2010年09月27日
今日~明日は雨模様、気温は上昇傾向へ(9月27日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |


今朝のレーダー画像。
日本では三か所で雨模様。
それぞれの雨の理由を書き込みましたけど、それぞれの雨エリアは今日から明日にかけて足早に変化。
天気図を見ても、あの低気圧がこうなって・・・この前線がこっちへ延びて・・・なんていうように、ちょっとわかりにくいかも。
「のち」と「一時」「時々」しかない天気マークの天気予報だけでは、天気傾向を読み誤りやすいので注意してください。
(昨日は時間がなくて、週間予報をまとめられませんでした・・・今日はどうかなぁ・・・・・)

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

今日の一言で書きましたが・・・今日は天気マークだけで判断すると失敗する可能性あり。
エリア分けをすると、さらに誤解を生みそうなので、「北日本に傘マークが少ないね」・・・くらいに思っておいてください。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

東日本・・・早朝の段階で雨の所が多くなっていましたが、回復に向かっています。
なのに・・・長野県では「のち 雨」マーク。
予報文には「夜遅く 雨」と書かれています。
また、関東方面では傘マークが右側の曇りベースの天気マークと、左側の雨ベースの天気マークが混在していて、ぐずつくんだな・・・ということはわかりますが、天気分布がイマイチわかりません。
こんなときこそ、下に掲載した雨のエリアのアニメーションを見て、天気変化をイメージした後、天気マークと予報文を見ると、正しく予報を理解することができると思います。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

天気を悪くする原因が3つ・・・日本の北・東・西にあります。
それぞれが変化するので、天気変化の傾向をマークや予報文で伝えるのが難しいんですよね。
テレビの解説は比較的簡単ですけど、ラジオだとかなり辛い感じ。
今日のラジオの解説で、この様子を簡潔明瞭に伝えているお天気キャスターは本物。
(南岸の様子だけを伝えたり、予報だけを伝えてごまかすキャスターは・・・・)
下に、今日から明日にかけての気圧配置の変化を簡潔にまとめておきましたから、そちらで確認してください。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |

赤丸が低気圧、赤線が前線。
今日・・・九州付近の低気圧・前線と、関東付近の風がぶつかって雨雲が発生するエリア(シアーライン)が天気を悪くする主役。
明日・・・発達しながら北海道方面に進む低気圧と前線が加わります。
この低気圧と前線に吹き込む暖かい南風の影響で、明日は西日本中心に気温が一気に上昇して、平年越え。
西日本では30℃近くまで上昇しそうです。
特にシアーラインがわかりにくいので、空気の流れの図で見てみましょう。

天気予報の解説では「気圧の谷」の影響などと言われますが、空気がぶつかる場所のこと。
低気圧とは解析されない弱い低気圧があると思えばイイですけど・・・いつも分かりにくいですよね。
地上の気圧配置の設計図・・・上空5700m付近の天気図はこうなっています。

地上付近の気圧配置は複雑ですけど、上空はいたってシンプル。
日本付近は上空の深い気圧の谷に覆われています。
こんな気圧の谷が周期的にやってくるから秋の天気はコロコロ変化するわけですが、今回の気圧の谷は、晩夏・初秋・晩秋・初冬のすべてが圧縮された谷。
上空の気温も見てみましょう。

上空の気圧の谷の中心にはマイナス24℃以下の初冬の寒気。
その南側・・・日本付近は秋の空気・・・さらに南の太平洋には晩夏の空気。
上空の気圧の谷の付近に、これら三つの空気が圧縮されていて、明日は北海道付近で寒気と暖気が渦を巻きます。
地球の温度を均一化するために低気圧ができるわけですが、これだけ温度差があると、温度を均一化するために激しい渦を作る必要がありますから・・・低気圧が発生、発達しやすい状態になっているわけです。
今日の雨の様子・・・・

西日本は単純に低気圧と前線が進んできて下り坂。
東日本は、シアーラインの雨が東へ進んでいったん回復するものの、西の低気圧や前線がやってきて、夜には再び下り坂という流れです。
北海道方面は、弱い低気圧(気圧の谷)が通過してぐずつき気味といったところでしょうか。
東日本を詳しく見ると・・・・

ご覧のとおり。
長野県の予報は「夜遅く 雨」でしたけど、県西部や南部はもうちょっと早そうですね。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
「夜遅く 雨」の予報ですけど、ちょっと早めに降り出す可能性もありましたよね。
地域の平均的な予報としてはイイと思いますが、予報を受け取る立場としてはもうちょっと安全マージンをとって、18時以降はいつ降ってもおかしくない・・・くらいの気持ちでいたほうがよさそうです。

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
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Posted by kasayan at 07:48│Comments(0)
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