありました。
「TD と台風の違いは最大風速だけで、熱帯の非常に湿った空気を持ち込み大雨を降らせるのはどちらも同じ。大雨に要注意・警戒。」
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気マークの天気予報だと、太陽マークと雨マークが目立ってしまいますが、よーく見ると、東北北部と北海道の道南では曇マーク優先で、拡大すると傘マークもついています。
天気図から前線が消えても、前線帯は残って、天気マークに影響を与えます。
チラッと天気マークの天気予報をチェックするのではなく、ちょっとだけズクを出して(長野県の方言で、面倒がらずに・・という意味)、天気マークを細かくチェックすると、今まで以上に天気分布の理解が深まります。
特に、エリア分けの境目にあたるときは、予報の安全マージンをチェックするのに効果的ですよ。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

傘マークはすべて夕立の雨。
夕立の場合、マークは晴れとか晴れのちくもりにしておいて、予報文で「所により・・・雨」にすることが多いのですが、わざわざ傘マークを付けるということは、それなりの夕立を予想しているということです。
傘マークのエリアを見ると、いわゆる山沿い中心と解説されるエリアです。
県内の予報文には「激しく降る」と書かれていますから、用語集でいう「1時間に30mm以上50mm未満の雨」が予想されています。
この雨が同じ場所で2時間降れば最大100mm程度の雨になるということですから、雷雲がどの程度の速度で進むのか?ということは、防災上とても重要になってきます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

書き込みしたコメントでイイでしょう。
東日本付近の空気は比較的安定しているのですが、気温がうんと上昇して、安定した空気が不安定になって降る雷雨。
暖まりやすいところほど雷雨になるわけですが、山の斜面はソーラーパネルの設置方法のように、太陽に対してダイレクトに向き合っていますから暖まりやすいところ。
山沿い中心になります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
気になる熱帯低気圧については、今日の一言で・・・・
まだまだ日本の天気を支配している太平洋高気圧の様子から。

上空5900m付近の太平洋高気圧のコアの部分・・・・今夜にかけて西側で北へと勢力を拡大します。
まだまだ夏は続ききます・・・・夏休みの宿題に追われる時期になっても・・・・(長野県の子供たちの夏休みはとっくに終わってますけど)。
もうちょっとイメージしやすいように、久々の未来の衛星画像?を作ってみました。

日本海を東西に延びる雲の帯が西側で北上しています。
太平洋高気圧が前線帯の雲を押し上げてくるわけです。
さて、気になる夕立の様子ですが・・・

西日本は湿った空気による雷雨、東日本は気温がピークに達する午後からの雷雨。
熱帯低気圧の雨は、海上中心ですけど、沖縄・奄美方面では一時的にドバッというスコールのような雨が降りそうです。
続いて東日本・・・・

昨日同様、長野県中心の雷雨。
もっとも、昨日は、雷雲を流す上空の西風が強めだったので、雷雲は関東北部方面に流れて回復は早めでしたが、今日は長野県付近に夜遅くまで降水が計算されています。
上空の風が弱いんですね・・・・
上空の風の様子を見てみましょうか・・・

長野県や山梨県付近で渦を巻いていますが、風速も弱い状態。
発生した雷雲はあまり流されず、長野県内に留まります。
発達と衰弱を繰り返しながら、夜遅くまで・・・ですから、上で書いたように、局地的には100mmを越える雨量になるところも予想されます。
大雨警報が発表される可能性もありますから、ご注意を。
一応、雷雲が発生しそうな場所をチェック。

