2009年11月06日
天気予報のチェック方法(2)
インターネット上に溢れる気象情報・・・・
どの情報を、いつ、どのように見ればよいのか・・・・知ってますか?
間違った使い方してませんか?
2、天気予報の裏技・・・天気予報をカスタマイズする。
(1)何を見るべきか?
①予報文を使うほうがいい・・・177番の意外な情報量
電話の177番や、ラジオの天気予報では、「南の風 日中 北の風 晴れ」なんていうお決まりの文句が使われていますが、これらは、各地の気象台が一日3回発表する予報の原文をそのまま読み上げたものです。

インターネットやテレビの天気予報では、地図上に天気マークが表示され、一目で天気の傾向が理解できますから、いまさら177番もないだろう・・・と思われるかもしれません。
では、「南西の風 後 南の風 雨 夜遅く くもり 所により 夜のはじめ頃 まで 雷 を伴う」という予報が発表された場合を考えてみましょう。
この予報を天気マークにすると、”雨のち曇り”のマークが表示されるだけです。

ところが、予報文だと、雨が曇りに変わるタイミングが「夜遅く」であることや、場所によっては夕方以降も「雷」があることまで知ることができるのです。
さらに、風の予報にいたっては、インターネットでは風の予報の画面に切り替えなければなりませんし、テレビの天気予報では、画面に表示したり、コメントしてくれなければそれまでです。
もっとも、ネットの天気予報で流行のピンポイント予報を見れば、「夜遅く」や「夜のはじめ頃 まで 雷 を伴う」という部分もわかるじゃん?と思われるかもしれません。

たしかにピンポイント予報があれば、「夜遅く」の部分はある程度わかるにせよ、「所により・・・雷を伴う」がわからないのです。
そもそも、ピンポイント予報の天気マークに雷マークが存在していない場合が多い。
これ、コンピューターで作る予報では雷を予測できないからです。
仮に雷予測ができたとしても、または手入力で雷予測が加わったとしてもダメ。
たとえば、”ピンポイント”予報で雷が予想されていなかったとしても、お隣の”ピンポイント”・・・となり町かもしれません・・・で雷が予想されているかもしれない・・・ということがあるのです。
つまり、「所により」の所を自分で探さなければならない・・・・いいかえれば、ほんのわずか距離で雷の予想がズレただけで、想像もしていなかった雷に遭うこともありうるのです。
これは、ピンポイントが、より細かなピンポイントであればあるほど起こりうる、いわばデジタル思考の矛盾といえましょう。
どうです?電話の177番の情報量の多さ・・・・すごいと思いませんか?
②いまさら177番
電話の177番がどれだけスゴイのかおわかりいただけたと思いますが、いまさら・・・・
続きは次の記事で
ご質問・御意見・ご要望がありましたらコメントお待ちしております。
どの情報を、いつ、どのように見ればよいのか・・・・知ってますか?
間違った使い方してませんか?
2、天気予報の裏技・・・天気予報をカスタマイズする。
(1)何を見るべきか?
①予報文を使うほうがいい・・・177番の意外な情報量
電話の177番や、ラジオの天気予報では、「南の風 日中 北の風 晴れ」なんていうお決まりの文句が使われていますが、これらは、各地の気象台が一日3回発表する予報の原文をそのまま読み上げたものです。

インターネットやテレビの天気予報では、地図上に天気マークが表示され、一目で天気の傾向が理解できますから、いまさら177番もないだろう・・・と思われるかもしれません。
では、「南西の風 後 南の風 雨 夜遅く くもり 所により 夜のはじめ頃 まで 雷 を伴う」という予報が発表された場合を考えてみましょう。
この予報を天気マークにすると、”雨のち曇り”のマークが表示されるだけです。

ところが、予報文だと、雨が曇りに変わるタイミングが「夜遅く」であることや、場所によっては夕方以降も「雷」があることまで知ることができるのです。
さらに、風の予報にいたっては、インターネットでは風の予報の画面に切り替えなければなりませんし、テレビの天気予報では、画面に表示したり、コメントしてくれなければそれまでです。
もっとも、ネットの天気予報で流行のピンポイント予報を見れば、「夜遅く」や「夜のはじめ頃 まで 雷 を伴う」という部分もわかるじゃん?と思われるかもしれません。

