2010年09月25日

10月は高温?1か月予報(9月25日②)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。


 9月後半、寒気の南下で劇的に季節が先に進みましたが、記録的な猛暑をもたらした今年の気候は、そう簡単に先へと季節を進めてくれないようです。

 昨日(9月25日)に発表された1か月予報をまとめてみました。

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 1か月を通しての気温の傾向


 全国的に赤・・・東日本と北日本は特に赤が濃くなっていますから、10月は全国的に平年より気温が高くなる傾向があるということです。
 もちろん、肌寒くなる日、少々暑くなる日を全部平均するとこうなる・・・というわけですから、たった1日だけ寒くなっただけで予報がはずれた・・・と文句を言う筋合いの予報ではありません。
 いずれにせよ、1か月の平均ですから、「ふーん」という気持ちで見るだけでOKです。


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 各地域の一か月の気温の傾向
 もう少し詳しく、北日本~沖縄・奄美の各地域の気温の変化傾向をグラフでチェックしておきましょう。



 毎回書いていますけど、グラフの線がヒゲのようにたくさんあるのは、計算の誤差を減らすために少しずつ方法が異なる計算をして平均をとって考えるため。
 細い線が一番多い部分(線が太くなっている部分)で考えます。

 24日からグラフは平年よりグッと低くなっていますが、昨日・今日の気温を考えればよくわかりますよね。
 そして、今日~明日を底にして、グラフは上昇に転じて、10月1日を境に、いきなり平年を上回るようになります。
 特に北日本~東日本が顕著で、平年を3℃前後も上回り、10月半ばまでその傾向が続くようです。

 むこう1か月の前半が平年を下回っても、来月の気温が高めなので、1か月の平均的な気温傾向は高めということになっちゃうんですね。

 週単位で、気温傾向を確率でまとめなおすとこうなるようです・・・・





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 どうして気温が高くなるのか?
 10月に入って気温が高くなる理由・・・・

 上空の気圧の谷の西側では南西の風が吹いて南の暖かく湿った空気が運ばれてきますが、上空の気圧の谷の東側では北西の風が吹いて大陸の寒気が運ばれてきます。



 上空5700m付近の一週間ごとの平均的な天気図

 10月1日まで上空の谷(赤の点線)は北日本に傾くように日本上空にあります。
 ということは、寒気(青矢印)が東日本・北日本に流れ込みやすい状態。
 
 ところが、10月2日以降、上空の谷は日本の西側
 したがって、南から湿った暖かい空気が流れ込みやすくなります。
 気温上昇が始まるわけですが、この傾向が月末まで続くということになるようです。


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 各週の天気の傾向をまとめると・・・
 これからのデータを総合し、気象庁の見解はこうなっています。



 1週目については、上空の気圧の谷が日本上空にありますから、太平洋側に秋雨前線が停滞しやすく、太平洋側中心にぐずつく(日照も少ない)傾向。
 寒気も南下して気温は平年を下回る。

 2週目は、南の高気圧が活発になって、高気圧の北西の縁辺を暖かく湿った空気が北上
 気温は上昇するけれど、暖かく湿った空気が前線を形成するなどして、やはり太平洋側中心にぐずつきやすい可能性も。
 日本海側や北日本は、秋の移動性高気圧に覆われて晴れが続く傾向?

 3週目以降は・・・さすがに秋から晩秋・初冬への周期的な変化になるようです。

 結局、10月からは気温が上昇するけれど、太平洋側中心にぐずつきやすい傾向
 ただ・・・・台風がやってくる可能性は十分にあるので、以上の予想が台風によってどのようにかきまわされるかは?????です。

 一か月を通しての降水と日照の確率は以下のとおり。
 太平洋側でぐずつきやすいので、太平洋側の日照が少なくなる可能性が高くなっています。





 なお、22日に発表された3か月予報と寒候期予報のまとめについては、23日の記事をお読みください




 コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
  


Posted by kasayan at 18:10Comments(0)雑記

2010年09月25日

台風9号進路・影響、さらに寒気南下(9月25日)



  故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
 今日の天気予報はあたるんでしょうか?