地面付近で暖まった空気が特に上昇気流になり易そうな場所に赤の点線を引いてみました。
気温上昇によってできる熱低気圧の中心は諏訪付近。
そこに流れこむ風が、盆地をすり抜け、山を迂回し、複雑な流れになっています。
これらの風がぶつかる場所、山を駆けのぼる場所が雷雲発生要注意の場所。
風向がちょっと変わっただけで予想の位置が変化しますから、赤の点線の幅はかなり広めに考えてください。
14時20分追記:レーダーを見ていて、中央アルプス付近の収束帯に赤い点線を引き忘れたことに気付きました。追加して考えてください。12時を過ぎて、北部では上越から吹きこむ北風が中心になってきました。積乱雲が活発になってきているようです。
17時30分追記:関東南部、相模湾からの海風(南よりの風)と、鹿島灘からの海風(東よりの風)がぶつかって、埼玉県東部付近にゲリラ雷雨が発生しているようです。大気の安定度が非常に微妙なところでしたが、風の収束(ぶつかりあい)がここまでしっかりできあがると、雷雨になるしかない・・・か。
ということで、久々に・・・・今日の天気予報も「所により」が付いている以上、当たる・・・・ですね。
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2010年08月25日
明日26日の天気傾向(8月25日)

明日(26日)まで変則的に、夕方、「明日の天気」を少しだけ専門的にチェックするという趣旨で更新をしています。
したがって、26日午前5時以降にこの記事を読まれた場合、古い予報を見ていることになりますので、最新の予報を確認するようお願いいたします。
もっとも、明日朝、必要であれば、この記事に追記形式で修正のコメントを入れたいと思っています。
07時15分追記:今朝の最新の予報もほぼ変化ありません。
長野県では中部・北部、関東では西部や北部の山岳、北陸も昨日とほぼ同様の場所で、午後から雷雨の可能性があります。
今朝は特に忙しいので、この程度で失礼します。
19時35分追記:本日は多忙につき、夜の更新ができません。明日朝から通常更新に戻ります。
失礼いたしました。
本日の記事にコメントがありませんが、必要事項はすべて図中に番号をふって箇条書きで記載してあります。
専門的な用語を多く使っておりますが、番号順に読み進め、理解できる部分だけを飛ばし読みするだけで、天気マークだけの天気予報を見るよりは理解が深まるのではないかと思います。
1、実況




2、天気図解析





3、予報




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2010年08月24日
明日25日の天気傾向(8月24日)

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
この記事は、24日(火)夜に更新されたものですから、25日に閲覧された方は、新しい気象情報でアップデートしてください。
(ページ下にURLと夜の夕立の様子の予想アニメがあります)
なお、25日午前中に追記で修正する可能性があります。
都合により、24日(火)~26日(木)まで、夜に更新、翌日に追記によって修正を行います。
検討方法も、通常の天気予報に近い流れで、比較的専門的な用語も用います。
少々わかりにくくなるかもしれませんが、、27日には通常更新に戻りますので、ご容赦ください。

24日、昼過ぎから北陸・長野県北部・関東北部を中心に雷雲発生。
夕方から北陸の雷雲は衰退し、関東北部、長野県中部の雷雲が活発化。
地面昇温による熱雷。
700hPa(上空3000m付近)の流れが弱く、位置の変化は少ないが、孤立した雷雲がその場で発達傾向。
同じ場所で雷雨が続くため、深夜まで短時間強雨による増水に注意。
25日05時追記:深夜まで長野県北部・南部ともに短時間に雷雲が発達・衰退を繰り返した。
(サムネイルクリックで拡大)



25日8時30分追記:朝から雷注意報が発表されています。これだけ早くから発表されるのも珍しい・・・それだけ雷雨の可能性が高いということですね。
■発表日時
平成22年 8月25日07時44分 長野地方気象台発表
■概要
長野県では、25日昼過ぎから25日夜遅くまで急な強い雨や落雷に注意して下さい。
■長野地域 [発表]雷注意報
雷 25日昼過ぎから25日夜遅くまで
付加事項 突風 ひょう
12時10分追記:午前9時観測のエマグラムでは、茨城県館野の大気の状態はかなり安定なのに対して、石川県輪島では雷雨の可能性が高くなっていました。これに対応し、12時現在、長野県北部、北陸で雷雲が発生していますが、気温の上昇と海風の流入等により、長野県南部での発雷も予想されますが、中部・北部中心の雷雨になる傾向だと思います。

