2010年07月22日
天気予報は当たるのか?(7月22日)猛暑いつまで?夕立は?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
猛暑が続いていますが・・・・この猛暑は何時まで続くの?ということが気になってくると思うので・・・・

なんじゃこりゃ?というアニメだと思いますが、これは上空5800m付近の天気図。
オレンジ色の所は太平洋高気圧のアタマの部分にあたるのですが、ちょうどドライヤーの吹き出し口のように、赤道付近から上空を北上してやってきた空気が、熱風になって下降してくる場所です。
明後日にかけて、少しずつ南下するとともに、ちょっとだけ小さくなっているのがわかります。
ということは、猛暑もやわらぐか?・・・ということで、平年の気温との差を示したグラフ。

東日本・・館野(茨城県)では、明後日24日あたりまで平年より少し高い傾向が続きますが、なんとか25日(日)あたりには平年並みになるという計算値が出ています。
ということは、この週末、夏休みの行楽は多少は過ごしやすいのか?という感じがしますから、24日(土)にかけての雨の計算値も見てみましょう。

高気圧が小さくなるということは、北海道付近まで押し上げられていた雨のエリアが南下してくるということになっちゃいます。
もっとも、小さくなるとはいえ高気圧は強いですから、雨のエリアはせいぜい東北付近まで。
当初、週間予報は、東日本付近まで週末は雨?という予想になっていましたが、「今朝の計算値を見る限りでは」、東北あたりまで。
先週は早く梅雨明けろ!と言っていた方も、打ち水程度の雨は欲しくなっていると思いますが・・・
まあ、たいして気温は下がりませんけど、週末には異常?と思われるくらいの猛暑日は解消して、通常の猛暑になる・・・ってことでしょうね。
週間予報でマメにチェックしてみてください。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

昨日とほとんどエリア分けに変化はないですけど、北海道付近の雨はぐずつくという表現から大雨注意になっています。
また、夕立のエリアは、山沿い中心ですけど、予報文を読む限り、西日本で少しだけエリアが拡大という予報になっています。
猛暑日が続いていますから、一応予想気温も掲載しておきます。

3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日まで、北部にも「雷」や「雨」の文字がついていましたけど、2日間ほとんど雨がなく、南部中心でしたから、今日の北部に夕立の予報は出ていません。
昨日同様、中部の風の予報が「北の風」になっていますから、南部中心の夕立が今日も続くということでしょう。
夕立のエリアはアニメにして下に掲載してあります。
(群馬県では夕立用?に「のち」傘マークがついているので、県東部の夕立との関係は?)
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

こちらも昨日とほとんど変わりませんけど、北海道付近の暖湿流が強まって、さらに前線がハッキリとしてきますから、雨の量は多くなります。
あとは・・・・猛暑日に注意ということでしょうか。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
例によって、地上天気図の骨格・・・上空の天気図をざっと・・・・

太平洋高気圧のアタマとして昨日まで塗っていた部分(黄色)がうーんと小さくなってきています。
もっともこれは今夜の予想図ですから、昼間は・・・ドライヤーの口は大きく開いています。
また、小さくなったといっても、ちょっと弱まる程度ですね。
図中にUCLと書いてあるのは、前にもご紹介したUpper Cold lowと呼ばれる上空の寒気を伴った低気圧。
先週このあたりを通過したUCLは地上で熱帯低気圧を作りましたけど、この周辺ではボコボコとスコールのような雲がわいて強い雨が降ります。
沖縄や奄美方面はまるで熱帯のようになっていますが、週末にかけてこれが九州方面に影響してくるか?が注意点です。
で・・・一応、雨や夕立の原因になる暖湿流の様子。

昨日とほぼ同様・・・九州の西をまわって日本海へ。
今日は北海道方面に強い風にのって湿った空気(雨の原料)が流れ込みますから・・・大雨注意です。
ということで、いつもの具体的な雨のエリア。


大雨の北海道を除いて、昨日とほとんど変化なし。
九州方面と東日本中心・・・東日本は特に長野県南部や山梨あたりが中心ですね。
今日発生する夕立のメカニズムは昨日の夕立とほぼ一緒。
佐久方面については・・・ちょっと不確定ですが、昨日より夕立の可能性が高くなっていると考えておいたほうがよさそうです。
夕立の発生エリアと密接に関係する風の様子などは、昨日の記事を読んでいただければわかると思います。
ということで、今日も天気予報は当たるでしょう。
上の降水のアニメ付近が夕立の中心になるでしょうけど、それ以外のエリアでも可能性はゼロじゃないことは覚えておいてください。
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kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年07月21日
天気予報は当たるのか?(7月21日)猛暑、夕立は?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日19時の菅平上空・・・・積乱雲が夕日に染まっていました。

こんな雲がほんの10分ほどでわきあがるんですから、おおらかに見える空も短気で激しい面も持っています。

衛星画像だけじゃ芸がないので、日本付近の雲の様子に、上空1500m付近の空気の流れの図を重ね合わせてあります。
天気予報で「南の暖かく湿った空気が流れ込み・・・」なんていう解説をよく耳にしますけど、暖かく湿った空気が流れ込むのは南からだけじゃないんですね。
今日も猛暑・・・・・夕立予想はしておきます。
17時15分追記:こんな電文が入ってきました。気温だけじゃなくて、生き物も夏らしくなってきましたね(長野市の徳間なんですね)。今日は南部、下の予想どおり局地的に雷雨になっています。
■日時:2010年07月21日
■場所:長野県 長野
■内容:油蝉初鳴
■平年比:01日遅い
■昨年比:01日早い
■備考:シナイトクマ
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気マークのモトになる気象庁発表の府県天気予報電文・・・・これを「雷」の文字で検索してソートすると、こんな感じにエリア分けできました。
梅雨?の北海道以外は猛暑の一日ですが、「雷」の文字がついている所とそうでない所がはっきり分かれています。
その理由は、上の衛星画像と関係しています。
そうそう・・・暑いときには、恐いもの見たさで予想気温の数字を見たくなっちゃうので・・・・

