2011年10月21日
西日本から下り坂、大雨警戒の週末へ(10月21日)
昨日の記事で週末・・ひょっとしたら防災モードなんて書いていたら、本当に「大雨情報」が発表されてしまいました。

(詳しい降水量など本文は・・・http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/)
実況3点セットの情報で今朝の空模様を見ると・・・・

九州方面に活発な雨雲・・・特に宮崎付近にまとまった雨・・・そして警報も。
実況天気図を見ると、九州付近の等圧線が高気圧側に凸になっていますから、九州付近が弱い気圧の谷になっていることがわかります。
日本を覆う高気圧から吹き出す風が、弱い気圧の谷(低圧部)になっている九州方面に吹き込んで雨を降らせているようですが・・・・
今日の天気・・・この雨がこれからどう変化するのか?「大雨情報」では、今朝雨が降っていない東海地方まで警戒が呼びかけられています。


今夜の予想天気図は、九州の西に低気圧が描かれているだけですから、天気図をどう見てよいのか、すぐに判断できません。
こんなときには、天気図で悩んでいないでサッサと短期予報解説資料(プロ用の資料)を見てしまうのがオススメ(予報士試験を受けるわけじゃないんですから)。
そして、わからないことは読みとばして、斜め読みすればOK(予報を作るわけじゃないんですから)。
短期予報解説資料(PDF):
http://img.n-kishou.co.jp/image4/lfax/tkaisetu_201110210340.pdf
必要なことは書き込みしておきましたが、ポイントはシアーライン(風が集まって上昇気流が出来るところ)と暖湿気。
そして、低気圧の動きが非常に遅いこと・・・・台風12号の動きが遅くて紀伊半島では大雨になってしまいましたが、動きの遅い低気圧も要注意です。
まずは、シアーラインの様子を見ながら、雨の様子をチェックしてしまいましょう。

短期予報解説資料に書かれていたシアーライン以外にも、いくつかシアーラインがあります。
シアーラインの部分で冷涼乾燥空気と、温暖湿潤空気が複雑にぶつかりあって雨雲発達。
二つの空気の様子を見ると・・・・

九州の西には冷涼乾燥空気が南下していて、九州の西側のシアーラインは寒暖の空気のシアーライン。
一方四国から南に延びるシアーラインは、暖湿気が異なる方向からぶつかるシアーライン。
さらに、東日本南岸は、暖湿気と冷涼乾燥空気がぶつかるシアーライン。
・・・・空気が集まると上昇気流が出来て雨雲発生というわけですが、空気の種類が異なると雨雲の発生の様子も異なりますから、今日はシアーラインのオンパレードです(南岸は前線にしてもイイかも?)。
今日の空模様・・・だいたいイメージできたと思いますから、ここで天気マークの予報を。

イメージどおりでした?最寄りの地域は府県天気予報でチェックしてください。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
最後に週末・・・・

あえてアニメにしていないのは、低気圧の動きや雨の変化のタイミングが微妙に変化するかもしれないから。
あくまで府県天気予報の明日・明後日の予報を参考にしてください(明後日の予報は11時発表)。
【Kasayanの備忘録】


ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです)
2011年10月20日
天気変化はゆっくり、週末の雨続報(10月20日)
今朝、菅平を見ると・・・・

なんだか誘われているような気がして・・・・・今、菅平アメダス(標高: 1253 m)のすぐ近くでブログアップ中。

今朝の菅平の気温は、6時の時点で4.7℃なので「かなり暖かく」感じます(上の写真の銀色の筒が温度計。これで観測されています)。
最低気温が午前1時台に記録されていますから、気温は朝にかけて上昇傾向。
暖気が流れ込んでいるのかな?
レタス畑に霜よけのネットがかけられ、畑の向こうにある紅葉の林が秋真っ盛りを感じさせてくれました。
さて、今朝の実況3点セット・・・・

実況天気図を見ると、昨日の朝に午後9時の予想天気図として掲載した天気図とほとんど変わりがありません。
天気変化は非常にゆっくり。
ただ、衛星画像を見ると、東日本上空に白くはっきりと雲の帯が写っています。
上空の雲だろうけど・・・・短期予報解説資料には、上空9000m付近の気圧の谷による雲だと書いてあったので、上空の実況天気図を見てみると・・・・

