2010年09月30日
雨模様の一日・・・残念ながら簡易更新版(9月30日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

今朝は多忙につき、図に書き込みしたり、コメントを書く時間がりません。
図やアニメを掲載しておきますから、いつもの流れで・・・・ご自分で天気チェックしてみてください。
今日は雨模様で肌寒くなりそうですね・・・・・



おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |



地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |


予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |




難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |




天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |

コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年09月29日
秋晴れ!でも西から早くも下り坂(9月29日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |


この図・・・TSAS1といって、ひまわりの雲画像を解析して、雲の高さや、どんな種類の雲かを表示した図。
衛星画像をただ見ただけでは、なかなか雨を降らせる雲なのか、雨とは関係ない上空の高い雲なのか・・・判別するのは難しいものです。
少し勉強しないと、雲がかかっていないエリア・・・つまり晴れのエリアだけをピックアップするようになってしまうようですが、この図を使えば、多少判別ができるようになるかもしれません。
ネット上に公開されている図なので・・・今日の晴天・・・のんびりした昼休みにでも検索して探してみて下さい。
「TSAS1」で検索すれば・・・・・・

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

ホントに久々だと思います・・・全国的に「日中は晴れ模様」。
あくまで天気だけのことで、北日本では強い西風が吹いていますけど・・・・・
ただ、「日中は」と書かなければならないのが残念なところ。
西日本~東日本の天気マークのほとんどは「のち くもり」。
「のち」のタイミングはそれぞれ異なりますけど、西日本では「午後 くもり」と予想されています。
その理由は?・・・天気図でチェックですね。

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東日本・・・太陽マークが目立ちますけど、よく見ると北陸は雲マークが左側の曇りベースで、それ以外は、太陽マークが左側の晴れベース。
そして、太平洋に近いエリアほど「のち くもり」マークになっています。
雨は降らずに太陽が出るんだから・・・くもりの程度なんかどうでもいいじゃん・・・という方はこれ以上読まなくてもイイですけど、曇りの様子・・・に興味のある方は続けてお読みください。

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今夜9時の予想天気図でアニメを作っていますけど、南西高北東低という気圧配置。
今朝3時の実況天気図では、カタチだけは西高東低の冬型の気圧配置になっています。
西高東低の気圧配置といえば、北西~西の強い季節風を思い出しますが、それと同じ理由で北日本では西風が強くなっているわけです。
もっとも低気圧の北上とともに風は弱まる傾向ですけど、冬場の日本海側と同じどんよりとした雲・・・・これが日本海側を午前中曇りベースにします。
そして、・・・冬型の気圧配置の場合、太平洋側の天気の特徴は・・・基本的に天気に晴れベースですね。
ただ、秋の冬型は寿命が短く、早くも西から気圧の谷接近。
夜には九州から雨が降り出すという短期政権の秋晴れになりそうです。

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地上の天気変化の設計図・・・上空の天気図を見ると・・・
北海道から九州までのわずかな範囲に、上空の気圧の谷~上空の気圧の尾根~上空の気圧の谷が3つも登場しています。
それぞれ低気圧や高気圧に対応しますから天気はコロコロ変化。
上空の谷や尾根を作るのは、上空を流れる強い風・・・いわゆる偏西風の南北の波動ですけど、日本付近を小刻みに揺れながら流れています。
これが秋です。
一応チェックしておきます。

北陸の風は次第に弱まりますけど、北海道・・・特に西岸の風は夜まで強い模様。
北海道では厳しい冬が近いことを感じさせる強風になっているかもしれません。
洗濯物はいつ干すのがイイ?

午前中には西日本でくもりに・・・と書きましたが、雨を降らせない上空の雲は朝のうちから東日本まで触手を伸ばしています。
日本付近の高気圧と大陸沿岸の高気圧の間・・・気圧の谷には湿った空気が流れ込んで雲ができやすいんですね。
これがかかっても、次第に空が白っぽくなりますけど、すぐにくもりというイメージにはなりません。

次は中層の雲・・・これがかかってくるとかなりくもりのイメージが強くなります。
前線に近い南岸ほどこの雲がかかりやすいですよね。
上層の雲とこの雲が重なれば、かなりくもりというイメージが強くなります。
全国の天気マークの「のち くもり」マークとピッタリ一致していると思いますから、見比べてみてください。

夜、九州に雨マークがついていましたけど、今日の間は、広範囲に強い雨が降るというものではなさそうですね。
それ以外は・・・雨の心配はなし。

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2010年09月28日
雨はいつ止む?秋雨前線と寒冷前線(9月28日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

東日本と北日本は雨模様の一日。
今朝の空模様は?・・・・

赤外画像を見ると、午前3時には紀伊半島付近に活発な雨雲。
雨雲の下の雨はどんな降り方?