3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内の予報には、今日も「雷」の文字。
昨日も南部中心に局地的・・さらに30分~1時間程度の散発的な雷雨がありました。
南部中心になるときは、中部の風が「北の風」予報になるわけですが、南部の予報の「南風」とぶつかるあたりで上昇気流が発生して雷雨のなるようです。
昨日は伊那市の北あたりで特に活発でした。
気象庁のレーダーよりズームして降水量の観測値もすぐに調べられる「長野県砂防情報ステーション」」のHP・・・・局地的な雨の場合は、気象庁HPのレーダーより使いやすい感じがします(雨量予測情報をクリックすると実況が表示され、雨の場所をクリックすると拡大します)。
URL: http://133.105.11.45/index.html
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

台風シーズンも近いので・・・というか、台風3号が発生していますけど・・・南のエリアも見えるように、トリミングなしでアニメにしてみました。
結局、いつもの画格内に情報がおさまっちゃって・・・・小さくまとまってしまいました。
やっぱり台風に着目しなくちゃならないときだけにしたほうがよさそうですね。
内容は昨日とほとんど同じなので、疑問があったら昨日の記事も読んでみてください。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
昨日とほとんど変化がないのですが・・・・・

相変わらず太平洋高気圧のアタマ・・・下降気流のドライヤーは日本の上にあります。
そして、いつもの、暖湿流の流れ・・・多少は工夫を・・・と思って、JMHという船舶用気象FAX図の中にある流線解析図(上の衛星画像でも使っているヤツです)を重ねてみました。

時計回りの空気の流れ・・高気圧の中心を時計回りに回って、北陸付近から北で北風に転じています。
日本海側から湿った暖かい空気がやってくるんですね。
地上付近の流れも見てみましょう。

地上付近も北風優勢ですけど、昼間気温が上昇して、シーブリーズ(焼けた肌に塗るヤツじゃないですよ)が太平洋からも吹きこんできます。
長野県南部・・・伊那谷や木曽谷にもシーブリーズが入り込んで、これが北からの風とぶつかるあたりで特に上昇流発生・・・夕立ということになるようです。
具体的に雨のエリアを見ると・・・・


昨夜九州の西の海上をかすめるように激しい雨のエリアが通過していきましたが、今日も九州方面は暖湿流の本流のお隣ですから、要注意ゾーンでしょう。
一方県内・・・昨日とほぼ同じエリアに降水が計算されています。
昨日の傾向からすると、降水をちょっと割り引いてもイイかな?なんて気もしますが、雷雨は計算しきれない部分が多いので、アニメの中で降水がちょっとでも計算されているエリアは注意エリアと考えておいたほうが良いでしょうね。
統計的手法も用いている気象庁発表の分布予報はもっと広いエリアに雨の可能性を予想しています。
気象庁分布予報: http://www.jma.go.jp/jp/mesh20/
ということで・・・・昨日同様、今日の予報も当たるしかないでしょうね。
熱中症に気を付けてください・・・なんてテレビの天気予報のような話はしませんけど(してる?)・・・葉山マリーナや江の島の動画映像とボサノバでも聞きながら、夏を楽しんでください。

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2010年07月20日
天気予報は当たるのか?(7月20日)猛暑日続き夕立も

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

梅雨明けの発表が続き、猛暑日で始まった連休も終わり。
熱帯低気圧が東シナ海を北上し、台風3号も発生。
いきなり夏に突入してしまったという感じがします。
13時追記:週末にかけて不安定傾向が予想れていましたが、今朝の週間予報の計算値で不安定は弱まる傾向に変化し、週末の天気悪化も北日本限定に。日毎に計算値がフラフラしているので、週間予報が日替わりする可能性があります。週間天気予報解説資料の抜粋を一昨日の週間予報の記事の中に追記しておきました。
波の数だけ抱きしめて/Valentine's Radio - 松任谷由実
この時期になると、見たくなるんです、1982年の夏の湘南が舞台のこの映画。
1982年はKasayanもまだ大学生・・・この湘南の海岸の景色が好きで、大学卒業直後に鎌倉に引っ越したくらいですから。
コミュニティFM局のはしり、大学生が運営するミニFM局が舞台なのもイイんです。
テレビ出演は大嫌いだったKasayanですが、ラジオはなんとなく好きでした。
昔、2か月ほど、FM局のドライビングウェザーなんてレジャーっぽい天気番組に出ていたことがあるのですが、この映画のことを思い出しながらしゃべると、なんだかとても楽しかったような気がします。
今日の湘南・・・ディンギーが帆走し、海水浴の喧騒のあと、夜の雷雨・・・海風の吹く江の島が目に浮かぶようです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

