2010年09月04日
天気予報は当たるのか?(9月4日)フェーン発生猛暑続く

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
台風9号が沖縄に接近していますが、沖縄以外は晴れのエリア。
この週末も猛暑日があちこちで予想されています。

猛暑いつまで?この先一か月の予報が昨日発表されています。
昨日の記事(クリック)にまとめておきましたので、恐いもの見たさ?という気持ちがあればご覧ください。
9月といえば、日の入りが早くなり、影も長くなって、天文的には北半球の加熱も弱まります。
平年なら、この一か月で日最高気温の平年値は5~7℃程度下がってきますから、いくら日中気温が上昇したとしても限度があります。
暑い地域でも朝晩は涼しくなる・・・・のは・・・・そう遠くないはずですが・・・・・
13時40分追記:今日(4日)だけのために、「高温に関する関東甲信地方気象情報 第1号」が発表されています。そのくらい、”今日は特別に暑い日”ということです。主にフェーン現象の熱風が吹き下りる関東平野の話です(濃尾平野も高温ですがこの情報の対象外)。風上の長野県は昨日なみ?
高温に関する関東甲信地方気象情報 第1号
平成22年9月4日11時11分 気象庁予報部発表
■見出し
関東甲信地方では、4日は気温が高くなり、厳しい暑さとなるでしょう。特に、群馬県や埼玉県では最高気温が38度を超える所がある見込みです。
■本文
関東甲信地方は、高気圧に覆われ全般に晴れています。
このため、、関東甲信地方では気温が上がり、4日日中の最高気温が35度を超える所が多くなる見込みです。特に、群馬県や埼玉県では、最高気温が38度を超え、厳しい暑さとなる所があるでしょう。
また、関東甲信地方では5日朝も最低気温が高く、日中も厳しい暑さとなるでしょう。
熱中症など、健康管理に十分注意して下さい。また、農作物の管理にも注意して下さい。
今後、地元気象台の発表する情報に留意して下さい。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

沖縄が台風警戒エリアになりますが、他のエリアは細かくエリア分けできませんでした。
太陽マーク優先。
むしろ気温が気になるでしょうから、全国の予想最高気温。

名古屋で38℃の予想。
東日本~西日本では35℃以上の数字がゴロゴロ。
9月になってこの夏一番の気温が観測されたりしていますが、今日も記録を生む一日になるかもしれません。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

天気マークは「のち くもり」ですが、予報文には「所により・・・雨」。
長野県周辺の県の予報文すべて目を通しましたが、「雨」や「雷」という文字はありませんでしたから、長野県だけ。
長野地方気象台発表の天気概況には「雷雨」という表現ではなくて「にわか雨」という表現がが使われていましたから、予報官は弱ーい局地的な雨をイメージしているんでしょうね。
飯田の予想気温は35℃。
朝はひと頃に比べて涼しくなってきた長野県ですが、日中の暑さはまだまだ続きそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧の周辺を時計回りに回る風が日本海側から吹き込みます。
この風が長野県付近の山々を乗り越えて関東や東海に吹き下りるとフェーン現象発生。
ただでさえ太平洋高気圧からの熱風の吹き下ろしで暑いのに輪をかけてしまいます。
もう一つオマケがありました・・・一番上空にはチベット高気圧がありますから、今日は3段がさねの暑さですね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
太平洋高気圧、いつまで強いのよ?(上の段、上空5900m付近天気図)ということと、台風9号はどうなるのよ?(下の段、地上天気図と12時間降水量)という二つをまとめてアニメにしておきました。

明日にかけて、上空にある太平洋高気圧のコアの部分は少しだけ小さくなりますが、弱まるという表現がためらわれる程度。
一方、台風9号は、台風7号と同様、太平洋高気圧にブロックされて東へと進めないので、黄海か朝鮮半島方面にしか進めないという状態です。
下の段の点線の内側は降水が予想されるエリアですが、台風に集中しているのは当然として、九州をかすめる程度で海上を北上していきます。
さて、今日の猛暑をもたらすフェーン現象の様子。
暖湿気の流れをチェック。

湿った空気のメインの流れは、台風の東側を北上して朝鮮半島方面へ。
オマケの流れ?が九州方面北上、日本海経由で、東日本へと流れ込みます(オレンジの矢印)。
長野県付近の山を乗り越えて東海や関東に吹き下ります。
これがフェーン。
もっと分かりやすくしてみましょう・・・・

ポイントは書き込んでおきました。
(衛星画像も動画にしてこんな図をイメージするとイイですよ)
ということで、今日の雨の様子。

そこそこまとまった雨が予想されるのは九州北部の夜の雷雨くらいでしょうか。
沿海州に計算されている雨域は明日午後あたりに北海道にやってくることになりそうです。
そして、東日本。

夕立が少ないということを確かめただけになりました。
山梨県付近に夕立が計算されていますが、甲府地方気象台の予報には夕立が予想されていません。
フェーン現象が顕著ということ、GSMという別の計算値なども考慮して、割り引いて考えているんでしょうけど、それだけ砂漠のような暑さということなんでしょう。
今日の天気予報・・・・ある意味はずれて欲しいんですけど・・・当たるんでしょうね。
明日は、来週の週間予報もまとめてみたいと思います・・・できれば・・・
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)