たしかに、上空9000m付近・・・西日本に気圧の谷(等高度線=等圧線が凹になっている部分)。
この谷の東側、偏西風に沿って雲の帯ができているようです。
ひまわりの衛星画像は便利なものですけど、赤外画像は雲の温度を捉えるだけなので、上空の雨を降らせない雲なのか、雨を降らせる雲なのか、判別が難しいものです。
衛星画像を見るときには、「どの雲の下で雨が降っているの?」という気持ちで気象レーダーを併用されることをオススメします。
さて、今日の天気・・・昨日と気圧配置が「あまり」変わらないので・・・あっさりとまとめて、週末の雨模様の最新情報をアップしておくことにします。

昨日の記事とほとんど変わりませんが、前線がゆーっくりと北上傾向。
九州の南部や奄美方面では、東寄りの冷たく湿った空気が押し寄せて、地上付近に雨雲をつくりやすい状態。
さらに、東南東の湿った空気が前線上を滑り上がって雨雲をつくりますから、二つの雨雲の影響で、雲が広がりやすく雨の可能性も。
それ以外の地域・・・湿った東寄りの風の影響で関東では太陽が顔を隠しそうですけど、基本的に高気圧の晴れエリアに入りそうです。
具体的には・・・・

太平洋の暖かく湿った空気が、北東風に乗ってやってくる冷たい空気の上を滑り上がって、前線の北側に雲を発達させるという構造になっているようです。

前線の北側の雲が明日夜にかけてゆっくり北上。
そして、昨日の記事に書いたように、九州の西で低気圧が発生し、週末は冷たい空気と暖かい空気が日本上空で洗濯機のように混ざりあうことになります。

あいにくの週末・・・というよりは、南岸で大雨注意という防災的なニュアンスの天気になってきそうですね。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
さて、急いで帰らなきゃ・・・・
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2011年10月19日
週末の天気は荒れ模様、明日からゆっくり下り坂(10月19日)
行楽シーズンの秋、水曜日あたりになると週末の天気が気になるものですが、週間予報を見ると週末には傘マークがガッチリと陣取っていて、降水確率も軒並み高め。
早くも週末の天気に関する書き込みやメールをいただいているので、GSMデータで今週末の天気をチェックしておきます。
まずは、今夜から明後日夜までの上空5700m付近の気圧配置の動向から見ていきましょう。
地上の天気の骨格ですから、天気変化の流れをザックリとイメージするのにイイんです。

上空の天気図というと、なんだかとっつきにくい感じがしますけど、予報を作るためではなく、予報を深読みするために使うなら大ざっぱに使えばイイんです。
等圧線(本当は等高度線と言いますけど等圧線と思って見ればOK)が凹になっているところが上空の気圧の谷・・・・凸になっているところが上空の気圧の尾根。
上空の気圧の谷が深まると、その下の地上付近に低気圧が発生・・・・さらに深まると、地上の低気圧が発達することになりますが・・・・
明後日夜にかけて九州の西で、上空の気圧の谷が急速に深まってきて、地上に低気圧発生。
そして週末。

うーんと深まった上空の気圧の谷は、動きが遅いので、週末いっぱいかけて日本を通過。
週末の傘マークがガンコなのは、このためです。
上空の気圧の谷を迂回して蛇行する偏西風はシベリアの寒気を運んできますから、太平洋の高気圧が持っている暖かく湿った空気とぶつかって、雨雲が活発に。
低気圧の等圧線もそこそこ混雑していますから、風も強く・・・・荒れ模様の週末になる可能性大。
北極と赤道の空気の温度差を日本付近でかき混ぜようとする力が働いているわけですが、なにも週末にならなくたって・・・・・。
もちろん、明日、明後日の予報で修正してくださいね。
さて、今日の天気・・・・基本は秋晴れなので、アッサリとまとめておくことにします。

今朝発表された短期予報解説資料というプロ用の資料ですが、原則が秋晴れなので、日本周辺の例外部分ばかりが書かれています。
これを今夜の予想天気図で見てみると・・・・

高気圧周辺で等圧線が混雑して風が強くなる・・・・
そして、南岸の秋雨前線・・・前線をはさんだ二つの高気圧から流れ込む冷たい空気と暖かい空気がぶつかって、関東沖付近で雨雲活発化・・・というのが今日のポイント。
南岸の雨雲が活発になると、海上だけでは済まなくなって沿岸部にも影響が出てくるおそれがあります。
具体的にはどうなるんでしょう?