曇りベースの北日本以外は今日もギラギラの猛暑日。
もちろん予報文には「雷」の文字が散見されます。
どのあたり?はあとで・・・
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日の朝の予報は、「所により 雨」だけでしたが夕方の予報から「雷」が付きました。
でも、今日は朝の予報から「雷を伴う」がついています。
時間帯は「夕方から夜のはじめ頃」ですから、午後3時~午後9時までの6時間。
昨日の「所により」・・・の結果は中部の局地的なエリアと北アルプスの一部でした。
今日はどうなるんでしょう?
ヒントは風。
昨日の中部の予報は「南の風 後 北の風」でしたが、今日は「北の風」。
北風優勢というところがミソです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日もありきたりなアニメになっちゃいましたけど、暖湿流が日本海経由東日本行きというところが一つのポイントです。
それと・・・北日本の気圧の谷という意味・・・わかりやすかったですかねぇ・・・・?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日の上空・・・・太平洋高気圧のアタマがでかくなるのがわかります。

赤道発、上空経由の空気が日本付近に吹き下ります。
日本の上にドライヤーがあるようなもんですから、強い日差しとあいまって、猛暑日になるのも当然ですね。
そして、高気圧の北側を回る強い風のエリア・・・高気圧が西に張り出すにつれてUターンするようなカーブがきつくなってきます。
これも東日本で夕立が発生しやすくる原因の一つといえます。
で・・・不安定の原因の一つ・・・天気予報番組でも聞きあきた暖湿流の様子を詳しく。

太平洋高気圧の西の端っこ・・・九州の西側で暖湿流が一気に北上してますが、その一部が日本海をぐるりと回って北陸方面へ。
夏といえば南風・・・というイメージですけど、東日本の上空1500m付近では北風が優勢になっています。
ただ、北風といっても、暖湿流の北風ですから・・・・・・この風が流れ込むと・・・・・

山にぶつかったり、盆地を通り抜けて合流したりすると・・・・上昇気流が発生して、モクモク雲発生。
夕立になります。
また、昨日同様、長野県付近には、気温上昇による弱い低圧部も発生。
昨日よりちょっと南側・・・北風の影響もあるんでしょう・・・・

この低気圧が北風を吸い寄せて、特に長野県南部から山梨県にかけて雷雲を発生させます。
いままでとはちょっと傾向が異なります。
じゃあ、他のエリアはどうなってる?

東日本中心・・・ということは確かですけど、暖湿流のメインロードの近くにある九州や沖縄方面・・・計算値はちょっと少なめですけど、安全マージンをみれば激しい夕立になる可能性は十分にありますよね。
もういちど、中部地方へ・・・

局地的・・・南アルプス方面中心でしょうけど、北部や中部でも北アルプスや志賀・菅平方面で可能性がありそうですね。
ということで、今日の天気予報・・・「所により」がついていますから、「所」じゃない場所では夕立はありません。場所も限定していないんだから、当たるでしょう。
大ざっぱじゃないの?なんて思われるかもしれませんけど、先日の大雨の雨水がまだ抜け切れていませんから、安全マージンは多めにとる必要があります。
これでイイんです。
そうそう・・・夕立の場所の予想が困難なこの季節、ピンポイント予報なんか見ても無駄ですし、安全マージンがとれないので、かえって危険かも。
それに、天気はピンポイント予報のエリアのようにデジタル的に変化はしないのです。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年07月19日
天気予報は当たるのか?(7月19日)海の日夕立雷雨注意

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

太平洋高気圧が東日本へ突進?・・・今日はたぶん今年一番の暑さになるでしょうね。
昨日も、山沿い中心に夕立がありましたけど、ちょっとだけ安定傾向に向かった空模様・・・週末に向けて不安定傾向に逆戻り・・・ゲリラ豪雨・雷雨モードに戻りそうです。
昨晩、週間予報の傾向をまとめておきましたので、夏山シーズン・レジャーの季節、よかったら参考にしてみてください。(週間予報を考える)
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

予報文の「雷」の文字の分布は見事に不安定エリアと一致します。
「雷」の字が書かれている傾向でエリア分けしてみました。
電話の177での原文の予報文・・・しっかり使えばヘタなピンポイント予報より役立ちます。
予報文原文: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内、「雷」の文字はありませけど、「所により」・・・・場所を特定しないで「雨」が予想されています。
気温が今年一番、34℃が予想されていますから、強い上昇気流発生・・・・当然、雷が伴う可能性も視野に入れておきたいところです。
昨日朝の予報には「雨」の文字はありませんでしたから、予報官の頭の中では昨日より雨の可能性を高くイメージしているのかもしれません。
ちなみに「夜のはじめ頃」は18時~21時のこと。
予報文の「昼前」とか「夕方」というコトバもキチンと定義されていますから、覚えておけば3時間毎の時系列予報と同じです。
予報文の用語集: http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/yoho.html
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

テレビやラジオの解説と同じだと思いますから特にコメントは・・・・・
梅雨明けだ!涼しい北海道へ・・・とか、沖縄へ!・・・なんて考えていると・・・逆に雨に降られちゃうのもこの季節の傾向です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
やっぱり「夕立」が気になりますが、その原因になる暑さの理由から・・・・

上空・・・太平洋高気圧のアタマが東日本・西日本の上空へ。
高気圧の中心付近では、赤道付近から北上してきた空気が下りてくるところ・・・下降流域です。
フェーン現象で山から風が吹き下りる地域で乾燥した暑い風が吹きますけど、それと同様に、上空から熱帯から来た空気が降りてきて、強い日差しとあいまって気温急上昇!!
日本にいながら赤道の空気を吸えるんだぜ!!なんて考えれば多少は・・・・・・・
で・・・・どのように気温が上がるかといえば・・・・・