たしかにピンポイント予報があれば、「夜遅く」の部分はある程度わかるにせよ、「所により・・・雷を伴う」がわからないのです。
そもそも、ピンポイント予報の天気マークに雷マークが存在していない場合が多い。
これ、コンピューターで作る予報では雷を予測できないからです。
仮に雷予測ができたとしても、または手入力で雷予測が加わったとしてもダメ。
たとえば、”ピンポイント”予報で雷が予想されていなかったとしても、お隣の”ピンポイント”・・・となり町かもしれません・・・で雷が予想されているかもしれない・・・ということがあるのです。
つまり、「所により」の所を自分で探さなければならない・・・・いいかえれば、ほんのわずか距離で雷の予想がズレただけで、想像もしていなかった雷に遭うこともありうるのです。
これは、ピンポイントが、より細かなピンポイントであればあるほど起こりうる、いわばデジタル思考の矛盾といえましょう。
どうです?電話の177番の情報量の多さ・・・・すごいと思いませんか?
②いまさら177番
電話の177番がどれだけスゴイのかおわかりいただけたと思いますが、いまさら・・・・
続きは次の記事で
ご質問・御意見・ご要望がありましたらコメントお待ちしております。
2009年11月06日
6日の天気予報は当たるのか?
1、今日のひとこと
だれしも100%当たる天気予報を知りたいと考えるものですが、現代の科学で100%未来の天気を予測することは不可能です。たとえば、水面に小石を投げいれたときにできる波紋が、小石の大きさ、かたち、水の温度などによって千差万別であって、コンピューターでシュミレーションができるようになった現代でも、それを100%再現することが不可能であるのと同じです。

もっとも、スーパーコンピューターが進歩し、世界中の気象データが瞬時にして世界をかけめぐる現代では、多くのデータをもとにコンピューター上に仮想の地球をつくり、地球の自転の何倍もの速度でそれを回転させ、未来の天気を相当正確に予測することができるようになりました。

じゃ・・・予報官の仕事は?・・・その昔、天気予報は気象庁の予報官は天気図をながめ、自らの頭で未来をシュミレーションしていましたが、今は観測された現在の本当の天気・・実況をもとに、コンピューターがたたき出したデータを修正し、100%ではないデータをそれに近づけるとともに、一般の人にわかる言葉・・・予報におきかえています。
それでも、まだまだ100%ではありません。
そうなると、今日の天気予報の確からしさはどのくらいなんだろう?と考えるようになるのが人情ですが、予報が仕事や生命に直結する農業や漁業などでは切実な問題です。
でも、日本の天気予報には、降水確率があっても、週間予報の一部を除いて予報確率?などというものが存在しません。
むしろアナウンサーと掛け合いの天気予報番組などでは、解説者が少しでも予報に不安があるような態度を示すと、厳しい突っ込みがされたりして、予報の確からしさを伝える雰囲気すらありません。

でも、ネットなら、そんな本音を伝えることができます。
ではどうやって?
コンピューターのデータを修正する段階で、人間の「決断」があります。そして「決断」の裏にはかならずもうひとつの選択肢があるはずです。
もうおわかりかと思いますが、もうひとつの選択肢を考えることが、天気予報の確からしさを知る手掛かりになるのです。
そして私は、その手助けをするものが、天気予報番組の気象解説だと思うのですが・・・・いかがですか?
2、11月6日の天気予報は当たるのか?
ちょっと前置きが長くなりましたけど、今日の天気予報のもうひとつの選択肢は?
今日は、ブログを書き始めたばかりなので、重箱のスミをつつくように丁寧に・・・
ここまでする必要はないんですけど、ネットの天気予報を見るときの参考になればと思い、「長野県内は晴れ一発」の今朝の予報に対して、あえて斜めに斬りこんでみることにします。
今朝5時発表の長野県の予報は・・・
まず、予報官の思考の痕跡・・・長野地方気象台が午前5時に発表した今日の天気概況(クリックでリンク先表示。添付画面から更新されているかも。)を見てみましょう。
前述のように、予報官は実況をもとにコンピューターのデータを修正していますから、実況の解説からはじまっています。
①実況部分
「四国付近には高気圧があって、ほとんど停滞」
まずこれを実況天気図で確認しておきます。

