2010年07月15日
天気予報は当たるのか?(7月15日)梅雨明け前不安定大雨
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今日は、梅雨前線の位置より「南西の風」がポイント。

今日日中、梅雨前線は、ゆっくりと張り出している太平洋高気圧に押し上げられて、日本海の海上に停滞。
高気圧の縁を流れる南西の風が湿った空気を日本に運ぶことになります。
この南西の風が、谷をすり抜け、高い山にぶつかると・・・そこで上昇気流が発生。
大気が不安定になっていますから、そこでモクモク雨雲発生。

昨日午後の雨雲レーダーを立体的にしたものですが、その傾向がわかりますよね。
今日日中、同じ風向が続きますから、同じメカニズムで、いったん雨雲が湧いたら、そこで集中豪雨のような雨になる可能性大。

今朝の雨も南西方向からの雨雲によるものです。
ところで、まだまだ警戒モードが続きますから、太平洋高気圧が張り出してきても梅雨明けはもうちょっと先。
梅雨明け予想・・・デジタル的に宣言できるようなものではないので、あまり好きじゃないんですけど・・・・
この不安定の状態が解消するタイミング・・・だと思いますが、今朝の計算値からすると、この週末の連休も夕立が多い傾向が続きそう。

この夕立の程度を気象庁がどう考慮するかは????ですけど、気象庁が各地「梅雨が明けたとみられる」という発表をするのは週末18日か19日頃の可能性は十分あるでしょうね。
テレビの天気予報でも話題になる梅雨明け予報ですけど、いつ梅雨明け?という話より、山や海の安全も考えて、梅雨明け十日の安定がやってくるのか?という点を重視して欲しい・・・と思います。
ニュースの「・・・と気象庁は警戒を呼び掛けています」という項目の原本、気象庁発表の「大雨情報」にリンクを張っておきます。
予想降水量などは、発表毎に変化しますから、新しい情報で確認してください。
大雨情報(全国): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
大雨情報(長野): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道以外は、警戒モードということだけわかれば、今日のこの絵の役割は終わりです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日に引き続き、長野県南部「激しく降る」という文字がついています。
昨日の記事で、この文字が出たら警報が発表されるレベルということはもうおわかりいただけたと思います。
上で、南西の風が今日のポイントと書きましたけど、南西の風が県内に真っ先に吹き込むのが南部ですから、南部ほど雨がまとまりやすい傾向というわけです。
12時追記:長野地方気象台発表の予報のニュアンスが時間限定になってきました。一番下の降水量の図のイメージそのまま、夕立を予想しています。日中の止み間がほぼ確定してきたので、安全マージンをある程度はずして、夕方以降に限定したんですね。午後の外出は要注意。
長野県 15日11時
北部
今日 南の風 後 北の風 くもり 夕方 から 雨 所により 雷 を伴う
中部
今日 南の風 くもり 夕方 から 雨 所により 雷を伴う
南部
今日 南の風 雨 時々 くもり 所により 雷 を伴う
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

実況天気図と予想天気図を並べてありますが、前線については全く動いていないじゃん!!という感じですよね。
ただ、等圧線の様子(オレンジの線)を見ると、微妙に太平洋高気圧が張り出してきています。
このため、今夜以降は前線が一気に押し上げられ・・・・るんですけど・・・・・湿った空気が残った上に上空の寒気が南下してくる・・・
大気が非常に不安定になりますから、今日のポイント・・・上場流発生のモトになる南西風の動向が天気を左右するようになります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
太平洋高気圧が張り出して、梅雨前線が北上し弱まってくる様子を・・・・地上天気の骨格を作る上空の天気図でチェックしてみましょう。

書き込みを読めばわかると思いますけど、日本付近の線(等高度線といいます)が凹傾向から、凸傾向に変化してきます。
これ、日本付近が上空の気圧の谷傾向から、上空の気圧の尾根傾向・・・高気圧モードに変化しているということ。
そして、オレンジで塗った背の高い太平洋高気圧のアタマが日本に接近。
夏がジワジワ迫っています。
ただ・・・梅雨の最後のすかしっ屁(失礼)・・・・-6℃以下の強めの寒気が南下してきます。

地上に暖湿気が残っていますから、大気は一気に不安定へ・・・・非常に不安定という表現がピッタリかな?
暖湿気の様子も見てみましょう。

まだまだ342Kという強い暖湿気が残っていますが、昨日のようにゴーゴーと流れ込むという傾向は解消しつつあります。
で・・・今日から明日にかけての雨の様子・・・12時間降水量で見てみます。

点線の内側が降水が計算されているエリアで、青く塗った所が12時間降水量の極値として計算されているところ。
明日にかけて、まとまった雨のエリアがバラけて、前線のまとまった雨から、散在する不安定の雨に変化しているんですが、その傾向がわかりますか?
軍隊の雨からゲリラの雨に変化というイメージです。
今日の雨についてはアニメで見てみましょう。

弱まってくる・・・というよりは、ゲリラに代わったという受け止め方をしておいてください。
で・・・中部地方は・・・・

日中、一時的に雨は少なくなりますけど、夕方以降は南部中心に激しい夕立。
雨が止んだからといって、安心していると痛い目に遭いますから、ご注意を。
今日はレーダー画像のチェックがお勧めです。
レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
今日も警戒モードなので天気予報の当たりハズレは自粛します。
夏を先取り・・・湘南ビーチFM from HAYAMA MARINA オンラインラジオ

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Posted by kasayan at 07:24│Comments(0)
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