平野・・特に海風の入らない内陸部は35℃以上の猛暑日。
長野県付近の盆地も周辺の山肌が強い日差しを受けて気温上昇・・・34℃前後の予想です。
このように気温が上がれば、暖かい空気が上へ上へと上昇して、空気が薄くなるので盆地が低圧部になります。
この傾向が強い長野県にズームして見ると・・・・

県内はお約束のように松本付近を中心にした低気圧(熱低気圧とかヒートローといいます)が発生。
空気が薄くなるので、松本の人が窒息しないように?周辺から空気が流れ込むわけですが・・・・

アルプスの山々を迂回し、乗り越え、盆地をすり抜けて流れ込む風・・・合流したり、ぶつかったり、山を乗り越えれば、上昇気流になって・・・・膨張して気温が下がって雲発生。
(上空で冷やされて雲発生じゃないですよ)
成長した雲は、標高3000mのアルプスの山々より高い所を流れる風によって、お辞儀をするように流されます。

今日は南西の風に乗って、北東方向へ流されそうです。
で・・・雨の様子は・・・・・

沖縄付近の熱帯低気圧(台風にはならずにすみそうですが・・?)による加速も加わって、西日本方面から日本海を回って北海道方面に湿った空気が流れているんですが、西日本の南の海上では、小さなスコールのような雨雲まで予想されています。
トロピカルだぜ・・・・・
そして、中部地方はというと、

昨日もそうだったんですけど、雲の発生の計算値(雲量)については、比較的実況と一致するんですけど、降水についてはエリアの狭い短時間の雨ということもあって、イマイチ計算と一致していません。
そもそも、雷雲は計算のための格子よりも小さいスケールの現象ですから、うまく計算されないのも当然。
上の雲のエリアのほうを優先して夕立のエリアをイメージするのがよいと思います。
ということで、今日の予報も当たりだと思います。
水の事故の話もこの季節に多くなりますけど、雷の事故が多いのもこの季節。
聖職の碑なんて話を思い出しますが、つきなみの言葉・・・・早めの避難、心がけて・・・・
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2010年07月18日
週間予報(7月18日)不安定な梅雨明け10日

気象庁17時発表の長野の週間予報。

梅雨明けの発表がありましたから、さすがに太陽マークが目立ちます。
左側の太陽、右側に曇りの「晴れ時々曇り」マーク・・・・晴れ優先のマークが並んでいますが、24日から並びが逆転・・・曇り優先のマークになっています。
信頼度がCですから、確度がやや低い予報ということで、降水の有無の予報が翌日に変わる可能性があるわけですが、それでも週末は晴れマークの勢いが弱まる傾向ということのようです。
向う一週間の天気図。いずれも21時の予想図です。

予報もあわせて書きこんでおきました。
ザクッと見ると、22日までは基本的に太平洋高気圧に覆われて猛暑継続。
23日以降は太平洋高気圧がちょっとずつ弱まる傾向で計算されているようです。
網かけの部分が降水の可能性があるエリア・・・23日以降は青で塗っておきましたが、週の後半から北日本を中心に降水が計算されていて、25日には九州方面でも。
天気マークどおりに考えても良いのか・・・・・・・?
このあたりの理由を、週間天気予報解説資料という気象庁発表のプロ用の資料を抜粋して見てみると・・・・
【】内はKasayanの加筆。
期間中頃の日本付近のリッジが【上空の気圧の尾根】強まりトラフは【上空の気圧の谷】浅まった。【太平洋高気圧のパワー強いということ】
期間前半、本州付近はサブハイ【太平洋高気圧】に広く覆われる。
期間後半は500hPa【上空5800m付近】で-6℃以下の寒気が南下してくる。
また期間を通じて下層の暖湿気【暖かく湿った空気】が関東甲信まで流入し、東・西日本は不安定な状態が続く【雷雲モクモク】。
北日本は前線帯近傍【戻り梅雨の前線】で雲が広がりやすい。

左側の図、週の前半は等高度線(等圧線のと同じ)は、凸傾向ですが、後半は凹傾向。
週の後半、上空の弱い気圧の谷が通過するということですが、この谷が日を追うごとに深い凹になってくると、天気はちょっと悪目になりますから、今度の週末に予定を立てるなら、週間予報からは目が離せないでしょう。
19日12時30分追記:19日朝の計算値では、気圧の谷が深くなる傾向に変化していますが、やや速度が遅くなった感じ。悪化傾向だけど、タイミングが遅いということですね。25日は上空の寒気がピークになりそう・・・不安定もピーク?。日々計算値がかわる微妙な状態なので、週末の計画は木曜日くらいまで待ったほうがよいかも?
また、むこう一週間、地上付近には湿った暖かい空気が流れ込みやすく、週末にかけては上空に寒気が入ってくるようで、気象庁は大気不安定の状態が続くと予想しているようです。
盆地の雷雨は直近の予報で確認しないとどの程度なのかはイマイチわかりませんが、発雷の可能性が高い山では、午後からの雷には特に警戒しておいたほうが良いかもしれません。
日々の予報では、「雷」という文字が目立つことになるかも・・・・・?
20日13時追記:今日(20日)の計算値では、暖湿流の流入が弱まる傾向に変化しています。不安定の程度は低くなる傾向。これ、太平洋高気圧の張り出し、上空の谷の深まりと位置にが微妙に変化するため、暖湿流の流入コースの計算値が日毎に変化しているからです。まだまだ計算値はフラフラしているようですね。
期間の後半、5880mが大陸で南下し南西流場となり暖湿気が流入する予想だったが、今日の資料では大陸での南下はなく暖湿気が入りにくい予想に変わったため、FEFE19での日本付近の降水は表現されていない。今日資料で予報を組み立てる。
ちなみに、週間予報は毎日11時と17時に発表されますから、いくら気になるからといって、週間予報を朝にチェックするのはダメです。
梅雨明けしたら梅雨明け十日の夏山登山シーズンスタート。