やっぱり紀伊半島付近で激しい雨ですが、東北方面まで雨エリア。
この雨・・・どうして降っているの?

雨の理由は実況天気図で確認。
紀伊半島付近に低気圧と前線がありますから、コイツが原因のようです。
そして・・・これからどうなるの?・・・その理由は?という目で天気図や計算値をチェックしていくのが、天気予報のストーリー。
ネットで天気予報を見るとき、こんなストーリーを忘れがちですけど、ストーリの無い天気チェックは占いと同じ・・・
天気予報の安全マージンも理由もわかりません。
今日のような天気のときは、自分でストーリーを考えながらチェックするのがオススメ。
今日の天気は2ステップで変化していきます。
雨雲もどんどん変化していきますから、このブログをお読みになった時点のレーダーをチェックして、どの段階なのか?を確認してください。
気象庁レーダー画像: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/

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東日本・北日本が2ステップで天気が変化するエリア。
日本海側は傘マーク一発の一日雨モードですが、南岸は南で「のち くもり」、北で「のち 雨」マークがついていて、順番に天気が変化していくことがわかります。
どんなタイミングで天気が変化するの?・・・は、予報文を読むのが基本です。

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東日本も日本海側は一日ぐずつきモード。
太平洋側は西から回復しますけど、そのタイミングは・・・長野県で「夕方 から」。
午後3時あたりから回復ということですが、「のち 晴れ」ですから、急速に回復するようです。
詳しくは降水のアニメでチェックしてみましょう。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

2ステップの天気変化・・・①南岸の低気圧と前線が北東進して、東日本・北日本太平洋側中心にまとまった雨、②日本海から寒冷前線が南下して通過時に強い雨や落雷、というステップ。
寒冷前線が通過するとき、その前面には暖気が流れ込み、通過後は寒気が南下してくるのは中学校の教科書にも書いてありますが、今日もそうなります。
雨が降っている間は気温は上がりにくいですが、南岸の雨が止んだあとは気温上昇・・・特に西日本では30℃近くまで・・・ジメッとした蒸し暑さを感じるかもしれません。
ただ、雨の回復が遅れるエリアでは、気温が上がるまでもなく寒気の影響をうけそうです。

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計算値が発達を示唆しているから・・・・というのは占いと同じですから、上空の天気図も使って複合的に判断しなくちゃいけないんです・・・・本当は。

上空の気圧の谷が深まれば・・・そして上空の気圧の谷の東側に地上の低気圧があれば・・・地上の低気圧は発達します。
書き込みを読んでいただければ、南岸の低気圧は発達しないけど、沿海州の低気圧が発達するという理由がわかります。
もっとも、地上の低気圧の発達は上空の気圧の谷の深さだけで決定されるものではありません。
強い寒気と強い暖気が低気圧でまじりあう状態になればなるほど低気圧は発達しますし、低気圧とセットになっている前線も活発になります。

上空(5700m付近)と地上付近(1500m付近)の気温でチェックするわけですが、低気圧を境にして、東側に暖気が北上、西側に寒気が南下してくる傾向です。
やっぱり沿海州の低気圧は発達。
さらに、どの程度の雨が降るのか?については雨の原料の量を示している相当温位図をチェックします。

前線の南側には、そこそこ多めの雨の原料。
前線や低気圧付近には雨の原料がちゃんと供給されて大雨の可能性がありそうです。
で・・・以上、総合的に考えると、北海道付近で低気圧が急激に発達して北日本は荒れ模様。
南岸も低気圧と前線が通過するタイミングでまとまった雨。
そして・・・・よく見ると・・・・北日本は西高東低の気圧配置になって、寒気まで南下してくるんですね。
地上付近の気温が6℃なので、雪というわけじゃありませんけど、冬間近を感じさせるような冷たい雨の荒れ模様・・・・日本海側の各地も雪雲のような雨雲?がかかってきそうです。
理由もわからずにこのアニメを見たら、雨の傾向も読めませんし、雨の計算値が不自然でもそれに気付きませんよね。

必要なことは書き込んでおきました。
東日本は午前中は雨模様と思っておいたほうがよさそうですけど、午後は急速に回復。
案外早めに回復するかもしれませんね。
計算と実況の差をレーダーで確認して、11時の予報は修正されるかもしれません。
で・・・東日本。

一応回復は15時前後ですけど、弱い雨は残りそう。
また、日本海側にはまるで冬の計算値のように弱い降水が計算されています。
雪雲のような雨雲・・・・ですね。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
レーダーで実況を見る限り、計算値より実況のほうが早めに推移しているように思えます。
午前11時発表の予報を確認するということを前提に、安全マージンをとった予報と考えれば・・・・当たり・・・って言っていいのかな?