南岸ギリギリまで雨エリアが接近してきます。
この雨エリアが南岸で雨を降らせるのか?予報官はどう考えているんでしょう?

天気マークを見ると、南岸には「のち くもり」マークが並んでいますから、予報官も前線の影響を次第に受けると考えているようです。
それでは雨は?・・・・・各地の府県天気予報を見れば書いてあるはずですが・・・興味のある方はチェックしてみてください。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
静岡県天気予報・概況: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/327.html
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2011年10月18日
北海道稚内で初雪も、ゆっくりと回復へ(10月18日)
昨夜21時過ぎに、北海道稚内から初雪の便りがありました。
10月3日に旭川で初雪が観測されていますから今さらなんですけど、雪が降った時間帯の稚内の気温・・・・

6℃~8℃もありました・・・かなり高い!
雪になるのか?雨になるのか?・・・・北海道のことは他人事のように思っている方もおられるかもしれませんけど・・・・ひとたび関東や関西で雪というと大騒ぎ・・・・
こういった珍しい雪の降り方をよーく観察しておくと、関東や関西の雪を考えるときにとても参考になります。
備忘録を兼ねて、ザクッとまとめておきますので、今日の天気が気になる方は読み飛ばしてください。
さて、昨日朝9時から今朝3時までの雲の様子。

昨日の記事に書きましたが、赤の点線で示した雲の帯・・・・冬と秋の空気の境目が太平洋岸まで移動していますから、北海道はすでに冬型季節風モード。

昨夜9時の上空5500m付近は平地でも雪が降る目安・・・-30℃の寒気が稚内目前に。

そして、稚内上空1500m付近は-4.1℃。
地面から東京スカイツリー2本分上空までは、落ちてくるものは絶対に融けない気温。
地上付近の気温だけが極めて高かったので、雪が融けきらずに落ちてきた・・・ということなんでしょう。
地上付近の湿度なども影響しますから、もっと総合的な解析が必要ですけど、雪の可能性はわかっていても、こういう結果になるとは昨日の段階で想像できませんでした。
北海道はこれくらいにして・・・・今日の天気。

高気圧が張り出し、冬型の気圧配置もゆるんで、日本海側や北海道は回復に向かい、西日本中心に爽やかな秋晴れ・・・・とういのが原則なんですが・・・・・
高気圧の中心が北寄りに張り出してくると、関東付近には北東の風が吹きこむカタチに。
北東の風は三陸沖で水蒸気を受け取って関東方面に運び込むので、曇りや弱い雨のモトになります。
「北東気流」といわれて、気象業界?では有名な現象ですが、これが今日の天気の例外になりそうです。
気温も次第に上昇傾向。
地上の気温傾向に近い上空1500mの気温が上昇していく様子を、天気悪化のモト・・・上空の気圧の谷の様子と併せてアニメにしてみました。

稚内に初雪をもたらした-5℃の寒気はすっかり抜け、0℃のラインも北海道だけ。
活発な上空の気圧の谷も抜けて、弱い気圧の谷が午後北海道、夜東日本を通過するだけ。
夜東日本を通過する弱い気圧の谷の影響が、ちょっと心配ですが、上空も含めて回復傾向といってよいでしょう。
最後はMSMシミュレーションで、降水と下層雲の様子を・・・・

そして、気象庁発表の天気マークの予報を見て・・・・・

日本全体の天気変化がイメージできたと思いますから・・・
最後は、いつものように府県天気予報で頭上の天気を確認してください。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
【備忘録】

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2011年10月17日
北海道で初雪も?冬型の天気分布へ(10月17日)

薄っすらと霞んで見える菅平。
一番高い緩やかな斜面の山が根子岳(2207m)で、裾野に広がるのが菅平高原。
そこにあるのが菅平アメダス(1253 m )。

今朝5時までは北海道を抜いて日本で一番寒い場所でしたが、同じ長野県の野辺山に一位の座を明け渡し、日本で二番目に寒い場所になりました。
とはいっても、氷点下というわけではありません。

実況3点セットを見ると、スパッと晴れているというわけではありません。
放射冷却がそれほど強くなかったので、1~2℃というところ。
ただ、北日本の気圧配置は西高東低・・・冬型のフォーメーション。
日本海にも前線のような雲の帯があって沿岸では雨も。
日本海の前線のような雨雲が抜けたら・・・寒気が南下してくるんじゃないの?

