2010年09月23日
この冬の天気傾向は?3か月予報と寒候期予報(9月23日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 |

昨日、10月~12月の「三か月予報」と、10月~2月の「寒候期予報」が発表されました。
コンピューターによって算出される長期予報は、普通の予報のように、人によって解釈が微妙に異なるという性格のものではありません。
発表された内容を簡潔にまとめるだけにとどめておきますが、テレビの天気予報よりは詳しく・・・・
変動ある天気傾向を均すとこうなるよ・・・ということですから、サラッと見ておきましょう。

平年を基準にしてどうなるのか?という形で発表されますが、全国的に平年より高めになる確率が高い。
ご覧の通り西日本ほどその傾向が強いということのようです。

降水量にしても、長野県を含む太平洋側では降水量が平年より多くなる確率が高めだよ・・ということです。
気象庁が考えた見通しは以下のようになっています。

平年と比較して、気温は10月高め、11月平年並み、12月低め。
降水量は10月太平洋側で多め、11月平年並み、12月は北日本や東日本の日本海側多め。
各月ごとに見ると・・・・・

赤で塗ったところを読めば良いようにしておきました。
10月に気温が高めになる傾向については、今週末に発表される一か月予報で詳しくチェックしておく必要はありそうです。

過去の例のようになるのなら・・・・冬は、かなり寒くなることが予想されますが・・・・・
また、3か月予報で示されたように、12月に日本海側で降水が多いのなら、雪も多くなることになりますが・・・・
3か月予報で、12月の気温が低めと予想されているのと対応しているのが気になります。

わかりにくいことが書いてありますが・・・ようは、ラニーニャ現象による低温の影響はありそうだけど、計算結果の傾向や近年の冬の傾向から・・・イマイチこの冬、低温になるとは判断しかねる・・・という悩ましい結果になっているようです。
その結果、この冬の降雪についてはこんな感じに・・・・・

特に雪が多くなる・・・という予想にはなっていません。
ただ、ダメ押しで・・・・この春に寒の戻りがありましたが、そのときと同じ現象が発生して、寒気の影響を受ける可能性も・・・とグダグダ。
もっとも、3か月予報と併せて考えれば、12月のスキー場オープンは雪不足ということはないんじゃないかなぁ・・・という感じはしますけど。
いずれにせよ、寒い日と暖かい日をすべて平均してどうなるか?という話です。
しばしば、数日寒い日が続くと「暖冬予報ははずれた」と言い出す人がいますし、その反対のことを言う人がいます。
結果は冬が終わってから・・・・・ということですから、「せっかちに判断されるような予報ではない」ということだけは覚えておいてくださいね。

コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年09月23日
台風12号予想進路と影響、秋分の日の雨と気温(9月23日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |


今朝の衛星画像とレーダー画像。
今日のチェックポイントは3つ・・・①雨の降り方、②台風の進路と影響・・・・そして③気温変化・・ですよね?
今日はさっさと本題へ・・・・

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

細かくエリア分けしても仕方がないので・・・こんな感じ。
「のち くもり」「のち 晴れ」マークの分布をみると・・・九州方面は早めの回復・・・東北日本海側も今日中に回復するけど・・・・東日本の回復は遅い・・・という傾向が読みとれます。
詳しくは降水のアニメでチェックすることにしましょう。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

回復の遅い東日本・・・雨の降り方は予報文を読むと傾向がわかります。
アンダーラインを引いておきましたが、雨のピーク・・・北陸は午前中、長野県付近は午後、南岸は夜ということになりそうです。
気になる気温・・・日中の最高気温は北ほど低くなっていますから、寒気が南下中ということが想像できます。

長野県北部の時系列予報ですが、涼しい今朝の気温が今日の最高気温!
明日朝にかけて気温は下がる一方。
最寄り地域の気温の下降傾向が気になる方は、下のURLでチェックしてみてください。
時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

秋雨前線がゆーっくりと南下。
午前中、関東沖に低気圧が発生して北東進しますから、それだけ前線の活動も活発に・・・・
夏の暖湿気と、晩秋の寒気が戦う激しい前線活動になりそうです。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |

続いて、米軍発表の予想進路図。

台風の東側にある太平洋高気圧の西縁を北上し、日本上空の気圧の谷の南側・・・秋雨前線に対応する南西風に流されてこんなコースをとると予想されています。
秋雨前線対応の南西風に乗り遅れると、もう少し関東に接近してしまうんですけど、とりあえずその心配はなさそうです・・・とりあえず・・・
気象庁台風進路予想: http://www.jma.go.jp/jp/typh/1012.html
米軍台風進路予想: https://www.fnmoc.navy.mil/tcweb/cgi-bin/tc_home.cgi
で・・・台風がこのコースをとることによって、台風が接近する明日(24日)~明後日(25日)にかけてどんな影響があるのか?ですが・・・

台風の東側を北上する暖湿流が秋雨前線に流れ込んで大雨・・・という可能性が高かったのですが、その傾向はちょっと弱まった感じ。
それでも、関東甲信ではかなりまとまった雨になる可能性があります(風の影響の可能性は暴風警戒域でチェック)。
北は長野県中部あたりまで影響がありそうですが・・・Kasayanの住む長野県北部は・・・微妙なところです。

天気マークでチェックした雨の傾向とほぼ同じですよね。
前線上に低気圧が発生する東日本の回復が一番遅くなります。
その東日本にズームしてみると・・・

長野県はまさに午後がピーク。
関東付近は夕方以降にピークをむかえそう。
イベントには最悪の状態です・・・
ダメ押しみたいですけど、雨が活発な理由・・・・

342Kという雨の原料として一級品の夏の暖湿流が前線の南側に流れ込み、北側には晩秋の冷たさをもった乾燥した空気が南下。
空気の性質の差が激しすぎるんですね。
シトシトの秋雨という雰囲気じゃなさそうです。

北海道付近の上空には-30℃の寒気。
この寒気が能登半島の輪島にやってくると長野県北部でも雪になるほどの寒気ですが、まだ十分に接近していない昨日、北海道の大雪山で初冠雪が観測されています。
ということは、今夜から明日朝にかけては北海道北部の平地でも雪が舞う可能性だって考えられます。
それほどの寒気が今夜にかけて南下してきますから、「今朝の気温が今日の最高気温」というところが多くなる・・・というわけです。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
若干早い回復があったり、雨が息をするかもかもしれませんが・・・・基本的に今日の予報は当たるとしか・・・いえないです。
それでも雨が気になる方は、レーダーをチェックしてください。
気象庁レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
防災情報提供センター: http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a_top

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)