今朝、Kasayanの家から北アルプス槍ヶ岳が見え、久々に登りたいという衝動に駆られたので、長野県の週間予報をチェックしちゃいました。

朝の予報ではなかった雷・・・・今日も北部で夕立が発生しています。

菅平方面の雷雲、盆地には影響が少なくてすみそうですが、全県で雷に注意です。
山の雷はホント恐いですね。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年07月18日
天気予報は当たるのか?(7月18日)梅雨明け十日も山は注意

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の地球・・・・北海道付近に梅雨前線の名残の雲の帯。
日本付近は太平洋高気圧の晴れのエリアに入ってきました。
昨日、西日本・東日本の広いエリアで梅雨明けの発表がありましたが、各地で夕立が散発。
ゴロゴロの雷雨の後にスカッと晴れた今朝のほうが梅雨明けというイメージにはピッタリだと思いませんか?
特に夕立があったエリアでは・・・・・

連休初日に梅雨明けの発表があれば、さっそく行楽へ・・・という強い期待に後押しされて、早めの梅雨明け発表をしたのかもしれません。
としても・・・・・今日は夕立・・・大丈夫なんでしょうか?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今朝は、ちょっと変わったエリア分けをしてみました。
各地の管区気象台(中心になるお役所)が発表している概況文の中に書かれているコトバをピックアップしてあります。
日本各地の天気マークと対応させると、なんでそのマークがついているのか?という理由が見えてきます。
そして、これをひとまとめの文章にすると・・・・あら不思議・・・・お天気キャスターの解説になっちゃいます。
下に掲載した予想天気図のアニメで、これらの概況を図でまとめてみました。
また、予報文に「雷」の文字があるエリアに雷マークをつけておきましたが、今日も夕立が予想されているところが結構多いですよね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

久々にシンプルな予報文。
「雷」の文字はありません。
じゃあ、夕立はないの?ということになりますが、山の多い長野県・・・・梅雨明け十日は登山客のピークですが、山は別に考えなくちゃなりません。
気温急上昇の長野県・・・上で見た仙台管区気象台の概況には「不安定」と書かれていますし、大阪管区気象台では「上空の寒気」なんてコメントもあります。
詳しくチェックしてみましょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

上の全国天気のエリア分けと照らし合わせてみると、わかりやすいと思います。
北と南の天気が悪め・・・・真ん中の関東甲信越付近が「比較的」安定という感じです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上のアニメに書き込んだことを、専門天気図で詳しくイメージしてみましょう。

上の図、太平洋高気圧の上空の部分・・・頭・・・が東日本へ。
だから、東日本は比較的安定した晴天になるんですね・・・・もちろん猛暑ですけど。
一方、北海道付近には上空の気圧の谷接近。
本州が梅雨明けしたころ、北海道では一時的に梅雨のような天気になりますが、つい先日まで本州付近にあったこの谷が北海道を通過するようになるからです。
一方下の図、上空の寒気が北日本に残ります。
となると、不安定・・・という文字が浮かんできますよね。
さて、今度は地上付近の暖湿気の様子。

すっかりレギュラーになった相当温位図ですが、湿った空気のメインの流れは北朝鮮方面。
日本付近は緩やかに湿った空気が流れ込むという感じです。
その場所は九州南部や四国南岸。
こっちは、上空の寒気というより、相対的に「湿った空気の影響で」・・・・上で見た概況と同じですね。
ということで、具体的な雨の様子をみていくと・・・・


やっぱり午前中より、午後のほうが夕立の可能性大。
東北方面、あまり降水が計算されていませんが、昨日は計算されていなくても夕立大発生・・・・だから今日は?マークをつけておきました。
そして、長野県付近は、八ヶ岳方面で局地的な雷雨が予想されています。
ちょうどそのあたりで、風が集まったり、八ヶ岳の斜面を風が昇って上昇流が発生・・・というメカニズムなんだと思いますが・・・・
よっと風の向きが変わると、北アルプスをはじめ、他の山々でも夕立の発生が予想されます。
他の資料では、北アや中アなどにも弱い降水が計算されています・・・・ので、梅雨明け十日といいますが、今日の山はちょっと注意モードかもしれません。
今日の天気予報・・・はずれる要素が見つかりませんから、当たるということで良いと思いますが、予報はあくまでエリアの平均的な天気を意味します。
局地的な山の雷雨は別と考えて用心してください。
携帯で使えるオススメレーダー: http://i.river.go.jp/
今晩、時間があったら・・・・時間があったらですが・・・梅雨明け10日の週間予報もチェックしてみたいと思います。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年07月17日
天気予報は当たるのか?(7月17日)今日も夕立厳重注意!

