2009年12月17日
大雪に関する情報(12月17日)
今夜も晩飯あとに、一杯飲むのをヤメにして・・・長野の天気予報のトレーニング!
さて・・・・・・と・・・・・
長野地方気象台・・・ついに今年はじめての「大雪に関する情報」を発表しました!
それなに?って方もおられますよね?
テレビの大雪のニュースや天気予報の中で、雪かきをしている人の映像をバックにして、「○日△時まで 多い所で ○○地方××センチ」なんていうスーパーが出ることがありますが、そのスーパーの元ネタです。

これ、テレビ局の記者(東京では局駐在の予報士)が、元ネタの情報を簡略化してスーパーにしたりするのですが、ネット社会なんですから、原本を読まなければもったいない。
気象庁のHP(クリック)で見ることができますが、とりあえずこちらにも引用しておきます。
ずいぶん長い文章ですが、時間がなければ「予想降雪量」と「防災事項」だけ読んでおくだけでOKです。
本文中の「気象状況」の部分を読むと、なんだか天気予報のキャスターが言うコメントと同じだなぁ・・なんて気がしませんか?
手抜きのキャスターは、解説用の天気図に専門天気図から寒気のエリアだけ書き写して、この情報と同じ内容をコメントするだけだったりします。
この文章を読んだら、①氷点下30℃以下の寒気が入っていて、さらに氷点下36度の寒気まで入るってことはどういう意味があるんだよ?とか、②北部の山沿いや県の西側の地域って具体的にドコだよ?とか、③断続的ってどういう意味だよ?ってことが疑問になりますよね?
ブログは読み飛ばすことができるから・・・いつものように情報テンコ盛りで・・・・
面白そうな図や、気になる情報だけ拾い読みしていだだけでも、気象庁発表の大雪情報の理解も多少深まる・・・・はず・・・だといいな・・・・
まず、テレビの天気予報でもご覧になったはずの上空の寒気の様子から確認しておきます。

上空の寒気といえば、紺色の寒気のエリアの動きを見せるのが定番ですけど、自分の住んでいるエリアの寒気の位置はイマイチわかりにくい・・・そこで、長野付近だけ大雪の目安の氷点下36度のラインを赤の点線で目印してあります。
18日まで、ゆっくりと南下していますよね・・・まだ底を打っていません。
まず、大雪情報にあった①氷点下30℃の寒気が入っているという意味は・・・・なにが降っても落ちてくるものは雪になる温度の寒気が上空に入っているということです。
上空に寒気が入ってくれば、地上付近に暖かい南風が吹きこんでいない限り、地上の気温は低くなって、落ちてきた雪が融けずに地上に到達することになります。
また、西高東低の冬型の気圧配置で発生する雪雲は、冷たい空気が暖かい日本海の海水が触れて発生する水蒸気のカタマリですが、より低い空気が流れ込めば、雪雲もより活発に発生することになります。
ですから、天気予報では、雪になることを示すために、儀式のように上空の寒気の様子を天気図に重ねて見せたがるわけです。
そして、特に大雪になりやすいのが②氷点下36度以下の寒気。
雪雲がじゃんじゃん発達しますし、落ちてくるものは乾燥したサラサラの雪になる可能性が高くなります。
明日午後6時までアニメにしましたが、明後日19日にかけてもまだまだ南下する傾向。
大雪のモトになる雪雲が次々と生まれ続けますから、明後日からの週末の天気・・・明日もう一度チェックが必要ですね。
ただ・・・・寒気が南下したとしても、それだけでは大雪になりません。
長野県は、高い山に囲まれていますから、日本海で発達した雪雲をドンと山越えさせるポンプとポンプを置く正しい?位置が必要になります。
それが、日本海のシアーライン。

これ、午後5時30分の衛星雲画像。
シアーラインが発生するメカニズムは、図に書き込んでおきましたが、今日夕方の段階では山形県と新潟県の県境あたりに発達した雪雲を送り込んでいます。
このシアーライン、今朝は能登半島付近にあって、長野県に雪を降らせていました(今朝の記事)。
シアーラインは、衛星を見なくても、天気図上の弱い気圧の谷としてチェックすることができます。
衛星画像とほぼ同じ時間帯・・・午後3時の実況天気図。

高気圧側に等圧線が折れ曲がっている部分が弱い気圧の谷。
今日日中、シアーラインの南端には渦まで発生して、渦は低気圧にまで成長していました。
山形県が大雪になるはずです。
では、雪雲のポンプ・・・シアーラインはこれからどこへ進むんでしょうか?

