2010年09月14日

雨降ってもう一段秋に近づく、猛暑打ち止め(9月14日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 Kasayanの住む長野・・・・今朝は涼しかった・・・というより肌寒く感じました。



 今朝の気温は17.5℃
 平年並の気温ですが、このところの異常高温のせいか妙に涼しく感じられます。

 昨夜、久々に善光寺まで散歩に行ったのですが、秋の観光シーズンを前に、誰もいない境内を独り占め状態。
 少しさみしい秋の情景に、帰宅後久々に松任谷由実の「九月には帰らない」を聴いちゃいました。

  ※9月の天気傾向、最新の一か月予報こちら
 


  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 単純に傘マークの付いているエリアとそうでないエリアでエリア分けしてあります。
 傘マークがついているエリアは北陸で「のち くもり」関東で「のち 雨」
 天気マークだけで、日本海側や東北で降っている雨が関東方面に南下してくるという傾向が、なんとなく読みとれますよね?

 天気マークはこんな風にチェックしてみるとイイですよ。



  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 こちらも、傘マークと太陽マークだけで線を引いてみました。
 北陸の雨は回復しますが、関東では「のち 雨」
 全国の天気と同じように傾向がわかります。

 でも、「のち」が何時か?わかりません。
 だから、予報文(上のリンク)が必読なんですよね。

 ところで、長野県北部に「所により 朝 雨」がついているだけですが、関東や北陸の雨の影響はないんでしょうか?
 あとで、チェックしておきましょう。



  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 普通の天気図だけを見れば、前線が南下して「秋晴れ」としか思えないかもしれません。

 でも、良く見れば、高気圧が二つに割れていて、その間が「弱い気圧の谷」になっています。
二つの「高気圧山」の間にある「谷」ですよね。

 今朝NHKニュースを聞いていたら、「上空の気圧の谷の影響で」北陸や東北の日本海側では、一時的に強い雨が降るので注意というコメントをしていました。
 天気予報でもしばしば使われますが、これって?????ですよね。

 今日は、上空の谷もチェックしてみます。



  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
 今日のポイント・・・・雨の原因と様子を順番にチェックしていきます。

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 上空の気圧の谷の影響?
 なんだかわかりにくい「上空の気圧の谷」ですけど、天気は上空も地上も密接に関係していますから、高い所で説明するか、低い所で説明するかの違いだけです。
 まずは、上空の気圧の谷を見てみましょう。



 説明は図の中に書きこんでおきました。
 昨日は低気圧や前線が通過して各地で雨が降りましたが、今夜東海上に抜ける上空の気圧の谷の西側で起こったこと
 NHKニュースの解説は、上空の気圧の谷が抜けきる直前の最後の影響があるといっているわけです。

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 弱い気圧の谷の影響で?
 次は弱い気圧の谷
 上の天気図のアニメで見た高気圧にはさまれて相対的に気圧の低い所・・・等圧線が閉じた低気圧には至らない程度の場所です。

 低気圧のように空気が渦を巻きませんけど、風向や風速の異なる風がぶつかったり、風向が急に変化する場所が発生
 これをシアーラインと言いますが、この部分で上昇気流が発生して雨雲ができるわけです。



 結局、上空の気圧の谷の影響で、地上付近に弱い気圧の谷ができて、シアーラインが発生・・・雨が降るというつながりがあるわけです。

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 雨の降り方は?
 シアーラインは今夜にかけて南下



 バラけながら関東中心に南下してくる様子がわかります。
 西日本方面のシアーラインは風向の急変によるもjのですから、風がぶつかる関東付近より弱く、南下するまでもなく消滅傾向のようです。

 東日本にズームしてアニメにすると・・・・



 午後になってシアーラインの雨が南下
 関東中心に激しく降る所もありそうですけど、関東と隣接する長野県の東側も少しだけ降水が計算されています。
 長野地方気象台発表の予報では雨が予想されていませんでしたけど、ちょっと心配ですね。

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 カラっとした暑さ・・夜寒気南下でさらに涼しく・・・でも不安定
 いくら秋の空気に覆われるといっても、まだ秋のスタートライン。
 彼岸前ですから、太陽の高度はまだプラス側・・・太陽が出れば気温はそこそこ上昇
 ムシムシしなければOKでしょうから、今日のムシムシ度?もおまけでチェックしておきます。



 湿度は気温によって変化してしまうので、空気に含まれる水蒸気の様子でチェック。
 青の湿った空気は、昨日と比べてずっと南下しています。
 今日は少し湿った空気が残っていますが、夜シアーラインが通過すれば、もっとカラっとしてくるでしょうね。

 シアーラインの後ろ側には、久々に寒気が南下してきていますが、その様子は昨日の記事を見てください。
 昨日、涼しさがイマイチだった所でも、今夜から明日朝にかけては涼しくなるはずです。

 そのぶん、大気も不安定になって、シアーライン通過時の雨が激しくなりそうですけれど・・・(09時40分追記:書き忘れてました)
 梅雨明けの雷雨の反対ですね。



  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 今日の長野県の天気予報・・・北部に朝のうち雨を予想しているだけ
 県境の山々がシアーラインをバラけさせて雨はない・・・あるいは少ないと予想していると思われます。
 また、分布予報(ガイダンス)という統計的な計算値もその傾向をしめしています。

 ただ・・・・MSMという上のアニメの降水でここまで計算される場合は、そこそこ降るんですよね・・・・
 ということで、長野県の東側に限っては、今日の予報はアヤシイと思います。

 12時50分追記
 昼過ぎから雷雲が発生し、長野県北部もかなりアヤシイ状態。レーダーでの実況監視が優先される状態です。11時発表の予報も朝の予報とほぼ変わりがありませんが、突然の雷雨に気配りが必要かも?
 レーダー①http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
 レーダー②http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a
 Xバンドレーダー
       http://www.river.go.jp/xbandradar/nowcast_top_kanto01.html

 13時35分追記
 長野市内で雨が降り出しています。上に掲載したMSMの降水アニメを参考にしてください。
 また、13時30分頃、予報も県内各地「所により 雨 で 雷を伴う」が追加訂正されています。






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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)