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
これ、昨日18時の長野市の雨の様子(昨日の記事参照)。

気象レーダーの画像をGoogle earthに貼り付けたものですけど、ここ数年で最も激しい夕立になって、道路の冠水や小規模の土砂災害などがあちこちで発生したようです。
岐阜県可児市 で洪水があったり、広島県庄原市などで土石流が発生したなど、夕立・・・という情緒ある雰囲気じゃなくなっています。
で・・・一番気になるのは、昨日のような夕立が今日もあるのか?ということでしょう。
今日は夕立について詳しく検討してみました。
太平洋高気圧が張り出してきていますから、梅雨明けが気になるでしょうけど・・・・災害をあちこちで発生させているこの不安定が解消しないと気象庁も梅雨明けを発表しにくいでしょうね。
12時25分追記:気象庁、関東甲信も含めた広い範囲で梅雨明けを発表しました。長野県北部だけに限定された雷雨ということで、発表を決断したんだと思います。防災意識と解放された梅雨明けの気分とを計りにかけて・・・でしょう。長野県北部は解放された気分になるとイタそうです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

ホント・・・天気マークの天気予報では、夕立がほとんどわかりません。
予報文を読むと、ほとんどの県に「雷」の文字がついています。
長野県周辺だけ「のち 雨」マーク。
わざわざ傘マークをつけるほどの夕立っていうことですね。
テレビやネットで天気マークの天気予報だけ見ていたら、気象庁の予報の半分も見ていないことになります。
上の緑の文字中にあるリンクをたどると、この図と同じマークの予報が開きますから、知りたい県の上をクリックすれば詳しい予報文が開きます。
なんせ・・・税金で作られているHPなんですから、最大限利用しないと・・・
ちなみに、予報文の生電文は以下のURLで読むことができます。
府県天気予報電文: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

先日までは、南部に多かった「激しく 降る」の文字が北部についています。
用語集によれば”1時間に30mm以上50mm未満の雨”の場合に使われる用語。
警報級ですから、昨日の雨と併せて考えれば警戒モードというのが良くわかりますよね。
今朝6時頃に発表される予定だった、長野県の「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第2号」が30分遅れで発表されています。
気象台も、予想しにくい夕立を対象に大雨情報を出すわけですから、かなり悩んでいると思います。
11時にも新しい情報が発表されるようですから、必ず新しい情報でアップデートしてください。
大雨情報(長野地台発表): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

テレビの解説と同じ・・・・気温上昇で上昇流発生・・・・上空寒気の影響で・・・・雷雲モクモク成長・・・・・という話です。
これ以上書き込んでも複雑になっちゃうだけなんで・・・・
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
激しい夕立の原因の一つ・・・上空の寒気の様子からチェックして行きましょう。

下の図が寒気の様子ですが、-6℃の寒気が東日本・北日本の上に残っています。
上の図を見ると、太平洋高気圧が張り出しているのに・・・
上空は夕立の準備OK。
ちなみに小笠原付近にある寒気・・・・UCL(upper cold low)といって、寒気を伴った上空の渦のこと。
台風3号にならないか?・・・注意が必要です(今朝の短期予報解説資料にも書かれてています)。
次は、地上付近の暖湿気の様子。

薄緑の矢羽根・・・上空1500m付近で暖湿流を運ぶ強い風は朝鮮半島付近に向かっています。
このため、朝鮮半島では、梅雨明け前の豪雨になっているわけですが(韓国旅行は雨具持参)、日本付近は豪雨後の暖湿気が残っている状態。
おまけに太平洋高気圧の張り出しによって、晴れて猛暑になりますから・・・・地上付近も夕立の準備OKになってしまいます。
で・・・ざっくりとアニメで今日の雨の予想をチェック。

夕立を全部計算しきれませんから、あくまで傾向として見てほしいんですけど、全国的にゲリラ的な夕立はあるものの、特に長野県周辺の降水が多く計算されています。
17時20分追記:東日本・東北南部で夕立発生。長野県付近は計算値どおりですが、東北南部は計算以上の激しいものになっているようです。長野県付近は予測ができたので、ゲリラではありませんでしたが、東北南部については12時初期値の計算値でもダメだったので、まさにゲリラでしょうね。

中部地方を詳しく見ると・・・・

長野県北部付近が最も降水量大。
なんで?????ですけど・・・・・

気温上昇で(上の予想気温をもう一度ご覧ください)、長野県中部付近の空気が上昇して、弱い低気圧発生。
関東や東海、上越方面から、この低気圧に空気が集まってくるわけですが、長野県は山だらけ。
盆地をすり抜け、山の低いところを越えて集まった空気が合流するあたりで強い上昇気流が発生します。
それが、長野県北部付近。
これを立体的にして見ると・・・・・・

いつもは、北アルプスが西からくる雨雲の防波堤になるんですけど、今日は東よりの風を遮って、長野県北部だけに強い夕立を発生させてしまうという悪者になっています。
17時20分追記:計算値とほぼ同じエリアで夕立になっていますが、飯山方面で特に激しくなっているようです。およそのエリアは計算できても、どこが激しくなるのか?という点をとらえるとゲリラといえそうです。

発生した夕立は、上空3000m付近の風に流されて範囲を拡大。

こんなストーリーで夕立が発生するということになりそうです。
昨日よりは降水量が少なくて済むかもしれない・・・という気もしますが、昨日で十分すぎる雨が降っていますから、たとえ少なくても・・・・・・ですね!
ゲリラ的な部分がありますから、安全マージンをとるのが当然。
予報の当たりハズレを云々している場合じゃないです。
県内では、どの山に登るにしても、雷には厳重注意。
行動は午後1時までには終えて、安全な場所にいるようにしたいものです(といってももう出発している時間ですけど)。
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2010年07月16日
長野市内で激しい雷雨(7月16日)停電・土砂流出も
長野市内、夕方から激しい雷雨に見舞われています。

