2009年11月09日
9日の天気予報は当たるのか?
長野県のテレビの天気予報を見ると、長野県の天気予報だけを伝えています。
ローカル局ですから、まずは知りたい地元の天気から放送する・・・というスタンスでしょう。
でも、天気予報を作るときは、まず森を見てから樹を見る・・・広い視野の天気から頭上の天気を予測するのが王道です。
長野の天気だって、日本全国、アジア全体、地球全体の天気の一部。
長野の天気を本当に理解するなら、すくなくとも全国の天気から見るべきだと思います。
ということで、今日も気象庁のHPにある情報を中心に見ていきますが、テレビでは東京キー局からの天気予報で見かける全国の天気予報から。

一見、天気マークがバラバラで、統一性がないように見えますけど、点線のようにエリア分けできます。
このエリア分けの「理由」を考えるように他の情報を見ていくのが「視聴者側」からの天気予報を理解する裏技!。エリアには自分なりに「○○エリア」などと名前をつけてみます。
次に、衛星画像。

あたりまえですけど、予報は未来の情報。
予報のスタートラインになる現在の様子・・・一目でイメージができる衛星画像を見てみます。
今朝は西日本・・・九州の西から・・・日本海西部からハッキリした雲に囲まれてイヤな感じがします。
そこで、その理由を知るために、気圧配置のスケッチ・・・実況天気図を見てみます。

本当は頭の中で衛星画像と実況天気図を重ね合わせながら、雲が発生している理由を考えるわけですが、今日は両者を重ね合わせて、コメントを書き込んでみました。
日本海の雲は、低気圧の雲。そして低気圧は東へと進んでいますから、少なくとも北信地方にはなにか影響があるかもしれない・・・ってわかりますよね。
でも、低気圧による雲が本当に雨を降らせる雲なのか?わかりません。
そこで、雨雲だけを映すレーダーも見てみます。

どうやら、しっかりと雨雲のようです。これが東へ進んだら・・・・北信はちょっとヤバそう。
ということで、ようやく、おなじみの今夜9時の予想天気図を見てみます。

あれ・・・東に進んでいたはずの低気圧はちょっとしか動いてない・・・・
ということは・・・北信に影響を与えるとしても遅い時間帯か・・・場合によっては影響はないかもしれません。
で・・・・こんどは、長野県だけの天気予報をこまかく見てみましょう。

北信・中信ともに晴れのち曇りマーク。
なんだ、北信は雨の心配なんかないじゃん!・・・と見えます。
でも、待ってください・・・・
天気マークというのは、気象庁が発表する予報文を、わかりやすいように簡略化したもの
今日の長野県の予報文をキチンと読んでみると・・・
なんと、北部では「所により夕方 から 夜のはじめ頃 雨」なんて書かれています。
(「夜のはじめ頃」の定義は「18時頃から21時頃まで」です)
天気マークだけじゃ失敗するよな・・・などと考えつつ、「所」ってどこよ?を分布予報で調べます。

北アルプス周辺や小谷方面に雨エリアが予想されてることがわかりました。
ということは、北信でも長野市内は雨の心配は「まずない」ということになります。
今日の長野県の天気予報がはずれるとしたら・・・小心者?のもう一つの選択肢・・・・は、北信の雨エリアが予報より広がる・・・ということ。
予想以上に日本海の低気圧が進んだら・・・・・
北日本を通過する弱い寒冷前線の影響が、予想より強くて、北信にも影響したら・・・・
今日の天気予報・・・南信・中信はかなりガチであたりそうですけど、北信はちょっとだけ怪しいと考えておきましょう。
今朝も気象庁の情報だけで遊んでみました。
・・・・そうそう、長野は明後日(11日)あたり雨が降るかも・・・・
【午前10時追記】
長野地方気象台は、午前9時に予報を変更。
全県ともに予報を「曇りマーク一発!」に変更してしまいました。
(北信の「所により 夕方 から 夜のはじめ頃 雨」に変更はありません)
「曇り」の定義は、
「雲量が9以上であって、中・下層の雲が上層の雲より多く、降水現象がない状態。」
を指します。
なんだか、よくわからない定義ですけど、たとえ日差しがあっても、低そうな雲が空の全体の9割以上を覆っていれば「曇り」になっちゃいます。
太陽が昇って、空を見渡したら、日差しはあるものの雲が多め・・・・・そこで・・・ってことかもしれません。
でも、洗濯をする主婦の感覚だと、日差しがそこそこあって、空気が乾いていて、暖かければ、「晴れ」のイメージになっちゃうと思います。
午前9時の気温は、長野9.7℃、上田8.2℃、松本8.2℃
夕方、ウチの女房にたずねてみれば「今日午前中は晴れてたよね・・・」っていうでしょう、きっと。
ローカル局ですから、まずは知りたい地元の天気から放送する・・・というスタンスでしょう。
でも、天気予報を作るときは、まず森を見てから樹を見る・・・広い視野の天気から頭上の天気を予測するのが王道です。
長野の天気だって、日本全国、アジア全体、地球全体の天気の一部。
長野の天気を本当に理解するなら、すくなくとも全国の天気から見るべきだと思います。
ということで、今日も気象庁のHPにある情報を中心に見ていきますが、テレビでは東京キー局からの天気予報で見かける全国の天気予報から。

一見、天気マークがバラバラで、統一性がないように見えますけど、点線のようにエリア分けできます。
このエリア分けの「理由」を考えるように他の情報を見ていくのが「視聴者側」からの天気予報を理解する裏技!。エリアには自分なりに「○○エリア」などと名前をつけてみます。
次に、衛星画像。

あたりまえですけど、予報は未来の情報。
予報のスタートラインになる現在の様子・・・一目でイメージができる衛星画像を見てみます。
今朝は西日本・・・九州の西から・・・日本海西部からハッキリした雲に囲まれてイヤな感じがします。
そこで、その理由を知るために、気圧配置のスケッチ・・・実況天気図を見てみます。

本当は頭の中で衛星画像と実況天気図を重ね合わせながら、雲が発生している理由を考えるわけですが、今日は両者を重ね合わせて、コメントを書き込んでみました。
日本海の雲は、低気圧の雲。そして低気圧は東へと進んでいますから、少なくとも北信地方にはなにか影響があるかもしれない・・・ってわかりますよね。
でも、低気圧による雲が本当に雨を降らせる雲なのか?わかりません。
そこで、雨雲だけを映すレーダーも見てみます。

どうやら、しっかりと雨雲のようです。これが東へ進んだら・・・・北信はちょっとヤバそう。
ということで、ようやく、おなじみの今夜9時の予想天気図を見てみます。

あれ・・・東に進んでいたはずの低気圧はちょっとしか動いてない・・・・
ということは・・・北信に影響を与えるとしても遅い時間帯か・・・場合によっては影響はないかもしれません。
で・・・・こんどは、長野県だけの天気予報をこまかく見てみましょう。

北信・中信ともに晴れのち曇りマーク。
なんだ、北信は雨の心配なんかないじゃん!・・・と見えます。
でも、待ってください・・・・
天気マークというのは、気象庁が発表する予報文を、わかりやすいように簡略化したもの
今日の長野県の予報文をキチンと読んでみると・・・
長野県 9日 5時
北部
今日 北の風 晴れ 昼前 から くもり 所により夕方 から 夜のはじめ頃 雨 (111)
中部
今日 南の風 日中 北の風 晴れ 昼前 から くもり 所により 朝 まで 霧 (111)
南部
今日 南の風 くもり 朝晩 晴れ 所により 朝 まで 霧 (201)
なんと、北部では「所により夕方 から 夜のはじめ頃 雨」なんて書かれています。
(「夜のはじめ頃」の定義は「18時頃から21時頃まで」です)
天気マークだけじゃ失敗するよな・・・などと考えつつ、「所」ってどこよ?を分布予報で調べます。

北アルプス周辺や小谷方面に雨エリアが予想されてることがわかりました。
ということは、北信でも長野市内は雨の心配は「まずない」ということになります。
今日の長野県の天気予報がはずれるとしたら・・・小心者?のもう一つの選択肢・・・・は、北信の雨エリアが予報より広がる・・・ということ。
予想以上に日本海の低気圧が進んだら・・・・・
北日本を通過する弱い寒冷前線の影響が、予想より強くて、北信にも影響したら・・・・
今日の天気予報・・・南信・中信はかなりガチであたりそうですけど、北信はちょっとだけ怪しいと考えておきましょう。
今朝も気象庁の情報だけで遊んでみました。
・・・・そうそう、長野は明後日(11日)あたり雨が降るかも・・・・
【午前10時追記】
長野地方気象台は、午前9時に予報を変更。
全県ともに予報を「曇りマーク一発!」に変更してしまいました。
(北信の「所により 夕方 から 夜のはじめ頃 雨」に変更はありません)
「曇り」の定義は、
「雲量が9以上であって、中・下層の雲が上層の雲より多く、降水現象がない状態。」
を指します。
なんだか、よくわからない定義ですけど、たとえ日差しがあっても、低そうな雲が空の全体の9割以上を覆っていれば「曇り」になっちゃいます。
太陽が昇って、空を見渡したら、日差しはあるものの雲が多め・・・・・そこで・・・ってことかもしれません。
でも、洗濯をする主婦の感覚だと、日差しがそこそこあって、空気が乾いていて、暖かければ、「晴れ」のイメージになっちゃうと思います。
午前9時の気温は、長野9.7℃、上田8.2℃、松本8.2℃
夕方、ウチの女房にたずねてみれば「今日午前中は晴れてたよね・・・」っていうでしょう、きっと。
2009年11月08日
8日の天気予報は当たるのか?

