2010年09月10日
9月後半も暑い?台風の傾向は?一か月予報(9月10日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報のリハビリ中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。

一か月予報は毎週金曜日に発表されます。週間予報だって毎日発表、毎日修正が原則。一か月予報も毎週チェックしていれば、役立てることができるはず?
※一か月予報は毎週金曜日に発表されます。最新の一か月予報は、直近の金曜日の記事をご覧ください。
猛暑が続いて、一か月予報をチェックするのが週末の定番の作業になってしまいました。
猛暑も一段落の様相を見せていますが、今週末も一応念押しのつもりで一か月予報をチェックしときます。

この図を見て”ガクゼン”とされた方・・・多いと思います。
なんと、東日本・西日本で気温が平年より高くなる確率が70パーセント以上なんですから。
もっとも、先週も書いたように、9月は季節の変わり目ですから、一日の最高気温が月末に向かって急激に下がる傾向にある月。
9月の日最高気温の平年値の分布と、主要地点の平年値の変化をアップデートしておきました。

月末の平年気の日最高気温に、+5℃を加算しても、多くの地域で30℃を下回ることになりますから、いくら平年を上回っても、30℃以上の真夏日が登場する可能性はずいぶん減ってくることになりますよね。
気温の変化傾向をグラフでチェックしておきます。

ここ数週にわたって一か月予報をチェックしてきましたが、ここまで急激に平年値(真ん中のゼロの横線)まで気温が下降しているグラフはありませんでした・・・・さすがに9月は季節変化の月。
ただ、各地によって傾向に違いがあるものの、来週(18日頃まで)気温が下がる傾向でも、再来週には少しだけ上昇に転ずる傾向が見えます。
あと、18日以降の複数の計算値がヒゲのように大きくばらついていて(計算方法は図中赤線部分)、中には平年を3℃ほど下回るような計算値も・・・予想外に寒気が南下してきて、いきなり秋深まる可能性もありますから、今回の気温の予想はとりあえず来週は涼しいよ!ということまでで、再来週以降は参考程度にしておいたほうがよいかもしれません。

太平洋高気圧(色を塗りました)は日本の南に南下して、日本付近は東西に波打つ等高度線(等圧線と同じ)のエリア・・・・波打つ線と平行に流れる偏西風(青の矢印)のエリアに入ってきます。
高気圧や低気圧がこの流れに沿って周期的に日本の上空を通過しますから、高気圧ベッタリの夏から周期的に天気が変化する秋モードに入る予想。
もっとも、日本の西には平均して地上の低気圧と対応する気圧の谷があるので、相対的に日本付近は高気圧の場。
どちらかというと高気圧優勢。
高気圧に覆われて晴れる日が多くなれば、気温も全般に高めというストーリーになるようです。
また、地上付近では太平洋高気圧の西の縁を南西に流れる風に乗って、湿った暖かい空気が流れ込みやすい状態は続いていますから、沖縄方面ではまだ夏模様。
もっとも、この図は、周期的な変化を全部平均した”一か月の傾向”ですから、周期的に変化する秋モードでは、週単位での平均もチェックする必要があります。

とりあえず書き込みをしておきましたがどうなるか・・・・コメントはこの程度にしておきますが、気温のグラフの変化傾向と比べて考えて見てください。
「対流活発域は不明瞭ながら現在海洋大陸付近にあり、1~2週目に太平洋を東進、3~4週目には大西洋からインド洋に達する予想。これに関連したフィリピン周辺などでの対流活動の活発化は予想されておらず、フィリピン周辺の対流は平年より不活発な状態が続く見込み。」
これに関しては、そんな感じ・・・もしますが、Kasayan的には・・・ノーコメント。
暑さのぶり返しの程度がどの程度になるんでしょうか?さすがに猛暑はゴメンですよね。
高温に関する異常天候早期警戒情報(関東甲信地方) 平成22年9月10日14時30分 要早期警戒 警戒期間 9月16日頃からの約1週間 対象地域 関東甲信地方 警戒事項 かなりの高温(7日平均地域平年差+2.3℃以上) 確率 30%以上 今回の検討対象期間(9月15日から9月24日まで)において、関東甲信地方では、9月16日頃からの1週間は、気温が平年よりかなり高くなる確率が30%以上となっています。 また、この状態は9月18日頃からの1週間まで継続する見込みです。 農作物の管理等に注意して下さい。また、今後の気象情報に注意して下さい。 なお、関東甲信地方では、昨日までの1週間、気温の高い状態が続いています。今後も1週目から2週目にかけて気温の高い状態が続く見込みです。 |
まずは目先ですよね?

コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年09月10日
猛暑復活・・最後のピーク、週末の天気は下り坂?(9月10日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
今日の天気予報はあたるんでしょうか?