昨夜21時の上空の寒気の様子を見ると、大陸の日本海沿岸では、平地でも平気で雪を降らせるような寒気が南下。
日本海の前線のような雨雲は上空のジェット気流と対応していて、寒気の先端の雲だったようです。
今日の天気・・・この寒気に注目してチェックしておくことにしましょう。

予報官が予報を作成するにあたって着目したのが、北日本冬型による荒れ模様と、秋雨前線の沖縄への影響。
着目されなかったそれ以外の多くの地域は・・・・無難な秋晴れが期待できるかも?
さて、北日本は、「寒気トラフ」が荒れ模様の天気を作ると予報官は言っていますが、「寒気トラフ」は寒気を伴った上空の気圧の谷のこと。
寒気が大気を不安定にして、トラフが低気圧発達の渦パワーを供給するので地上は荒れ模様、。
まずは、トラフ(上空の気圧の谷)の様子から。

今夜から北日本に渦パワーをもった上空の気圧の谷接近。
稚内付近を通過する+329の渦パワーが通過する今夜は荒れ模様のピークかも?
そして、寒気。
まずは、上の実況天気図と同じ上空5700m付近の寒気から。

平地の雪の目安・・・-30℃が北海道のすぐ西まで。
次は、上空1500m付近の寒気。

今夜9時の段階で、0℃ラインは北海道を覆っていますから、ちょっと高い山では早めに雪に変化。
平地でも雪になる-6℃ラインが北海道のすぐ西まで来ているので、この寒気が北海道にかかると、「雨は夜更け過ぎに雪へと変わる・・・♪」ということになるんでしょうね。
初冠雪の便りはすでに届いていますけど、平地での初雪の便りが届くことでしょう
北日本の話しはこのくらいにして、沖縄方面も一応・・・・

沖縄も秋モードなんですね・・・・以上・・・・
以上のチェックを踏まえていつものMSMシミュレーション。

イメージができたところで・・・・予報官の模範解答は?

最寄りの地域の天気の模範解答は、府県天気予報でチェックしてください。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
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2011年10月16日
西から回復、北日本は強風・不安定(10月16日)
Kasayanの住む長野市・・・強い雨音で目を覚ましてしまいました。

今朝、07時前のレーダー画像。
前線の雨雲は北日本にシフトして西から回復傾向。
天気図を見ているうちに、長野市も青空が顔を出し始めました。
前線の通過が3時間遅くなっていたら・・・イヤーな雨の朝になっていたはずですから、前線通過のタイミング次第で、体感的な天気はずいぶん変わるもんですよね・・・・・
週間予報はハズレやすいなんて言われますけど、一週間先の前線通過が3時間以上ズレるのは当たり前です。
体感的な天気で、週間予報はずいぶん濡れ衣を着せられてるんじゃないかな?なんて考えていました。
さて、回復傾向に見える空模様ですが・・・・・・ホントに大丈夫?

今夜の予想天気図を見る限り、西日本から高気圧に覆われて天気回復がうかがえますが・・・・
北海道の北では低気圧が猛烈に発達して、北日本付近の等圧線が混雑・・・かなりの強風が予想されます。
また、高層天気図で北日本上空を見ると、寒気を伴った上空の気圧の谷が接近中。
大気不安定による雨も予想されますから、北日本は回復とはいえないようです。
その高層天気図ですが・・・・

そもそも、等高度線(等圧線と同じです)がU字にカーブしている部分全体が上空の気圧の谷ですが、さらに細かく見ると、小さな気圧の谷(赤の点線)がチョコマカと北日本を通過します。
小さな気圧の谷が通過するタイミングで、偏西風上の反時計回りの空気の渦(赤塗りの数字)が北日本を通過。
渦が通過する度に、地上付近では雨雲が活発になって、不安定な天気が続いてしまいそうです。
そして、上空の気圧の谷が運んでくる寒気。

