2011年08月06日
台風9号、10号の影響、全国的に不安定(8月6日)
いきなりですが、GSMという気象庁のスパコンの計算値で、台風9号の動きと雨の変化の様子。

台風のコースよりも、台風による影響を把握するために、午前9時~午後9時~午前9時・・・という流れでアニメを作ってみました。
台風からの暖湿流の影響を受ける九州は別として、本州の降水に着目してみると、明後日まで、午前9時の降水は少ないのに、午後9時の降水が多く計算されていることがわかると思います。
そうです・・・・雷雨です。
九州だけではなく、本州に広く暖湿気が流れ込むから。

台風から九州方面への流れと、太平洋高気圧縁辺から東日本への流れがあって、挟み撃ちで暖湿気(雨の原料)が流れ込んできます。
この状態・・・いつまで続くのか?・・・ノロノロと進む台風次第ですが・・・・


台風を流す強い流れは、はるか北のロシアの沿岸付近なので、まだまだノロノロと北上。
一方、日本付近上空は大平洋高気圧のコアに覆われて下降流帯のムシムシの猛暑が続きそう。
下降流帯なので、基本的には雷雲が発達しにくい状態なのですが、強い暖湿気の流入と強烈な気温の上昇で、弱い気圧の谷や低圧部が発生して風が集まるなどのちょっとした引き金で雷雲が思わぬところで発達するおそれがあります。
ここで今夜の予想天気図を見てみましょう。

日本付近・・・特徴のない気圧配置ですが・・・・
この図を簡略化して、今後の気圧配置の動向と、様々な専門の天気図の解析による解説を加えると・・・・

短期予報解説資料というプロ用の資料に掲載されている図の抜粋ですが、天気予報のキャスターの解説と同じようなことが簡単にまとめられています(キャスターがこれを参考にしてコメントを考えていることが多いからですけど・・・)。
台風の影響(雨・風や沿岸の波など)以外のポイントは、流れ込む暖湿気(雨の原料)による雷雨ですね。
その様子をアニメで見ると・・・・

なんだかポツポツと降水が計算されているだけで、大したことないじゃん・・・・という感じがしますけど、この計算値のメッシュ(計算される格子)の間隔は5Kmで、解像度は20キロ前後と考えるのが無難です。
とすると、計算されない雷雨も十分に考慮しなくてはなりません。


そこで、いつもは風の流れや地形を考慮して雷雨の引き金になる上昇気流の発生しそうな場所を予想しているのですが・・・・
今日は太平洋高気圧に覆われて全般に風が弱い状態。
このため風の計算値もイマイチ信頼がおけず、計算値の風だけで考えるのは危険な状態です。
東日本の雷雨は基本的に山で起こりますが、平野部でも海風の収束も考えられ、その場所の予想は困難です。
したがって、レーダーで目先の雷雨を発見するのが一番。
最近ではXバンドレーダーなど、最新のレーダーが運用されていますから、スマートホンなどが急速に普及しているこの夏・・・・・レーダーを使いこなす工夫をされてみてはいかがでしょうか?
(原理や使い方はそれぞれのサイトの解説を読んでください)
気象庁レーダー(基本ツール): http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
河川情報センター(広域詳細チェック用): http://www.river.go.jp/
Xバンドレーダー(地域詳細チェック用): http://www.river.go.jp/xbandradar/
東京アメッシュ(地域限定詳細チェック用): http://tokyo-ame.jwa.or.jp/
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)