【実況】
北海道南部から東北北部にかけて寒冷前線が南下中。
東西の線状のシャープな積乱雲列がかかり、東北北部中心に局地的に激しい雨となっている。
西日本・東日本では、山沿いを中心に、気温上昇に伴う熱雷が発生し、局地的に激しい雨となっている。
【予想】
明日、前線は東北北部に停滞するが、北海道上空の気圧の谷が東へ抜けるため、次第に弱まる傾向。
ただし、前線帯の雲は残るため、東北北部では曇りベース。
西日本~東北南部にかけては高気圧に覆われ、西日本中心に猛暑日続く。
気温の上昇に伴い、東日本(長野県~関東北部・西部山沿い)中心に雷雨発生。

上空の気圧の谷(トラフ)、今夜北海道を東進し、明日朝には東海上へ。
明日日中、トラフの東進に伴い、東北北部に停滞する前線は弱まる傾向。
一方、東岸に中心を持つ太平洋高気圧は発達傾向。
25日05時追記:北海道の北のトラフは24日00Z初期値と同様北海道東方へ進む見込み。東北の前線は弱まる傾向。26日も前線は不活発。26日朝鮮半島北部で再び大雨の可能性。
(サムネイルクリックで拡大)



T-TD(気温-露点)<3℃エリアは東北北部から朝鮮半島にかけての前線帯に対応。
東北北部は曇りベースだが、西日本~東北南部は晴天継続。
明日朝、沖縄付近にある上空寒気のコア(upper cold low -6℃以下)は、夜には九州南部まで北上。
九州南部は次第に不安定へ。
25日05時追記:24日00Z初期値と同様、沖縄付近のUCLは今夜九州南部へ。短時間強雨の可能性。
明日26日にかけて500hPa-6℃ラインが北陸まで南下。不安定要因増加傾向。
(サムネイルクリックで拡大)



西日本に計算されている多降水域は、今夜(24日夜)の降水が中心。
日中は晴れる。
前線に伴う東北の降水は比較的少ないが、局地的な短時間降水の可能性は高い。

東北に停滞する前線はゆっくりと南下傾向だが、トラフ東進に伴い弱まり、降水は少ない。
前線に沿って朝鮮半島方面・九州~日本海を経由する暖湿流が流れ込みやすい東日本付近の降水域は午後からの雷雨による。
九州南部に北上する上空寒気による降水については、明日(25日)朝の計算値で再確認。
25日05時追記:掲載予報は24日17時発表のもの。下記URLにて、最新の予報を確認し、修正願います。降水アニメはMSM24日24時初期値。24日に増して雷雨の可能性大。短時間強雨、河川増水等に注意。。
気象庁発表天気予報(全国):http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁発表天気予報(甲信):http://www.jma.go.jp/jp/yoho/207.html
気象庁発表天気予報(長野):http://www.jma.go.jp/jp/yoho/322.html



長野県は、北部・中部中心の雷雨を予想。
時間帯は「夜のはじめ頃」=18時~21時。
「激しく降る」=1時間に30mm以上50mm未満の短時間強雨
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2010年08月24日
ブログ更新時間の変更

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。
このブログは、「毎朝その日の気象庁発表の天気予報を考える」・・・・という内容で書き綴っていますが、少なくとも今日(24日)から明後日(26日)までは、都合により、「夕方に翌日の天気予報を考える」・・・という趣旨で、内容も少々変えて書くことにいたします。
したがって、ブログの更新は18時~19時前後になるかと思います(あくまで予定ですが)。
なお、翌日、午前中(できれば朝)に時間があれば、前日の記載事項に追記するかたちで補正をしたいと思っています。
前日に発表された予報が、翌朝どのように変更されるのか?という目で見ていただければ・・・・
ということで、今朝の記事では予報の検討をしませんので・・・アクセスしてくださった方、申し訳ありません。
気象庁発表天気予報(全国):http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁発表天気予報(甲信):http://www.jma.go.jp/jp/yoho/207.html
気象庁発表天気予報(長野):http://www.jma.go.jp/jp/yoho/322.html
気象庁発表分布予報:http://www.jma.go.jp/jp/mesh20/207.html?elementCode=0
気象庁発表天気図:http://www.jma.go.jp/jp/g3/wc24h.html
気象レーダー:http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a_top
今日は昨日(23日)より夕立が激しくなりそうですよ・・・・・