報道機関のニュースによれば、19時現在、長野市の南長池では停電していたようですし、豊野付近では信越線の列車が流出した土砂に乗り上げたとのこと。
上のレーダー画像をGoogle earthに重ね合わせてみると・・・・・

確かに、同じ長野市内でも強い雨(赤の部分)の地域と、そうでない地域がわかれていて、停電のあった長池方面では1時間に80ミリを超える猛烈な雨が降っていたことになります。
これだけ狭いスケールの予想は、現在の予報の実務では不可能でしょう。
厳格な実況監視と迅速な情報伝達でのみ、防ぐことができることです。
長野ローカルのテレビ局・・・この時間帯にニュースを放送していたわけですが、気象災害に敏感な局と、いたって反応の鈍い局がわかれていて、中には疑問を感じるような内容の天気予報を伝えているものもありました。
Kasayanの家では、夕方から消防車が走り回る音。
今日の夕立はかなりの確率で予想されましたが(今朝の記事)、身近なところでこれだけ強烈に発生することまでは予想できませんでした。
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2010年07月16日
天気予報は当たるのか?(7月16日)梅雨明け?連休も夕立

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
大雨をよそに、この週末の3連休の天気が気になる方が多いと思います。
海に山に、アウトドアのレジャー好きの方なら、梅雨明け直後~台風前・・・梅雨明け十日のこの季節を楽しまなくて何時楽しむのか?というところですよね。
この一週間、週間予報とにらめっこして梅雨明け予想をしてこられたと思いますが、今朝の普通の予報(短期予報)でも週末が予報期間に含まれるようになっています(明後日18日の予報は午前11時発表の予報から)。
ただ、天気マークだけを見ていたら失敗します。

夕立の可能性がこの連休も続きそう。
この夕立を気象庁がどう考慮するかで梅雨明けの発表も?????です。
日に日に弱まる傾向はありますが、少なくとも明後日18日までは、夕立の可能性大。
このところ雨が続いていたので、晴天に、ここぞとばかり山に繰り出して雷に打たれて・・・・なんてことだけはないようにしてもらいたいもんです。
天気マークの天気予報だけじゃなくて、予報文をキチンと読んでくださいね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気マークを見るだけでは、やっと大雨は終わりだね・・・・というイメージになりますけど、軍隊の雨がゲリラになっただけ。
マークじゃ絶対わかりませんが、各地の予報文を読めば「雷」の文字だらけです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

天気マークは梅雨明けのようですけど、これで「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第16号」なんて大雨情報が発表されているんですよ。
さらに午前11時には新しい大雨情報が発表される予定になっているくらいなんですから。
長野県はしばらくゲリラの主戦場です。
新しい情報が発表されていますから、ご自分で情報をアップデートしてくださいね。
長野県大雨情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html
11時10分追記:本日11時発表の大雨情報で、長野地方気象台の大雨情報は終了。
最後の大雨情報は明日午前中までが有効期限。明日も夕立がありますけど、夕立をどう考慮するかによって梅雨明けの発表は???です。ただ、防災モードは明日で終わり(もちろん、土壌に含まれた雨はたっぷりですから・・・アレですけど)。
16時15分追記:ガビョーン!「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第1号」が発表されて、防災モードは降り出しに戻ってしまいました。上のリンクで読めます。長野県の場合は、連休の登山者という雷には最も弱い立場の人が多いですから、連休を前に特に注意を呼び掛けたいという意図があるかもしれません。Kasayanも以前、北アルプスの大天井岳でものすごい雷雨に遭ったことがありますが、雷の前に登山者はホントに無力です。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

ありきたりのアニメになっちゃいました。
地上付近に流れ込む暖湿流は弱まってきたんですけど・・・・今日晴れるところが多くなるので、気温上昇が暖湿気の弱まりを補ってしまいます・・・というより、さらに不安定を強めてしまって、発雷の指数の計算値を見ても、ここ数日で最も雷が発生しやすい状態になっています。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
昨日に引き続き、地上天気の骨格・・・上空の天気図から。

日本付近は気圧の尾根の場、そして夏の太平洋高気圧も張り出してくるんですが、とにかく上空の寒気が残ってます。
じゃ、下層の暖気は?

一昨日、昨日の同じ図と見比べてみればあきらかに弱まる傾向。
テレビの天気予報では、大気不安定の原因に、「湿った暖かい空気が流れ込み」と連呼していたと思いますが、今日は「湿った暖かい空気が残り、日中の晴天で気温も上がるため」になるはずです。
いつものように具体的な雨の様子をチェックしてみますが・・・・


アニメを見ると、とにかく散発的な雨が予想されています。
これじゃどこで降るなんて言いようがありません・・・・ゲリラです。
おまけに、実際の雷雲のスケールは、この計算値の解像度では見えないほど小さいですから、これでも十分に計算しきれていません。
あくまで傾向として見てください。
全般気象情報の発表は終わりましたけど、長野県には引き続き大雨情報が出ていますから、今日も天気予報の当たり外れは自粛しておきます。
とにかく夕立には気をつけて。
そして連休も夕立が続きますから、北アルプス、中央アルプス、南アルプス・・・・そのほか、長野県内はどこの山でも登山には特に気をつけて・・・
山では雷が必ずあると思って、行動計画を立ててくださいね。
夏を先取り・・・稲村ジェーン - 希望の轍
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2010年07月15日
天気予報は当たるのか?(7月15日)梅雨明け前不安定大雨
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今日は、梅雨前線の位置より「南西の風」がポイント。