今朝(8日)午前5時気象庁発表の全国の予報です。
これ、気象庁のHP(クリック)で見ることができます。
九州方面に太陽マークは見えませんけど、ほかは太陽マークあり。
もっとよく見てみると、書き込みのようなエリア分けができます。
天気予報番組でよく耳にする西から天気は下り坂っていう感じ。
次に長野県周辺の天気をクローズアップしてみましょう。

気象庁のHPなら、予報画面の長野県あたりをクリックするだけでOKです。
あれ?・・・長野県だけ太陽マーク一発!ですが、周辺の県の予報には曇りマークが散在しています。
「晴れのち曇り」や「晴れ時々曇り」のマークですよね。。
なんだか、長野地方気象台・・へそ曲がりなんじゃねーの?
なんて感じがしますよねぇ・・・・
なんかあやしい感じの予報ですから簡単に理由をチェックしてみることにしましょう。

これ、今朝午前3時の実況天気図。
実際に観測されたデータにもとづいた気圧配置のスケッチです。
高気圧の範囲を色塗りしてみると、高気圧の範囲と予報の天気マークがうまく対応しているように見えます。
理科の教科書どおり、「高気圧の範囲は晴れ」っていう感じですね。

ついでに、気象衛星の画像(クリック)も見てみます。
アニメーションで動かしてみると、西から雲がジワジワと接近中。
高気圧の範囲内は基本的に晴れエリアですけど、細切れの雲がかかっていますから、「晴れ時々曇り」が支配的という感じがします。
あれ、長野県にも薄い雲がかかってる・・・・

レーダー(クリック)でさらにチェックすると・・・長野県内の雲は雨雲じゃなくて雨を降らせない上空の高い雲。
とりあえずホッ。

それじゃ・・・これから今夜にかけてお天気はどうなるの?ということで、今夜9時の予想天気図。
東へ移動する高気圧のしっぽ?は近畿地方まですすんで、西日本は高気圧の外へ。
北海道も北から前線がおりてきて、下り坂っていう感じ。
九州方面の予報が曇りベース、北海道の予報が「晴れのち曇り」になっている理由が一目瞭然です。
そして、長野県は?
全国の中でも最も高気圧の真ん中にいることがわかります。
ガチンコ晴れエリア?

そこで、本当に晴れエリアでいいのか?を確認するために、気象庁の天気分布予報(クリック)をチェック。
一日を通して長野県だけが雲のエリアからはずれていますが、周辺のエリアは曇りの時間帯がそれなりにあるようです。
・・・これじゃ晴れ一発の予報を出したくなりますよね。
もっとも・・・・もしハズレるとしても、晴れの予報が曇りになる程度。
強気に予報を出したって影響はたいしたことはありませんよね。
今日は、気象庁のHPにある情報だけで遊んでみました。
どうです?結構楽しめませんか?
天気予報のチェック方法?を別カテゴリー(ココ)で連載しています。
天気予報のチェックの裏技教えます・・・・
2009年11月07日
天気予報のチェック方法(3)
前の記事を読むにはココをクリック
②いまさら177番・・・ネットで177番?
電話の177番がスゴイ!ということがおわかりいただけたと思いますが、ネット社会の現代ではちょっと古いような気がします。また、耳だけで情報を入手できるという点ではすぐれているものの、文字情報の必要性も感じます。
そこで、気象庁発表の予報文をネットで見ることができるのか?
不思議なことに、気象庁発表の予報文をそのまま表示してくれるサイトはなかなかないのです。
Kasayanが知っている唯一予報文をまるごと表示してくれるのが国際気象海洋のサイト。
http://www.dab.hi-ho.ne.jp/kasayan/kasayanflame.htm
トップページの「府県天気予報文」がそれ。
http://www.imocwx.com/yohoud.htm
これを丸ごと読めば、自家製の177番になります。
また、地方ローカル局のテレビやラジオの天気予報番組も、予報文の末尾に「・・になる見込みです」とか「・・・となるでしょう」という言葉をつけているだけですから、これを見ればまともな解説のついていないテレビやラジオの天気予報番組は不要になりますよね。

それでは、気象庁のサイトはどうなっているでしょうか?
残念ながら発表もとの気象庁のサイトでさえ、天気マーク付きの表に加工してしまっています。
まったく余計なことをしてくれるものですが、、予報文に書かれている文字情報はほぼ網羅していますから、使う上で問題はないと思います。
http://www.jma.go.jp/jp/yoho/322.html

それでは外出先で携帯を使った場合は何を見れば良いのでしょうか?
残念ながら予報文をまるごと表示してくれるサイトをKasayanは見たことがありません。
知っている方がいらっしゃったらぜひ教えてほしいのですが・・・・携帯なんだから177にかければ良いのでは?
(2)どうやって使うのか?
①予報文を読むためのルール
気象庁発表の予報の最終製品である予報文ですが、これを読むには簡単なルールがあります。
このルールを知っておくだけで、予報文をさらに情報量の多いものにすることができます。
では、予報文を・・・・・
続きは次の記事で・・・
ご意見、ご質問等ありましたらコメントしてください。
②いまさら177番・・・ネットで177番?
電話の177番がスゴイ!ということがおわかりいただけたと思いますが、ネット社会の現代ではちょっと古いような気がします。また、耳だけで情報を入手できるという点ではすぐれているものの、文字情報の必要性も感じます。
そこで、気象庁発表の予報文をネットで見ることができるのか?
不思議なことに、気象庁発表の予報文をそのまま表示してくれるサイトはなかなかないのです。
Kasayanが知っている唯一予報文をまるごと表示してくれるのが国際気象海洋のサイト。
http://www.dab.hi-ho.ne.jp/kasayan/kasayanflame.htm
トップページの「府県天気予報文」がそれ。
http://www.imocwx.com/yohoud.htm
これを丸ごと読めば、自家製の177番になります。
また、地方ローカル局のテレビやラジオの天気予報番組も、予報文の末尾に「・・になる見込みです」とか「・・・となるでしょう」という言葉をつけているだけですから、これを見ればまともな解説のついていないテレビやラジオの天気予報番組は不要になりますよね。

それでは、気象庁のサイトはどうなっているでしょうか?
残念ながら発表もとの気象庁のサイトでさえ、天気マーク付きの表に加工してしまっています。
まったく余計なことをしてくれるものですが、、予報文に書かれている文字情報はほぼ網羅していますから、使う上で問題はないと思います。
http://www.jma.go.jp/jp/yoho/322.html