確かに高気圧が近畿地方にありますが、午前3時では四国ではなく近畿地方に中心があります。
また、「ほとんど停滞」ではなくて、東へ20km/hで進んでいます。
あれ?と思われるかもしれませんが、予報官が概況を作った時に手にしていた天気図は、昨夜午後9時の実況天気図だったのです。
そうすると、予報官の予報のスタートラインは高気圧が停滞しているという前提に立っていまたことが想像されます。
もちろん、予報官は、これからの気圧配置のデータを手にしていますから、これがすぐに予報のあやしさにつながるものではありませんが、発表された予報と現実の空模様とのズレが生じていないか?、天気変化のタイミングに影響していないか?と考えてしまいます(お金をもらって解説・予報をする場合に気になる程度のことですけど)。
次に、「長野県内は、晴れています」を確認します。
疑り深いといえばそうですけど、予報官がデータを修正するために見た実況が、大幅に変わっている場合だってありうるのです。場合によっては予報が発表された時点でハズレはじめていることも実際にあったりします。
アメダスの降水を見ると・・・・

県内降水量ゼロ
レーダーを見ても

県内に雨雲はありません。
ここで、ちょっと気になったのが、日本海の帯状の雨雲(赤の点線)。
こいつが悪い影響をしないのか・・・予報官は影響をしないと判断しているようです。
加えて衛星画像を見ても晴れのエリアですし、肉眼で見ても長野市から槍ヶ岳が見渡せるほど北信・中信は晴れています。

ということで・・・「長野県内は、晴れています」という判断、現時点でも正しそうです。
(普通はこの状況でここまで疑いませんけど)
②予報部分
そして、「今日の本州付近は、引き続き高気圧におおわれますが」の部分をチェック。
実況天気図はすでに見ていますから、今日の午後9時の予想天気図を見てみましょう。

確かに、夜になっても日本付近は帯状の高気圧の覆われます。
予報官もこの天気図や専門天気図を見て、このように判断したのでしょう。

同じ天気図を見ても、もうひとつの選択肢を考えることは逆に困難な状況です。
続いて、「夕方から夜にかけて上空の気圧の谷が通過する見込みです。」の部分。
上の予想天気図に赤の点線で書き込んだ部分が上空の気圧の谷に対応した地上の気圧の谷。
帯状の高気圧の中にも二つの頂上があって、その間は稜線の鞍部・・・弱い気圧の谷になっています。
念のため、専門天気図で上空の気圧の谷をチェック

赤線が凹になっている部分に赤の点線を引いたのですが、ここが「上空の気圧の谷」。
一般の人は「上空の気圧の谷」なんていってもわかりませんし、調べようもないのですが、「ダメな」テレビの天気予報解説では、こんな言葉を平気で使っていたりします。
確かに気圧の谷ができているし、上空・地上の天気図ともに同様の傾向を示していますから、もうひとつの選択肢=気圧の谷はできない・・・と考えるのは困難です。
そして、天気が悪目・・・それも曇り程度・・・なら、気圧の谷ができると判断するのが素直です。
最後に、「概ね晴れますが、夜には南部を中心に曇りとなるでしょう」について。
弱い気圧の谷の影響が南部中心だと言っているわけですが、影響を判断するには、弱い気圧の谷による雲が発生する理由を知っておかなければなりません。
気圧の谷とは、周囲から相対的に気圧が低いところを意味しますから、水が谷に流れ込むように、周辺の空気がそこへ流れ込んできます。
では、流れ込む空気はどんな空気なのか?ということで相当温位図という空気の雨の降らせやすさを示した図をチェックします。

南の海上には、青く塗られた湿った空気がありますが、これが高気圧の縁に沿って時計回りに西日本方面に流れ込んでいます。
どうやらこの空気が弱い気圧の谷に流れ込んで、雲を発生させるようです。
ただ、南信地方は流れ込む空気の最先端部分。
今日の段階では(明日はどうなるか?)雨までは判断しないのが当然だと思います。
もし、もうひとつの選択肢があるとしたら・・・高気圧の中心の動きが早く、弱い気圧の谷が予想より深く、湿った空気が流れ込んだら・・・と考えることになります。
その可能性は相当に低いものですけれど、南信地方で、雨は絶対にダメという事情のある人は、11時に発表される新しい予報をチェックし、午後になったら携帯電話で気象レーダーで急な雨雲の発生をチェックすべきでしょう。
ということで・・・・超超、重箱のスミをつつく、病的?な天気予報チェックになりましたが、台風が来る場合、大雪が降る場合には、これでも全然足りないことになります。
いずれにせよ「今日の天気予報は当たる」と思います。
はずれる要素があるとしたら、午後、弱い気圧の谷による雲が予想以上にひろがって、「晴れ」のイメージではなくなることでしょう。
最後に、Yahooのピンポイント天気をいつもチェックしていらっしゃる方・・・おられますか?
今朝のYahooのピンポイント天気、飯田は一日を通して太陽マークが並んでいました。
コンピューターまかせのピンポイント予報は、実況による修正が入っていません。
さあ・・・実際の今日の南信の天気・・・太陽マークだけの天気になるでしょうか?
朝からちょっと疲れた・・・・・
だれしも100%当たる天気予報を知りたいと考えるものですが、現代の科学で100%未来の天気を予測することは不可能です。たとえば、水面に小石を投げいれたときにできる波紋が、小石の大きさ、かたち、水の温度などによって千差万別であって、コンピューターでシュミレーションができるようになった現代でも、それを100%再現することが不可能であるのと同じです。

