2009年12月19日

大雪のピークは過ぎても(12月19日)

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

大雪のピークは過ぎても(12月19日)


 長野地方気象台の塔の上にある風車型風向風速計

 氷点下の気温と雪で凍りつかないよう、肉屋のローストチキンのように四つのランプで温められていました

 今朝5時の現在、長野地域、大北地域に大雪警報が発表されています。

 今朝が大雪のピークと思われますけど、北部は今週末ずっと雪の傾向
新しい情報でチェックしてくださいね(注意報・警報の原本が読めるページ

 追記:10時
[19日05時現在の積雪の実況]
( )内は前24時間降雪量
 白馬     :74センチ(68センチ)
 小谷     :65センチ(46センチ)
 長野市鬼無里 :62センチ
 野沢温泉   :49センチ(53センチ)
 飯山     :46センチ(48センチ)
 信濃町    :40センチ(36センチ)
 大町     :37センチ(35センチ)
 上田市菅平  :34センチ(23センチ)
 長野市箱清水 :23センチ(24センチ)
 南木曽    : 8センチ
 木曽町開田高原: 7センチ( 8センチ)
 軽井沢    : 5センチ( 7センチ)
 安曇野市穂高 : 5センチ
 上田市大手  : 3センチ



2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。


大雪のピークは過ぎても(12月19日)


 昨日の引き続き、日本海側雪パターンですけど、鹿児島に傘マークがついています。
予報文は「雨か雪」ですけど、昨日が雪マークでしたから、南から寒気が抜けつつあることが想像できます。

3、長野県の予報
 長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。


大雪のピークは過ぎても(12月19日)


 北部は「昼前 から 夕方 くもり」ですから、雪は日中小康状態、夜からまた雪
明日もくもりベースで夜には再び雪が予想されています。

 一方、中部や南部は「所により 雪」がついているものの、回復傾向
明日の予報文には「晴れ」がついています。

 中・南信の雪が上がってくるということで、強い冬型は並の冬型にもどりつつあるんですね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


大雪のピークは過ぎても(12月19日)


 今日のポイントは二つ

大雪の原因の一つ、-36℃の寒気が北上するとともに、大量の雪雲を北陸・長野へ送り込んでいた日本海の弱い気圧の谷(シアーラインに対応)が消えること。

、雪雲を活発化させる上空5400m付近の気圧の谷が西から接近して、再び雪をふらせること。

 いずれにせよ、今日日中はいったん回復傾向です。


 さて・・・いつもなら、これらをさらに詳しくチェックしてみるところですが、今朝のKasayan、ちょっと忙しいので、ときどきお見せする短期予報解説資料という予報の虎の巻をそのまんま引用します。
 手抜きでごめんなさい

 難しそうなコトバで書いてありますが、内容に対応した「それなりの図」を添付してありますので、雪の週末おヒマな方は、予報官になったつもりで今日・明日の予報を検討してみてください。

 で・・・気になる「雪はいつやむのか?」ですが、北部は月曜日までは・・・降る・・止む・・を繰り返しながら続くと思います。

 気象庁発表短期予報解説資料全文引用
初期時間は日本時間18日午後9時。FTは世界標準時。日本時間換算は+9時間

短期予報解説資料1 2009年12月19日03時40分発表
気象庁 予報部

 
1.実況上の着目点
①日本付近は寒気移流が強く、日本海や黄海、東シナ海には筋状の雲域が広がる。
②日本海西部にあった日本海収束帯に伴う帯状雲は南下し、活発な対流雲は山沿いが主体。東北・北陸・関東甲信・東海の山沿いで雪が3 時間20 センチ前後と強い。
③寒冷渦が通過中の北海道でも、3 時間に10 センチ前後の雪を観測。
④水蒸気画像では55N135E 付近(シベリア)に寒冷渦対応の循環があり、南下中。


大雪のピークは過ぎても(12月19日)



2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①明日にかけて冬型が持続。1 項③の寒冷渦に伴う強い寒気はFT18 には日本の東に抜ける。
このため、北日本の日本海側の大雪は今夜には一旦弱まる。
しかし500hPa5400m付近の渦移流が続く北陸周辺では、明日にかけても山沿いを中心に降雪量の多い状況が続く。


大雪のピークは過ぎても(12月19日)


大雪のピークは過ぎても(12月19日)


②今日は大気が不安定で雲頂高度が高い。このため、太平洋側にも雪雲が流れ込みやすく、北・東日本の太平洋側では積雪となる所がある見込み。


③1 項④の寒冷渦はFT48 には日本海北部まで南下。
寒冷渦周辺の寒気先端にあたるシアーラインがFT48 にかけて日本海を南下する。
このシアーラインの通過後、北日本では寒気移流が再び強まり大雪となるおそれがある。また、シアーライン近傍では落雷や突風に注意。


大雪のピークは過ぎても(12月19日)


大雪のピークは過ぎても(12月19日)


大雪のピークは過ぎても(12月19日)


大雪のピークは過ぎても(12月19日)



④FT24~36 に寒冷渦周辺をまわるトラフのひとつが北海道を通過、上記とは別のシアーラインの通過も予想されている。北海道ではこのタイミングでの降雪の強まりにも注意。


3.数値予報資料解釈上の留意点
 上記のとおり。最新のGSM を基本とする。


4.防災関連事項[量的予報と根拠]

①大雪ポテンシャル(06 時からの24 時間:地点最大)、北陸70、近畿北部・東北日本海60、北海道・東海(岐阜)50、関東甲信(長野県・群馬県)・中国(山陰)30~40 センチ。
②波:波浪モデルを基本。北陸~山陰・伊豆諸島5m、東北日本海側・九州・南西諸島4m。


5.全般気象情報発表の有無
5 時までに大雪に関する情報を発表予定。

量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。




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