それでは外出先で携帯を使った場合は何を見れば良いのでしょうか?
残念ながら予報文をまるごと表示してくれるサイトをKasayanは見たことがありません。
知っている方がいらっしゃったらぜひ教えてほしいのですが・・・・携帯なんだから177にかければ良いのでは?
(2)どうやって使うのか?
①予報文を読むためのルール
気象庁発表の予報の最終製品である予報文ですが、これを読むには簡単なルールがあります。
このルールを知っておくだけで、予報文をさらに情報量の多いものにすることができます。
では、予報文を・・・・・
続きは次の記事で・・・
ご意見、ご質問等ありましたらコメントしてください。
2009年11月07日
7日の天気予報は当たるのか?
今朝の気象庁発表の長野の天気予報は、晴れ一発!
あまりのガチガチの予報なので、はずれる可能性を検討するのもバカバカしい。
せいぜい上空の薄い雲のかかり具合で、「晴れ時々曇り」とか「曇り時々晴れ」だったんじゃないの?とケチをつけられる程度でしょう。
(午前中、北アルプス等の山は大気不安定による雨雲に・・・ほんの少し気を配る必要があるかもしれませんが)
そこで、今日は私Kasayanが週末にトレーニングしている資料を公開しておきます。
気象庁本庁は、各地方気象台発表の予報が統一されたものとなるように「 短期予報解説資料」というものを一日に2回発表しています。
各気象台は、この資料の方針にのっとって予報を作成し、民間の気象会社でもこの指針を横目で見ながら、独自の解析を行って予報を組み立てています。
したがって、この資料は、その日に発表される予報がいかにして作られたか?を知ることのできる貴重な素材です。
もっとも資料は文章で発表されるので、内容を理解するためには、作成した予報官が見たであろう資料を探し、照らし合わせながら読む必要があります。
いつもなら5分程度で照らし合わせの作業を終えるのですが、週末は可能な限り資料をまとめ、じっくり理解するトレーニングをしています。
見慣れない方には難解な資料ですが、気象に興味のある方でしたら、理解できるところだけ目を通しただけで、いつもご覧になっている天気予報で週末の天気予報をチェックする際に役立てることができるかと思います。
あまりのガチガチの予報なので、はずれる可能性を検討するのもバカバカしい。
せいぜい上空の薄い雲のかかり具合で、「晴れ時々曇り」とか「曇り時々晴れ」だったんじゃないの?とケチをつけられる程度でしょう。
(午前中、北アルプス等の山は大気不安定による雨雲に・・・ほんの少し気を配る必要があるかもしれませんが)
そこで、今日は私Kasayanが週末にトレーニングしている資料を公開しておきます。
気象庁本庁は、各地方気象台発表の予報が統一されたものとなるように「 短期予報解説資料」というものを一日に2回発表しています。
各気象台は、この資料の方針にのっとって予報を作成し、民間の気象会社でもこの指針を横目で見ながら、独自の解析を行って予報を組み立てています。
したがって、この資料は、その日に発表される予報がいかにして作られたか?を知ることのできる貴重な素材です。
もっとも資料は文章で発表されるので、内容を理解するためには、作成した予報官が見たであろう資料を探し、照らし合わせながら読む必要があります。
いつもなら5分程度で照らし合わせの作業を終えるのですが、週末は可能な限り資料をまとめ、じっくり理解するトレーニングをしています。
見慣れない方には難解な資料ですが、気象に興味のある方でしたら、理解できるところだけ目を通しただけで、いつもご覧になっている天気予報で週末の天気予報をチェックする際に役立てることができるかと思います。
1.実況上の着目点
① 気圧傾度の大きい北海道の北部で15m/s 前後の南西風が継続。
コメント:長野に影響なし
②日本海上空の流れは蛇行の振幅が大きくなっており、水蒸気画像では複数の渦
が見られる。
コメント:蛇行の場所次第で長野に影響あり。ただし上空の薄雲程度。
上空寒気の影響で東西日本は大気の状態が不安定で、西日本の日本海側や房総半島付近の海上などで局所的に対流雲が発達し、雷を伴う。
コメント:北アルプス・中央アルプス付近のレーダーエコー注意
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①北海道付近で気圧傾度の大きい状態は、オホーツク海の低気圧の東進に伴い7 日日中には緩和されるが、北海道北部日本海側中心に風の強い状態が8 日にかけて続く。
コメント:長野に影響なし
②1項②の上空寒気はFT12 で北陸から東北地方付近で500hPa-21℃以下を示す。
-18℃以下の領域は7日夜にかけて東日本の南海上にまで広がる。
コメント:長野に影響あり。安定の方向。
中・下層が比較的乾燥しており、広範囲で雷雨となる可能性はないが、房総半島沖など下層のハイセル循環の境目に形成されるシアーライン近傍では、局地的に対流雲が発生・発達しやすい。落雷や突風に注意。
コメント:長野に影響なし
西日本は7日日中以降、上空の温度は昇温し、大気は安定化してくる。
コメント:長野に影響あり。安定化の方向
③先島付近の西海上で下層風が収束し対流雲の発生が持続している。
収束域が現状より東にシフトすることはない見込みだが、対流雲の動向に注意。
コメント:長野に影響なし
④FT36 には日本海で850hPa の3~6℃線に対応する寒冷前線が明瞭となり、FT48 には北海道にかかってくる。
コメント:長野に影響の可能性あり。8日朝再検討必要。
⑤8 日は、高気圧縁辺の湿った気流が収束する九州西海上で雨雲が拡大傾向を示す。
2009年11月06日
天気予報のチェック方法(2)
インターネット上に溢れる気象情報・・・・
どの情報を、いつ、どのように見ればよいのか・・・・知ってますか?
間違った使い方してませんか?
2、天気予報の裏技・・・天気予報をカスタマイズする。
(1)何を見るべきか?
①予報文を使うほうがいい・・・177番の意外な情報量
電話の177番や、ラジオの天気予報では、「南の風 日中 北の風 晴れ」なんていうお決まりの文句が使われていますが、これらは、各地の気象台が一日3回発表する予報の原文をそのまま読み上げたものです。

インターネットやテレビの天気予報では、地図上に天気マークが表示され、一目で天気の傾向が理解できますから、いまさら177番もないだろう・・・と思われるかもしれません。
では、「南西の風 後 南の風 雨 夜遅く くもり 所により 夜のはじめ頃 まで 雷 を伴う」という予報が発表された場合を考えてみましょう。
この予報を天気マークにすると、”雨のち曇り”のマークが表示されるだけです。

ところが、予報文だと、雨が曇りに変わるタイミングが「夜遅く」であることや、場所によっては夕方以降も「雷」があることまで知ることができるのです。
さらに、風の予報にいたっては、インターネットでは風の予報の画面に切り替えなければなりませんし、テレビの天気予報では、画面に表示したり、コメントしてくれなければそれまでです。
もっとも、ネットの天気予報で流行のピンポイント予報を見れば、「夜遅く」や「夜のはじめ頃 まで 雷 を伴う」という部分もわかるじゃん?と思われるかもしれません。

たしかにピンポイント予報があれば、「夜遅く」の部分はある程度わかるにせよ、「所により・・・雷を伴う」がわからないのです。
そもそも、ピンポイント予報の天気マークに雷マークが存在していない場合が多い。
これ、コンピューターで作る予報では雷を予測できないからです。
仮に雷予測ができたとしても、または手入力で雷予測が加わったとしてもダメ。
たとえば、”ピンポイント”予報で雷が予想されていなかったとしても、お隣の”ピンポイント”・・・となり町かもしれません・・・で雷が予想されているかもしれない・・・ということがあるのです。
つまり、「所により」の所を自分で探さなければならない・・・・いいかえれば、ほんのわずか距離で雷の予想がズレただけで、想像もしていなかった雷に遭うこともありうるのです。
これは、ピンポイントが、より細かなピンポイントであればあるほど起こりうる、いわばデジタル思考の矛盾といえましょう。
どうです?電話の177番の情報量の多さ・・・・すごいと思いませんか?
②いまさら177番
電話の177番がどれだけスゴイのかおわかりいただけたと思いますが、いまさら・・・・
続きは次の記事で
ご質問・御意見・ご要望がありましたらコメントお待ちしております。
どの情報を、いつ、どのように見ればよいのか・・・・知ってますか?
間違った使い方してませんか?
2、天気予報の裏技・・・天気予報をカスタマイズする。
(1)何を見るべきか?
①予報文を使うほうがいい・・・177番の意外な情報量
電話の177番や、ラジオの天気予報では、「南の風 日中 北の風 晴れ」なんていうお決まりの文句が使われていますが、これらは、各地の気象台が一日3回発表する予報の原文をそのまま読み上げたものです。

インターネットやテレビの天気予報では、地図上に天気マークが表示され、一目で天気の傾向が理解できますから、いまさら177番もないだろう・・・と思われるかもしれません。
では、「南西の風 後 南の風 雨 夜遅く くもり 所により 夜のはじめ頃 まで 雷 を伴う」という予報が発表された場合を考えてみましょう。
この予報を天気マークにすると、”雨のち曇り”のマークが表示されるだけです。

ところが、予報文だと、雨が曇りに変わるタイミングが「夜遅く」であることや、場所によっては夕方以降も「雷」があることまで知ることができるのです。
さらに、風の予報にいたっては、インターネットでは風の予報の画面に切り替えなければなりませんし、テレビの天気予報では、画面に表示したり、コメントしてくれなければそれまでです。
もっとも、ネットの天気予報で流行のピンポイント予報を見れば、「夜遅く」や「夜のはじめ頃 まで 雷 を伴う」という部分もわかるじゃん?と思われるかもしれません。