明日朝9時の予想天気図。
今朝と同じように、能登半島付近まで再び南下しています。
さらに、上で見たように強い寒気が南下していますから、今朝より雪雲はたっぷりと発生するはずです。
大雪に関する情報が発表されてもおかしくないですね。
もっとイメージが沸くように、シアーラインと降水(雪)の様子もアニメにしてみました。

シアラインが上陸する地点と、県内の雪のエリアを書き込んでおきました。
寒気の南下と同じタイミングで、シアーラインが長野県の西・・・能登・金沢方面から雪雲を送り込みます。
ですから、大雪情報も県の西側のエリアを中心に大雪を予想しているわけです。
さらに、西側を中心とした県内部の具体的なエリアは・・・明日のミニチュア版が発生した今朝の雪について検討した今朝の記事に書いてあります。
それに、大雪情報の降雪予想エリアを読めばそれなりにわかりますよね。
これで、①氷点下30℃と36℃の寒気の意味と、南下の様子、そして、②雪が降るエリア・・とその理由がわかりました。
じゃ・・なんで③断続的に雪になるの?
かなりオタッキーな内容になってきましたけど、これ、お天気キャスターは誰も説明してくれません。
メンドウですし、知りたがらない人も多いから・・・・。
でも、ネットは読み飛ばせるから・・ということであえて書いてみます。
地上付近の空気の活動は、上空の空気の流れと密接にかかわっています。
上空の川(風)の急カーブや渦の下には地上の低気圧があります。
そして、上空の川(風)のカーブが急なほど・・渦が強く巻いているほど・・・地上の気圧の谷や低気圧は活発になります。

これ、上空の天気図。
点線が上空の気圧の谷・・・いわば上空の川(風)の急カーブ。
そして、赤丸で囲ったところが、上空の川(風)の小さな渦の場所。
小さな渦は、不規則にならんでいて、川の流れ(上空の西風)に流されて、日本の上空にやってきます。
そのたびに、地上の弱い気圧の谷や低気圧が刺激を受けて、位置を変えたり、活動を活発にしたりするわけです。
ですから・・・・雪雲も上空の渦がやってくるタイミングで強まったり弱まったりするんですね。
かなり端折ったけど・・・まあこんな感じです。
これで、大雪情報の疑問点①~③をまとめ終わりました・・・強引だけど。
少しは、情報の理解が深まれば嬉しいです。
なんだかんだと書いてきましたが、これから明日、明後日にかけて、どんどん雪が降りやすい状態になってくる!
これだけで本当は良かったりして?
(あとがき モドキ)
ところで・・・ブログでこれだけ書くのは、かなりモノ好きだと思われそうですけど、これも一種のリハビリ。
このところ、天気予報番組の制作とはちょっと違う方面のことに専念していたので、長野に帰ったのをきっかけに天気予報番組を作っていたころのカンを取り戻しているっていう感じです。
ただ、毎日こうして書いていると、ネットの天気予報は情報が多いだけで、状況に応じた効率的かつ正しい使い方の説明をしてくれていないことを実感します。
せっかくネットを使うなら、面白い読み物として、流れでわかる天気予報を提供すればよいのですけど。
という私も、ネットの天気予報が始まったころ、その企画に加わっていたこともあるのですが、その頃は、見やすい情報を沢山盛リこめば良いと思っていました。
今では、ウェザーニューズのHPで、視聴者参加型のネット放送のようなこともしていますけど、地域に根差した天気情報には至っていないんですよね。
今日も記事を書きながら、ネット天気予報の今後のあり方・・・なんかを色々考えちゃいました。
さて・・・・・・と・・・・・
長野地方気象台・・・ついに今年はじめての「大雪に関する情報」を発表しました!
それなに?って方もおられますよね?
テレビの大雪のニュースや天気予報の中で、雪かきをしている人の映像をバックにして、「○日△時まで 多い所で ○○地方××センチ」なんていうスーパーが出ることがありますが、そのスーパーの元ネタです。