久々に夕立も、まとまった雨の検討も必要のない朝・・・見出しを写真にしてみました。
オレンジの太陽は、香川県屋島の日の出の写真。日本一周中にヨット上から撮影したもの。朝のブログ更新にはピッタリかと・・・・・

これは、気象衛星の赤外4チャンネルの画像。
テレビやネットで使われている赤外画像は、雲の温度を撮影するので、夜でも撮影できるんですけど、地上付近の温度の高い雲は撮影できないんです。
人間の目と同じ可視画像を使えばイイんですけど、夜は暗くてダメ。
そこで、登場するのが赤外4チャンネル。
今日の日本は晴れのエリアで暑さ復活。
暑さの様子を中心に、週末の気圧配置もさらっとチェックしてみました。

おなじみ天気マークの天気予報。使い方次第で効果200%。「木を見て森を見ない」と言いますが、地元の天気チェックをするなら全国から。マークでエリア分けした境目の予報はアヤシイかも?

北日本日本海側・・・曇ってくるのは夜ですから、本当はエリア分けなんかしなくてもよかったんですけど、とりあえず天気分布の傾向がわかるようにしておきました。
基本的に晴れというわけですが、そうなるとせっかく涼しくなったのに・・・・・今日の気温が気になります。

西日本中心に猛暑日に手が届きそうな暑さ。
明日土曜日は東日本でも猛暑日に手が届きそうになるかもしれません。
でも、昨日の記事でチェックしたように、猛暑もこの週末いっぱいで終わりですから・・・・もうちょっとガマン!

地元東日本にズームイン。見るのは天気マークの予報だけ?「・・のち・・」って何時? 「所により・・」ってどこ?予報文は必読です。

全国的には晴れですけど、東日本各地はなんだか雲マークが目立ちます。
東京の天気概況を読んでみると、「関東甲信地方は午前中を中心に雲が広がる所がありますが、次第に晴れてくるでしょう」と書いてあります。
ということは、朝の曇りは、上の赤外4チャンネルで見た下層の雲の影響。
レーダーをチェックしても雨の心配はなさそうです。

予報の理由わかりますか?理由がわからなきゃ占いと同じ。解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

ポイントは、高気圧が勢力を盛り返し、今日は西日本中心に暖かく湿った空気は流れ込み始めるということ。
この天気図の先・・・週末ですから、明日夜までの気圧配置の変化傾向を、短期予報解説資料に掲載されている図でまとめておきました。

昨日10時に発生した台風10号は、はやくも熱帯低気圧になりますが、沿岸を北上。
日本海を進む低気圧と前線に暖湿流が流れ込んで、前線活発化。
北日本日本海側から天気は下り坂ですから、暑いけれど行楽は土曜日がオススメです。
そして、夏と秋を分けるこの前線が、日曜日から月曜日にかけて日本の南岸まで下がったら・・・・秋です。

難しそうな専門天気図だって、書き込みをすれば超簡単。「天気予報の確からしさ」を調べる道具です。
今日は真っ先に雨の心配はない・・・という消極的?情報から。

今日は晴れます・・・でも北日本から下り坂です・・・・というだけ。
天気マークと同じですね。
次は暑さ・・・猛暑が復活する様子なんて今さらイイよという感じもしますけど、猛暑の最後のアガキ?ですから、一応チェックしておきましょう。
まず、昨日、猛暑続きだった関東付近で涼しくなった理由から。

熱帯低気圧の西側で吹いた北東風が、北の涼しい空気を運んできたんですね。
今日もこの風が吹き続ければイイんですけど、そうはいかない。

西日本に太平洋高気圧が張り出して、日本海側経由で暖湿気が流れ込んできます。
湿った暖かい空気が流れ込んで高い山を越えるとフェーン現象発生。
今日の風下・・・名古屋は猛暑日の予想です。

このところ、猛暑の目安になっていた上空1500m付近の18℃ラインが、今夜にかけて北上していますね。
暑くなっても、ジメジメじゃなければイイじゃん!と思いますけど・・・・

青が濃いところほど空気中に水蒸気が多いんですが・・・・
西日本は、そこそこジメジメ・・・ジメジメは雨の原料になるので局地的な夕立も予想されます。
東日本は、日本海側から湿った空気が流れ込むので、それほどジメジメにはならないんじゃないかな?と思いますが、明日にかけてジメジメ傾向は強まり、夕立傾向も高まりますから、覚悟はしといたほうがイイかもしれません。

天気予報は確率論。ハズレるとしたらどうなるの?失敗しない方法を考えます。
基本的に晴れベースですし、日本海の前線がやってくるのは今夜以降。
多少タイミングがズレても、雲が多い程度で済んじゃうでしょう。

ということで、今日の天気予報はあたりでしょうね。
むしろ今日11時に発表される明後日日曜日の雨の予報は降り出しのタイミングやエリアが微妙です。
行楽は土曜がオススメですけど、日曜にスケジュールを立てている方、明日の予報まであきらめないで・・・(石鹸のCMの真矢みき風?)

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)