2011年08月23日

秋雨前線の動向と熱帯低気圧の今後(8月23日)


1、秋雨前線の動きと気温乱高下

 先週、秋雨前線が南下して秋の気配を感じる週末になりましたが、再び前線が北上して暑さが復活・・・・
 という話が天気予報番組の中心の話題になっているはずですから、今回の小さな秋?の総括から・・・




 15日からの一週間の天気図と、東京の最高気温をアニメにしてみました。
 これだけのことなんですけど・・・・前線の南側の暑い空気と北側の冷たい空気のせめぎ合い・・・・
 今日、前線は日本海沿岸まで北上しますが、上昇気味の気温変化はこれからどうなるのか?




 今月いっぱいは平年並みに
 35℃以上の猛暑日にはならないけれど、梅雨末期のような30℃前後の蒸し暑さがやってくるというところでしょう。
 まあ・・・テレビの天気予報と同じですね(同じ資料を使っているんで、同じじゃなければ困りますけど)。

2、熱帯低気圧の動向

 もう一つ・・・南海上の熱帯低気圧・・・・台風11号に昇格するのか?が気になるところですが、結論からいえば、「今のところ」熱帯低気圧のまま沖縄付近を通過する・・・という可能性が高くなっているようです。







 GSMという気象庁のシミュレーションデータは、台風への発達を予想していません
 他方、ヨーロッパ中期予報センターの計算値は、フィリピン付近を北上している熱帯低気圧との相互作用でコンピューターが混乱した?らしく、28日には突然、信じられないような巨大な台風を計算しています(アメリカのGFSという計算値も同様)。
 「今のところ」としか言えませんけど、台風への昇格の可能性は低いと思われますが、この週末、沖縄方面の天気は少々荒れ模様といったところでしょう。

22時40分追記
 小笠原付近に発生し、南海上を西に進んでいる熱帯低気圧ではなく、フィリピン東方で発生し停滞していた熱帯低気圧が台風11号に昇格しました。
 後から発生し、停滞していたので、このブログではほとんど無視していたんですけれど・・・・・
 今後もしばらく停滞する予想になっていますが・・・・熱帯低気圧と台風の相互作用(藤原の効果)により計算値が不安定なため、今後どうなるか・・・注目です。




 米軍台風予想図: http://www.usno.navy.mil/JTWC/



3、今日の秋雨前線

 まずは、概要把握のために、今夜9時と明日9時の予想天気図から。




 秋雨前線が日本海沿岸まで北上して明日夜まで停滞
 前線が凸になっているところ・・・・・天気予報の現場ではキンクと呼んでいて、弱い低気圧があるというイメージです・・・・が通過するたびに雨雲が発達することになりそうです。

 昨日同様、なぜ前線が北上し、前線が凸の部分がやってくるのかという理由を、上空5800m付近の天気図でチェック。




 上空の低気圧とそこから南西に延びる上空の気圧の谷位置はほとんど変わらず・・・・地上付近の気圧配置も大きな変化がないということです。

 そして、太平洋高気圧が勢力を拡大・・・・上空の気圧の谷の南側の強い空気の流れ(強風帯=地上の秋雨前線に対応)も北上
 
 前線に対応する上空の空気の流れは南側に凹のカタチをしていますから、蛇行している川の流れのように、反時計回りの渦がポコポコと出来て、日本上空を流れていきます
 この渦の下で、前線の凸部(キンク)ができるわけですから、前線の雨が結構コマメに強まったり弱まったりすることがわかると思います。

 次は、ムシムシの暑さと雨の原因になる前線南側の暖湿気の様子




 前線の北上にしたがって、暖湿気が流れ込みやすくなるというのはわかり易いですが、単純に流れ込むわけではなくて、太平洋高気圧の位置や熱帯低気圧の位置によって、ムラが生じます(テレビの解説では単純に一本の赤矢印にすることが多いですけれど)。
 このムラも雨の降り方に影響してきますが、今夜には対馬海峡方面から日本海への流れが出来てくるようです。
 前線上の低気圧との関係で、西日本日本海側の雨がちょっと気になります

 で・・・具体的な雨の様子を見ると・・・・・・




 雨のエリアが日本海沿岸に偏ってくること・・・・前線凸部にも偏ってくることがわかります。
 上空の渦が通過するタイミングで特に活発になるんでしょうね。
 
 前線の南側は次第に晴れてくるようですが、湿った南風が流れ込んでいるわけですから、局地的な雷雨の発生には気をつける必要がありそうです。

 具体的な降り方については・・・・・

 府県的予報(原文)
     http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報の使い方と用語集(用語を理解すればで時系列変化もわかります)
     http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/yoho.html

09時追記
平成23年 8月23日05時44分 長野地方気象台発表
長野県の注意警戒事項
 北部では、23日昼前まで土砂災害に警戒して下さい。

お知らせ 地震に伴い揺れの大きかった栄村、松本市(乗鞍上高地の区域を除く)では、大雨警報・注意報基準を通常より引き下げた暫定基準を適用しています。



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 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)

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Posted by kasayan at 07:18Comments(3)雑記