これ、テレビ局の記者(東京では局駐在の予報士)が、元ネタの情報を簡略化してスーパーにしたりするのですが、ネット社会なんですから、原本を読まなければもったいない。
気象庁のHP(クリック)で見ることができますが、とりあえずこちらにも引用しておきます。
ずいぶん長い文章ですが、時間がなければ「予想降雪量」と「防災事項」だけ読んでおくだけでOKです。
大雪に関する長野県気象情報 第1号
平成21年12月17日16時15分 長野地方気象台発表
(見出し)
県内では、北部の山沿いや西側の地域を中心に、17日夜遅くから20日にかけて断続的に強い雪が降り、大雪となる所がある見込みです。路面凍結などによる交通障害、電線などへの着雪に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
日本の上空には、強い寒気が流れ込んでおり、冬型の気圧配置が強まっています。県内上空約5000メートルにも、すでに氷点下30度以下の寒気が流れ込み始めており、北部の山沿いや西側の地域を中心に、断続的に雪が降り続いています。
今後、19日にかけて、県内上空は氷点下36度以下の強い寒気に覆われ、日本付近では冬型の気圧配置がさらに強まる見込みです。
このため、17日夜遅くから20日にかけて、北部の山沿いや西側の地域を中心に断続的に強い雪が降り続き、大雪となる所があるでしょう。また、北部の平地でも積雪となる見込みです。
[予想降雪量]
18日18時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 大北地域山沿い :50センチ
平 地 :20センチ
長野地域山沿い :30センチ
平 地 :10センチ
中野飯山地域 :30センチ
中部 乗鞍上高地地域 :20センチ
松本地域の聖高原周辺と
上田地域の菅平周辺:15センチ
佐久地域 :10センチ
その他の地域 : 5センチ
南部 木曽地域 :15センチ
その他の地域 : 5センチ
の見込みです。
18日の夕方以降はさらに強まり、降雪量が多くなるでしょう。
[防災事項]
雪による視程障害、積雪や路面凍結などによる交通障害に注意して下さい。また、電線や架線、樹木への着雪などにも注意して下さい
[補足事項]
次の「大雪に関する長野県気象情報」は、18日06時ころ発表する予定です。
本文中の「気象状況」の部分を読むと、なんだか天気予報のキャスターが言うコメントと同じだなぁ・・なんて気がしませんか?
手抜きのキャスターは、解説用の天気図に専門天気図から寒気のエリアだけ書き写して、この情報と同じ内容をコメントするだけだったりします。
この文章を読んだら、①氷点下30℃以下の寒気が入っていて、さらに氷点下36度の寒気まで入るってことはどういう意味があるんだよ?とか、②北部の山沿いや県の西側の地域って具体的にドコだよ?とか、③断続的ってどういう意味だよ?ってことが疑問になりますよね?
ブログは読み飛ばすことができるから・・・いつものように情報テンコ盛りで・・・・
面白そうな図や、気になる情報だけ拾い読みしていだだけでも、気象庁発表の大雪情報の理解も多少深まる・・・・はず・・・だといいな・・・・
まず、テレビの天気予報でもご覧になったはずの上空の寒気の様子から確認しておきます。

上空の寒気といえば、紺色の寒気のエリアの動きを見せるのが定番ですけど、自分の住んでいるエリアの寒気の位置はイマイチわかりにくい・・・そこで、長野付近だけ大雪の目安の氷点下36度のラインを赤の点線で目印してあります。
18日まで、ゆっくりと南下していますよね・・・まだ底を打っていません。
まず、大雪情報にあった①氷点下30℃の寒気が入っているという意味は・・・・なにが降っても落ちてくるものは雪になる温度の寒気が上空に入っているということです。
上空に寒気が入ってくれば、地上付近に暖かい南風が吹きこんでいない限り、地上の気温は低くなって、落ちてきた雪が融けずに地上に到達することになります。
また、西高東低の冬型の気圧配置で発生する雪雲は、冷たい空気が暖かい日本海の海水が触れて発生する水蒸気のカタマリですが、より低い空気が流れ込めば、雪雲もより活発に発生することになります。
ですから、天気予報では、雪になることを示すために、儀式のように上空の寒気の様子を天気図に重ねて見せたがるわけです。
そして、特に大雪になりやすいのが②氷点下36度以下の寒気。
雪雲がじゃんじゃん発達しますし、落ちてくるものは乾燥したサラサラの雪になる可能性が高くなります。
明日午後6時までアニメにしましたが、明後日19日にかけてもまだまだ南下する傾向。
大雪のモトになる雪雲が次々と生まれ続けますから、明後日からの週末の天気・・・明日もう一度チェックが必要ですね。
ただ・・・・寒気が南下したとしても、それだけでは大雪になりません。
長野県は、高い山に囲まれていますから、日本海で発達した雪雲をドンと山越えさせるポンプとポンプを置く正しい?位置が必要になります。
それが、日本海のシアーライン。