たしかにピンポイント予報があれば、「夜遅く」の部分はある程度わかるにせよ、「所により・・・雷を伴う」がわからないのです。
そもそも、ピンポイント予報の天気マークに雷マークが存在していない場合が多い。
これ、コンピューターで作る予報では雷を予測できないからです。
仮に雷予測ができたとしても、または手入力で雷予測が加わったとしてもダメ。
たとえば、”ピンポイント”予報で雷が予想されていなかったとしても、お隣の”ピンポイント”・・・となり町かもしれません・・・で雷が予想されているかもしれない・・・ということがあるのです。
つまり、「所により」の所を自分で探さなければならない・・・・いいかえれば、ほんのわずか距離で雷の予想がズレただけで、想像もしていなかった雷に遭うこともありうるのです。
これは、ピンポイントが、より細かなピンポイントであればあるほど起こりうる、いわばデジタル思考の矛盾といえましょう。
どうです?電話の177番の情報量の多さ・・・・すごいと思いませんか?
②いまさら177番
電話の177番がどれだけスゴイのかおわかりいただけたと思いますが、いまさら・・・・
続きは次の記事で
ご質問・御意見・ご要望がありましたらコメントお待ちしております。
2009年11月06日
6日の天気予報は当たるのか?
1、今日のひとこと
だれしも100%当たる天気予報を知りたいと考えるものですが、現代の科学で100%未来の天気を予測することは不可能です。たとえば、水面に小石を投げいれたときにできる波紋が、小石の大きさ、かたち、水の温度などによって千差万別であって、コンピューターでシュミレーションができるようになった現代でも、それを100%再現することが不可能であるのと同じです。

もっとも、スーパーコンピューターが進歩し、世界中の気象データが瞬時にして世界をかけめぐる現代では、多くのデータをもとにコンピューター上に仮想の地球をつくり、地球の自転の何倍もの速度でそれを回転させ、未来の天気を相当正確に予測することができるようになりました。

じゃ・・・予報官の仕事は?・・・その昔、天気予報は気象庁の予報官は天気図をながめ、自らの頭で未来をシュミレーションしていましたが、今は観測された現在の本当の天気・・実況をもとに、コンピューターがたたき出したデータを修正し、100%ではないデータをそれに近づけるとともに、一般の人にわかる言葉・・・予報におきかえています。
それでも、まだまだ100%ではありません。
そうなると、今日の天気予報の確からしさはどのくらいなんだろう?と考えるようになるのが人情ですが、予報が仕事や生命に直結する農業や漁業などでは切実な問題です。
でも、日本の天気予報には、降水確率があっても、週間予報の一部を除いて予報確率?などというものが存在しません。
むしろアナウンサーと掛け合いの天気予報番組などでは、解説者が少しでも予報に不安があるような態度を示すと、厳しい突っ込みがされたりして、予報の確からしさを伝える雰囲気すらありません。

でも、ネットなら、そんな本音を伝えることができます。
ではどうやって?
コンピューターのデータを修正する段階で、人間の「決断」があります。そして「決断」の裏にはかならずもうひとつの選択肢があるはずです。
もうおわかりかと思いますが、もうひとつの選択肢を考えることが、天気予報の確からしさを知る手掛かりになるのです。
そして私は、その手助けをするものが、天気予報番組の気象解説だと思うのですが・・・・いかがですか?
2、11月6日の天気予報は当たるのか?
ちょっと前置きが長くなりましたけど、今日の天気予報のもうひとつの選択肢は?
今日は、ブログを書き始めたばかりなので、重箱のスミをつつくように丁寧に・・・
ここまでする必要はないんですけど、ネットの天気予報を見るときの参考になればと思い、「長野県内は晴れ一発」の今朝の予報に対して、あえて斜めに斬りこんでみることにします。
今朝5時発表の長野県の予報は・・・
まず、予報官の思考の痕跡・・・長野地方気象台が午前5時に発表した今日の天気概況(クリックでリンク先表示。添付画面から更新されているかも。)を見てみましょう。
前述のように、予報官は実況をもとにコンピューターのデータを修正していますから、実況の解説からはじまっています。
①実況部分
「四国付近には高気圧があって、ほとんど停滞」
まずこれを実況天気図で確認しておきます。

確かに高気圧が近畿地方にありますが、午前3時では四国ではなく近畿地方に中心があります。
また、「ほとんど停滞」ではなくて、東へ20km/hで進んでいます。
あれ?と思われるかもしれませんが、予報官が概況を作った時に手にしていた天気図は、昨夜午後9時の実況天気図だったのです。
そうすると、予報官の予報のスタートラインは高気圧が停滞しているという前提に立っていまたことが想像されます。
もちろん、予報官は、これからの気圧配置のデータを手にしていますから、これがすぐに予報のあやしさにつながるものではありませんが、発表された予報と現実の空模様とのズレが生じていないか?、天気変化のタイミングに影響していないか?と考えてしまいます(お金をもらって解説・予報をする場合に気になる程度のことですけど)。
次に、「長野県内は、晴れています」を確認します。
疑り深いといえばそうですけど、予報官がデータを修正するために見た実況が、大幅に変わっている場合だってありうるのです。場合によっては予報が発表された時点でハズレはじめていることも実際にあったりします。
アメダスの降水を見ると・・・・

県内降水量ゼロ
レーダーを見ても

県内に雨雲はありません。
ここで、ちょっと気になったのが、日本海の帯状の雨雲(赤の点線)。
こいつが悪い影響をしないのか・・・予報官は影響をしないと判断しているようです。
加えて衛星画像を見ても晴れのエリアですし、肉眼で見ても長野市から槍ヶ岳が見渡せるほど北信・中信は晴れています。

ということで・・・「長野県内は、晴れています」という判断、現時点でも正しそうです。
(普通はこの状況でここまで疑いませんけど)
②予報部分
そして、「今日の本州付近は、引き続き高気圧におおわれますが」の部分をチェック。
実況天気図はすでに見ていますから、今日の午後9時の予想天気図を見てみましょう。

確かに、夜になっても日本付近は帯状の高気圧の覆われます。
予報官もこの天気図や専門天気図を見て、このように判断したのでしょう。

同じ天気図を見ても、もうひとつの選択肢を考えることは逆に困難な状況です。
続いて、「夕方から夜にかけて上空の気圧の谷が通過する見込みです。」の部分。
上の予想天気図に赤の点線で書き込んだ部分が上空の気圧の谷に対応した地上の気圧の谷。
帯状の高気圧の中にも二つの頂上があって、その間は稜線の鞍部・・・弱い気圧の谷になっています。
念のため、専門天気図で上空の気圧の谷をチェック

赤線が凹になっている部分に赤の点線を引いたのですが、ここが「上空の気圧の谷」。
一般の人は「上空の気圧の谷」なんていってもわかりませんし、調べようもないのですが、「ダメな」テレビの天気予報解説では、こんな言葉を平気で使っていたりします。
確かに気圧の谷ができているし、上空・地上の天気図ともに同様の傾向を示していますから、もうひとつの選択肢=気圧の谷はできない・・・と考えるのは困難です。
そして、天気が悪目・・・それも曇り程度・・・なら、気圧の谷ができると判断するのが素直です。
最後に、「概ね晴れますが、夜には南部を中心に曇りとなるでしょう」について。
弱い気圧の谷の影響が南部中心だと言っているわけですが、影響を判断するには、弱い気圧の谷による雲が発生する理由を知っておかなければなりません。
気圧の谷とは、周囲から相対的に気圧が低いところを意味しますから、水が谷に流れ込むように、周辺の空気がそこへ流れ込んできます。
では、流れ込む空気はどんな空気なのか?ということで相当温位図という空気の雨の降らせやすさを示した図をチェックします。

南の海上には、青く塗られた湿った空気がありますが、これが高気圧の縁に沿って時計回りに西日本方面に流れ込んでいます。
どうやらこの空気が弱い気圧の谷に流れ込んで、雲を発生させるようです。
ただ、南信地方は流れ込む空気の最先端部分。
今日の段階では(明日はどうなるか?)雨までは判断しないのが当然だと思います。
もし、もうひとつの選択肢があるとしたら・・・高気圧の中心の動きが早く、弱い気圧の谷が予想より深く、湿った空気が流れ込んだら・・・と考えることになります。
その可能性は相当に低いものですけれど、南信地方で、雨は絶対にダメという事情のある人は、11時に発表される新しい予報をチェックし、午後になったら携帯電話で気象レーダーで急な雨雲の発生をチェックすべきでしょう。
ということで・・・・超超、重箱のスミをつつく、病的?な天気予報チェックになりましたが、台風が来る場合、大雪が降る場合には、これでも全然足りないことになります。
いずれにせよ「今日の天気予報は当たる」と思います。
はずれる要素があるとしたら、午後、弱い気圧の谷による雲が予想以上にひろがって、「晴れ」のイメージではなくなることでしょう。
最後に、Yahooのピンポイント天気をいつもチェックしていらっしゃる方・・・おられますか?
今朝のYahooのピンポイント天気、飯田は一日を通して太陽マークが並んでいました。
コンピューターまかせのピンポイント予報は、実況による修正が入っていません。
さあ・・・実際の今日の南信の天気・・・太陽マークだけの天気になるでしょうか?
朝からちょっと疲れた・・・・・
だれしも100%当たる天気予報を知りたいと考えるものですが、現代の科学で100%未来の天気を予測することは不可能です。たとえば、水面に小石を投げいれたときにできる波紋が、小石の大きさ、かたち、水の温度などによって千差万別であって、コンピューターでシュミレーションができるようになった現代でも、それを100%再現することが不可能であるのと同じです。