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2010年09月27日
今日~明日は雨模様、気温は上昇傾向へ(9月27日)

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今朝のレーダー画像。
日本では三か所で雨模様。
それぞれの雨の理由を書き込みましたけど、それぞれの雨エリアは今日から明日にかけて足早に変化。
天気図を見ても、あの低気圧がこうなって・・・この前線がこっちへ延びて・・・なんていうように、ちょっとわかりにくいかも。
「のち」と「一時」「時々」しかない天気マークの天気予報だけでは、天気傾向を読み誤りやすいので注意してください。
(昨日は時間がなくて、週間予報をまとめられませんでした・・・今日はどうかなぁ・・・・・)

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

今日の一言で書きましたが・・・今日は天気マークだけで判断すると失敗する可能性あり。
エリア分けをすると、さらに誤解を生みそうなので、「北日本に傘マークが少ないね」・・・くらいに思っておいてください。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

東日本・・・早朝の段階で雨の所が多くなっていましたが、回復に向かっています。
なのに・・・長野県では「のち 雨」マーク。
予報文には「夜遅く 雨」と書かれています。
また、関東方面では傘マークが右側の曇りベースの天気マークと、左側の雨ベースの天気マークが混在していて、ぐずつくんだな・・・ということはわかりますが、天気分布がイマイチわかりません。
こんなときこそ、下に掲載した雨のエリアのアニメーションを見て、天気変化をイメージした後、天気マークと予報文を見ると、正しく予報を理解することができると思います。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

天気を悪くする原因が3つ・・・日本の北・東・西にあります。
それぞれが変化するので、天気変化の傾向をマークや予報文で伝えるのが難しいんですよね。
テレビの解説は比較的簡単ですけど、ラジオだとかなり辛い感じ。
今日のラジオの解説で、この様子を簡潔明瞭に伝えているお天気キャスターは本物。
(南岸の様子だけを伝えたり、予報だけを伝えてごまかすキャスターは・・・・)
下に、今日から明日にかけての気圧配置の変化を簡潔にまとめておきましたから、そちらで確認してください。

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赤丸が低気圧、赤線が前線。
今日・・・九州付近の低気圧・前線と、関東付近の風がぶつかって雨雲が発生するエリア(シアーライン)が天気を悪くする主役。
明日・・・発達しながら北海道方面に進む低気圧と前線が加わります。
この低気圧と前線に吹き込む暖かい南風の影響で、明日は西日本中心に気温が一気に上昇して、平年越え。
西日本では30℃近くまで上昇しそうです。
特にシアーラインがわかりにくいので、空気の流れの図で見てみましょう。

天気予報の解説では「気圧の谷」の影響などと言われますが、空気がぶつかる場所のこと。
低気圧とは解析されない弱い低気圧があると思えばイイですけど・・・いつも分かりにくいですよね。
地上の気圧配置の設計図・・・上空5700m付近の天気図はこうなっています。

地上付近の気圧配置は複雑ですけど、上空はいたってシンプル。
日本付近は上空の深い気圧の谷に覆われています。
こんな気圧の谷が周期的にやってくるから秋の天気はコロコロ変化するわけですが、今回の気圧の谷は、晩夏・初秋・晩秋・初冬のすべてが圧縮された谷。
上空の気温も見てみましょう。

上空の気圧の谷の中心にはマイナス24℃以下の初冬の寒気。
その南側・・・日本付近は秋の空気・・・さらに南の太平洋には晩夏の空気。
上空の気圧の谷の付近に、これら三つの空気が圧縮されていて、明日は北海道付近で寒気と暖気が渦を巻きます。
地球の温度を均一化するために低気圧ができるわけですが、これだけ温度差があると、温度を均一化するために激しい渦を作る必要がありますから・・・低気圧が発生、発達しやすい状態になっているわけです。
今日の雨の様子・・・・

西日本は単純に低気圧と前線が進んできて下り坂。
東日本は、シアーラインの雨が東へ進んでいったん回復するものの、西の低気圧や前線がやってきて、夜には再び下り坂という流れです。
北海道方面は、弱い低気圧(気圧の谷)が通過してぐずつき気味といったところでしょうか。
東日本を詳しく見ると・・・・

ご覧のとおり。
長野県の予報は「夜遅く 雨」でしたけど、県西部や南部はもうちょっと早そうですね。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
「夜遅く 雨」の予報ですけど、ちょっと早めに降り出す可能性もありましたよね。
地域の平均的な予報としてはイイと思いますが、予報を受け取る立場としてはもうちょっと安全マージンをとって、18時以降はいつ降ってもおかしくない・・・くらいの気持ちでいたほうがよさそうです。