もっとも、スーパーコンピューターが進歩し、世界中の気象データが瞬時にして世界をかけめぐる現代では、多くのデータをもとにコンピューター上に仮想の地球をつくり、地球の自転の何倍もの速度でそれを回転させ、未来の天気を相当正確に予測することができるようになりました。

じゃ・・・予報官の仕事は?・・・その昔、天気予報は気象庁の予報官は天気図をながめ、自らの頭で未来をシュミレーションしていましたが、今は観測された現在の本当の天気・・実況をもとに、コンピューターがたたき出したデータを修正し、100%ではないデータをそれに近づけるとともに、一般の人にわかる言葉・・・予報におきかえています。
それでも、まだまだ100%ではありません。
そうなると、今日の天気予報の確からしさはどのくらいなんだろう?と考えるようになるのが人情ですが、予報が仕事や生命に直結する農業や漁業などでは切実な問題です。
でも、日本の天気予報には、降水確率があっても、週間予報の一部を除いて予報確率?などというものが存在しません。
むしろアナウンサーと掛け合いの天気予報番組などでは、解説者が少しでも予報に不安があるような態度を示すと、厳しい突っ込みがされたりして、予報の確からしさを伝える雰囲気すらありません。

でも、ネットなら、そんな本音を伝えることができます。
ではどうやって?
コンピューターのデータを修正する段階で、人間の「決断」があります。そして「決断」の裏にはかならずもうひとつの選択肢があるはずです。
もうおわかりかと思いますが、もうひとつの選択肢を考えることが、天気予報の確からしさを知る手掛かりになるのです。
そして私は、その手助けをするものが、天気予報番組の気象解説だと思うのですが・・・・いかがですか?
2、11月6日の天気予報は当たるのか?
ちょっと前置きが長くなりましたけど、今日の天気予報のもうひとつの選択肢は?
今日は、ブログを書き始めたばかりなので、重箱のスミをつつくように丁寧に・・・
ここまでする必要はないんですけど、ネットの天気予報を見るときの参考になればと思い、「長野県内は晴れ一発」の今朝の予報に対して、あえて斜めに斬りこんでみることにします。
今朝5時発表の長野県の予報は・・・
長野県 6日 5時
北部
今日 南の風 日中 北の風 晴れ
中部
今日 南の風 日中 北の風 晴れ
南部
今日 南の風 晴れ 夜 くもり
まず、予報官の思考の痕跡・・・長野地方気象台が午前5時に発表した今日の天気概況(クリックでリンク先表示。添付画面から更新されているかも。)を見てみましょう。
天気概況
平成21年11月6日05時05分 長野地方気象台発表
四国付近には高気圧があって、ほとんど停滞しています。
長野県内は、晴れています。
今日の本州付近は、引き続き高気圧におおわれますが、夕方から夜にかけ
て上空の気圧の谷が通過する見込みです。
このため、概ね晴れますが、夜には南部を中心に曇りとなるでしょう。
前述のように、予報官は実況をもとにコンピューターのデータを修正していますから、実況の解説からはじまっています。
①実況部分
「四国付近には高気圧があって、ほとんど停滞」
まずこれを実況天気図で確認しておきます。

確かに高気圧が近畿地方にありますが、午前3時では四国ではなく近畿地方に中心があります。
また、「ほとんど停滞」ではなくて、東へ20km/hで進んでいます。
あれ?と思われるかもしれませんが、予報官が概況を作った時に手にしていた天気図は、昨夜午後9時の実況天気図だったのです。
そうすると、予報官の予報のスタートラインは高気圧が停滞しているという前提に立っていまたことが想像されます。
もちろん、予報官は、これからの気圧配置のデータを手にしていますから、これがすぐに予報のあやしさにつながるものではありませんが、発表された予報と現実の空模様とのズレが生じていないか?、天気変化のタイミングに影響していないか?と考えてしまいます(お金をもらって解説・予報をする場合に気になる程度のことですけど)。
次に、「長野県内は、晴れています」を確認します。
疑り深いといえばそうですけど、予報官がデータを修正するために見た実況が、大幅に変わっている場合だってありうるのです。場合によっては予報が発表された時点でハズレはじめていることも実際にあったりします。
アメダスの降水を見ると・・・・

