2010年09月15日
涼しさ続く?暑さ復活?台風11号?(9月15日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。 今日の天気予報はあたるんでしょうか? |

さすがに今朝は「涼しくなったぁ!」と喜んでいる方が多いと思います。
と・・・同時に、「もう暑くならないよね?」と、疑心暗鬼になっている方も多いと思います。
そこで、向こう一週間の気温の傾向をグラフでチェックしておきましょう。

今日は雨も降って、強い日差しは遮られますから、気温も平年並み。
もっとも、明日西から天気が回復してくると、彼岸前の日差しはまだ強いので・・・平年を上回り始めるようです。
ただ、この季節は太陽の高度が下がってきて、普通の年でも気温が急に下がる時期。
平年よりちょっとだけ上回るだけですから、「週末にかけて暑さは戻りますけど、猛暑は戻らない」という感じでしょうか。
週末~週明けに北海道大雪山の初雪?・・・北海道ではクイズにもなることがあるようですが、この週末が第一候補で、22日頃が第二候補になりそうですね。

急速に雲がまとまっていますから、台風11号になるのか?今後の動向に注目です。
(可能性を語るような段階ではありませんけど、22日前後に九州方面?)
熱帯低気圧予想進路: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
米軍予想進路: https://www.fnmoc.navy.mil/tcweb/cgi-bin/tc_home.cgi
17時15分追記 沖縄の南の熱帯低気圧は、明日(16日)午前中に台風に発達する可能性がありそうです。18日朝の段階では沖縄の南を北西方向に北上。その後の進路については不確定です。大陸方向、あるいは台風9号に近い挙動を示す可能性のいずれも考えられます。いずれにせよ、日本に直接関係してくるのは来週のことになりそうです。 ![]() |

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも? |

今日の天気は日本を二分。
一応秋モードに入りましたが、あれだけ猛暑をふるった夏の高気圧・・・そう簡単に退いてくれません。
暑さでは負けても、秋の晴天は許してくれないようです。

地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。 |

昨日同様、傘マークの有無だけでエリア分けしてみました。
各地の予報文を読むと、線の付近は「朝晩 雨」、線の西側は「夕方から」「夜から」「雨」が多くなっています。
レーダーを見ると、今朝は関東や東海で小雨が降っているようですが、日中一時回復傾向で、夕方以降に雨が強まるようです。
詳しくは降水のアニメでチェックすることにします。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。 |

秋の移動性高気圧の位置がずいぶん北より。
まだまだ秋本番とはいえませんね。
東日本~西日本は、天気を悪くする原因が三つ。
東日本各地の天気概況には、天気を悪くする理由として「夜には上空の気圧の谷が接近してくる・・このため」と書かれていますが、ちょっとわかりにくい。
風がぶつかったり、風速や風向が急変したりする場所にできるシアーライン(収束線)の影響ということでまとめてみました。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。 |

日本付近は北と南に上空の気圧の谷。
逆位相の谷(トラフ)場なんて言いますけど、ようは夏の天気変化をもたらす気圧の谷と、秋の天気変化をもたらす気圧の谷が日本付近に集中しているわけです。
南の上空の気圧の谷の直近東側の地上・・・九州南部では上空の谷からパワーをもらって低気圧が発達中。
また、南の上空の谷の東側の東日本では、低気圧を発生させるだけのパワーはもらえませんが、シアーラインが発生して雨を降らせることになるようです。
一方、北日本は気圧の尾根が優勢・・・北日本は高気圧に覆われて秋晴れということになります。
もっと詳しく見てみましょう。

地上付近では、北の高気圧から吹きだす冷たい北東風が東日本に流入。
東海沖で北側に捻じ曲げられて風が収束し、上昇気流が発生します。
シアーライン付近では下層雲(紫)だけじゃなくて降水も計算されていますよね。

西日本付近の上空の気圧の谷には、冷たい空気の塊がフワフワ浮いています。
北海道の北にある晩秋の寒気がちぎれて南下してきたわけです。
上空の冷たい空気があると大気は不安定に・・・・西日本中心に雷注意というわけです。

雨が降る場所は大きく変化はありませんけど、夜にかけて強まってくるようですね。
東日本は?

いかにも風がぶつかってシアーラインに沿って雨が降るという降り方をしていますが、夜になると雨の範囲は拡大。
上空の気圧の谷が近づいてくるので活発化するんでしょうね。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。 |
予報文では中南部が「昼過ぎから」、北部が「夕方から」ですが・・・・・・
用語集を開くと、「夕方」は午後3時以降のこと。
上のアニメを見ると・・・・中南部は午後3時までには降り出しそうですし、北部も午後3時前後から降り出しそう。
昨日、予報官はこの計算値を割り引いて考えていたようですが、今日は忠実に従って予報を作ったようです。
他の計算値も併せて考えると、あえて予報を覆すだけの要因はありませんから、今日の予報は当たると考えておきましょう。
12時20分追記 東日本では、ほぼ計算値どおりに雨が拡大しているようですが、若干早めに降り出す心積もりが必要かも?東海地方は大雨警戒。レーダーで確認してください。 レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a_top ![]() |

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)