 今朝の衛星画像とレーダー画像



 台風の目がハッキリしていますよね。
 台風の北西側の雨雲が関東南東岸にかかっています。
 また、台風としては最盛期の状態で接近していて、午前3時の実況では中心付近の最大瞬間風速は55m/s以上
 上陸していたら関東ではかなりの被害になったと思われますから、本当に幸運でした。

 ただ、関東沿岸部では風が強まっています



 台風に反時計回りに吹き込む風・・・はっきりと風向に現れていますよね。

 今日も台風の影響を中心にまとめてみましたが、台風接近中なので、新しい予想進路図をチェックするのが一番
 あえて予想進路図は掲載しませんので、以下のリンクで最新の台風位置を確認してください

 気象庁予想進路図: http://www.jma.go.jp/jp/typh/1012.html
 アメリカ合同台風警報センター(13W.MALAKAS):
     https://www.fnmoc.navy.mil/tcweb/cgi-bin/tc_home.cgi

 (今夜、時間があれば、昨日発表された一か月予報をまとめてみます10月初旬・・平年を3℃前後上回る陽気になる可能性が高くなっています)




  おなじみ天気マークの天気予報使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?


 関東~北日本の太平洋側で台風警戒エリアになるのはよくわかりますが、山陰から北陸がぐずつきエリアになっているのは?

 昨日の涼しさ(肌寒さ)から、寒気が南下しているのは周知のことですが、寒気でぐずつくといえば・・・冬の日本海側ですよね。
 それと似たような低い雲が日本海側に影響してきます。




  地元長野にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。


 台風が通過すれば天気が回復するわけですが、台風に一番近い犬吠埼のある千葉県北東部の回復は「昼過ぎ」。
 東日本が回復・・・といえるのは午後ということになりそうです(海はずっと遅いです)。

 一方、新潟県上越では、「所により昼過ぎから雨」
 寒気の影響ですね。




  予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


 台風通過に伴う北~北東の強風一時的な強い雨・・・関東~北日本の太平洋側で特に注意というのは当然ですね。

 あと・・・予想天気図の台風に寒冷前線と温暖前線がくっついています。
 台風が温帯低気圧の「性質を帯びてくる」ことを意味しますが、温帯低気圧化することと弱まるということは全く関係がありません
 台風が大あらしの温帯低気圧に「性質を変える」だけのことです。

 そして、温帯低気圧化するとき、台風は寒気を引きづり下ろします
 晩秋の強い寒気ですから、日本海側では冬のようなどんよりとした雲がかかるかもしれません。




  難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
 台風12号の影響を順番に見ていきましょう。

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 台風12号の影響・・・雨
 まずは、全国の雨の様子から。



 日本に影響するのは台風の西側の雨雲
 強い雨のエリアは海上中心ですが、コースがほんの少しズレただけで強風の大雨になる可能性がありますから、関東~北日本の太平洋側は警戒モードです。

 そして東日本



 東日本沿岸の雨は午前中
 次第に回復に向かいますが、上空の強い寒気による冬のような雲が日本海側に発生。
 北陸では一時的に弱い雨がありそうです。


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 台風12号の影響・・・風と波


 暴風域は海上を通過する可能性が高そうですが、それでも沿岸部では20~30メートルの北~北東の風が吹き付けそう。
 上で見た風向風速の実況とほぼ対応しているようですね。



 強風が吹き付ける沿岸の波・・・6~8mの高い波。
 週末で天気は回復傾向ですから、関東の太公望が房総で釣り・・・なんてことになりそうですけど、防波堤から高波にさらわれて・・・「またか・・」というようなニュースにならないことを祈りたいですね。

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 台風12号の影響・・・気温はもっと下がる?
 上の予想天気図の解説アニメで、台風が寒気を引きづり下ろして温帯低気圧の性質を帯びる・・・と書きましたけど、上空の寒気の様子・・・



 今夜にかけて上空の-12℃の寒気が関東甲信以北に南下。
 明日朝、もし晴れているようなら放射冷却もくわかって、晩秋?初冬?と思われるような「寒さ」になる可能性があります。
 標高がかなり高くない限り、霜の心配はないと思いますけれど・・・・

 ちなみに、今朝、北海道で今年はじめての氷点下の気温を観測。
 長野県では野辺山で6℃を観測しています。
 



  天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
 台風モードなので、予報の当たりはずれを云々するのは自粛しておきましょう。
 
 昨日発表の一か月予報(10月初旬高温?)の検討をしたほうが生産的ですし・・・
 今日中に記事になるかは???ですけれど・・・・




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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)