2010年09月12日
暑さ今日がピーク、突然の雨に注意!(9月12日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
今日の天気予報はあたるんでしょうか?

今日の天気チェックの前に・・・・昨日、GPS衛星「みちびき」の打ち上げをネット中継で見ちゃいました。

打上げ時の気象の要件・・・風速などの要件に加えて、積乱雲を通過しないことや、雷に打たれる恐れがないことなどが挙げられていました。
打上げが行われる種子島の気象状況を見ながら、久々に元エンジニア(VHSビデオヘッドの開発技術)の気持ちに戻って、ワクワクしながら見ていたわけですが・・・・

種子島のお隣の屋久島に積乱雲がかかっていたんです。
南西の湿った風が屋久島の高い山にぶつかって積乱雲が発生していたようですが、種子島でも発生するんじゃないか?などと思って、地図を見ると・・・・種子島って最大標高が282mしかないんですね。
これじゃ、湿った空気がぶつかって、無理やり上昇気流発生・・・積乱雲が発生する場所がない。
・・・・ロケット発射に適しているんですね。
ロケット発射時の写真を見ると、一方方向に煙がたなびいていますから、この写真、発射地のどちら側から撮影したんだろう・・・風速2~3m/sくらいだと、こんな煙になるんだろうか?などと思いながら楽しみました。
屋久島で発生したような積乱雲・・・今日は西日本~東日本の日本海側中心に発生しそうです。
※9月の天気傾向、最新の一か月予報はこちら。
※週間予報はこちら。
(昨日に続く、雨のエリアのチェック方法のウンチクは明日に持ち越します。ゴメンナサイ)

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?

東北や北陸には、昨日に引き続き「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第3号」が発表されています。
大雨情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
大雨情報の中には、「西日本、東日本でも日本海にある低気圧と前線に向かって、暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が不安定となり、1時間30ミリ前後の激しい雨が降る所がある見込みです。」と書かれています。
この図では、九州や日本海側のエリア中心ということがわかりますよね。
この図のように天気マークをグルーピングすると、大雨情報や注警報の解説の内容を視覚的に理解することもできるんです。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。

東日本の天気マークもグルーピングしてみると、傘マークが長野県を迂回しています。
屋久島の南西側に積乱雲が発生していたように、北アルプスの西側で積乱雲が発生して、長野県付近ではあまり雨雲が発達しない傾向にあるようです。
また、北アルプスと乗り越えた風は下降気流になりますから、雲を消す作用もあります。
予報文に「所により 雨」と書いてありますが、北アルプス付近や北信五岳、そして、下降気流が再び上昇する傾向にある志賀高原などの高い山中心になりそうですね。
また、志賀高原を乗り越えて関東に吹き下りる風で、群馬県などではフェーン現象が発生。
各地で35℃の最後?の猛暑日が予想されています。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

日本海の低気圧は、台風10号崩れの温帯低気圧。
発達しながら東北へ進みますから、東北では夜には再び大雨の恐れが高まってきます。
また、低気圧と前線の南側は湿った暖かい空気が大量に流れ込みますから、大気が不安定。
前線通過時には竜巻や突風のおそれがあります。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。

前線の南側には、断続的に345Kという短時間強雨を降らせるには十分な湿った空気が流れ込むようです。
特に、この空気がぶつかる高い山の南西斜面では突然の雷雨の発生が予想されます。

暖かく湿った空気の流れを矢印で示してあります。
低気圧付近では反時計回りの渦。
前線の南側では西南西~南西の風。
低気圧の東側の温暖前線付近で特に雨が活発。
一方、低気圧の西側の寒冷前線付近の雨はシャープ。
今夜21時の段階で、雨雲本体は九州~日本海ですが、その南側で所々、雨が予想されています。

低気圧本体の雨は相当活発・・・さすがに元台風10号。
一方、台風崩れなので、寒冷前線がイマイチ活発ではなくて、北アルプスにブロックされる傾向。
長野県北部では県境の高い山々中心の雨になって、時折流れ込んでくる雨雲で雨が降るといことになりそうです。
もっと視覚的に・・・・・

西南西の風が中部山岳地帯を南北に迂回し、北アルプスや上越国境付近で雨を降らせる様子がよくわかりますよね。
でも・・・リアルに見えますけどあくまでこれは傾向ですよ。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
今日の長野県の予報・・・低気圧や前線から遠い中部や南部ほど晴れる時間が長く予想されています。
また、雨については「所により」にして、にわか雨の可能性を網羅しています。
北部や中部の予報はあたる・・・でイイと思います。
もっとも南部の予報は「夜遅く 雨」にしていますが、午後には南アルプス付近で、夕立のような雨の可能性が計算されています。
発生しても一時的、局所的でしょうから、前線が南下する「夜遅く」でイイとは思いますが、午後には夕立のような雨があるかもしれない・・・程度は頭に入れておいたほうがよいかもしれません。
長野市内・・・今朝もパラッと雨があって、なんだか梅雨末期の雰囲気です。

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可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)