もっとも、スーパーコンピューターが進歩し、世界中の気象データが瞬時にして世界をかけめぐる現代では、多くのデータをもとにコンピューター上に仮想の地球をつくり、地球の自転の何倍もの速度でそれを回転させ、未来の天気を相当正確に予測することができるようになりました。

じゃ・・・予報官の仕事は?・・・その昔、天気予報は気象庁の予報官は天気図をながめ、自らの頭で未来をシュミレーションしていましたが、今は観測された現在の本当の天気・・実況をもとに、コンピューターがたたき出したデータを修正し、100%ではないデータをそれに近づけるとともに、一般の人にわかる言葉・・・予報におきかえています。
それでも、まだまだ100%ではありません。
そうなると、今日の天気予報の確からしさはどのくらいなんだろう?と考えるようになるのが人情ですが、予報が仕事や生命に直結する農業や漁業などでは切実な問題です。
でも、日本の天気予報には、降水確率があっても、週間予報の一部を除いて予報確率?などというものが存在しません。
むしろアナウンサーと掛け合いの天気予報番組などでは、解説者が少しでも予報に不安があるような態度を示すと、厳しい突っ込みがされたりして、予報の確からしさを伝える雰囲気すらありません。

でも、ネットなら、そんな本音を伝えることができます。
ではどうやって?
コンピューターのデータを修正する段階で、人間の「決断」があります。そして「決断」の裏にはかならずもうひとつの選択肢があるはずです。
もうおわかりかと思いますが、もうひとつの選択肢を考えることが、天気予報の確からしさを知る手掛かりになるのです。
そして私は、その手助けをするものが、天気予報番組の気象解説だと思うのですが・・・・いかがですか?
2、11月6日の天気予報は当たるのか?
ちょっと前置きが長くなりましたけど、今日の天気予報のもうひとつの選択肢は?
今日は、ブログを書き始めたばかりなので、重箱のスミをつつくように丁寧に・・・
ここまでする必要はないんですけど、ネットの天気予報を見るときの参考になればと思い、「長野県内は晴れ一発」の今朝の予報に対して、あえて斜めに斬りこんでみることにします。
今朝5時発表の長野県の予報は・・・
長野県 6日 5時
北部
今日 南の風 日中 北の風 晴れ
中部
今日 南の風 日中 北の風 晴れ
南部
今日 南の風 晴れ 夜 くもり
まず、予報官の思考の痕跡・・・長野地方気象台が午前5時に発表した今日の天気概況(クリックでリンク先表示。添付画面から更新されているかも。)を見てみましょう。
天気概況
平成21年11月6日05時05分 長野地方気象台発表
四国付近には高気圧があって、ほとんど停滞しています。
長野県内は、晴れています。
今日の本州付近は、引き続き高気圧におおわれますが、夕方から夜にかけ
て上空の気圧の谷が通過する見込みです。
このため、概ね晴れますが、夜には南部を中心に曇りとなるでしょう。
前述のように、予報官は実況をもとにコンピューターのデータを修正していますから、実況の解説からはじまっています。
①実況部分
「四国付近には高気圧があって、ほとんど停滞」
まずこれを実況天気図で確認しておきます。

確かに高気圧が近畿地方にありますが、午前3時では四国ではなく近畿地方に中心があります。
また、「ほとんど停滞」ではなくて、東へ20km/hで進んでいます。
あれ?と思われるかもしれませんが、予報官が概況を作った時に手にしていた天気図は、昨夜午後9時の実況天気図だったのです。
そうすると、予報官の予報のスタートラインは高気圧が停滞しているという前提に立っていまたことが想像されます。
もちろん、予報官は、これからの気圧配置のデータを手にしていますから、これがすぐに予報のあやしさにつながるものではありませんが、発表された予報と現実の空模様とのズレが生じていないか?、天気変化のタイミングに影響していないか?と考えてしまいます(お金をもらって解説・予報をする場合に気になる程度のことですけど)。
次に、「長野県内は、晴れています」を確認します。
疑り深いといえばそうですけど、予報官がデータを修正するために見た実況が、大幅に変わっている場合だってありうるのです。場合によっては予報が発表された時点でハズレはじめていることも実際にあったりします。
アメダスの降水を見ると・・・・

県内降水量ゼロ
レーダーを見ても

県内に雨雲はありません。
ここで、ちょっと気になったのが、日本海の帯状の雨雲(赤の点線)。
こいつが悪い影響をしないのか・・・予報官は影響をしないと判断しているようです。
加えて衛星画像を見ても晴れのエリアですし、肉眼で見ても長野市から槍ヶ岳が見渡せるほど北信・中信は晴れています。

ということで・・・「長野県内は、晴れています」という判断、現時点でも正しそうです。
(普通はこの状況でここまで疑いませんけど)
②予報部分
そして、「今日の本州付近は、引き続き高気圧におおわれますが」の部分をチェック。
実況天気図はすでに見ていますから、今日の午後9時の予想天気図を見てみましょう。

確かに、夜になっても日本付近は帯状の高気圧の覆われます。
予報官もこの天気図や専門天気図を見て、このように判断したのでしょう。

同じ天気図を見ても、もうひとつの選択肢を考えることは逆に困難な状況です。
続いて、「夕方から夜にかけて上空の気圧の谷が通過する見込みです。」の部分。
上の予想天気図に赤の点線で書き込んだ部分が上空の気圧の谷に対応した地上の気圧の谷。
帯状の高気圧の中にも二つの頂上があって、その間は稜線の鞍部・・・弱い気圧の谷になっています。
念のため、専門天気図で上空の気圧の谷をチェック

赤線が凹になっている部分に赤の点線を引いたのですが、ここが「上空の気圧の谷」。
一般の人は「上空の気圧の谷」なんていってもわかりませんし、調べようもないのですが、「ダメな」テレビの天気予報解説では、こんな言葉を平気で使っていたりします。
確かに気圧の谷ができているし、上空・地上の天気図ともに同様の傾向を示していますから、もうひとつの選択肢=気圧の谷はできない・・・と考えるのは困難です。
そして、天気が悪目・・・それも曇り程度・・・なら、気圧の谷ができると判断するのが素直です。
最後に、「概ね晴れますが、夜には南部を中心に曇りとなるでしょう」について。
弱い気圧の谷の影響が南部中心だと言っているわけですが、影響を判断するには、弱い気圧の谷による雲が発生する理由を知っておかなければなりません。
気圧の谷とは、周囲から相対的に気圧が低いところを意味しますから、水が谷に流れ込むように、周辺の空気がそこへ流れ込んできます。
では、流れ込む空気はどんな空気なのか?ということで相当温位図という空気の雨の降らせやすさを示した図をチェックします。

南の海上には、青く塗られた湿った空気がありますが、これが高気圧の縁に沿って時計回りに西日本方面に流れ込んでいます。
どうやらこの空気が弱い気圧の谷に流れ込んで、雲を発生させるようです。
ただ、南信地方は流れ込む空気の最先端部分。
今日の段階では(明日はどうなるか?)雨までは判断しないのが当然だと思います。
もし、もうひとつの選択肢があるとしたら・・・高気圧の中心の動きが早く、弱い気圧の谷が予想より深く、湿った空気が流れ込んだら・・・と考えることになります。
その可能性は相当に低いものですけれど、南信地方で、雨は絶対にダメという事情のある人は、11時に発表される新しい予報をチェックし、午後になったら携帯電話で気象レーダーで急な雨雲の発生をチェックすべきでしょう。
ということで・・・・超超、重箱のスミをつつく、病的?な天気予報チェックになりましたが、台風が来る場合、大雪が降る場合には、これでも全然足りないことになります。
いずれにせよ「今日の天気予報は当たる」と思います。
はずれる要素があるとしたら、午後、弱い気圧の谷による雲が予想以上にひろがって、「晴れ」のイメージではなくなることでしょう。
最後に、Yahooのピンポイント天気をいつもチェックしていらっしゃる方・・・おられますか?
今朝のYahooのピンポイント天気、飯田は一日を通して太陽マークが並んでいました。
コンピューターまかせのピンポイント予報は、実況による修正が入っていません。
さあ・・・実際の今日の南信の天気・・・太陽マークだけの天気になるでしょうか?
朝からちょっと疲れた・・・・・
2009年11月05日
天気予報のチェック方法(1)
インターネット上に溢れる気象情報・・・・
どの情報を、いつ、どのように見ればよいのか・・・・知ってますか?
間違った使い方してませんか?
天気予報のチェックフロー兼リンク集を用意しました。
1、天気予報チェックの初歩の初歩
①予報をコマメにチェックする
基本中の基本なんですけど、予報は一日3回気象庁から発表されます。
Yahoo天気だろうと、ウェザーニューズの独自天気予報であろうと、ベースは気象庁の予報(計算値)ですから、予報の根本が変更されるのは更新時間が微妙に違っても、同じです。
新しい予報が出ても、古い予報を見て行動していたのでは意味ないですよね。
そこで、予報のハズレで痛い思いをしたくなかったら、午前5時5分、午前11時5分、午後5時5分の3回、気象庁発表の予報を確認してください。
※天気マークの天気予報 (今日、明日、明後日はページ内で選択してください)
(明後日の予報は、午前11時と午後5時にしか発表されませんのでご注意!)