これ、午後5時30分の衛星雲画像。
シアーラインが発生するメカニズムは、図に書き込んでおきましたが、今日夕方の段階では山形県と新潟県の県境あたりに発達した雪雲を送り込んでいます。
このシアーライン、今朝は能登半島付近にあって、長野県に雪を降らせていました(今朝の記事)。
シアーラインは、衛星を見なくても、天気図上の弱い気圧の谷としてチェックすることができます。
衛星画像とほぼ同じ時間帯・・・午後3時の実況天気図。

高気圧側に等圧線が折れ曲がっている部分が弱い気圧の谷。
今日日中、シアーラインの南端には渦まで発生して、渦は低気圧にまで成長していました。
山形県が大雪になるはずです。
では、雪雲のポンプ・・・シアーラインはこれからどこへ進むんでしょうか?

明日朝9時の予想天気図。
今朝と同じように、能登半島付近まで再び南下しています。
さらに、上で見たように強い寒気が南下していますから、今朝より雪雲はたっぷりと発生するはずです。
大雪に関する情報が発表されてもおかしくないですね。
もっとイメージが沸くように、シアーラインと降水(雪)の様子もアニメにしてみました。

シアラインが上陸する地点と、県内の雪のエリアを書き込んでおきました。
寒気の南下と同じタイミングで、シアーラインが長野県の西・・・能登・金沢方面から雪雲を送り込みます。
ですから、大雪情報も県の西側のエリアを中心に大雪を予想しているわけです。
さらに、西側を中心とした県内部の具体的なエリアは・・・明日のミニチュア版が発生した今朝の雪について検討した今朝の記事に書いてあります。
それに、大雪情報の降雪予想エリアを読めばそれなりにわかりますよね。
これで、①氷点下30℃と36℃の寒気の意味と、南下の様子、そして、②雪が降るエリア・・とその理由がわかりました。
じゃ・・なんで③断続的に雪になるの?
かなりオタッキーな内容になってきましたけど、これ、お天気キャスターは誰も説明してくれません。
メンドウですし、知りたがらない人も多いから・・・・。
でも、ネットは読み飛ばせるから・・ということであえて書いてみます。
地上付近の空気の活動は、上空の空気の流れと密接にかかわっています。
上空の川(風)の急カーブや渦の下には地上の低気圧があります。
そして、上空の川(風)のカーブが急なほど・・渦が強く巻いているほど・・・地上の気圧の谷や低気圧は活発になります。

