2011年08月04日

台風9号、10号、11号進路予想と不安定な天気


 8月5日20時追記
 やっと更新できる時間になったのですが・・・・疲れちゃったので、追記というカタチでざっくりと・・・

 台風11号になるか?と思われた熱帯低気圧は結局台風にはなりませんでしたが、暖かく湿った空気だけは日本に運ぶことになったようで、今日はアチコチでゲリラ(的)雷雨がありました。

 他方、台風9号の予想進路は大陸の陸上を進むのか、沿岸を進むのか・・・が、多少ばらついているようですが、とりあえず、九州方面の接近・上陸の可能性は低めの傾向で推移しています。
(米海軍のGFSモデルは日本の気象庁のGMSという計算値よりさらに大陸の陸上よりを示唆し、大きく振れている状況が逆に計算値の不安定さを感じさせます)
 そのかわり、台風11号になれなかった熱帯低気圧と同様、暖かく湿った空気を運んでくるという役割はキッチリ?と果たすようなので、全国的な不安定はさらに増してくる傾向。
 発生場所を特定しにくいゲリラ(的)豪雨の可能性が高くなって、いずれにせよ、やっかいな台風ということになりそうです。
 



 昨日から今朝にかけて、二つの「ありゃりゃ?」がありました。

 ひとつめは、台風11号(のタマゴ)の発生
 計算の誤差?単なる低圧部?と思ってしまうような空気の渦ですが、衛星画像などを厳密に解析した結果、気象庁は台風に発達する熱帯低気圧と判断したようです。
 昨日、ここ数日の太平洋高気圧の勢力の計算値を比較してみましたが、思わぬところにシミュレーション計算の不確定要素が顔を出してきました。







 上図は、いずれも明日(5日)午前9時のMSMという計算値ですが、八丈島付近に小さな渦が計算されています。
 今朝、4時25分に気象庁から発表された資料によると、24時間以内に台風(風速17.2m/s以上)に発達するとのこと。
 気象庁の予想進路図では遠州灘方面へと北上することになっています。

 気象庁予想進路図: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
 
 小さな台風・・・それも急に関東・東海方面に北上しますから、問題は接近に伴って何が起こるのか?ということでしょう。

 気象庁の台風予想や上の計算値を見ても、風については暴風域が発生するほど発達はしないと思われますが、台風ですから少なくとも瞬間20m/s以上の風が吹くことは想定しておきたいところです。

 で・・・・波は?




 台風11号?の北東側に波高3mのエリアが計算されています。
 台風9号付近の波高に比べたら大したことないじゃん・・・・という気がしてしまいますが、すでに台風9号のうねりがあり、新たな波が立つ波も合成され、いわゆる一発大波があれば関東付近でも6m前後の高波が考えられますから、夏休みの海は厳重警戒といったところです。

 そして、雨は?
 台風自体の雨雲は台風9号と比べようも無く小さいものですが、関東南部に所々降水が計算されているように、不安定な雨・・・ゲリラ(的)な雨が降る可能性が高まってきます。







 これは台風にともなう特に湿った空気の様子ですが、台風11号?に伴う湿った空気が南東の風にのって今日以降、関東南部や東海方面に流れ込みやすくなります。
 昨日の関東のゲリラ(的)雷雨は、この湿った空気の影響の兆候だったのですが(これは下で詳しくご紹介します)、今日、明日にかけてますますその傾向が高まってくると考えておくのが良いと思います。

 で・・・台風11号?はこれくらいにして、今日から沖縄に直接影響する台風9号
 マスコミの天気予報でバンバン伝えられるでしょうから簡単に・・・・




 今夜から明日にかけてが長いヤマ場というところですが、台風の通過に伴って、風や雨がどのように変化するのか?をこの図から読みとって、影響をイメージしていただければよいかと思います。

 沖縄通過後のコースですが・・・・・アメリカ海軍のGFSという計算値は、多少西寄りのコースに変わってきたものの、相変わらず九州の西側を北上するコースを計算しています。




 米軍の台風進路予想は一貫して大陸寄りを示唆していますから、この計算値については、とりあえず横目で見ながら無視するフリをしておきたいと思います。

 米軍進路予想図
  http://www.usno.navy.mil/NOOC/nmfc-ph/RSS/jtwc/warnings/wp1111.gif


 さて・・・やっと今日の天気・・・まずは予想天気図から・・・・




 今日のポイントは、どこへ・・・どのように湿った空気が流れ込んでくるのか?・・・・
 南海上に台風が並んでいるということは、それぞれの台風の右側(東側)が湿った空気を北へと運ぶポンプの役割をします。
 その場所は、九州方面と関東・東海方面

 関東・東海方面に台風11号?から湿った空気が流れ込む様子は、すでに上の立体図でご紹介しました。
 で・・・・湿った空気がどこで上昇して雨雲(雷雲)になるのか?・・・を風と絡めてチェック。







 図中の赤点線の地域で発生しやすいんじゃないかな?ということですが、それ以外の地域でも十分に可能性があると思います。


 ところで・・・昨日は、計算値よりはるかに多い雨が降りました
 これが二つめの「ありゃりゃ?」

 昨日の記事に掲載した予想図には、降水が計算されていない関東沿岸にも、アヤシイという意味で細い点線をつけておいたのですが、アヤシイどころかドバッと雨が降ってしまいました。







 
 関東南東側から湿った空気が流れ込み、湿った空気が収束する場所を中心にまとまった雨になったようです。
 今日はもっと湿った空気が流れ込むので・・・・ゲリラ(的)な雷雨は十分に考えられます。
 外出前には気象レーダーで一応雨雲チェックがオススメです。

 なお・・・明日(5日)朝のブログ更新ができないかもしれません
 その場合は、夜になって簡単に更新したいと思います。



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 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)


  


Posted by kasayan at 07:17Comments(2)雑記