②天気マークの「裏」を読む
次に、天気マークだけでは、マークに表示されない「一時雨」とか「夕方から晴れ」という予報の微妙な表現を知っておく必要があります。そこで予報文も読んで、予報の内容を正しく理解します。
※予報文

③「のち」って何時のこと?
また、「一時」とか「のち」の天気変化のタイミングまで気になる方は、いわゆるメッシュ予報を使えば、そのタイミングを知ることができます。
※メッシュ予報(分布予報)

メッシュ予報を見るときは、「オッ、雨のエリアがギリギリセーフだな」なんて見方はしないで、「およそそんな傾向だな」程度にしておいたほうが無難です。
メッシュのマス目が20キロもありますから(5キロのものもあります)、マス目一つや二つズレて予報がハズレることはいくらでもありますから。
また、天気が変化するタイミングも2~3時間は余裕をもってみておいてください。
ちなみに、メッシュ予報の格子点をピックアップして時系列の表にすれば、いわゆるピンポイント予報になります。ということは・・・コンピュータまかせのピンポイント予報がどれだけ怪しいかがわかりますよね。
④どうしてこんな予報になったの?
予報がはずれたらどうなるか?・・・・予報の理由を知りたい方は、気象庁が発表している公式?の天気概況を読んでみてください。
天気図が読めなくても、予報を出した人の説明を読めば、予報のアヤシサも見えてくるかもしれませんよ。
※天気概況(ページの下のほうにあります。ご自分のエリアを選択してからご覧下さい)

さらに裏技へと続きますが・・・・続きは次回の記事で・・・・
ご質問・御意見・ご要望がありましたらコメントお待ちしております。
どの情報を、いつ、どのように見ればよいのか・・・・知ってますか?
間違った使い方してませんか?
天気予報のチェックフロー兼リンク集を用意しました。
1、天気予報チェックの初歩の初歩
①予報をコマメにチェックする
基本中の基本なんですけど、予報は一日3回気象庁から発表されます。
Yahoo天気だろうと、ウェザーニューズの独自天気予報であろうと、ベースは気象庁の予報(計算値)ですから、予報の根本が変更されるのは更新時間が微妙に違っても、同じです。
新しい予報が出ても、古い予報を見て行動していたのでは意味ないですよね。
そこで、予報のハズレで痛い思いをしたくなかったら、午前5時5分、午前11時5分、午後5時5分の3回、気象庁発表の予報を確認してください。
※天気マークの天気予報 (今日、明日、明後日はページ内で選択してください)
(明後日の予報は、午前11時と午後5時にしか発表されませんのでご注意!)

②天気マークの「裏」を読む
次に、天気マークだけでは、マークに表示されない「一時雨」とか「夕方から晴れ」という予報の微妙な表現を知っておく必要があります。そこで予報文も読んで、予報の内容を正しく理解します。
※予報文

③「のち」って何時のこと?
また、「一時」とか「のち」の天気変化のタイミングまで気になる方は、いわゆるメッシュ予報を使えば、そのタイミングを知ることができます。
※メッシュ予報(分布予報)

メッシュ予報を見るときは、「オッ、雨のエリアがギリギリセーフだな」なんて見方はしないで、「およそそんな傾向だな」程度にしておいたほうが無難です。
メッシュのマス目が20キロもありますから(5キロのものもあります)、マス目一つや二つズレて予報がハズレることはいくらでもありますから。
また、天気が変化するタイミングも2~3時間は余裕をもってみておいてください。
ちなみに、メッシュ予報の格子点をピックアップして時系列の表にすれば、いわゆるピンポイント予報になります。ということは・・・コンピュータまかせのピンポイント予報がどれだけ怪しいかがわかりますよね。
④どうしてこんな予報になったの?
予報がはずれたらどうなるか?・・・・予報の理由を知りたい方は、気象庁が発表している公式?の天気概況を読んでみてください。
天気図が読めなくても、予報を出した人の説明を読めば、予報のアヤシサも見えてくるかもしれませんよ。
※天気概況(ページの下のほうにあります。ご自分のエリアを選択してからご覧下さい)

さらに裏技へと続きますが・・・・続きは次回の記事で・・・・
ご質問・御意見・ご要望がありましたらコメントお待ちしております。
2009年11月05日
5日の天気予報は当たるのか?
長野市から見た槍ヶ岳。素晴らしい・・・

さて・・・・今朝の長野の天気予報も当たるかな?・・・をチェック!
全国各地の天気予報は、一日3回、5時、11時、17時に各県の気象台が発表しています。
発表は、気象庁がまとめて一斉に・・・ではなくて、発表時間の20分前くらいから各県の気象台が予報電文を打ちはじめ、発表時間までに全国の予報が出そろうという五月雨式。
インターネットでは、発表時間までにサーバーに貯めた各県の予報をまとめて更新するので、全国各地の予報が一斉に発表されるように見えますが、裏では各県の気象台の予報発表レース?が繰り広げられています。
一等賞を狙うかのごとく真っ先に発表する気象台もあれば、まれに遅刻?と思えるような気象台も。
で・・・・今朝の長野地方気象台・・・朝5時の発表に対して4時45分には早くも発表し終わっていました。
全国的に上位グループ?に入っていたようですが・・・・内容は?
まず、予報文と同時に発表される概況からみると・・・・・
「濃い霧のため」というのは、晴天の空に地上の熱が放射して気温が下がる放射冷却によるもの。
冷蔵庫のドアを開けて白い煙がでるのと同じ。
特に冷たい空気がたまりやすい盆地、それも温かい(空気に比べては)川の周辺では川霧(蒸気霧)が加わって、結構濃い霧になります。
千曲川や犀川などの川沿いを中心に要注意ということでしょう。
「四国付近には高気圧」・・・ということで「実況」の天気図を見ると・・・・・

午前3時の段階で四国沖に高気圧があって、確かに東へ進んでいる様子。
さらに、全体を見渡せば北海道付近を除いて、日本は東西に延びる帯状の高気圧のど真ん中(この色塗り・・どこかの放送局も作ると思います)。
誰が見ても、晴れベースだな・・・と予想できますよね。
「長野県内は、曇りまたは晴れとなっています」・・・ということで自分でも確かめてみないと・・・
まず、衛星画像から。

北信上空に白が濃い雲がちょっとだけかかってますけど、これは高いところにある雨を降らせない雲。
基本的に長野県は晴れのエリア。
むしろ日本海に南西から北東へと延びる灰色の帯状の雲が気になります。
そこで、気象レーダーを確認。

やっぱり帯状の雨雲。
ゆーっくりですけど、新潟沿岸に近づいている模様。
今日、コイツが北信に影響を与えるのか?与えるとすればどの程度?という点が北信の予報をはずれるか否かのポイントになるような気がします。
実況天気図に赤の点線で前線帯を書きこんでみました。
さて、ざっくりと気象台発表の概況を見た後、電文本体の予報文を見ると・・・・・
南信が曇りのち晴れ(夕方から晴れなので実質曇りの一日)ということですが、それ以外は基本的に晴れベースの時々曇り。
上の実況天気図に地上の弱い気圧の谷を書きこみましたが、南信は高気圧の帯の中でも相対的に気圧の低い部分・・・稜線の鞍部・・・の影響を受けて曇りがち・・・・
朝のテレビの天気予報の解説は東京の全国版で放送されることが多いので、南信に近い関東の曇りベースの予報はこのように解説されるかもしれません。
さて、北信の「朝晩 くもり」の「晩」のくもりの程度は?懸念される前線帯の雨は?
コンピューターの生データを見ると・・・雨の心配はまずなし・・・予報は当たる・・・と思いますけど、一般的な予想天気図で説明をつけてみると・・・・