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2010年09月26日
夕方以降は雨に注意!弱い気圧の谷で起こること(9月26日)

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各地の今朝の気温はこんな感じ・・・

北海道で氷点下の気温を観測していますが、長野県も野辺山で0.3℃。
今朝は晴れたので、放射冷却も加わって、高原では初霜があったかもしれません。
ただ、明後日28日にかけて気温は急上昇・・・平年を上回る気温に戻りそうです。
その様子は、夜・・・時間があったら週間予報のまとめの中で。
(昨日、一か月予報についてまとめておきました。昨日の記事)
「性質が変わっただけ」
波が高い状態が続きますから、太平洋岸はまだまだ注意です。


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朝目覚めて・・・秋晴れ!と感じた方・・・多いでしょう。
でも天気予報の傘マークを見て・・・アレ?と思いますよね?
どうして東日本に傘マーク・・・「のち 雨」がついているのか?
天気図を見ればわかるのですが、天気図の勉強をしていないとちょっとわかりにくい気圧配置。
週末のテレビの天気予報は、電話の177みたいな簡単なものばかりですが(放送局も週末は最小人員です)、しっかりとした解説原稿が欲しい今日の空模様です。

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「のち 雨」マークが多い東日本。
予報文で「のち」のタイミングを見ると、長野県南部、愛知県や静岡県が「夕方 から」。
その他のエリアが「夜」ですから、東海付近から降り出して、次第に北東へと拡大していくという感じです。
今日の予報のチェックポイントは降り出しのタイミングですね。

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日本海から太平洋側へと秋の移動性高気圧が通り過ぎていきますから、基本的に晴れベースの日本ですけど・・・・・・
高気圧が足早に通り過ぎ、日本付近は朝鮮半島付近の高圧部との間の弱い気圧の谷になってしまいます。
低気圧になりきれない低圧部ですから、そこには風が吹き込みます。
吹きこんだ風は上にいくしかありませんから、上昇気流発生・・・・・上空には寒気があるので、大気は不安定気味。
弱い気圧の谷にもかかわらず、雨雲はしっかり発達してしまいそうです。

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そこで、弱い気圧の谷の中の空気の流れ・・・・

高気圧からは時計回りに空気が吹きだしますから、高気圧の中心が三陸沖に抜けると・・・・
東海地方に南東の風が吹きこんできます。
また、弱い気圧の谷は低気圧になりきれない低圧部ですから、反時計回りに風向が曲げられて、風が収束・・・・雨雲が発生します。
高気圧の中心が早く移動すれば、それだけ早く雨雲が発達するという関係ですね。

急速に雨雲が発達するんですね。
東日本上空には-9℃の寒気が入っていますから、ちょっと暖かめの南東の風が吹き込むと大気は不安定。
雨雲が発達しやすい状況が整っています。
東日本にズームしてアニメで・・・・

午後になると急速に雨雲発達。
予報の用語では、15時以降を「夕方」、18時以降を「夜」といいますが、このアニメのタイミングで雨が降り出すとすると、東海では「昼過ぎ」、関東南岸では遅くとも「夕方」には降り出すという感じです。
気象庁発表の予報文ではどうなっていましたっけ・・・・・

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中部も「夜」・・・18時でよさそうな感じ。
若干早めに降り出す可能性はありますが、地域全体の平均天気な天気として考えるなら、今日の雨の降りだしのタイミング・・・予報は当たるといってイイと思います。
一方、関東・・・東京も神奈川も「夜」の降りだしを予想していますが、こちらは計算値をずいぶん割り引いて予報を作っているように思います。
安全マージンを考えれば、「早ければ 夕方には雨」と考えておいたほうがよいかもしれませんね。

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2010年09月25日
10月は高温?1か月予報(9月25日②)

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9月後半、寒気の南下で劇的に季節が先に進みましたが、記録的な猛暑をもたらした今年の気候は、そう簡単に先へと季節を進めてくれないようです。
昨日(9月25日)に発表された1か月予報をまとめてみました。

全国的に赤・・・東日本と北日本は特に赤が濃くなっていますから、10月は全国的に平年より気温が高くなる傾向があるということです。
もちろん、肌寒くなる日、少々暑くなる日を全部平均するとこうなる・・・というわけですから、たった1日だけ寒くなっただけで予報がはずれた・・・と文句を言う筋合いの予報ではありません。
いずれにせよ、1か月の平均ですから、「ふーん」という気持ちで見るだけでOKです。