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2010年08月23日
天気予報は当たるのか?(8月23日)猛暑続く、台風5号?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今日中にも台風5号が発生しそうです・・・・
とはいっても、フィリピンの西側の熱帯低気圧が台風に発達するので、足早に大陸に上陸して消滅・・・日本に直接の影響は無しでしょう。
今年は台風が少ないですけど、貯まったエネルギーがどう発散されるのか?
ちょっとだけ心配です。
22時15分追記:上空の風が弱いので、いったん雷雲が発生したら動かない・・・同じ場所で雷雲が発達・・・降水量が局地的に多くなる・・・ということで、記録的な雨量が茅野市で観測されています。
今日の雷雨・・たまたま頭上で発生してしまったら要注意。
長野県記録的短時間大雨情報 第1号 平成22年8月23日22時07分 長野地方気象台発表
21時30分長野県で記録的短時間大雨
茅野市付近で約90ミリ
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道が下り坂エリア。
北朝鮮と中国の国境で大雨による被害が出ているようですが、その延長線上の雨。
こちらでは、朝鮮半島のようなことはないと思いますが、それでも短時間の強い雨には注意が必要です。
その他のエリアは・・・・・・昨日と同じ・・・・・・・・暑い・・・・・
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

一昨日、昨日と、北部で夕立は予想されておらず、実際もほとんど夕立はありませんでしたが、今朝は北部にも「所により・・・雨・・・雷・・」が付いていて、夕立が予想されています。
北部と中部の午後の風・・・北風が予想されているときは南部中心の夕立になりますから、今日もその傾向だと思いますが、今日は特に雷雲を押し流す上空の風が弱い・・・
気温もここ数日で最も高めに予想されていますから、発達する積乱雲は上へ上へとそのまま成長・・・山沿いを中心に局地的な雷雨の可能性が北部でも高くなっているようです。
一方、関東方面の予報文、山沿いの地域だけに夕立が予想されていていますから、予報では、昨日同様、平野部ではほとんど雷雨の可能性はないと考えられているようです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日、西日本にあった高気圧の中心(1014hPa程度)が東海上に移っていますから、なんだか太平洋高気圧が弱まった感じがしますけど、東海上の中心の気圧は1018hPa。
西日本付近の等圧線は1014hPaのままですから、全然弱まっているわけじゃないですね。
高気圧の北側には前線帯。
秋と夏の境目・・・この季節・・・秋と夏がガチンコで戦っているので、前線活発。
朝鮮半島では大雨になっているわけです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
毎日同じ天気ばっかり続いて、同じことばっかり書いていて飽きてきました。
予想中心にブログを書いていましたけど、同じ天気が続いているなら、実況をもうちょっと詳しく掲載しておいてもイイだろう・・・と考えて、上空から地上付近までの天気図をまとめてみました(更新も遅くなっちゃいました)。
専門的なことで詰まらないと思いますが、興味のあるようでしたらつまみ読みしてみてください。
まず、上空9600m付近・・・エベレストより1000mほど高い所。
ずいぶん高そうですけど、ビルの屋上から見ると、10キロ先は比較的近く感じます。あんがい近くて、旅客機だって平気で飛んでいる高さ。

チベット高原の空気が暖められて日本付近にやってくるチベット高気圧が東日本・西日本をすっぽり。
一番上空にあるドライヤーの吹き出し口。
暑さのフォーメーションはガッチリですから、暑さはまだまだ続くでしょうねぇ・・・・・
次は、上空5900m付近・・・ヨーロッパアルプスより1000mほど高く、富士山より2000m以上高いところ。
地上の気圧配置の骨格になる高さの天気図。

こちらは、赤道付近が熱せられ、上昇した空気が北上して、吹き下りる太平洋高気圧が見えています。
熱気が北上しなければ赤道付近の海水は沸騰しちゃいますから、地球の温度を均一化するためには必要な流れなんですけど、なんでずっと日本付近に吹き下りるかなぁ・・・・・
気付いたことは図に書き込みましたが、秋の冷たい空気が日本海の大陸沿岸まで南下していて、高気圧の暑い空気とぶつかって・・・・そこに強風帯ができていて・・・・その下・・・地上には前線ができて・・・北朝鮮で雨になっているわけです。
最後は地上近く・・・上空1500m付近の天気図。
標高の高い長野県の多くの場所は、事実上地上天気図ですね。