今夜から明日にかけて-20℃以下の寒気が北海道へ。
すぐ北側には-30℃以下の寒気の中心(平地で雪の目安)までやってきますから、大気が不安定になってますます雨雲活発化。
強風まで予想されていますから、北海道はちょっとした荒れ模様の天気ということになりそうです。
ちなみに、この寒気で季節は一歩前進。

明日、北海道では平年を5℃以上も下回る寒さに。
東日本・西日本も平年を下回ります。
20日前後には、再び平年を上回りますから、すぐに季節は戻ってしまいますけど、気温が大きく変化しながら冬へと向かって行きます。
さて、北日本はこれくらいにして、あとの地域は回復傾向ですから、いつものMSMシミュレーションで、今日の空模様をチェックして終わりにしましょう。

このアニメでザックリと空模様の変化を確認しておいて・・・・府県天気予報で最寄りの地域の予報官の見解をお聞きする?というのが、この図のオススメの使い方です。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
オマケ・・・・前線の様子をまとめてみようかと思ってCGを作ってみたんですけど・・・いらねーな・・・と思ってカットしました。
もったいないので、掲載だけ・・・・
なんか、今日のブログはさえない感じ・・・・・


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2011年10月15日
雨の週末回復ゆっくり、北日本は冬型へ(10月15日)
行楽の秋ですが、先の3連休が秋晴れに恵まれたツケが今週末に回ってきたような・・・・・

昨日夕方から今朝未明にかけての雨の様子・・・気象庁がレーダーとアメダスを合成して解析雨量として表示しているモノをアニメにしました。
大雨のエリアが東へシフトしていることがわかりますが、かといって西日本がスカッと回復に向かっている気配は見られません。
明日には回復へ・・・といきますかどうか?まずは実況天気図⇒予想天気図のアニメを作っておきました。

この週末、日本付近は大陸の高気圧と太平洋の高気圧にはさまれて、気圧の谷になっています。
このため、谷底の日本には、北から寒気が、南からは暖湿気が流れ込んできて、行き場の無くなった水蒸気が雨になって落ちてくる・・・・・という感じ。
明日、高気圧が張り出してくる西日本では青空が顔を出すまでに回復することが考えられますけど、それ以外の地域は太陽は見えても雲が多めに推移しそうな気圧配置です。
では、この週末・・・・具体的にどのような天気変化になるのか?
昨日の記事で詳しく書きましたが、地上の低気圧や前線にパワーを与えて天気を悪くするモト・・・上空5700m付近の気圧の谷と、偏西風の蛇行部分にできる低気圧性の渦の様子を、1時間降水量の図と併せてアニメにしました。
ちなみに、薄っすらと紫に見えるのは上空5700m付近の寒気。

昨日からの雨の変化を見る限り回復の気配が見えた西日本ですが、今夜には朝鮮半島付近に深い気圧の谷が接近。
北九州付近をかすめる程度で日本海へと進むので、大崩れにはなりませんけど、午後から再びぐずつき気味。
そして、この気圧の谷・・・次第に浅くなりながら、明日日中、北日本を通過。
今日雨を降らせている前線や低気圧は東海上へ抜けますが、北日本では再び一時的な雨が降りそうです。
ちょっと複雑な天気変化の週末になりそうですが、この雨でまた季節が一歩前進の気配。
明日、北海道方面にやってくる寒気は-20℃ですから、この秋一番というほどではありませんけど(明後日は一番?)、大陸上空には-35℃の寒気が顔を出しています。
日本上空にやってくると大雪をもたらすだけの寒気ですから、間近に真冬が顔を出し始めたということです。
それでは、今日の空模様・・・・もっと詳しくチェックしておきましょう。
下層雲を紫で表示していますから、雨が止んだ地域でも雲がとれにくいということをイメージしていただければ・・・・

北海道付近の海上に黒く計算されているのは、海上の霧。
全体を見ると、まさにあいにくの土曜日・・・・という感じですね。
で・・・いつもはここで終わりにするんですけど・・・・ここまでの計算値をご覧になっていれば、頭の中には未来の空模様がイメージできているはずです。
そこで・・・・答え合わせじゃないですけど・・・予報官はどのように予報を作ったか?見てみましょう。


