2009年11月28日
善光寺40年前(番外編)
ずっとずっと気になっていても行けなかった場所というものがあります。
今日も善光寺40年前番外編。
善光寺の裏山・・・地附山。

地附山山頂の裏側には、地滑り以降に廃道となったバードラインが木々に埋もれています。
ここは、地附山から大峰山へと続く長い直線。
バードライン経由戸隠行きのバスに乗り、桜坂上のロープウェイ乗り場を過ぎると、道はつづら折りの急坂になり、地附山山頂の北側へと回りこみます。
そして、山頂スキー場の下を通り過ぎると、バスはこの直線でスピードを上げていきました。
高校生のころ、生物班に所属していた私は、月に最低1回は、徒歩でこの場所に足を運んでいました。 このガードレールの外側に、試薬の入ったガラスの臭気瓶(理科の授業で酸素の燃焼実験に使うやつです)を沢山置いてCO2濃度を測定し、自動車による自然破壊を観察していたわけです。

道端に瓶が沢山入ったバックを置いていて車に踏みつぶされてしまったこと・・・夏の午後、突然の夕立に濡れていたら、通りすがりの車が雲上殿まで乗せていってくれたこと・・・・
高校生のころ、心配していた自然は、力強く人間の仕業を消し去っていました。
今日も善光寺40年前番外編。
善光寺の裏山・・・地附山。

地附山山頂の裏側には、地滑り以降に廃道となったバードラインが木々に埋もれています。
ここは、地附山から大峰山へと続く長い直線。
バードライン経由戸隠行きのバスに乗り、桜坂上のロープウェイ乗り場を過ぎると、道はつづら折りの急坂になり、地附山山頂の北側へと回りこみます。
そして、山頂スキー場の下を通り過ぎると、バスはこの直線でスピードを上げていきました。
高校生のころ、生物班に所属していた私は、月に最低1回は、徒歩でこの場所に足を運んでいました。 このガードレールの外側に、試薬の入ったガラスの臭気瓶(理科の授業で酸素の燃焼実験に使うやつです)を沢山置いてCO2濃度を測定し、自動車による自然破壊を観察していたわけです。

道端に瓶が沢山入ったバックを置いていて車に踏みつぶされてしまったこと・・・夏の午後、突然の夕立に濡れていたら、通りすがりの車が雲上殿まで乗せていってくれたこと・・・・
高校生のころ、心配していた自然は、力強く人間の仕業を消し去っていました。
2009年11月28日
天気予報は当たるのか?(11月28日 週末版)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
長野ローカルの天気予報番組と関東ローカルの天気予報番組の違いが一目でわかるのが番組の冒頭です。
間近に雨が降りだすような場合、関東ローカルでは必ず気象レーダーや雨雲の予想の画面を表示します。

そして、「箱根方面の雨雲・・これから関東全域に広がって、日付の変わるころには広い範囲で雨になりそうです」なんていうコメントをして、お出かけや帰宅時間を考慮してもらう情報を提供するわけです。
これ、長野ローカルではほとんどありません。
天気予報番組って、沢山の人が携わって作られていると思われるかもしれませんが、それは関東キー局や大阪などの準キー局だけ。
長野ローカルなどの場合は、調整室の中にパソコンラックが一台置かれていて、番組の時間になると、気象会社から送られてきたデータをもとに自動的にCGが作成され、放送時間になると自動的に送出される仕組みになっています。
もちろん、番組で使うCGを入れ替えることは可能ですが、災害になりそうな場合をのぞいて、局のスタッフはそんなことをしているヒマも関心もありません。
だから、番組の冒頭で「現在、注意報警報は発表されていません」なんていうCGが毎日放送されたりしているわけです(注警報がないというのも大切な情報!と言い訳をする人もいますけど)。

じゃ、原稿の作成は?・・・これも気象会社から送られてきた定型の原稿をCGにあわせて読むだけ。
昨夜遅く、長野県北部で雨が降り出しましたけど、どの局もレーダーを使わず、定型のCGだけでした。いつもグチばっかりになってしまいますが、ホントに天気予報の地域格差はひどいんです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

週末特別版・・・土日の予報ですけど、回復傾向の今日は良いとして問題は明日日曜日ですよねぇ・・・
3、長野県の予報
天気マークしか見ていませんか?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

