2011年08月31日
台風12号の進路・風・降水など(8月31日)
台風12号の進路や速度が相変わらず不安定。
新しい観測値による最新の計算値が発表されるたびに日本接近のタイミングが遅くなっています。
これは台風を押し流す上空の強い風の流れ・・・偏西風が日本付近までなかなか下りてこないから。

一昨日までの計算値では、中国東北部付近の上空の気圧の谷が深まって、谷の南側を北東に向かって流れる偏西風が台風を迎えに来ることが予想されていたのですが・・・・・
今朝のMSMという計算を見る限り、上空の気圧の谷はイマイチ深まらず、偏西風もなかなか南下してきません。
このため、台風は東側の太平洋高気圧縁辺の弱い南風に流されてノロノロと北上・・・ここにきて若干西に勢力を強めている高気圧に頭を押されて西寄りに進んでいる状態。
そこで、気象庁のシミュレーションモデルGSMを、9月1日21時から3日21時までの48時間、一気にまとめておきました。

たっぷりと書き込みしておきましたから、詳しいことは読んでいただければよいと思いますが、ポイントを二つ。
とにかく長時間、日本にまとわりつくので、特に台風の東側で雨が長時間降り続くこと。
そして、強い風も台風の東側で吹き続けること。
とりあえず、『この計算値で』上陸のタイミングと思われる3日0時の計算値を拡大してみると・・・・

こちらも多くをコメントしませんが、この位置に上陸する場合に限らず、暴風・大雨、そして風向きと湾の開いている方向、満潮のタイミングによる高潮に警戒が必要だということは確かでしょう。
かなり警戒が必要な台風だと思いますが、その進路はまだまだ不安定・・・・
上の図を見るとリアルに感じてしまいますけど、新しい計算値が発表されると大きな修正を余儀なくされる可能性も大。
ちなみにヨーロッパ中期予報センターとアメリカGFSモデルでは・・・・


ずいぶん西よりに接近するところは両者同じですが、接近のタイミングは大きく異なります。
そこで、安全マージンをどう採るべきか?ですが・・・・

結局、最新の進路予想図の予報円の範囲内で考えないといけないんですね。
あえて絞り込むとすれば、若干西寄りに変化する可能性が「ありそう」という程度でしょうか・・・・
10時10分追記 本当に予想進路が西に変化してきました。今まで以上にコマメに進路予想図をチェックしてGSMのコースを修正し、何が起こるのか?起こった気象現象はどのように影響するのか?何をどう対策すべきなのか?と、頭を回転させてください。 |
米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
http://www.usno.navy.mil/JTWC/
気象庁5日間予報
http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html
ところで、波はすでに高まっていて、天気予報でも警戒が呼びかけられていますがが、風はどうでしょう?
今日21時の風の様子ですが・・・・

南海上の風速はかなり強まってきているんですよね・・・・
台風が北上を開始したらいきなり風速が強まるということが考えられそうです。
いずれにせよ、これだけ不安定な状態ですから、週末の予定もなかなか立てられずイライラされていると思います。
ただ、気象庁にしても民間気象会社にしても、これまで検討してきたこと以外に、状況が好転する情報があるわけではありませんから・・・・・十分に安全マージンをとった上で・・・・・
命がかからないことなら「迷ったらGO」
命がかかる海や山の予定なら「迷ったら止める」
・・・・・がおすすめです。
交通機関がどうなるか?についても悩まれている方が多いと思いますが・・・・・人が絡んでいることなのでなんとも言えませんけど・・・・計算値が不安定ですから・・・・
「ギリギリ待てるだけ待ってから、その時の最悪の状態をもって判断する」
・・・・というのがおすすめです。
最後は、今日の天気・・・台風の話と連続する内容なので簡単に・・・・・

今日から台風の最外縁の雨雲が関東方面から流れ込み始め、明日には関西方面にも拡大。
北海道や日本海沿岸にも台風からの暖湿流の影響が出始めるということです。
雨に影響する暖湿気の様子は・・・・

ジワジワと南岸から浸食?してくる感じですよね。
浸食の北縁あたりが前線帯になります。
なお、このブログの記事も時間とともに賞味期限切れになりますから、追記がなくても新しい情報のチェックを忘れないようにしてください。
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可能な限り返信いたします。

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