ブログを読んでいただいて、天気マークの予報の見え方がちょっと変わったのなら・・・思考過程がお天気キャスターに近づいたということだと思います。
さらに最寄りの気象台の予報官がどう考えた?・・・府県天気予報を読んでみてください。
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2011年10月14日
週末は大雨と突風のおそれ(10月14日)

今朝の実況把握3点セット。
西から不穏な雲が迫っていて、その下では所々に活発な雨雲。
先行して暖かく湿った空気(雨の原料)が流れ込む四国付近でも雨模様になっています。
昨夕に続いて、今朝も気象庁からは「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第2号」が発表されています。
テレビのニュースで「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」と伝えられている情報の元ネタ。
情報の重要な部分を抜粋すると・・・・・
[気圧配置など] 前線が、華南から東シナ海にのびています。 今後、前線上に低気圧が発生し、14日夜には九州付近に進む見込みです。 前線は、九州から日本海にのびて、14日夜には日本海にも低気圧が発生するでしょう。 低気圧や前線には、南から湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となる見込みです。 [防災事項] <大雨> 15日にかけて、西日本から東日本の太平洋側には南から暖かく湿った空気が流れ込む見込みです。 そのため、西日本太平洋側や東海地方では、雷を伴った1時間50から60ミリの非常に激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう。 15日6時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で 近畿地方 300ミリ 東海地方 250ミリ 四国地方 200ミリ の見込みです。 |
ポイントは、前線と前線上の低気圧、そしてこれに流れ込む暖湿気(雨の原料)。
文字だけでは何のことかわかりにくいので、今夜の予想天気図で内容をチェックしておきましょう。

前線上に低気圧が発生し・・・と言いますけど、低気圧が発生するには理由があります。
そのひとつが、地上の反時計回りの渦=低気圧にパワーを与える上空の気圧の谷。
明日にかけて、上空の深い気圧の谷がやってきます。
また、秋の移動性高気圧が東に抜けると、日本付近は時計回りの高気圧から吹きだす南東の風の場に・・・。
南寄りの風になるので、暖湿気が運ばれてきて、雨の原因になるわけですが、これだけじゃ大雨になりません(普通の不安定な天気になるはず)。
上空の気圧の谷が強い寒気を運んでくるので、これが暖湿気とぶつかって雨雲活発化。
大雨のニュースや天気予報の解説・・・短くなければニュースとして伝わらないし、難しいことを言っても理解してもらえないということもあるでしょうけど・・・・
「TPP」とか「事実上のデフォルト」とか、ニュースでは難しいことをいくらでも伝えているんですから、天気予報でも多少難しくても、説明の仕方次第で十分注意喚起ができると思うんですけど・・・・ちょっと省き過ぎのような気がします。
では、問題の前線や前線上の低気圧にパワーを与える上空の気圧の谷の様子を詳しく。

「ゆく川の流れは絶えずして」・・・・・方丈記でしたっけ?(偏西風を説明するとき、なぜか思い出しちゃうんです)・・・川の流れが蛇行すると、淀みに渦ができて川下に流れていきますけど、空の上の「偏西風の川」でも同じことが起こっています。
上空の気圧の谷が深まりながら日本海にやってくると、反時計回りの渦も日本海へ。
上空の渦が地上の空気の流れに作用し、前線上に低気圧が発生・活発化することになります。
次は、活発化した低気圧から沸き上がる雲を、さらに活発化させて大雨をもたらす寒気の様子。

上の図で見た上空の気圧の谷が寒気を運んできます。
上空の気圧の谷の南側を流れる偏西風がシベリアの寒気を連れてくるわけですが、これからググッと寒気が南下してくることがわかります。
寒気がピークになるのは、雨が上がった後・・・・一雨ごとに秋が深まるというのはこのことですね。
寒気と暖湿気の様子を3Dにしてみると・・・・

空気の湿り気の多くは海水からやってきますが、暖かく湿った空気は霧のように海面を滑って北上。
陸上で冷やされ、水蒸気が抜けて乾燥した寒気が大陸から南下・・・暖かい空気とぶつかれば・・・・大雨の雨雲が発生しそうだなという雰囲気だけはしますよね?
また、大気が不安定になるので、突風や竜巻などの心配も出てきます。
以上の詳しい理由を頭に思い浮かべつつ、具体的な雨の様子を見ると・・・・・