問題の明日。北部・中部は曇りベースから雨マークへ。
雨の降りだすタイミングが問題になりますから、177番のもとネタの予報文を読む必要があります。
南部は夕方、中・北部は夜から雨。
明日の雨の降りだしが、天気予報が当たるか?のポイントになりそうですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
土曜の朝、長文になっちゃいますけど、短期予報解説資料という天気予報を作成する人のために気象庁本庁が発表している天気予報の虎の巻の内容を紹介しながら天気図を見てみます。
難しそうに見えますけど、簡単なコトバにすれば下手なお天気キャスターより役立ちますよ。太字にしたとこだけでも十分です。
(かっこ)内はKasayanの書き込みです。
気象庁の予報官も、予報を作成するためには、まず予報のスタートライン=実況をじっくりと観察します。
①と②を図に書き込んでおきました。

次は、実況にもとづいた予測になります。
これも予想天気図に書き込んでみます。

結局、気象庁の予報官が考えた週末の天気変化のシナリオは・・・・・
・・・・っていうことのようです。
天気マークを使った天気予報がどういう理由で作られたか・・・わかりました?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
予報を信頼していいか?これも短期予報解説資料にヒントがあります。
②は波なので無視。
①を読むと、明日夕方以降の雨は、今日の観測次第では、ずいぶん様子が変わってくる可能性があると言っています。
結局、今日の回復傾向の予報は、北部の県境で回復が遅くなる可能性はあるものの当たると考えてもよいでしょう。
ただ、明日の雨については、最新の予報で再チェックする必要があるということになります。
予報は5時、11時、17時の一日3回発表されますが、全く新たなデータで計算されて発表されるのは5時と17時。
ということは、明日の予報がすごく気になる方は、17時発表の新しい予報を必ず確認したほうが良いということです。
もちろん、明日朝5時発表の予報でも確認したほうが良いにきまっています。
今日もずいぶん長文になっちゃいましたけど、週末の予報はこれだけ検討項目が多くなります。
これをどれだけ削って天気予報番組にするか?が技量の見せどころですけど、長野ローカルの天気予報番組・・・あまりにも簡単すぎるぞ・・・・・またグチになっちゃいました。
1、今日の一言
長野ローカルの天気予報番組と関東ローカルの天気予報番組の違いが一目でわかるのが番組の冒頭です。
間近に雨が降りだすような場合、関東ローカルでは必ず気象レーダーや雨雲の予想の画面を表示します。

そして、「箱根方面の雨雲・・これから関東全域に広がって、日付の変わるころには広い範囲で雨になりそうです」なんていうコメントをして、お出かけや帰宅時間を考慮してもらう情報を提供するわけです。
これ、長野ローカルではほとんどありません。
天気予報番組って、沢山の人が携わって作られていると思われるかもしれませんが、それは関東キー局や大阪などの準キー局だけ。
長野ローカルなどの場合は、調整室の中にパソコンラックが一台置かれていて、番組の時間になると、気象会社から送られてきたデータをもとに自動的にCGが作成され、放送時間になると自動的に送出される仕組みになっています。
もちろん、番組で使うCGを入れ替えることは可能ですが、災害になりそうな場合をのぞいて、局のスタッフはそんなことをしているヒマも関心もありません。
だから、番組の冒頭で「現在、注意報警報は発表されていません」なんていうCGが毎日放送されたりしているわけです(注警報がないというのも大切な情報!と言い訳をする人もいますけど)。

じゃ、原稿の作成は?・・・これも気象会社から送られてきた定型の原稿をCGにあわせて読むだけ。
昨夜遅く、長野県北部で雨が降り出しましたけど、どの局もレーダーを使わず、定型のCGだけでした。いつもグチばっかりになってしまいますが、ホントに天気予報の地域格差はひどいんです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

週末特別版・・・土日の予報ですけど、回復傾向の今日は良いとして問題は明日日曜日ですよねぇ・・・
3、長野県の予報
天気マークしか見ていませんか?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