毎回書いていますけど、グラフの線がヒゲのようにたくさんあるのは、計算の誤差を減らすために少しずつ方法が異なる計算をして平均をとって考えるため。
細い線が一番多い部分(線が太くなっている部分)で考えます。
24日からグラフは平年よりグッと低くなっていますが、昨日・今日の気温を考えればよくわかりますよね。
そして、今日~明日を底にして、グラフは上昇に転じて、10月1日を境に、いきなり平年を上回るようになります。
特に北日本~東日本が顕著で、平年を3℃前後も上回り、10月半ばまでその傾向が続くようです。
むこう1か月の前半が平年を下回っても、来月の気温が高めなので、1か月の平均的な気温傾向は高めということになっちゃうんですね。
週単位で、気温傾向を確率でまとめなおすとこうなるようです・・・・

上空の気圧の谷の西側では南西の風が吹いて南の暖かく湿った空気が運ばれてきますが、上空の気圧の谷の東側では北西の風が吹いて大陸の寒気が運ばれてきます。

上空5700m付近の一週間ごとの平均的な天気図。
10月1日までは上空の谷(赤の点線)は北日本に傾くように日本上空にあります。
ということは、寒気(青矢印)が東日本・北日本に流れ込みやすい状態。
ところが、10月2日以降、上空の谷は日本の西側。
したがって、南から湿った暖かい空気が流れ込みやすくなります。
気温上昇が始まるわけですが、この傾向が月末まで続くということになるようです。

1週目については、上空の気圧の谷が日本上空にありますから、太平洋側に秋雨前線が停滞しやすく、太平洋側中心にぐずつく(日照も少ない)傾向。
寒気も南下して気温は平年を下回る。
2週目は、南の高気圧が活発になって、高気圧の北西の縁辺を暖かく湿った空気が北上。
気温は上昇するけれど、暖かく湿った空気が前線を形成するなどして、やはり太平洋側中心にぐずつきやすい可能性も。
日本海側や北日本は、秋の移動性高気圧に覆われて晴れが続く傾向?
3週目以降は・・・さすがに秋から晩秋・初冬への周期的な変化になるようです。
結局、10月からは気温が上昇するけれど、太平洋側中心にぐずつきやすい傾向。
ただ・・・・台風がやってくる可能性は十分にあるので、以上の予想が台風によってどのようにかきまわされるかは?????です。
一か月を通しての降水と日照の確率は以下のとおり。
太平洋側でぐずつきやすいので、太平洋側の日照が少なくなる可能性が高くなっています。

なお、22日に発表された3か月予報と寒候期予報のまとめについては、23日の記事をお読みください。

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2010年09月25日
台風9号進路・影響、さらに寒気南下(9月25日)

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今朝の衛星画像とレーダー画像。

台風の目がハッキリしていますよね。
台風の北西側の雨雲が関東南東岸にかかっています。
また、台風としては最盛期の状態で接近していて、午前3時の実況では中心付近の最大瞬間風速は55m/s以上。
上陸していたら関東ではかなりの被害になったと思われますから、本当に幸運でした。
ただ、関東沿岸部では風が強まっています。

台風に反時計回りに吹き込む風・・・はっきりと風向に現れていますよね。
今日も台風の影響を中心にまとめてみましたが、台風接近中なので、新しい予想進路図をチェックするのが一番。
あえて予想進路図は掲載しませんので、以下のリンクで最新の台風位置を確認してください。
気象庁予想進路図: http://www.jma.go.jp/jp/typh/1012.html
アメリカ合同台風警報センター(13W.MALAKAS):
https://www.fnmoc.navy.mil/tcweb/cgi-bin/tc_home.cgi
(今夜、時間があれば、昨日発表された一か月予報をまとめてみます。10月初旬・・平年を3℃前後上回る陽気になる可能性が高くなっています)

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関東~北日本の太平洋側で台風警戒エリアになるのはよくわかりますが、山陰から北陸がぐずつきエリアになっているのは?
昨日の涼しさ(肌寒さ)から、寒気が南下しているのは周知のことですが、寒気でぐずつくといえば・・・冬の日本海側ですよね。
それと似たような低い雲が日本海側に影響してきます。

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台風が通過すれば天気が回復するわけですが、台風に一番近い犬吠埼のある千葉県北東部の回復は「昼過ぎ」。
東日本が回復・・・といえるのは午後ということになりそうです(海はずっと遅いです)。
一方、新潟県上越では、「所により昼過ぎから雨」。
寒気の影響ですね。

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台風通過に伴う北~北東の強風、一時的な強い雨・・・関東~北日本の太平洋側で特に注意というのは当然ですね。
あと・・・予想天気図の台風に寒冷前線と温暖前線がくっついています。
台風が温帯低気圧の「性質を帯びてくる」ことを意味しますが、温帯低気圧化することと弱まるということは全く関係がありません。
台風が大あらしの温帯低気圧に「性質を変える」だけのことです。
そして、温帯低気圧化するとき、台風は寒気を引きづり下ろします。
晩秋の強い寒気ですから、日本海側では冬のようなどんよりとした雲がかかるかもしれません。

