2010年09月22日
台風12号予想進路、今日の雨と中秋の名月は?(9月22日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

台風12号が発生して、その影響が気になる方も多いと思いますが、まずは今朝のレーダー画像から。

日本海側に真っ赤な強い雨の帯が長々と横たわっています。
御察しのとおり秋雨前線が南下してきているわけですが、大雨に関する情報(ニュースで「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」と言っているヤツ)が発表されています。
大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第2号 平成22年9月22日04時52分 気象庁予報部発表 東北地方では、22日明け方から朝にかけて非常に激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう。西日本や東日本でも、23日にかけて激しい雨が降る見込みです。土砂災害、低地の浸水、河川の増水やはん濫に警戒して下さい。また、落雷、竜巻などの激しい突風、降ひょうにも注意して下さい。 大雨情報(原文): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/ |
そうそう・・・最後の残暑についても・・・ですね。
16時20分追記 明日の秋分の日・・・残念ながら一日雨の所が多く、大雨の可能性も。 (北陸、東海120 ミリ、関東甲信、近畿、中国100 ミリ) 最新の計算値(MSM)を掲載しておきます。 ところで、今日三か月予報と寒候期予報が発表されています。まとめたので明日掲載したいと思います。 ![]() |

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

北海道だけは例外。
全国的に傘マークがついていますが、太平洋側では「のち 雨」マークになっています。
「のち 雨」のタイミングは何時頃?どの程度の雨が降るの?については、あとでアニメでチェックします。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

「のち 雨」のタイミングは、予報文を読めばわかります。
スイッチが切り替わるように雨が降るわけじゃありませんから、エリアごとの天気変化は、ある程度幅をもった予報文を使うのがイイでしょう。
ピンポイント予報は安全マージンがとられていませんから。
天気変化のタイミングは図中の書き込みを読んでいただくとして、最後の残暑はどのタイミングで終わるのか?・・・気になりますよね?

これは長野県中部の時系列予報ですが、気象庁発表の時系列予報の天気マークは「中部」などのある程度広いエリアの平均的な天気を表示しています。
安全マージンがとられているので、こちらがオススメ。
そして、代表的な地点の気温傾向が描かれていますから、こちらで最寄りの地域の「残暑が終わるタイミング」をチェックしてみてください。
時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

前線南下・・・といえば単純ですが、今回の前線は夏と晩秋(初冬)の寒気がぶつかる強烈な前線なので、晩夏・秋・晩秋・初冬・・・それぞれの季節が圧縮された前線です。
このため、前線も一本の雨雲の帯と考えるより、それぞれの季節の境目に何本も細い雨の帯があると考えて、何回か雨が通り過ぎると思ったほうがよいかもしれません(詳しくは雨のアニメで)。
あと、寒気の南下がちょっと遅れ気味。
涼しくなったと思っても、明日、明後日にかけてジワジワと肌寒さを感じるまで気温の下がる地域もありそうです。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |

気象庁発表の予想進路図はテレビでもやっているので、米軍合同台風警報センターの予想進路図。 (なんでこのようなコースになるかは、昨日の記事をお読みください)
米軍予想進路図(13W): https://www.fnmoc.navy.mil/tcweb/cgi-bin/tc_home.cgi
日本の気象庁の予想とほぼ同じで、25日に東日本に最接近したあと、日本のはるか東を北東進。
台風の直接の影響は少なそうですが、間接の影響は?

台風からの湿った空気が南岸の秋雨前線に流れ込んで雨雲発達。
明後日24日には、本州南岸を中心にまとまった雨が計算されています。
前線の位置によって、日本海側への影響が大きく変化しますから、一応目安ということにして、新しい天気予報でチェックするようにしてください。

前線の降水帯が南下するわけですが、2~3本の降水の帯があるのがわかりますか?
今日日中に通過する雨の帯はそこそこの強さ。
今夜以降南下してくる雨の帯は黄色で表示されているようにかなり活発です。
それぞれの雨の帯が、南北に圧縮された晩夏~初冬の季節の境目。
「のち 雨」のタイミングは、このアニメと最寄りの予報文で確認してくださいね。
東日本を拡大してみましょう。

朝9時も夜9時も似たような雨の様子ですが、朝北陸にある雨の帯は晩夏と秋の境界。
夜北陸を南下する雨の帯は秋と晩秋の境界といったところでしょうか?
日中南下する雨の帯については、西から流れてくる雨雲は北アルプスなどの山々に遮られるので、日中は北部中心。
夜に南下する雨の帯は背が高く、北風が強制的に雨雲を押し下げますから、比較的広いエリアで強い雨が降る可能性がありそうです。
このように何回も雨が降る理由をちょっとだけ・・・・

青が濃いところが湿潤な雨の原料たっぷりのエリア。
乾燥空気と湿潤空気がぶつかるエリアに前線ができやすいのですが、今日の湿潤エリアの南北には乾燥エリアとやや乾燥したエリアがあって、二つの前線帯・・・雨雲発達ライン(赤点線:相当温位集中帯、西~北西風主体と西~南西風主体)があるのがわかりますよね。
明後日には、台風付近の湿潤エリアと前線付近の湿潤エリアの合体が予想されますから、雨の原料たっぷりになって南岸の大雨が懸念されるわけです。

今夜の上空の気温ですが、18℃ラインは残暑と秋を分けるラインで、6℃ラインは秋と晩秋を分けるラインといったところ。
北日本のわずか数百キロの間に等温線が6本もあって、気温差が激しいことがわかります。
6℃ラインは明後日にかけて北陸付近まで南下してきますから、明後日にかけて気温がグッと下がることがわかりますよね。
北海道には0℃のラインが南下してきますから・・・いよいよ初雪の可能性がでてきました。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
イメージ的に今日は雨でダメだぁ・・・という感じがしますけど、予報文のように、今日日中に南下する前線はちょっと貧弱・・・・アルプスの山でバラけてしまいます。
中部や南部では”日中に関しては”ぐずつく可能性がある程度に考えて、夜からが本格的な雨と思っていれば予報は当たるといえますけど、きちんと理解していなければハズレと感じる方も多いんじゃないかと思います。
あと・・・北部の予報・・・5時に発表されたあと、6時に「激しく降る」が追加訂正されたんですよね。
どの程度強い雨になるか?微妙なところですけど、大雨情報が出ていますし、注意報も出ていますから、カラ振りの可能性もありますが、信じて用心することにしましょう。
伝える立場の人間の思い入れがどれだけあるか?が試される天気だと思います。
あ・・中秋の名月・・南部は若干可能性があるかもしれませんけど、北部は厳しいかな?
20時35分追記 中秋の名月・・・多くの天気予報では「北海道以外は厳しい・・」というコメントがあったかと思いますが、太平洋側の各地で見えているんじゃないかな?と思うんですが・・・どうでした? ![]() |

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)