2011年08月28日

台風11号と台風12号の動向(8月28日)


 今日も引き続き台風11号と台風12号の動向を中心にまとめていきますが・・・・

 昨日まで、台風のシミュレーションは安定する傾向だったのですが・・・今日になって再び不安定の兆候が現れてきました。

 まずは、気象庁のGSMというシミュレーションデータからチェックしていきましょう。




 台風12号の進路については昨日の計算値とほぼ同様ですが、1日から2日にかけて東日本付近を北上するスピードが若干遅くなっています。

 津波の被災地付近を北上することが予想されていますから、それだけ長時間暴風雨にさらされるということになります。
 また、仮に台風が東海上を通過する場合、東寄りの風が沖合から吹きつけることになりますから、風による海水の吹き寄せ効果で高潮のおそれも高まります。

 他方、台湾付近に停滞する台風11号は、昨日の計算で2日以降沖縄方面と北東進することが予想されていましたが、今日の計算では台湾付近で衰弱、あるいは消滅することが予想されています。
 西日本方面で勢力を強める太平洋高気圧が台風11号の北上を阻み、本当に消滅・衰弱すればよいのですが、今日の段階ではにわかに信頼することはできません
(命にかかわらない場合は「迷ったら行く」が正解になったかもしれないので期待してしまいますが・・・)

 ちなみに、アメリカのGFSというシミュレーションモデルと、ヨーロッパ中期予報センターのモデルは・・・・







 コメントは青字で書き込んでおきましたが、台風11号については気象庁GSMと同様消滅傾向をしめしているものの、12号に関しては北上のタイミング、コースともに大きく異なっています。
 ただ、いずれもそれなりのストーリーが考えられるので、単純に不安定では片付けられない可能性ある結果。

 各シミュレーションデータを見る限り、台風12号の北上速度のバラツキは、昨日の記事に掲載したように、中国東北部から南下してくる上空の気圧の谷の深さと南下速度が微妙にバラついているためだと思われます。
 上空の気圧の谷の南下の速度がバラつけば、その南側を流れる偏西風の南下もバラつき、結果的に台風が偏西風に乗るタイミングもバラついてしまうからです。




 正直なところ、台風11号については、台風進路予想図どおりしばらくは台湾付近に停滞すること以上、Kasayanにはわかりません。
 また、台風12号の北上コースや速度についても、各国のシミュレーションデータは気象庁の進路予想図の予報円の範囲とほぼ一致しますから、予報円の範囲内で北上し、上陸する可能性があるとしか言えません。
 結局、台風進路や発達の程度について、再び安全マージンを多く採ることが必要になってしまいました。

 今朝の段階で、気象庁の週間予報http://www.jma.go.jp/jp/week/)は、上に掲載した気象庁のGSMモデルの降水量(青塗り)を、ほぼそのまま踏襲したものになっています。
 今日11時に発表される最新の週間予報と上のGSMモデルの計算結果を照らし合わせ、さらに進路予想図の予報円を見ながら、台風の位置が自分にとって最悪の場合と、最善の場合で週間予報の天気マークがどのように変化するのか?を考えて対策を立てるしかなさそうです。

 一応、今夜あたりから先島諸島付近は大しけになりそうですから(小笠原はすでに大荒れの天気)、波の予想を掲載しておきます。




 これは生の計算値ですが、予報官は0.5~1m程度上方修正して予報を作っているようです。

 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/
 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html


 さて、台風はこれくらいにして、今日の天気をザッとチェックしておきましょう。




 昨日とほぼ同じ気圧配置・・・基本的に晴れベース。
 ただ昨日と同様、南岸付近に秋雨前線の残骸が残っています。

 昨日は秋雨前線の残骸の影響で、一昨日の東京に引き続き大阪でも記録的な豪雨になりましたが、今日は上空の太平洋高気圧が勢力を強めるので、湿った空気が流れ込みにくい状態。




 昨日ほどの雷雨はなさそうですが・・・・・




 一応、秋雨前線の残骸の部分に点線を引いておきましたが、昨日よりは明らかに雷雨の発生は少なくなりそうです。
 関東平野などではほとんど雷雨が発生しないかも・・・・・?

 自分の頭上の雷雨発生の可能性を知りたい方は、府県天気予報の予報文の中に「雷」の文字があるかチェックしてください(天気マークの予報ではわかりませんよ)。
 基本的には山沿い中心ですが、雷の可能性の有無がわかるはずです。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 コメントへの返信は時間があるときに必ずしたいと思っています・・・・ごめんなさい。

 
 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)

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Posted by kasayan at 07:22Comments(14)雑記