問題の明日。北部・中部は曇りベースから雨マークへ。
雨の降りだすタイミングが問題になりますから、177番のもとネタの予報文を読む必要があります。
長野県 28日 5時
北部
今日 くもり 夕方 から 晴れ 所により 昼前 まで 雨
明日 晴れ 後 くもり 夜 雨か雪
中部
今日 くもり 時々 晴れ 佐久地域 で 昼前 まで 霧
明日 晴れ 後 くもり 夜 雨
南部
今日 晴れ 時々 くもり 所により 昼前まで 霧
明日 晴れ 後 くもり 夕方から 雨
南部は夕方、中・北部は夜から雨。
明日の雨の降りだしが、天気予報が当たるか?のポイントになりそうですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
土曜の朝、長文になっちゃいますけど、短期予報解説資料という天気予報を作成する人のために気象庁本庁が発表している天気予報の虎の巻の内容を紹介しながら天気図を見てみます。
難しそうに見えますけど、簡単なコトバにすれば下手なお天気キャスターより役立ちますよ。太字にしたとこだけでも十分です。
(かっこ)内はKasayanの書き込みです。
1.実況上の着目点
①低気圧がオホーツク海と千島近海にあって寒冷前線が東北を抜けつつあり、北日本
から西日本は寒気移流場(寒気に覆われる場所)に移行中。
北日本の広い範囲と北陸以西の日本海側に降水域。
北海道は内陸や山沿いで3 時間数センチの降雪。北陸周辺で1 時間10 ミリ前後の雨。
②四国沖~東シナ海は下層収束場(地上付近で風が集まり上昇気流が発生)で、雨域を伴う雲バンド(雨雲の帯)が見られる。
③台風第22 号は北上が止まりつつある。
気象庁の予報官も、予報を作成するためには、まず予報のスタートライン=実況をじっくりと観察します。
①と②を図に書き込んでおきました。

次は、実況にもとづいた予測になります。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①日本付近は一時的に冬型気圧配置となるが、FT24(28日午後9時) には気圧傾度が緩み(等圧線の間隔が開き)、中国東北区の高気圧に覆われてくる。
日本海側の降水(冬型気圧配置による)は、今日昼頃までで概ね終息の見込み。
②九州から朝鮮半島にかけては、2 つの高気圧にはさまれて気圧の谷(相対的に気圧が低い所)となり、FT24(28日午前9時) 以降シアーライン(風向きが急変している場所。雨雲が発生しやすい)が明瞭となる。
FT36 (29日午前9時)頃には500hPa・5580~5640m付近のトラフ接近(上空の気圧の谷。地上の低気圧のパワーのモト)によりシアーライン周辺で雨が強まるが、九州は水蒸気の流れ込みにくい場で、雨は局地的。
FT48 (29日午後9時)にかけては、トラフ前面の近畿、東海、関東甲信で雨域が拡大する。
③1項②(実況の着目点の②)の収束場は、四国沖はFT12(28日午前9時) にかけて収束が弱まるが、東シナ海では収束域が持続してゆっくり南下する。
先島諸島ではこれに伴いFT36(29日午前9時) にかけて雨の降りやすい状態が続く。
④台風第22 号はFT48 (29日午後9時)にかけて動きが遅く、緩やかに衰弱する見込み。
これも予想天気図に書き込んでみます。

結局、気象庁の予報官が考えた週末の天気変化のシナリオは・・・・・
今日午前中は西高東低の冬型の気圧配置になって、日本海側で雨。
長野県北部もその影響があるけど昼までには回復。
一転、明日朝には九州方面では気圧の谷の影響で局地的な雨。
ただ、明日夜にかけては九州よりも近畿・東海・関東甲信で雨雲が発達してくる。
長野県も夕方以降、順次雨が降りだす
・・・・っていうことのようです。
天気マークを使った天気予報がどういう理由で作られたか・・・わかりました?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
予報を信頼していいか?これも短期予報解説資料にヒントがあります。
3.数値予報資料解釈上の留意点
①モデルは概ね安定、最新のGSM(天気を予測するプログラムの計算値) を基本に考える。
2項②のFT48 頃の雨域(明日の関東甲信の雨)は、地上じょう乱を伴わないもので(低気圧の発生とは無関係)、今後、初期値変り(実況によって変化する)する可能性がある。
②波浪モデル:モデルをほぼ採用で、寒気移流場内は早め、高めの修正(+0.5~1m程度)
②は波なので無視。
①を読むと、明日夕方以降の雨は、今日の観測次第では、ずいぶん様子が変わってくる可能性があると言っています。
結局、今日の回復傾向の予報は、北部の県境で回復が遅くなる可能性はあるものの当たると考えてもよいでしょう。
ただ、明日の雨については、最新の予報で再チェックする必要があるということになります。
予報は5時、11時、17時の一日3回発表されますが、全く新たなデータで計算されて発表されるのは5時と17時。
ということは、明日の予報がすごく気になる方は、17時発表の新しい予報を必ず確認したほうが良いということです。
もちろん、明日朝5時発表の予報でも確認したほうが良いにきまっています。
今日もずいぶん長文になっちゃいましたけど、週末の予報はこれだけ検討項目が多くなります。
これをどれだけ削って天気予報番組にするか?が技量の見せどころですけど、長野ローカルの天気予報番組・・・あまりにも簡単すぎるぞ・・・・・またグチになっちゃいました。