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日本に影響するのは台風の西側の雨雲。
強い雨のエリアは海上中心ですが、コースがほんの少しズレただけで強風の大雨になる可能性がありますから、関東~北日本の太平洋側は警戒モードです。
そして東日本。

東日本沿岸の雨は午前中。
次第に回復に向かいますが、上空の強い寒気による冬のような雲が日本海側に発生。
北陸では一時的に弱い雨がありそうです。

暴風域は海上を通過する可能性が高そうですが、それでも沿岸部では20~30メートルの北~北東の風が吹き付けそう。
上で見た風向風速の実況とほぼ対応しているようですね。

強風が吹き付ける沿岸の波・・・6~8mの高い波。
週末で天気は回復傾向ですから、関東の太公望が房総で釣り・・・なんてことになりそうですけど、防波堤から高波にさらわれて・・・「またか・・」というようなニュースにならないことを祈りたいですね。

今夜にかけて上空の-12℃の寒気が関東甲信以北に南下。
明日朝、もし晴れているようなら放射冷却もくわかって、晩秋?初冬?と思われるような「寒さ」になる可能性があります。
標高がかなり高くない限り、霜の心配はないと思いますけれど・・・・
ちなみに、今朝、北海道で今年はじめての氷点下の気温を観測。
長野県では野辺山で6℃を観測しています。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
昨日発表の一か月予報(10月初旬高温?)の検討をしたほうが生産的ですし・・・
今日中に記事になるかは???ですけれど・・・・

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可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年09月24日
台風12号予想進路と影響、涼しさいつまで?(9月24日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

一般的に、「今の空模様はどうなっているの?」を知りたいときは、衛星画像で雲の様子を見たあと、気象レーダーで雲の下・・・雨の様子をチェックします。
その後、”実況”天気図で気圧配置を見て、理由を考えるわけですが・・・・・・・

今朝の衛星画像とレーダーを一枚の絵にかさねるとこんな感じ。
今朝の涼しさ(肌寒さ)も併せて考えると、①~④の疑問がわいてくるんじゃないかと思います。
ということで・・・今日は台風の影響を中心に疑問を解決するというストーリーでまとめてみました。
(冬にかけての天気傾向「3か月予報」を昨日の記事で(クリック)まとめておきました)

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |
それだけで疑問の結論だけは”なんとなく”解決することもあるからです。

疑問①・・・台風の影響・・・だと思われるのが東日本南岸のぐずつきエリア。
台風の影響にも直接の影響と間接的な影響がありますが、昨日の雨を降らせたのは秋雨前線。
秋雨前線がパッと消えてしまうわけがありませんから、秋雨前線を介して台風の間接的な影響があるかもしれない?・・・と考えられます。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

東日本にズームしてみると、傘マークは南岸中心。
昨日雨を降らせた秋雨前線が日本の南岸で影響を及ぼしている?と想像できます。
また、予報文を読むと、長野県中南部で雨が降るタイミングは「夜 遅く」。
刻々と台風が北上してくるようですから、秋雨前線を介した長野県内への台風の間接的な影響は夜のようです。
また、今日の予想最高気温は北ほど低く、長野県中北部では20℃以下。
そして、風も北風。
この秋で一番涼しい(肌寒い)一日になりそうですが、寒気が南下していることが考えられます。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

ということで・・・天気マークで見た天気傾向の理由を天気図でチェック。
夜にかけて台風が前線に接近してきます。
台風は湿った暖かい空気の運搬役ですが、一方で前線の北側の高気圧は寒気の運び人。
二つの性質の異なる空気が前線で衝突。
雨雲が活発になることは想像できますが・・・・・
どの範囲で、どのくらい雨雲が活発になるのか?・・・このあたりは専門の天気図や計算値でチェックが必要になってきます。
また、台風が接近することによる強風や高波の様子も専門の天気図でチェックが必要。
専門天気図の読み方を少し知っておくだけで、情報量はグッと増えます。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |
まずは、日本の気象庁の予想進路図(クリック)から。

テレビやラジオで解説をバンバンやっているでしょうから、特にいうことはありませんが、最も北よりのコースをとれば(可能性は低いでしょうが)、関東南岸も暴風域に入る可能性があるということですね。
続いて、比較のために米軍合同台風警報センター発表の予想進路図(クリック)。

速度は気象庁よりちょっと早めですが、コースはほぼ同じといってよいでしょう。
もちろん、日本の気象庁の予報円の範囲内の違いにすぎませんから、どっちが正しい・・・などと重箱のスミをつつくような話ではありません。
なお、太平洋高気圧の縁辺流と前線付近上空の南西風によって台風のコースが決定されるようです。
専門の計算値・・・MSMという計算値でいつものようにアニメを作りました。