これ、上空の天気図。
点線が上空の気圧の谷・・・いわば上空の川(風)の急カーブ。
そして、赤丸で囲ったところが、上空の川(風)の小さな渦の場所。
小さな渦は、不規則にならんでいて、川の流れ(上空の西風)に流されて、日本の上空にやってきます。
そのたびに、地上の弱い気圧の谷や低気圧が刺激を受けて、位置を変えたり、活動を活発にしたりするわけです。
ですから・・・・雪雲も上空の渦がやってくるタイミングで強まったり弱まったりするんですね。
かなり端折ったけど・・・まあこんな感じです。
これで、大雪情報の疑問点①~③をまとめ終わりました・・・強引だけど。
少しは、情報の理解が深まれば嬉しいです。
なんだかんだと書いてきましたが、これから明日、明後日にかけて、どんどん雪が降りやすい状態になってくる!
これだけで本当は良かったりして?
(あとがき モドキ)
ところで・・・ブログでこれだけ書くのは、かなりモノ好きだと思われそうですけど、これも一種のリハビリ。
このところ、天気予報番組の制作とはちょっと違う方面のことに専念していたので、長野に帰ったのをきっかけに天気予報番組を作っていたころのカンを取り戻しているっていう感じです。
ただ、毎日こうして書いていると、ネットの天気予報は情報が多いだけで、状況に応じた効率的かつ正しい使い方の説明をしてくれていないことを実感します。
せっかくネットを使うなら、面白い読み物として、流れでわかる天気予報を提供すればよいのですけど。
という私も、ネットの天気予報が始まったころ、その企画に加わっていたこともあるのですが、その頃は、見やすい情報を沢山盛リこめば良いと思っていました。
今では、ウェザーニューズのHPで、視聴者参加型のネット放送のようなこともしていますけど、地域に根差した天気情報には至っていないんですよね。
今日も記事を書きながら、ネット天気予報の今後のあり方・・・なんかを色々考えちゃいました。
2009年12月17日
天気予報は当たるのか?(12月17日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

朝起きて・・・カーテンを開けると白い!・・・どれだけ積もった?って一番気になりますから、まずはアメダス積雪深から。 私事ですが、週末にスタッドレスに交換したのはジャストタイミングでした!

多い少ないは別として、ライブカメラを見た感じでは、県北部と西部を中心に広い範囲で積雪になっているようです。
ただ、気象庁が公式に観測しているデータではこんな感じ・・・まだまだ序章程度の雪ですね。
新潟県境や志賀・菅平方面を中心に積雪が多くなっています(昨日かなり融けていましたから、菅平を除いて降雪量もほぼ似たようなものだと思います)。
今朝は、ちょっと早起きして、昨夜(今朝)の雪の降り方を簡単に考えてみたので、一通りいつもの天気チェックをしたあと、ざっとまとめてみました。
今夜から明日以降にかけての雪のクライマックス?を検討する良い情報になれば・・・と思うのですが・・・どうなるやら?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

その昔、ニュースステーションという番組を担当していたとき、日本地図の日本海側に雪マーク、太平洋側に太陽マークの二つだけを並べて「冬型!」とやらかしたことがありました。
シンプルでいい!という評判でしたが、今日もその傾向。
ただ、そんな単純な図は出せません。
北陸は大雪って気象庁は言ってますけど、金沢は傘マーク。東シナ海に面した鹿児島も冬型の影響を受けていますが、やっぱり傘マーク。
無難に、二つのエリア分けパターンとコメントしておく場面です。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

こういうときは、天気マークの予報にたよらず、しっかりと予報文(クリック)を読むのがお進めです。
北部は「昼前から夕方くもり」ですから、朝のうちまで雪が残るところはあっても日中は曇りベース。
中部・南部は雪のちらつくところはあっても晴れベースに回復するようです。
問題は、今夜から明日・・明日の予報文も添付しておきました。
北部は「明け方から朝くもり」ですから・・・ほとんど一日雪。
中部・南部も昼前後から「所により」がついていない広範囲の雪。
なんで、周期的に雪が降るんでしょう?
この原因がわかれば・・・・そして、その兆候が一目でわかればとっても役立ちますよね?
今朝は、そんなことをまとめてみました。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
今朝3時の実況天気図と、今夜9時の予想天気図を並べてみました。

西高東低の気圧配置ですけど、あんまり変わり映えしませんよね?
実は、図に書き込んだ赤点線・・日本海の弱い気圧の谷・・・ここで雪雲が大量生産されているんですけど・・・日中は東北まで北上。
今夜から明日にかけて再び富山・石川県付近まで南下してきます。
24時間周期で雪雲の噴射口が動くわけですから、周期的に雪が降るわけですね。
もう少し詳しく見てみましょう。
今朝の雪、日付の変わった深夜1時頃から本格的になって、5時ころにはほぼ終息。
降り始め頃と、終わり頃の衛星画像を並べてあります。