雨の様子ばかりに目が向いてしまうと思いますけど、風の流れ・・・・西日本の南海上から一気に北海道へと流れ込んでいます。
実は、この風の様子・・・いつもは地上の風ですが、今日は上空約1500mの風。
いつものように、地上付近の風の様子を12時の雨の様子に重ねてみると・・・・・

雨が活発な九州の西では、北寄りの風が計算されていて、南風と渦を巻いていることがわかると思います。
上空の気圧の谷の渦パワーがここに現れていて、北寄りの風が運ぶ寒気と南風が運ぶ暖湿気がぶつかるつともに、暖湿気が寒気の上を滑り上がり、雨雲が活発になっている様子がわかると思います。
最後は、雨の様子の延長線・・・・週末の雨の様子・・・天気の流れだけチェックしておきましょう。

明日の昼には西日本が回復モード。
明後日(日)の昼には東日本も回復モード。
北海道だけ、回復が遅くなりそうですね。
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2011年10月13日
天気ゆっくり下り坂、週末の天気は?(10月13日)
本の企画に関してご意見のメールを昨日もたくさんいただきました・・・本当にありがとうございます。
正直なところ、これほど多くの方からメールを頂けるとは思っていませんでした。
遅くとも今月中には、すべてのメールに返事を書きたいと思っています。

今朝のレーダーを見ると、西と南から雨雲が接近。
衛星画像を併せ見ると、西から下り坂なんだな・・・という気配がうかがえます。
下り坂の様子を、今夜の予想天気図とマークの予報でチェックしてみると・・・・・


予想天気図から読みとれることと、天気マークが面白いように対応しています。
確かに西から下り坂ですけど・・・まだゆっくりと坂を下り始めた段階のようです。
(天気マークの予報も予想天気図と比較しながら見ると、今までとは違った見方ができるようになるので、ちょっとオススメです)
今朝のKasayan・・・いつものように、各地の予報官はどんな予報を出しているのかな?と、府県天気予報をパラパラとチェックしていると・・・これまた面白いことに気付きました。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
千葉県南部の府県天気予報は、「くもり 時々 晴れ」でマークと同じ。
ただ、天気概況( http://www.jma.go.jp/jp/yoho/318.html )を読むと、「夕方から夜にかけて雨の降る所があるでしょう」なんて書かれています。
マークや府県天気予報では雨を予想していなくても、天気概況にちょっとだけ雨のことが書かれているんですよね・・・・・
予報官の心理としては、「予報にするほどの雨じゃないけど、心配だから一応天気概況には書いておこう」というところだと思います。
気持ちはわかるんですけど・・・・
ちなみに、今日から明日にかけて、気象庁の予報の中核を担うGSMというシミュレーションを見ると・・・・

今日の夜、関東付近に雨が計算されています。
千葉県の銚子地方気象台の予報官は、この計算値の評価をすごく迷ったんでしょうね。
GSMより解像度がよいMSMという別のシミュレーションを見ると・・・・

(下層雲を紫で追加してあります)
GSMほど関東付近に雨は計算されていません。
こりゃ迷うよなぁ・・・と思いながら、東京の府県天気予報を見ると、「くもり 朝晩 晴れ 所により 夕方 雨」になっていて、「雨」を予報に入れています。
こういうときは、関東南部の予報はアヤシイと考えて、神奈川県のように雨を予想していないところでも安全マージンをとるというのが天気予報を上手に使うコツ。
このブログには、そのための材料を掲載していますから、仕事に行楽に天気が気になるときには、ご自分の地域でもこんなふうに天気チェックをしてみてください。
なんかノウハウを書いただけになってしまいましたが、今日の天気・・・簡単に言ってしまえば、高気圧が東へ抜けて、高気圧から吹きだす風が南東風になって、暖湿気(雨の原料)を運んでくるので、西日本はぐずつき気味・・・・明日以降、上空の深い谷が接近するので、前線と低気圧が活発になって西からまとまった雨になる・・・・ということです。
必要なことは図に書きこんでおいたのでイイですよね?
気になる週末の天気も、あのGSMでアニメにしておきました。