台風接近前に秋雨前線が海上で活発になっています。
これが陸上だったら、かなりの大雨になっていたはずですから、ラッキー。
(コースが変わればアレ・・ですけど・・・)
もっとも、南岸中心にそこそこまとまった雨にはなりますから、昨日の雨と併せて注意は必要です。
では、もうちょっと・・・東日本にズームしてみましょう。

関東南部や東海東部は一日雨模様。
長野県付近は南部で雨域がかかりますが、大した雨にはならずに済みそう。
明日にかけての影響については、夕方17時発表の予報で最新の情報をチェックすればよいと思います。

今日は風速が15メートル前後の強風が南岸で吹きますが、秋雨前線による風が主体。
梅雨どきに吹く「はえ」と呼ばれる強めの風と同じです。
もっとも今夜以降は台風の接近に伴って北東の風が強まり、関東東方海上を中心に20メートルを超える可能性が出てきますから、週末のプレジャーボートなんかは出港をあきらめたほうがよいでしょうね。
そして・・・風が強まれば波も高まる・・・・

台風が接近する前に今夜から南岸では5メートルの波が予想されています。
波の方向を見ると、地上付近の寒気を運ぶ北東の風がおこした波と、台風の南東の風がおこした波が東日本南岸でミックス状態。
二つの波が合成され、三角波などイヤな波が立ちそうな状況が予想されます。
明日にかけて・・・警戒モードです。
もちろん、今日の段階で回復しているところもありますし、北日本は明後日に影響が考えられますから、明後日の予報は、今日11時発表の明後日の予報でチェックするのが吉。
今朝の週間予報は、昨日17時発表の古い予報ですから、日曜日の天気が気になる方は11時まで我慢してチェックするのがオススメです。
そして・・・やっと猛暑から解放されたエリアでは、また暑くなるんじゃないの?と心配されていると思いますが・・・・・

週間の気温傾向のグラフを見ると、28日(火)に平年を2℃前後上回るという結果が出ています。
どうして?

寒冷前線が通過するので、前線の南側に暖かい空気が流れ込むため・・・のようです。
理科の教科書では寒冷前線前面の「暖域」なんて言いますよね。
猛暑復活というわけではありませんし、前線が通過してしまえば、いきなり平年気温を下回ります。
で・・・疑問①~④はすべて解決・・・になっていればいいんですけど。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
したがってアヤシイといえばアヤシイですけど・・・困るほど雨が降るとは思えないので、当たりといってよいでしょう。
北部・・・まず雨の心配はないんじゃないでしょうか・・・予報は当たりでイイと思います。

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2010年09月23日
この冬の天気傾向は?3か月予報と寒候期予報(9月23日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 |

昨日、10月~12月の「三か月予報」と、10月~2月の「寒候期予報」が発表されました。
コンピューターによって算出される長期予報は、普通の予報のように、人によって解釈が微妙に異なるという性格のものではありません。
発表された内容を簡潔にまとめるだけにとどめておきますが、テレビの天気予報よりは詳しく・・・・
変動ある天気傾向を均すとこうなるよ・・・ということですから、サラッと見ておきましょう。

平年を基準にしてどうなるのか?という形で発表されますが、全国的に平年より高めになる確率が高い。
ご覧の通り西日本ほどその傾向が強いということのようです。

降水量にしても、長野県を含む太平洋側では降水量が平年より多くなる確率が高めだよ・・ということです。
気象庁が考えた見通しは以下のようになっています。

平年と比較して、気温は10月高め、11月平年並み、12月低め。
降水量は10月太平洋側で多め、11月平年並み、12月は北日本や東日本の日本海側多め。
各月ごとに見ると・・・・・

赤で塗ったところを読めば良いようにしておきました。
10月に気温が高めになる傾向については、今週末に発表される一か月予報で詳しくチェックしておく必要はありそうです。

過去の例のようになるのなら・・・・冬は、かなり寒くなることが予想されますが・・・・・
また、3か月予報で示されたように、12月に日本海側で降水が多いのなら、雪も多くなることになりますが・・・・
3か月予報で、12月の気温が低めと予想されているのと対応しているのが気になります。

わかりにくいことが書いてありますが・・・ようは、ラニーニャ現象による低温の影響はありそうだけど、計算結果の傾向や近年の冬の傾向から・・・イマイチこの冬、低温になるとは判断しかねる・・・という悩ましい結果になっているようです。
その結果、この冬の降雪についてはこんな感じに・・・・・

