2011年10月11日
雲多めの秋晴れ、寒気南下し大気やや不安定(10月11日)
【お願い】(12日まで掲載予定) 実はこのブログが縁で、「長野県の気象(天気)について」という漠然とした企画で本を書くことになりました。 従来の気象本のように、理科の教科書のような本にはしたくありませんし、過去の災害や出来事をまとめた統計や白書のような本にもしたくありません。また、お天気Q&Aのような豆知識を羅列したような本も・・・なんだかなぁ・・・という気がします。 わざわざ本を買って読んでいただくわけですから、読む前と読んだ後で、天気予報を見る目や使い方が変わって、「役に立った」と思っていただけるような、実践的な本にしたいと考えています。 企画こそ「長野県の気象」ですが、全国共通で役立つような「天気予報に対する考え方」をベースにして、その上に長野県に特化した「役立つ情報」を盛り付けていくという内容を、漠然とイメージしています。 そうでなければ、長野県内の天気予報に関する内容も説得力を持たないと思うからです。 そこで、ブログを読んでいただいている皆様にお願いなのですが、思いつくままで構いませんから「天気予報番組やネットの天気予報で物足りないと感じていること」をメールで(kasayangw@yahoo.co.jp)教えていただけませんでしょうか? 本のベースになる考え方の参考にしたいので、他府県の方のご意見も大歓迎です。 |
一昨日に引き続き、多くのご意見のメール本当に有難うございます。
遅くなってしまうかもしれませんが、必ず返事を書かせていただきます。

さて、今朝の実況把握3点セット。
午前3時の実況天気図を見ると、日本付近に低気圧や前線の姿は見えませんが、二つの高気圧にはさまれて弱~い気圧の谷。
九州方面や北陸に雨雲が観測されています。
普通の天気図だけじゃ、なかなか雨の理由を考えるのが難しいと思いますが、高気圧からは時計回りの風が吹きだす・・・という理科の知識を思い出して、北寄りの風は冷たい空気を運び、南寄りの風は暖かい空気を運ぶと考えると、二つの風がぶつかる場所や風が山にぶつかる場所で雨が降りそう・・・なんて考えることができます。
さらに衛星画像で雲の様子を見ると、もう少し具体的に空模様が見えてきます。
今朝の空模様・・・今夜にかけてどう変化するんでしょうか?
実況天気図の延長・・・・今夜の予想天気図でチェックしてみましょう。

今夜も、日本付近は引き続き弱い気圧の谷。
弱い気圧の谷は低気圧になりきれない低圧部ということですから、北から南から空気が流れ込んできます。
湿った暖かい空気や冷たい空気が混じり合うわけですから雲多め。
さらに、今夜には南岸まで寒気が南下して、大気は不安定になってきます。
寒気の様子はさすがに普通の天気図じゃわかりませんから、天気予報番組では解説事項・・・冬じゃないので、テレビの天気予報ではコメントだけで済ますパターンですけど、キチンとチェックしておきましょう。

昨日、北日本に激しい雷雨をもたらした寒冷前線は東海上に抜けましたが、今朝は前線の後ろ側の寒気が北海道上空へ。
夜になると寒気の中心は東海上に抜けるものの、寒気の南側のスソはむしろ南下傾向・・・新潟上空では夜にかけて5℃も気温が下がります。
地上付近の暖かい空気が少なめなので、大気は「やや」不安定になる・・という感じ。
ただ、「やや」不安定といっても、天気を悪くするもう一つの原因・・・・テレビの天気予報ではものすごく解説が難しい「上空の気圧の谷」がやってきます。

今朝、九州方面の雨雲のパワーを与えていた上空の「浅い」気圧の谷が、夜には関東付近まで進んできます。
大気が「やや」不安定なところに、雨雲にパワーを与える上空の気圧の谷がやってくるので、関東北部では夕方以降雷雨が予想されています。
このブログでは、上空の気圧の谷の図を頻繁に使っていますが、この気圧の谷・・・もっと広範囲で見るとこんな感じになっています。

北極を中心にした北半球の上空の天気図を、過去一週間のアニメに加工したものですが、左下に緑色に塗った日本が見えますよね・・・
いつも見ている天気図は、北半球のほんの一部を見ているだけ。
冬に向かって北極に寒気が貯まってくると、地球全体の温度差が大きくなりすぎるので、地球全体の温度を平均化しようとする力が働いて寒気が南下してきます。
このとき地球が自転しているので、南下する寒気は東に向かって流れはじめて偏西風に。
偏西風が蛇行しながら温度を均一にしようとする過程で、日本付近に上空の気圧の谷や寒気が周期的にやってくるわけですが・・・そんな様子をチェックしているわけです。
話が横にそれてしまったので、いつものように具体的な雨の様子。
今日も曇りのイメージがわかるよう、下層雲を紫色で重ねてみました。

北日本の雲はとれる傾向ですけど、西日本や東日本は雲が多め。
上空の気圧の谷が浅いのでこの程度で済んでいるわけですが、14日あたりには深い谷がやってきそうです。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
16時08分追記 平成23年10月11日16時00分 気象庁予報部発表 台風に関する気象情報(全般台風情報)抜粋 11日15時、ミンダナオ島の東の 北緯8度50分、東経128度30分において、熱帯低気圧が台風第20号になりました。 台風は1時間におよそ15キロの速さで北西へ進んでいます。 中心の気圧は1002ヘクトパスカル 中心付近の最大風速は18メートル、 最大瞬間風速は25メートルで 中心から半径330キロ以内では 風速15メートル以上の強い風が吹いています。 原文・進路予想: http://www.jma.go.jp/jp/typh/ |
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