今日日中、梅雨前線は、ゆっくりと張り出している太平洋高気圧に押し上げられて、日本海の海上に停滞。
高気圧の縁を流れる南西の風が湿った空気を日本に運ぶことになります。
この南西の風が、谷をすり抜け、高い山にぶつかると・・・そこで上昇気流が発生。
大気が不安定になっていますから、そこでモクモク雨雲発生。

昨日午後の雨雲レーダーを立体的にしたものですが、その傾向がわかりますよね。
今日日中、同じ風向が続きますから、同じメカニズムで、いったん雨雲が湧いたら、そこで集中豪雨のような雨になる可能性大。

今朝の雨も南西方向からの雨雲によるものです。
ところで、まだまだ警戒モードが続きますから、太平洋高気圧が張り出してきても梅雨明けはもうちょっと先。
梅雨明け予想・・・デジタル的に宣言できるようなものではないので、あまり好きじゃないんですけど・・・・
この不安定の状態が解消するタイミング・・・だと思いますが、今朝の計算値からすると、この週末の連休も夕立が多い傾向が続きそう。

この夕立の程度を気象庁がどう考慮するかは????ですけど、気象庁が各地「梅雨が明けたとみられる」という発表をするのは週末18日か19日頃の可能性は十分あるでしょうね。
テレビの天気予報でも話題になる梅雨明け予報ですけど、いつ梅雨明け?という話より、山や海の安全も考えて、梅雨明け十日の安定がやってくるのか?という点を重視して欲しい・・・と思います。
ニュースの「・・・と気象庁は警戒を呼び掛けています」という項目の原本、気象庁発表の「大雨情報」にリンクを張っておきます。
予想降水量などは、発表毎に変化しますから、新しい情報で確認してください。
大雨情報(全国): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
大雨情報(長野): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道以外は、警戒モードということだけわかれば、今日のこの絵の役割は終わりです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日に引き続き、長野県南部「激しく降る」という文字がついています。
昨日の記事で、この文字が出たら警報が発表されるレベルということはもうおわかりいただけたと思います。
上で、南西の風が今日のポイントと書きましたけど、南西の風が県内に真っ先に吹き込むのが南部ですから、南部ほど雨がまとまりやすい傾向というわけです。
12時追記:長野地方気象台発表の予報のニュアンスが時間限定になってきました。一番下の降水量の図のイメージそのまま、夕立を予想しています。日中の止み間がほぼ確定してきたので、安全マージンをある程度はずして、夕方以降に限定したんですね。午後の外出は要注意。
長野県 15日11時
北部
今日 南の風 後 北の風 くもり 夕方 から 雨 所により 雷 を伴う
中部
今日 南の風 くもり 夕方 から 雨 所により 雷を伴う
南部
今日 南の風 雨 時々 くもり 所により 雷 を伴う
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

実況天気図と予想天気図を並べてありますが、前線については全く動いていないじゃん!!という感じですよね。
ただ、等圧線の様子(オレンジの線)を見ると、微妙に太平洋高気圧が張り出してきています。
このため、今夜以降は前線が一気に押し上げられ・・・・るんですけど・・・・・湿った空気が残った上に上空の寒気が南下してくる・・・
大気が非常に不安定になりますから、今日のポイント・・・上場流発生のモトになる南西風の動向が天気を左右するようになります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
太平洋高気圧が張り出して、梅雨前線が北上し弱まってくる様子を・・・・地上天気の骨格を作る上空の天気図でチェックしてみましょう。

書き込みを読めばわかると思いますけど、日本付近の線(等高度線といいます)が凹傾向から、凸傾向に変化してきます。
これ、日本付近が上空の気圧の谷傾向から、上空の気圧の尾根傾向・・・高気圧モードに変化しているということ。
そして、オレンジで塗った背の高い太平洋高気圧のアタマが日本に接近。
夏がジワジワ迫っています。
ただ・・・梅雨の最後のすかしっ屁(失礼)・・・・-6℃以下の強めの寒気が南下してきます。

地上に暖湿気が残っていますから、大気は一気に不安定へ・・・・非常に不安定という表現がピッタリかな?
暖湿気の様子も見てみましょう。

まだまだ342Kという強い暖湿気が残っていますが、昨日のようにゴーゴーと流れ込むという傾向は解消しつつあります。
で・・・今日から明日にかけての雨の様子・・・12時間降水量で見てみます。

点線の内側が降水が計算されているエリアで、青く塗った所が12時間降水量の極値として計算されているところ。
明日にかけて、まとまった雨のエリアがバラけて、前線のまとまった雨から、散在する不安定の雨に変化しているんですが、その傾向がわかりますか?
軍隊の雨からゲリラの雨に変化というイメージです。
今日の雨についてはアニメで見てみましょう。

弱まってくる・・・というよりは、ゲリラに代わったという受け止め方をしておいてください。
で・・・中部地方は・・・・

日中、一時的に雨は少なくなりますけど、夕方以降は南部中心に激しい夕立。
雨が止んだからといって、安心していると痛い目に遭いますから、ご注意を。
今日はレーダー画像のチェックがお勧めです。
レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
今日も警戒モードなので天気予報の当たりハズレは自粛します。
夏を先取り・・・湘南ビーチFM from HAYAMA MARINA オンラインラジオ

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