最新といっても昨夜の天気図ですから、高気圧の中心は西日本。
高気圧の中心を時計回りに風が吹いていて、その周辺を網かけの部分・・・湿った空気が沖縄~朝鮮半島~北海道へと回り込んでいます。
日本海北部の前線に湿った空気を送り込む流れですね。
一方、日本は乾いたドライヤーの吹き出し口の真下・・・北海道を除いて基本的に晴れですが・・・気温が上がれば地上付近が極端に温められて上昇流発生・・・大気の状態が不安定になって・・・夕立の可能性が出てきます。
そこで、大気の状態・・・・夕立発生の可能性をエマグラムという地上から上空までの温度と露点温度(雨粒ができる温度)のグラフでチェック(大気の心電図?)。


地上付近の空気が上昇気流にのって上昇したらどうなるか?ということを考えるためのグラフです。
昨夜21時のデータが最新・・今日の夕立チェックのためには午前9時観測データが必要です。
読み方に興味がある方は・・・ネットでエマグラムと検索して調べて見てください(この説明だけで時間がかかっちゃうので)。
いずれにせよ、東日本より、西日本・・・それも太平洋側で大気が不安定になりやすい傾向。
高気圧の周辺の流れからすると、西日本の南岸ほど湿った空気が入りやすいですから。
今日も似た傾向・・・西日本ほど(東海もかな?)雷雨が発生しやすい可能性がありそうですね。
ということで、実況をチェックしたところで、時間が・・・・予想はいつもと同じなのでサッサと・・・・

こちらは、上空5900m付近の今夜の予想図。
昨夜とあんまり変化はありませんが、あえていえば5920mの等高度線(等圧線と同じに考えてください)が消えている程度でしょうか。
上空の強風帯の位置もあまり変化せず、上空の低気圧と気圧の谷がちょっとだけ東へ動くといった程度です。
対応する地上の天気図は、予想天気図のアニメをご覧いただいているのでOKとして、さっそく全国の降水の様子・・・夕立が活発になる午後3時の予想図です。

北海道に前線の降水域がかかってくるというほかは、予想される夕立のエリアは昨日とほとんど変わりません。
東日本は?

長野県南部中心ですけど、夜になって昨日よりやや活発な降水が予想されています。
今日の夕立は熱雷といって、上空の寒気ではなく地上が日射で特に暖められやすくなって発生する夕立。
特に暖められやすい山肌での雷が中心になります。
北部に予想されている雷雨・・・・昼間不十分に発達した積乱雲の子供が、夜になって上空が冷えてきたことをイイことに、積乱雲に発達するというメカニズムでしょう。
発生した積乱雲を流す上空の風。

長野県付近で渦を巻いていますが、風速はきわめて弱い状態。
発生した積乱雲は流されず、上へと成長して、それなりに発達することになりそうです。
その位置は、あまり積乱雲が流されないということを考えると、上の降水のアニメの中の黄色や赤で示された降水の多いエリア付近ということでイイでしょう(発生エリアの予想図を作る時間がなくなっちゃったことも・・・)。
ということで、超長文になってしまいましたが、なんのことはない・・・今日の予報は当たるでしょう・・・という結論。
ちょっと目先を変えて見たということで更新が遅くなってしまいました。
15時30分追記:西日本中心に雷雲が発生していますが、発生した雷雲は動かず停滞。関東では多摩・秩父など西部山岳と北部山岳の一部で雷雲発生。千葉方面でゲリラ的に雷雲が発生したものの移動せず。全般に雷雲が発生した場所で強いエコーが観測されていて、その場所で発達・衰退を繰り返すだけ。今朝9時の700hPa高層天気図を見ても、雷雲を流すはずの風は10ノット以下になっていると思われます。09時のエマグラムを見ると、関東・・・茨城県で孤立した熱雷が発生する程度には不安定。夜の長野県の雷雲の発達の仕方に興味があります。



当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)