2010年09月17日
異常低温で高温傾向?気温乱高下の一か月予報(9月17日②)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 |

毎週金曜日発表の一か月予報。
ずいぶん秋らしくなってきましたから、猛暑じゃなければイイやという感じかもしれません。
週に一回のことですし、季節の変わり目ですから、今週も一か月予報・・・ザックリと検討しときます。

向こう一か月、関東甲信・東海より西側のエリアで、気温が平年より高くなる確率が50%以上。
先週発表の一か月予報では70%以上でしたから、この一週間で猛暑が吹き飛んで秋モードに入ったところで、高温傾向が続く可能性もやや低めに予想されるようになりました。
ただ、高温傾向といっても「一か月を平均すると」高温傾向ということで、秋の気温は乱高下。
いきなりググッと肌寒さを感じるような時期もあるということです。
先週の一か月予報の記事で、「・・・予想外に寒気が南下してきて、いきなり秋深まる可能性もありますから・・・」と書きましたが、予想外が予想外でなくなってきているようです・・・・

上の図とはうって変わって、青色の地図。
一か月予報と同時に発表された”異常天候早期警戒情報”に掲載されている図を引用したもの。
関東甲信地方では、9月24日前後から一週間、平均気温が平年よりかなり低くなる確率が30パーセント以上というお知らせ?です。
むこう一か月は高温傾向といっても気温のアップダウンは激しいようですね。
もうちょっとわかりやすいように、気温のグラフでチェックしてみましょう。

例によってアンサンブル予報といって、誤差を減らすために、複数の異なる計算を行って平均をとるという手法をとっていますから、グラフの線も複数になっています。
その中で、一番可能性が高いのが真ん中付近で太くなっている部分。
東日本では24日あたりから、平年を2℃前後、最大で4℃も下回るという予想になっています。
ちなみに、9月24日~10月1日までの平年値は・・・・・

最低気温は全国的に20℃を下回るようになります。
24日以降、長野県では朝、一桁の気温になる所が多くなるかもしれません。
気象庁発表の原文の注意事項には、「農作物の管理等に注意して下さい。」とありました。
台風11号は、とりあえず西へ進んで大陸上陸の公算が高くなっていますが、むこう一カ月はどうなんでしょう?
気象庁の見解は・・・・・
「MJO(赤道季節内振動)による対流活発域は、1週目に東部太平洋、2週目には大西洋、3~4週目にはインド洋~海洋大陸に進む予想だが、フィリピン周辺では対流活動は平年より不活発な状態が続く見込みで、太平洋高気圧は日本の南の北緯20度付近で東西に強く、日本付近への張り出しは1週目に西日本方面でやや強いほかは弱い予想となっている。」
ということのようです。
これ以上考えてもあまり生産的ではありませんから、こんなもんなんでしょう・・・・・・
ただ、不活発でも台風は発生する・・・発生すれば、北上のタイミングは必ずある・・・ということですし、不活発だから発生した台風が発達しないというわけでもありません。
発生数が少ないかも・・・・という程度に考えておくことにしましょう。

コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年09月17日
台風11号予想進路と影響、三連休の天気と残暑(9月17日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

日本の気象庁の予想進路図はテレビでもバンバン使われているでしょうから、アメリカ軍の予想進路図を・・・・

昨夜9時の実況にもとづく計算値ですから、新しい情報でアップデートしてください。
下のURLでページを開き、West Pacific ”12W.FANAPI”をクリックすれば最新の進路図が手に入ります。
動きが遅いため、大陸上陸だよ・・・と決めつけるのは時期尚早ですが、とりあえず連休は沖縄方面を除いて直接の影響はナシと考えてよいでしょう。
なお、連休の雨の傾向はアニメにして、下に掲載しておきました。
米軍台風予想進路図: https://www.fnmoc.navy.mil/tcweb/cgi-bin/tc_home.cgi
気象庁5日間進路予想: http://www.jma.go.jp/jp/typh/10115.html

天気の話じゃありませんけど、昨日徒歩10分ほどの神社の秋祭りに行ってきました。
狭い境内を花火の火玉が高速で駆け巡り・・・氏子が火花を頭から浴びて喝采。
そして、神社の隣、Kasayanが昔通った小学校跡地のグランドで打上げ花火。
スターマインの打上げを100m以内で鑑賞できるのですが、火の粉と灰が降ってくるので、ゴーグルと雨合羽が必要な状態でした。
こんな花火を場所取りなしに至近距離で見ることができる長野はちょっとスゴイですよ。
(過激な様子を公開したくてGIFアニメを作っちゃいました。早送りじゃないですよ!)

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

昨日の雨は回復傾向ですが、北日本や北陸はイマイチ回復が遅れるようです。
一方、西ほど秋晴れ。
忘れかけた30℃ラインが東海まで・・・秋晴れはイイけど30℃まで上がらなくたって・・・ですよね。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

傘マークの有無でエリア分けした場合、線の付近が予報がアヤシイ場所になります。
でも、長野県北部の予報文には「所により 夕方 まで 雨」が付いていますからフォローOK。
天気マークだけ見ていたんじゃダメですね。
連休でお出かけの方も多いと思いますが、他県の天気をチェックするには、お隣の県の天気もチェックするのはお約束です。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

必要なことは書き込んでありますが、最後に書きこんだ前線・・・この連休に北日本中心に影響を与えそうです。
状況は刻々と変化しますから、今夜以降、天気予報を見るときには、台風だけじゃなくて、この前線の動きにも注意してください。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |
そこで、いつもの上空の天気図・・・地上の気圧配置の設計図でチェックしてみます。

台風の北側の高気圧の勢力が強いんですよね。
さらに、昨日東日本以北に雨をもたらした上空の気圧の谷が東へ進むに従って、高気圧が勢力を拡大傾向。
台風は頭を押さえられて北上できませんから、万が一高気圧が弱まるということがない限りは、台風は西へ進むということになりそうです。

高気圧が勢力を増せば晴れ間が広がり、日差しがあれば気温も上がる・・・というわけですけど、涼しさ(肌寒さまで)もたらした上空の寒気も北上傾向。
(先週末に予想された北海道大雪山の初雪もちょっと厳しくなりました。21~22日頃に持ち越しか?)
秋真っ盛りの-9℃以下の寒気は北上し、このところ平年気温の目印になっていた-6℃のラインも関東付近まで北上します。
西日本ほど残暑が戻ってくるというわけですが、寒気と暖気の間には前線ができるのがお約束。
今夜、朝鮮半島付近にできる前線が、連休の天気に影響してきます。

今朝のところは・・・・こんな感じ。
前線がぶちあたる日本海側、それも北日本ほど影響がありそう。
太平洋側にも「ぐずつく」という表現を使っていますが、太平洋側は「雲が多めで、場合によっては・・・」というイメージでとらえておいてください。
場所的にも時間帯的にもバラつく天気分布が予想されますから、朝、夜で天気予報がコロコロ変わる可能性があります。
マメにチェックしてくださいね。

低気圧や前線が遠ざかりますから回復傾向ですけど、小粒の低気圧が残る北陸では回復遅れ気味。
その様子をズームして見ると・・・

低気圧が消滅していくとともに雨も弱まる傾向ですが、今日いっぱいぐずつくと考えておいたほうがイイでしょうね。
低気圧が消滅しながら進む東北南部もぐずつき気味です。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
中南部では雨の可能性はなさそうですし、今朝の段階で晴れ間が出ています。
今日の予報は当たり・・・でイイですよね。

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)