特に雪雲が発達したところ・・・ここが天気図上で弱い気圧の谷になっていたところ。
季節風が線状に集まるところで、シアーライン(収束線)といいます。
この南端が、降り始めの頃は石川県付近に激突?していましたが、雪が終わる5時頃には若狭湾付近に方向を変え、全体としては北上しています。
もっと詳しく、季節風が集まる(収束する)様子を計算値で見てみると・・・・

赤い線のところで、季節風が線状に集まっていることがわかります。
集まった風は上に行くしかありませんから上昇気流が発生して雲が沢山できるわけです。
そして、正午にかけて山形付近まで北上するわけです。
今日日中、長野県は回復傾向。
じゃ・・・長野県内の雪の降り方・・分布はどうなんでしょうか?
風の様子を長野県付近にズームしてチェックしてみました。

降り始めは富山県側で西南西~西の風が北アルプスにぶち当たる方向で吹きこんでいました。
これが、雪が終わり始める午前3時になると・・・

北アルプスの南側を迂回して松本方面へ。
これをレーダーで見た雪雲でチェックしてみると・・・

シアライン(風の収束線)が南へ移るにつれて北部の雪雲は東西の帯状から団子になって東へ流れて消滅。
一方、シアラインがぶち当たるようになった中央アルプスや八ヶ岳方面で雪雲は発達しています。
そして、雪が上がる5時過ぎ、シアラインは弱まりながら北上。
(追記:シアラインが北へもどってくる午前中、もう一度チラッとあるかも)
北部の雪は、北アルプスを越えた雪雲と、糸魚川から戸隠方面に回り込む風がぶつかるところで発達した雲が原因のようです。
また、南部の雪は、北アルプスの南端と御嶽山の間の比較的標高の低いところから雪雲が流れ込んで降る傾向にあるようです。
なんだか、傾向が見えてきました。
今夜、再びこれと似たようなことが起こる可能性があるわけです。
昨夜の記事で、長野市上空に二本の雲の帯ができたことを書きました。
午前1時50分のレーダー画像には、北部に東西に延びた二つの雪雲が観測されています。
昨夜の記事で書いた仮説が本当なら、長野市内では二本の帯状の雲が見えたら雪の前兆?・・・と考えることもできるかもしれません。
またまた超長文になってしまいましたが、いずれにせよ、今夜から明日にかけて、再びシアラインがやってきて、さらに強い寒気の南下とあいまって、昨夜以上の雪雲がやってくる可能性があります。
スタッドレス交換が遅れちゃった方は、今日日中にサッサとやってしまいましょう。
ちなみに昨日の予報・・・「夜 雪」でしたが・・・・「夜遅く」が良かったかも。
でも、長野地方気象台の予報官、計算値では非常に微妙なところでしたが、さすがにサジ加減が良かったと思います。
勉強させていただきました!
1、今日の一言

朝起きて・・・カーテンを開けると白い!・・・どれだけ積もった?って一番気になりますから、まずはアメダス積雪深から。 私事ですが、週末にスタッドレスに交換したのはジャストタイミングでした!

多い少ないは別として、ライブカメラを見た感じでは、県北部と西部を中心に広い範囲で積雪になっているようです。
ただ、気象庁が公式に観測しているデータではこんな感じ・・・まだまだ序章程度の雪ですね。
新潟県境や志賀・菅平方面を中心に積雪が多くなっています(昨日かなり融けていましたから、菅平を除いて降雪量もほぼ似たようなものだと思います)。
今朝は、ちょっと早起きして、昨夜(今朝)の雪の降り方を簡単に考えてみたので、一通りいつもの天気チェックをしたあと、ざっとまとめてみました。
今夜から明日以降にかけての雪のクライマックス?を検討する良い情報になれば・・・と思うのですが・・・どうなるやら?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

その昔、ニュースステーションという番組を担当していたとき、日本地図の日本海側に雪マーク、太平洋側に太陽マークの二つだけを並べて「冬型!」とやらかしたことがありました。
シンプルでいい!という評判でしたが、今日もその傾向。
ただ、そんな単純な図は出せません。
北陸は大雪って気象庁は言ってますけど、金沢は傘マーク。東シナ海に面した鹿児島も冬型の影響を受けていますが、やっぱり傘マーク。
無難に、二つのエリア分けパターンとコメントしておく場面です。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