県内降水量ゼロ
レーダーを見ても

県内に雨雲はありません。
ここで、ちょっと気になったのが、日本海の帯状の雨雲(赤の点線)。
こいつが悪い影響をしないのか・・・予報官は影響をしないと判断しているようです。
加えて衛星画像を見ても晴れのエリアですし、肉眼で見ても長野市から槍ヶ岳が見渡せるほど北信・中信は晴れています。

ということで・・・「長野県内は、晴れています」という判断、現時点でも正しそうです。
(普通はこの状況でここまで疑いませんけど)
②予報部分
そして、「今日の本州付近は、引き続き高気圧におおわれますが」の部分をチェック。
実況天気図はすでに見ていますから、今日の午後9時の予想天気図を見てみましょう。

確かに、夜になっても日本付近は帯状の高気圧の覆われます。
予報官もこの天気図や専門天気図を見て、このように判断したのでしょう。

同じ天気図を見ても、もうひとつの選択肢を考えることは逆に困難な状況です。
続いて、「夕方から夜にかけて上空の気圧の谷が通過する見込みです。」の部分。
上の予想天気図に赤の点線で書き込んだ部分が上空の気圧の谷に対応した地上の気圧の谷。
帯状の高気圧の中にも二つの頂上があって、その間は稜線の鞍部・・・弱い気圧の谷になっています。
念のため、専門天気図で上空の気圧の谷をチェック

赤線が凹になっている部分に赤の点線を引いたのですが、ここが「上空の気圧の谷」。
一般の人は「上空の気圧の谷」なんていってもわかりませんし、調べようもないのですが、「ダメな」テレビの天気予報解説では、こんな言葉を平気で使っていたりします。
確かに気圧の谷ができているし、上空・地上の天気図ともに同様の傾向を示していますから、もうひとつの選択肢=気圧の谷はできない・・・と考えるのは困難です。
そして、天気が悪目・・・それも曇り程度・・・なら、気圧の谷ができると判断するのが素直です。
最後に、「概ね晴れますが、夜には南部を中心に曇りとなるでしょう」について。
弱い気圧の谷の影響が南部中心だと言っているわけですが、影響を判断するには、弱い気圧の谷による雲が発生する理由を知っておかなければなりません。
気圧の谷とは、周囲から相対的に気圧が低いところを意味しますから、水が谷に流れ込むように、周辺の空気がそこへ流れ込んできます。
では、流れ込む空気はどんな空気なのか?ということで相当温位図という空気の雨の降らせやすさを示した図をチェックします。

南の海上には、青く塗られた湿った空気がありますが、これが高気圧の縁に沿って時計回りに西日本方面に流れ込んでいます。
どうやらこの空気が弱い気圧の谷に流れ込んで、雲を発生させるようです。
ただ、南信地方は流れ込む空気の最先端部分。
今日の段階では(明日はどうなるか?)雨までは判断しないのが当然だと思います。
もし、もうひとつの選択肢があるとしたら・・・高気圧の中心の動きが早く、弱い気圧の谷が予想より深く、湿った空気が流れ込んだら・・・と考えることになります。
その可能性は相当に低いものですけれど、南信地方で、雨は絶対にダメという事情のある人は、11時に発表される新しい予報をチェックし、午後になったら携帯電話で気象レーダーで急な雨雲の発生をチェックすべきでしょう。
ということで・・・・超超、重箱のスミをつつく、病的?な天気予報チェックになりましたが、台風が来る場合、大雪が降る場合には、これでも全然足りないことになります。
いずれにせよ「今日の天気予報は当たる」と思います。
はずれる要素があるとしたら、午後、弱い気圧の谷による雲が予想以上にひろがって、「晴れ」のイメージではなくなることでしょう。
最後に、Yahooのピンポイント天気をいつもチェックしていらっしゃる方・・・おられますか?
今朝のYahooのピンポイント天気、飯田は一日を通して太陽マークが並んでいました。
コンピューターまかせのピンポイント予報は、実況による修正が入っていません。
さあ・・・実際の今日の南信の天気・・・太陽マークだけの天気になるでしょうか?
朝からちょっと疲れた・・・・・