2010年09月26日
夕方以降は雨に注意!弱い気圧の谷で起こること(9月26日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

各地の今朝の気温はこんな感じ・・・

北海道で氷点下の気温を観測していますが、長野県も野辺山で0.3℃。
今朝は晴れたので、放射冷却も加わって、高原では初霜があったかもしれません。
ただ、明後日28日にかけて気温は急上昇・・・平年を上回る気温に戻りそうです。
その様子は、夜・・・時間があったら週間予報のまとめの中で。
(昨日、一か月予報についてまとめておきました。昨日の記事)
「性質が変わっただけ」
波が高い状態が続きますから、太平洋岸はまだまだ注意です。


おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

朝目覚めて・・・秋晴れ!と感じた方・・・多いでしょう。
でも天気予報の傘マークを見て・・・アレ?と思いますよね?
どうして東日本に傘マーク・・・「のち 雨」がついているのか?
天気図を見ればわかるのですが、天気図の勉強をしていないとちょっとわかりにくい気圧配置。
週末のテレビの天気予報は、電話の177みたいな簡単なものばかりですが(放送局も週末は最小人員です)、しっかりとした解説原稿が欲しい今日の空模様です。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

「のち 雨」マークが多い東日本。
予報文で「のち」のタイミングを見ると、長野県南部、愛知県や静岡県が「夕方 から」。
その他のエリアが「夜」ですから、東海付近から降り出して、次第に北東へと拡大していくという感じです。
今日の予報のチェックポイントは降り出しのタイミングですね。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

日本海から太平洋側へと秋の移動性高気圧が通り過ぎていきますから、基本的に晴れベースの日本ですけど・・・・・・
高気圧が足早に通り過ぎ、日本付近は朝鮮半島付近の高圧部との間の弱い気圧の谷になってしまいます。
低気圧になりきれない低圧部ですから、そこには風が吹き込みます。
吹きこんだ風は上にいくしかありませんから、上昇気流発生・・・・・上空には寒気があるので、大気は不安定気味。
弱い気圧の谷にもかかわらず、雨雲はしっかり発達してしまいそうです。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |
そこで、弱い気圧の谷の中の空気の流れ・・・・

高気圧からは時計回りに空気が吹きだしますから、高気圧の中心が三陸沖に抜けると・・・・
東海地方に南東の風が吹きこんできます。
また、弱い気圧の谷は低気圧になりきれない低圧部ですから、反時計回りに風向が曲げられて、風が収束・・・・雨雲が発生します。
高気圧の中心が早く移動すれば、それだけ早く雨雲が発達するという関係ですね。

急速に雨雲が発達するんですね。
東日本上空には-9℃の寒気が入っていますから、ちょっと暖かめの南東の風が吹き込むと大気は不安定。
雨雲が発達しやすい状況が整っています。
東日本にズームしてアニメで・・・・

午後になると急速に雨雲発達。
予報の用語では、15時以降を「夕方」、18時以降を「夜」といいますが、このアニメのタイミングで雨が降り出すとすると、東海では「昼過ぎ」、関東南岸では遅くとも「夕方」には降り出すという感じです。
気象庁発表の予報文ではどうなっていましたっけ・・・・・

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
中部も「夜」・・・18時でよさそうな感じ。
若干早めに降り出す可能性はありますが、地域全体の平均天気な天気として考えるなら、今日の雨の降りだしのタイミング・・・予報は当たるといってイイと思います。
一方、関東・・・東京も神奈川も「夜」の降りだしを予想していますが、こちらは計算値をずいぶん割り引いて予報を作っているように思います。
安全マージンを考えれば、「早ければ 夕方には雨」と考えておいたほうがよいかもしれませんね。

コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)