四国付近に中心がある高気圧は元気いっぱい・・・日本海にも強く勢力を広げています。
前線帯の影響も東北まで・・・と考えて、北信・中信とも夕方を中心に上空の雲がかかるものの、基本的に晴れベースで
「今日の予報は当たる」
と考えておいてよいと思います。
まあ・・・今日の予報の当たり外れを考えるのは無意味に近いガチガチの気圧配置ですけど、かすかな穴を考えるのが長野の天気に慣れるための修行・・・・です。

さて・・・・今朝の長野の天気予報も当たるかな?・・・をチェック!
全国各地の天気予報は、一日3回、5時、11時、17時に各県の気象台が発表しています。
発表は、気象庁がまとめて一斉に・・・ではなくて、発表時間の20分前くらいから各県の気象台が予報電文を打ちはじめ、発表時間までに全国の予報が出そろうという五月雨式。
インターネットでは、発表時間までにサーバーに貯めた各県の予報をまとめて更新するので、全国各地の予報が一斉に発表されるように見えますが、裏では各県の気象台の予報発表レース?が繰り広げられています。
一等賞を狙うかのごとく真っ先に発表する気象台もあれば、まれに遅刻?と思えるような気象台も。
で・・・・今朝の長野地方気象台・・・朝5時の発表に対して4時45分には早くも発表し終わっていました。
全国的に上位グループ?に入っていたようですが・・・・内容は?
まず、予報文と同時に発表される概況からみると・・・・・
「天気概況
平成21年11月5日04時43分 長野地方気象台発表
北部では、5日朝にかけて、濃い霧のため見通しの悪い所があるでしょ
う。交通機関等は注意して下さい。
四国付近には高気圧があって東に移動しています。
長野県内は、曇りまたは晴れとなっています。
今日は西日本から東日本は高気圧におおわれますが、上空の気圧の谷が通
過する見込みです。
このため、晴れ時々曇りとなるでしょう。
明日は、本州付近は引き続き高気圧におおわれる見込みです。
このため、晴れるでしょう。」
「濃い霧のため」というのは、晴天の空に地上の熱が放射して気温が下がる放射冷却によるもの。
冷蔵庫のドアを開けて白い煙がでるのと同じ。
特に冷たい空気がたまりやすい盆地、それも温かい(空気に比べては)川の周辺では川霧(蒸気霧)が加わって、結構濃い霧になります。
千曲川や犀川などの川沿いを中心に要注意ということでしょう。
「四国付近には高気圧」・・・ということで「実況」の天気図を見ると・・・・・

午前3時の段階で四国沖に高気圧があって、確かに東へ進んでいる様子。
さらに、全体を見渡せば北海道付近を除いて、日本は東西に延びる帯状の高気圧のど真ん中(この色塗り・・どこかの放送局も作ると思います)。
誰が見ても、晴れベースだな・・・と予想できますよね。
「長野県内は、曇りまたは晴れとなっています」・・・ということで自分でも確かめてみないと・・・
まず、衛星画像から。

北信上空に白が濃い雲がちょっとだけかかってますけど、これは高いところにある雨を降らせない雲。
基本的に長野県は晴れのエリア。
むしろ日本海に南西から北東へと延びる灰色の帯状の雲が気になります。
そこで、気象レーダーを確認。

やっぱり帯状の雨雲。
ゆーっくりですけど、新潟沿岸に近づいている模様。
今日、コイツが北信に影響を与えるのか?与えるとすればどの程度?という点が北信の予報をはずれるか否かのポイントになるような気がします。
実況天気図に赤の点線で前線帯を書きこんでみました。
さて、ざっくりと気象台発表の概況を見た後、電文本体の予報文を見ると・・・・・
「長野県 5日 5時
北部
今日 南の風 後 北の風 晴れ 朝晩 くもり
所により 朝 まで 霧 (101
中部
今日 南の風 晴れ 時々 くもり (101)
南部
今日 南の風 くもり 夕方 から 晴れ (211)
気温 今日日中の最高 17度 (長野 17度)
18度 (松本 18度)
16度 (諏訪 16度)
17度 (飯田 17度)
15度 (軽井沢 15度)」
南信が曇りのち晴れ(夕方から晴れなので実質曇りの一日)ということですが、それ以外は基本的に晴れベースの時々曇り。
上の実況天気図に地上の弱い気圧の谷を書きこみましたが、南信は高気圧の帯の中でも相対的に気圧の低い部分・・・稜線の鞍部・・・の影響を受けて曇りがち・・・・
朝のテレビの天気予報の解説は東京の全国版で放送されることが多いので、南信に近い関東の曇りベースの予報はこのように解説されるかもしれません。
さて、北信の「朝晩 くもり」の「晩」のくもりの程度は?懸念される前線帯の雨は?
コンピューターの生データを見ると・・・雨の心配はまずなし・・・予報は当たる・・・と思いますけど、一般的な予想天気図で説明をつけてみると・・・・

四国付近に中心がある高気圧は元気いっぱい・・・日本海にも強く勢力を広げています。
前線帯の影響も東北まで・・・と考えて、北信・中信とも夕方を中心に上空の雲がかかるものの、基本的に晴れベースで
「今日の予報は当たる」
と考えておいてよいと思います。
まあ・・・今日の予報の当たり外れを考えるのは無意味に近いガチガチの気圧配置ですけど、かすかな穴を考えるのが長野の天気に慣れるための修行・・・・です。
2009年11月04日
長野の天気予報番組に思う
長野に帰ってきて思うのは、テレビの天気予報番組が貧弱なこと。
関東キー局の天気予報は、すべて気象予報士が出演して、明日の天気が「どうなるのか」「なぜなのか」ということについて、上手下手はあっても、それなりに解説をしています。
にもかかわらず・・・・・・・
私、Kasayanは、天気予報の”解説”というものは、「天気予報がはずれたとき」をイメージさせる重要なものだと考えています。
天気予報が100%当たるものであれば解説など必要がありません。
解説は天気予報が「はずれる可能性があるのか?」「はずれたらどうなるのか?」を考えさせてくれる道具だと思うのです。
いわば、天気予報がはずれることのリスクを伝達する重要な手段。
日本では天気予報の当たりはずれは、あたかも競馬の予想のように考えられて、かつては天気予報がはずれたらキャスターが頭から水をかけられるなどという番組さえありました。
しかし、天気予報というものは、自然現象を予測するものであって、今の科学では絶対的なものではありません。
したがって、天気予報は博打とは違って、予報の「確からしさ」を正直に伝え、ユーザーにリスクの可能性を考える機会を与え、行動の手助けをするものでなければならないのです。
Kasayan自身、天気予報番組を制作していたことがありましたが、独自に予報を作る際、「今日の○○地方の予報はひょっとしたらはずれるかもしれない」などと考えていました。
そして、その正直な気持ちを視聴者に伝達する唯一の方法が天気図を使った”解説”でした。
(注)この天気図は以前作ったもの・・・使用不可

ところが・・・・・
長野では(長野ローカルの番組では)気象予報士が出演している番組でさえ、表示されている天気マークの傾向を読み上げているだけ。
そして、最も気象予報士であることが必要とされる天気図の解説も、気象庁のホームページに書かれている概況を読んでいるだけ。
アナウンサーが担当している番組にいたっては、電話の177の内容(気象庁発表予報の読み上げ)とかわりありません。
画面に表示されているマークの傾向を読み上げるだけなら誰にだってできます。
インターネットに書かれている概況なら自分で読めば良いのです。
そんな天気予報番組を作っているのは、関東に本社がある気象会社。
一人の担当者が多くの放送局の原稿を書ければコストダウンになるわけですから、市場原理とはいえ、天気予報の世界でも地方が置き去りになっているわけです。
そして・・・・・偉そうなことを言ってもKasayan自身、遠く故郷の長野を離れて長野の某局の天気予報番組の企画をしたり、原稿を書いたこともありますから、長野をはじめ地方の天気予報をここまで時代遅れにしてしまった犯人の一人です。
関東ローカルの天気予報がどれだけ良いか・・・と言われれば、大したことはありませんけど、それにしても・・・・・・
長野という地方の性質上、目先の海難事故に直結する沿岸部の県に比べて、天気予報の重要性は低いのでしょうか?
目先の表現は変わっていても、その内容はKasayanが上京した30年前の天気予報のままで十分足りているのでしょうか?
色々考えさせられながら日々天気予報番組を眺めています。
関東キー局の天気予報は、すべて気象予報士が出演して、明日の天気が「どうなるのか」「なぜなのか」ということについて、上手下手はあっても、それなりに解説をしています。
にもかかわらず・・・・・・・
私、Kasayanは、天気予報の”解説”というものは、「天気予報がはずれたとき」をイメージさせる重要なものだと考えています。
天気予報が100%当たるものであれば解説など必要がありません。
解説は天気予報が「はずれる可能性があるのか?」「はずれたらどうなるのか?」を考えさせてくれる道具だと思うのです。
いわば、天気予報がはずれることのリスクを伝達する重要な手段。
日本では天気予報の当たりはずれは、あたかも競馬の予想のように考えられて、かつては天気予報がはずれたらキャスターが頭から水をかけられるなどという番組さえありました。
しかし、天気予報というものは、自然現象を予測するものであって、今の科学では絶対的なものではありません。
したがって、天気予報は博打とは違って、予報の「確からしさ」を正直に伝え、ユーザーにリスクの可能性を考える機会を与え、行動の手助けをするものでなければならないのです。
Kasayan自身、天気予報番組を制作していたことがありましたが、独自に予報を作る際、「今日の○○地方の予報はひょっとしたらはずれるかもしれない」などと考えていました。
そして、その正直な気持ちを視聴者に伝達する唯一の方法が天気図を使った”解説”でした。
(注)この天気図は以前作ったもの・・・使用不可

