2010年09月28日
雨はいつ止む?秋雨前線と寒冷前線(9月28日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

東日本と北日本は雨模様の一日。
今朝の空模様は?・・・・

赤外画像を見ると、午前3時には紀伊半島付近に活発な雨雲。
雨雲の下の雨はどんな降り方?

やっぱり紀伊半島付近で激しい雨ですが、東北方面まで雨エリア。
この雨・・・どうして降っているの?

雨の理由は実況天気図で確認。
紀伊半島付近に低気圧と前線がありますから、コイツが原因のようです。
そして・・・これからどうなるの?・・・その理由は?という目で天気図や計算値をチェックしていくのが、天気予報のストーリー。
ネットで天気予報を見るとき、こんなストーリーを忘れがちですけど、ストーリの無い天気チェックは占いと同じ・・・
天気予報の安全マージンも理由もわかりません。
今日のような天気のときは、自分でストーリーを考えながらチェックするのがオススメ。
今日の天気は2ステップで変化していきます。
雨雲もどんどん変化していきますから、このブログをお読みになった時点のレーダーをチェックして、どの段階なのか?を確認してください。
気象庁レーダー画像: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

東日本・北日本が2ステップで天気が変化するエリア。
日本海側は傘マーク一発の一日雨モードですが、南岸は南で「のち くもり」、北で「のち 雨」マークがついていて、順番に天気が変化していくことがわかります。
どんなタイミングで天気が変化するの?・・・は、予報文を読むのが基本です。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

東日本も日本海側は一日ぐずつきモード。
太平洋側は西から回復しますけど、そのタイミングは・・・長野県で「夕方 から」。
午後3時あたりから回復ということですが、「のち 晴れ」ですから、急速に回復するようです。
詳しくは降水のアニメでチェックしてみましょう。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

2ステップの天気変化・・・①南岸の低気圧と前線が北東進して、東日本・北日本太平洋側中心にまとまった雨、②日本海から寒冷前線が南下して通過時に強い雨や落雷、というステップ。
寒冷前線が通過するとき、その前面には暖気が流れ込み、通過後は寒気が南下してくるのは中学校の教科書にも書いてありますが、今日もそうなります。
雨が降っている間は気温は上がりにくいですが、南岸の雨が止んだあとは気温上昇・・・特に西日本では30℃近くまで・・・ジメッとした蒸し暑さを感じるかもしれません。
ただ、雨の回復が遅れるエリアでは、気温が上がるまでもなく寒気の影響をうけそうです。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |
計算値が発達を示唆しているから・・・・というのは占いと同じですから、上空の天気図も使って複合的に判断しなくちゃいけないんです・・・・本当は。

上空の気圧の谷が深まれば・・・そして上空の気圧の谷の東側に地上の低気圧があれば・・・地上の低気圧は発達します。
書き込みを読んでいただければ、南岸の低気圧は発達しないけど、沿海州の低気圧が発達するという理由がわかります。
もっとも、地上の低気圧の発達は上空の気圧の谷の深さだけで決定されるものではありません。
強い寒気と強い暖気が低気圧でまじりあう状態になればなるほど低気圧は発達しますし、低気圧とセットになっている前線も活発になります。

上空(5700m付近)と地上付近(1500m付近)の気温でチェックするわけですが、低気圧を境にして、東側に暖気が北上、西側に寒気が南下してくる傾向です。
やっぱり沿海州の低気圧は発達。
さらに、どの程度の雨が降るのか?については雨の原料の量を示している相当温位図をチェックします。

前線の南側には、そこそこ多めの雨の原料。
前線や低気圧付近には雨の原料がちゃんと供給されて大雨の可能性がありそうです。
で・・・以上、総合的に考えると、北海道付近で低気圧が急激に発達して北日本は荒れ模様。
南岸も低気圧と前線が通過するタイミングでまとまった雨。
そして・・・・よく見ると・・・・北日本は西高東低の気圧配置になって、寒気まで南下してくるんですね。
地上付近の気温が6℃なので、雪というわけじゃありませんけど、冬間近を感じさせるような冷たい雨の荒れ模様・・・・日本海側の各地も雪雲のような雨雲?がかかってきそうです。
理由もわからずにこのアニメを見たら、雨の傾向も読めませんし、雨の計算値が不自然でもそれに気付きませんよね。

必要なことは書き込んでおきました。
東日本は午前中は雨模様と思っておいたほうがよさそうですけど、午後は急速に回復。
案外早めに回復するかもしれませんね。
計算と実況の差をレーダーで確認して、11時の予報は修正されるかもしれません。
で・・・東日本。

一応回復は15時前後ですけど、弱い雨は残りそう。
また、日本海側にはまるで冬の計算値のように弱い降水が計算されています。
雪雲のような雨雲・・・・ですね。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
レーダーで実況を見る限り、計算値より実況のほうが早めに推移しているように思えます。
午前11時発表の予報を確認するということを前提に、安全マージンをとった予報と考えれば・・・・当たり・・・って言っていいのかな?

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可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)