未来の計算値になるほど誤差が大きくなるのは感覚的にご理解いただけると思いますけど、今回の雨は狭い帯状の雨。
それだけに、雨雲の通過のタイミングがちょっとズレただけで体感的な天気はコロリと変わります。
(特に朝の段階で降っているか降っていないかで、たった3時間のズレでもイメージはずいぶん変わりますよね)
ですから、必ず、前夜あるいは当日朝に府県天気予報を見て、頭の中の空模様をアップデートしてください。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです)
2011年10月12日
週末に向かって天気はゆっくり下り坂(10月12日)
【お願い】(12日まで掲載予定) 実はこのブログが縁で、「長野県の気象(天気)について」という漠然とした企画で本を書くことになりました。 従来の気象本のように、理科の教科書のような本にはしたくありませんし、過去の災害や出来事をまとめた統計や白書のような本にもしたくありません。また、お天気Q&Aのような豆知識を羅列したような本も・・・なんだかなぁ・・・という気がします。 わざわざ本を買って読んでいただくわけですから、読む前と読んだ後で、天気予報を見る目や使い方が変わって、「役に立った」と思っていただけるような、実践的な本にしたいと考えています。 企画こそ「長野県の気象」ですが、全国共通で役立つような「天気予報に対する考え方」をベースにして、その上に長野県に特化した「役立つ情報」を盛り付けていくという内容を、漠然とイメージしています。 そうでなければ、長野県内の天気予報に関する内容も説得力を持たないと思うからです。 そこで、ブログを読んでいただいている皆様にお願いなのですが、思いつくままで構いませんから「天気予報番組やネットの天気予報で物足りないと感じていること」をメールで(kasayangw@yahoo.co.jp)教えていただけませんでしょうか? 本のベースになる考え方の参考にしたいので、他府県の方のご意見も大歓迎です。 |
昨日も、多くのメール本当に有難うございました。
今月中にいただいたメールの内容を集計するとともに、必ず返事を書きたいと思っています。

今朝も実況把握3点セットから。
レーダーと衛星画像からは、原則:広く秋晴れという感じ。
午前3時の実況天気図を見ると、大陸から高気圧が移動してきていますから・・・・
ただ、高気圧に覆われても例外はつきもの。
テレビの天気予報は原則の話しをしますけど、このブログでは例外の話しを中心に・・・・・「爽やかな晴天になるでしょう」というコメントをしたり、暇ネタに季節の話題を伝える時間があったら、例外の地域の話しをするほうが親切なんじゃないかと・・・・・いつも感じているので・・・・
今後の天気に影響してきそうなポイントを赤丸で示しておきましたが、ポイントがどのように変化するのか?

今朝は初めての試み・・・短期予報解説資料(プロ用の資料)に掲載されている簡易図に、今夜の予想天気図を重ねてみました。
これまでどっちか・・だけに書き込みをして掲載していましたが、合体することで気圧配置と気象庁公式の注意点との関係がわかりやすく・・・・なったかなぁ?
いずれにせよ、今日のポイント・・・秋晴れの例外の地域は北海道と南西諸島。
原因はシアーライン(寒冷前線と類似の現象で、風が収束して上昇気流になり雨雲を作るライン)と、暖湿気。
そこで、この図の対象期間の今朝から明日夜にかけて、シアーラインと暖湿気がどう変化するのか?・・・シアーラインへとも関係する上空の寒気の様子も併せて盛りだくさんのアニメにしてみました。

アニメとしては失敗だったかも・・・繰り返し見ないと、理解できないですよね・・・・・・ゴメンナサイ。
でも、同じ視野のに複数の情報が入るから、情報を比較しながら見るにはイイかな・・・・?
北と南の秋晴れの例外の原因が寒気を背にしたシアーラインと南からやってくる暖湿気(雨の原料)だということを読みとっていただければイイんですけど。
あと、西日本から下り坂の気配・・・
一応、原則の秋晴れも様子もチェックしておきましょう。

今日も曇りのイメージを作る下層雲(紫)も併せて表示させてありますが、晴れベースだけどちょっと雲がかかる場所もある、という感じです。
ついでに、明日以降、西日本から下り坂になる様子も・・・秋の週末は貴重ですから。

14日(金)は西日本、15日(土)は全国的に雨模様。
土曜日は残念な天気・・・・紀伊半島などではまとまった雨がありそうですが、土砂ダムの危険性は下がっているとは言われるものの・・・ちょっと心配。
今のところ、16日(日)は回復しそうなので、日曜日に期待といったところでしょうか。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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