ところが・・・・・
長野では(長野ローカルの番組では)気象予報士が出演している番組でさえ、表示されている天気マークの傾向を読み上げているだけ。
そして、最も気象予報士であることが必要とされる天気図の解説も、気象庁のホームページに書かれている概況を読んでいるだけ。
アナウンサーが担当している番組にいたっては、電話の177の内容(気象庁発表予報の読み上げ)とかわりありません。
画面に表示されているマークの傾向を読み上げるだけなら誰にだってできます。
インターネットに書かれている概況なら自分で読めば良いのです。
そんな天気予報番組を作っているのは、関東に本社がある気象会社。
一人の担当者が多くの放送局の原稿を書ければコストダウンになるわけですから、市場原理とはいえ、天気予報の世界でも地方が置き去りになっているわけです。
そして・・・・・偉そうなことを言ってもKasayan自身、遠く故郷の長野を離れて長野の某局の天気予報番組の企画をしたり、原稿を書いたこともありますから、長野をはじめ地方の天気予報をここまで時代遅れにしてしまった犯人の一人です。
関東ローカルの天気予報がどれだけ良いか・・・と言われれば、大したことはありませんけど、それにしても・・・・・・
長野という地方の性質上、目先の海難事故に直結する沿岸部の県に比べて、天気予報の重要性は低いのでしょうか?
目先の表現は変わっていても、その内容はKasayanが上京した30年前の天気予報のままで十分足りているのでしょうか?
色々考えさせられながら日々天気予報番組を眺めています。
2009年11月04日
4日の天気予報は当たるのか?
昨日雪を降らせた上空の寒気は東海上に抜けつつありますけど、晴天の放射冷却で良く冷えますねぇ。
氷点下1℃・・・・雪の朝よりも翌日の晴天のほうが寒い・・・

さて、今日の天気は?
・・・・そのまんま信じてもよいかな?
とりあえず・・・今朝5時、気象庁発表の長野県の予報文・・・・・
長野気象台の発表は、全県晴れのち時々曇り。
時々曇りのタイミングも、昼過ぎから・・・ということで全部同じ。
この予報が、電話の177番をはじめ、マスコミの天気予報の原本。
テレビ番組で気象予報士が独自予報を出すなんていいますけど、
独自予報を出すにあたって、気象庁の予報を横目で見ているのがほとんどですから、
いずれにしても原本にはかわりありません。
次に、予報文と同時に気象台が発表する概況・・・・
放射冷却で気温が急激に下がったんで、
盆地中心に空気中の水蒸気が水滴になって霧・・・千曲川や犀川では温かい川の水が湯気になって
川霧も発生・・・ということでしょう・・・(確かめなくちゃ)
結局は、高気圧の覆われて晴れ・・・というのが趣旨ですが、
午後からの「時々曇り」・・・伊豆諸島方面に発生する弱い気圧の谷の影響ということなんだけど・・・

たしかに東西に延びた高気圧「山」の山頂?が東海上と四国沖にできて、
伊豆諸島付近は二つの山に挟まれた「谷」。
・・・らしい?概況の説明だけど・・・ちょっとあやしい解説のような?・・・・
岐阜の地方気象台は
と解説していますが、このほうが正しいような気がします。

(短期予報解説資料(本庁発表の予報の統一指針)抜粋)
まあ、そんな突っ込みは生産的でないので・・・具体的にどんな雲がでるの?ということで空の高いとこにある雲のアニメを・・・

確かに昼過ぎに、西から雲が迫ってくる・・・・雨を降らせるような低い雲じゃないよねぇ・・・・
念のためMSMというコンピューターの降水計算値をチェック・・・・

・・・雨は東北・北海道の日本海側のみ・・・・長野では雨の心配なし・・・
気象庁発表の降水確率も10%以下・・・まあそんなもんでしょう・・・・
いずれにしても「今日の予報は当たりそう!」
女房には「洗濯バッチリ」と伝えておこう・・・・っと・・・・

(長野駅付近から菅平方面・・・千曲川の川霧?・・・だと思います)
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氷点下1℃・・・・雪の朝よりも翌日の晴天のほうが寒い・・・

さて、今日の天気は?
・・・・そのまんま信じてもよいかな?
とりあえず・・・今朝5時、気象庁発表の長野県の予報文・・・・・
「長野県 4日 5時
北部
今日 南の風 晴れ 昼過ぎ から 時々 くもり所により 朝 まで 霧 (110)
中部
今日 南の風 後 やや強く 晴れ 昼過ぎ から 時々くもり 所により 朝 まで 霧 (110)
南部
今日 南の風 晴れ 昼過ぎ から 時々 くもり所により 朝 まで 霧(110)
気温 今日日中の最高 17度 (長野 17度)
17度 (松本 17度)
15度 (諏訪 15度)
17度 (飯田 17度)
12度 (軽井沢 12度) 」
長野気象台の発表は、全県晴れのち時々曇り。
時々曇りのタイミングも、昼過ぎから・・・ということで全部同じ。
この予報が、電話の177番をはじめ、マスコミの天気予報の原本。
テレビ番組で気象予報士が独自予報を出すなんていいますけど、
独自予報を出すにあたって、気象庁の予報を横目で見ているのがほとんどですから、
いずれにしても原本にはかわりありません。
次に、予報文と同時に気象台が発表する概況・・・・
「天気概況
平成21年11月4日04時47分 長野地方気象台発表
県内では、4日朝にかけて、濃い霧のため見通しの悪い所があるでしょ
う。交通機関等は注意して下さい。
関東の東と東シナ海には高気圧があって、共に東に移動しています。
長野県内では、概ね晴れていますが、霧の発生している所があります。
今日は、本州付近は帯状の高気圧に覆われますが、伊豆諸島付近には弱い
気圧の谷が発生する見込みです。
このため、晴れで、昼過ぎから時々雲が広がるでしょう。また、朝まで霧
の発生する所がある見込みです。
明日も本州付近は帯状の高気圧に覆われますが、上空の薄雲がやや厚みを
もって広がってくるでしょう。
このため、北部と中部では晴れ時々曇りとなるでしょう。南部では曇りで
、昼前から時々晴れるでしょう。 」
放射冷却で気温が急激に下がったんで、
盆地中心に空気中の水蒸気が水滴になって霧・・・千曲川や犀川では温かい川の水が湯気になって
川霧も発生・・・ということでしょう・・・(確かめなくちゃ)
結局は、高気圧の覆われて晴れ・・・というのが趣旨ですが、
午後からの「時々曇り」・・・伊豆諸島方面に発生する弱い気圧の谷の影響ということなんだけど・・・

たしかに東西に延びた高気圧「山」の山頂?が東海上と四国沖にできて、
伊豆諸島付近は二つの山に挟まれた「谷」。
・・・らしい?概況の説明だけど・・・ちょっとあやしい解説のような?・・・・
岐阜の地方気象台は
「上空の気圧の谷が接近するため」
と解説していますが、このほうが正しいような気がします。

(短期予報解説資料(本庁発表の予報の統一指針)抜粋)
まあ、そんな突っ込みは生産的でないので・・・具体的にどんな雲がでるの?ということで空の高いとこにある雲のアニメを・・・

確かに昼過ぎに、西から雲が迫ってくる・・・・雨を降らせるような低い雲じゃないよねぇ・・・・
念のためMSMというコンピューターの降水計算値をチェック・・・・

・・・雨は東北・北海道の日本海側のみ・・・・長野では雨の心配なし・・・
気象庁発表の降水確率も10%以下・・・まあそんなもんでしょう・・・・
いずれにしても「今日の予報は当たりそう!」
女房には「洗濯バッチリ」と伝えておこう・・・・っと・・・・

(長野駅付近から菅平方面・・・千曲川の川霧?・・・だと思います)
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