こういうときは、天気マークの予報にたよらず、しっかりと予報文(クリック)を読むのがお進めです。
北部は「昼前から夕方くもり」ですから、朝のうちまで雪が残るところはあっても日中は曇りベース。
中部・南部は雪のちらつくところはあっても晴れベースに回復するようです。
問題は、今夜から明日・・明日の予報文も添付しておきました。
北部は「明け方から朝くもり」ですから・・・ほとんど一日雪。
中部・南部も昼前後から「所により」がついていない広範囲の雪。
なんで、周期的に雪が降るんでしょう?
この原因がわかれば・・・・そして、その兆候が一目でわかればとっても役立ちますよね?
今朝は、そんなことをまとめてみました。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
今朝3時の実況天気図と、今夜9時の予想天気図を並べてみました。

西高東低の気圧配置ですけど、あんまり変わり映えしませんよね?
実は、図に書き込んだ赤点線・・日本海の弱い気圧の谷・・・ここで雪雲が大量生産されているんですけど・・・日中は東北まで北上。
今夜から明日にかけて再び富山・石川県付近まで南下してきます。
24時間周期で雪雲の噴射口が動くわけですから、周期的に雪が降るわけですね。
もう少し詳しく見てみましょう。
今朝の雪、日付の変わった深夜1時頃から本格的になって、5時ころにはほぼ終息。
降り始め頃と、終わり頃の衛星画像を並べてあります。

特に雪雲が発達したところ・・・ここが天気図上で弱い気圧の谷になっていたところ。
季節風が線状に集まるところで、シアーライン(収束線)といいます。
この南端が、降り始めの頃は石川県付近に激突?していましたが、雪が終わる5時頃には若狭湾付近に方向を変え、全体としては北上しています。
もっと詳しく、季節風が集まる(収束する)様子を計算値で見てみると・・・・

赤い線のところで、季節風が線状に集まっていることがわかります。
集まった風は上に行くしかありませんから上昇気流が発生して雲が沢山できるわけです。
そして、正午にかけて山形付近まで北上するわけです。
今日日中、長野県は回復傾向。
じゃ・・・長野県内の雪の降り方・・分布はどうなんでしょうか?
風の様子を長野県付近にズームしてチェックしてみました。

降り始めは富山県側で西南西~西の風が北アルプスにぶち当たる方向で吹きこんでいました。
これが、雪が終わり始める午前3時になると・・・

北アルプスの南側を迂回して松本方面へ。
これをレーダーで見た雪雲でチェックしてみると・・・

シアライン(風の収束線)が南へ移るにつれて北部の雪雲は東西の帯状から団子になって東へ流れて消滅。
一方、シアラインがぶち当たるようになった中央アルプスや八ヶ岳方面で雪雲は発達しています。
そして、雪が上がる5時過ぎ、シアラインは弱まりながら北上。
(追記:シアラインが北へもどってくる午前中、もう一度チラッとあるかも)
北部の雪は、北アルプスを越えた雪雲と、糸魚川から戸隠方面に回り込む風がぶつかるところで発達した雲が原因のようです。
また、南部の雪は、北アルプスの南端と御嶽山の間の比較的標高の低いところから雪雲が流れ込んで降る傾向にあるようです。
なんだか、傾向が見えてきました。
今夜、再びこれと似たようなことが起こる可能性があるわけです。
昨夜の記事で、長野市上空に二本の雲の帯ができたことを書きました。
午前1時50分のレーダー画像には、北部に東西に延びた二つの雪雲が観測されています。
昨夜の記事で書いた仮説が本当なら、長野市内では二本の帯状の雲が見えたら雪の前兆?・・・と考えることもできるかもしれません。
またまた超長文になってしまいましたが、いずれにせよ、今夜から明日にかけて、再びシアラインがやってきて、さらに強い寒気の南下とあいまって、昨夜以上の雪雲がやってくる可能性があります。
スタッドレス交換が遅れちゃった方は、今日日中にサッサとやってしまいましょう。
ちなみに昨日の予報・・・「夜 雪」でしたが・・・・「夜遅く」が良かったかも。
でも、長野地方気象台の予報官、計算値では非常に微妙なところでしたが、さすがにサジ加減が良かったと思います。
勉強させていただきました!