特に雪が多くなる・・・という予想にはなっていません。
ただ、ダメ押しで・・・・この春に寒の戻りがありましたが、そのときと同じ現象が発生して、寒気の影響を受ける可能性も・・・とグダグダ。
もっとも、3か月予報と併せて考えれば、12月のスキー場オープンは雪不足ということはないんじゃないかなぁ・・・という感じはしますけど。
いずれにせよ、寒い日と暖かい日をすべて平均してどうなるか?という話です。
しばしば、数日寒い日が続くと「暖冬予報ははずれた」と言い出す人がいますし、その反対のことを言う人がいます。
結果は冬が終わってから・・・・・ということですから、「せっかちに判断されるような予報ではない」ということだけは覚えておいてくださいね。

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2010年09月23日
台風12号予想進路と影響、秋分の日の雨と気温(9月23日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |


今朝の衛星画像とレーダー画像。
今日のチェックポイントは3つ・・・①雨の降り方、②台風の進路と影響・・・・そして③気温変化・・ですよね?
今日はさっさと本題へ・・・・

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

細かくエリア分けしても仕方がないので・・・こんな感じ。
「のち くもり」「のち 晴れ」マークの分布をみると・・・九州方面は早めの回復・・・東北日本海側も今日中に回復するけど・・・・東日本の回復は遅い・・・という傾向が読みとれます。
詳しくは降水のアニメでチェックすることにしましょう。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

回復の遅い東日本・・・雨の降り方は予報文を読むと傾向がわかります。
アンダーラインを引いておきましたが、雨のピーク・・・北陸は午前中、長野県付近は午後、南岸は夜ということになりそうです。
気になる気温・・・日中の最高気温は北ほど低くなっていますから、寒気が南下中ということが想像できます。

長野県北部の時系列予報ですが、涼しい今朝の気温が今日の最高気温!
明日朝にかけて気温は下がる一方。
最寄り地域の気温の下降傾向が気になる方は、下のURLでチェックしてみてください。
時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/

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秋雨前線がゆーっくりと南下。
午前中、関東沖に低気圧が発生して北東進しますから、それだけ前線の活動も活発に・・・・
夏の暖湿気と、晩秋の寒気が戦う激しい前線活動になりそうです。

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続いて、米軍発表の予想進路図。

台風の東側にある太平洋高気圧の西縁を北上し、日本上空の気圧の谷の南側・・・秋雨前線に対応する南西風に流されてこんなコースをとると予想されています。
秋雨前線対応の南西風に乗り遅れると、もう少し関東に接近してしまうんですけど、とりあえずその心配はなさそうです・・・とりあえず・・・
気象庁台風進路予想: http://www.jma.go.jp/jp/typh/1012.html
米軍台風進路予想: https://www.fnmoc.navy.mil/tcweb/cgi-bin/tc_home.cgi
で・・・台風がこのコースをとることによって、台風が接近する明日(24日)~明後日(25日)にかけてどんな影響があるのか?ですが・・・

台風の東側を北上する暖湿流が秋雨前線に流れ込んで大雨・・・という可能性が高かったのですが、その傾向はちょっと弱まった感じ。
それでも、関東甲信ではかなりまとまった雨になる可能性があります(風の影響の可能性は暴風警戒域でチェック)。
北は長野県中部あたりまで影響がありそうですが・・・Kasayanの住む長野県北部は・・・微妙なところです。

天気マークでチェックした雨の傾向とほぼ同じですよね。
前線上に低気圧が発生する東日本の回復が一番遅くなります。
その東日本にズームしてみると・・・

長野県はまさに午後がピーク。
関東付近は夕方以降にピークをむかえそう。
イベントには最悪の状態です・・・
ダメ押しみたいですけど、雨が活発な理由・・・・

342Kという雨の原料として一級品の夏の暖湿流が前線の南側に流れ込み、北側には晩秋の冷たさをもった乾燥した空気が南下。
空気の性質の差が激しすぎるんですね。
シトシトの秋雨という雰囲気じゃなさそうです。

北海道付近の上空には-30℃の寒気。
この寒気が能登半島の輪島にやってくると長野県北部でも雪になるほどの寒気ですが、まだ十分に接近していない昨日、北海道の大雪山で初冠雪が観測されています。
ということは、今夜から明日朝にかけては北海道北部の平地でも雪が舞う可能性だって考えられます。
それほどの寒気が今夜にかけて南下してきますから、「今朝の気温が今日の最高気温」というところが多くなる・・・というわけです。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
若干早い回復があったり、雨が息をするかもかもしれませんが・・・・基本的に今日の予報は当たるとしか・・・いえないです。
それでも雨が気になる方は、レーダーをチェックしてください。
気象庁レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
防災情報提供センター: http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a_top

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