2010年07月20日
天気予報は当たるのか?(7月20日)猛暑日続き夕立も

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

梅雨明けの発表が続き、猛暑日で始まった連休も終わり。
熱帯低気圧が東シナ海を北上し、台風3号も発生。
いきなり夏に突入してしまったという感じがします。
13時追記:週末にかけて不安定傾向が予想れていましたが、今朝の週間予報の計算値で不安定は弱まる傾向に変化し、週末の天気悪化も北日本限定に。日毎に計算値がフラフラしているので、週間予報が日替わりする可能性があります。週間天気予報解説資料の抜粋を一昨日の週間予報の記事の中に追記しておきました。
波の数だけ抱きしめて/Valentine's Radio - 松任谷由実
この時期になると、見たくなるんです、1982年の夏の湘南が舞台のこの映画。
1982年はKasayanもまだ大学生・・・この湘南の海岸の景色が好きで、大学卒業直後に鎌倉に引っ越したくらいですから。
コミュニティFM局のはしり、大学生が運営するミニFM局が舞台なのもイイんです。
テレビ出演は大嫌いだったKasayanですが、ラジオはなんとなく好きでした。
昔、2か月ほど、FM局のドライビングウェザーなんてレジャーっぽい天気番組に出ていたことがあるのですが、この映画のことを思い出しながらしゃべると、なんだかとても楽しかったような気がします。
今日の湘南・・・ディンギーが帆走し、海水浴の喧騒のあと、夜の雷雨・・・海風の吹く江の島が目に浮かぶようです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

曇りベースの北日本以外は今日もギラギラの猛暑日。
もちろん予報文には「雷」の文字が散見されます。
どのあたり?はあとで・・・
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日の朝の予報は、「所により 雨」だけでしたが夕方の予報から「雷」が付きました。
でも、今日は朝の予報から「雷を伴う」がついています。
時間帯は「夕方から夜のはじめ頃」ですから、午後3時~午後9時までの6時間。
昨日の「所により」・・・の結果は中部の局地的なエリアと北アルプスの一部でした。
今日はどうなるんでしょう?
ヒントは風。
昨日の中部の予報は「南の風 後 北の風」でしたが、今日は「北の風」。
北風優勢というところがミソです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日もありきたりなアニメになっちゃいましたけど、暖湿流が日本海経由東日本行きというところが一つのポイントです。
それと・・・北日本の気圧の谷という意味・・・わかりやすかったですかねぇ・・・・?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日の上空・・・・太平洋高気圧のアタマがでかくなるのがわかります。

赤道発、上空経由の空気が日本付近に吹き下ります。
日本の上にドライヤーがあるようなもんですから、強い日差しとあいまって、猛暑日になるのも当然ですね。
そして、高気圧の北側を回る強い風のエリア・・・高気圧が西に張り出すにつれてUターンするようなカーブがきつくなってきます。
これも東日本で夕立が発生しやすくる原因の一つといえます。
で・・・不安定の原因の一つ・・・天気予報番組でも聞きあきた暖湿流の様子を詳しく。

太平洋高気圧の西の端っこ・・・九州の西側で暖湿流が一気に北上してますが、その一部が日本海をぐるりと回って北陸方面へ。
夏といえば南風・・・というイメージですけど、東日本の上空1500m付近では北風が優勢になっています。
ただ、北風といっても、暖湿流の北風ですから・・・・・・この風が流れ込むと・・・・・

山にぶつかったり、盆地を通り抜けて合流したりすると・・・・上昇気流が発生して、モクモク雲発生。
夕立になります。
また、昨日同様、長野県付近には、気温上昇による弱い低圧部も発生。
昨日よりちょっと南側・・・北風の影響もあるんでしょう・・・・

この低気圧が北風を吸い寄せて、特に長野県南部から山梨県にかけて雷雲を発生させます。
いままでとはちょっと傾向が異なります。
じゃあ、他のエリアはどうなってる?

東日本中心・・・ということは確かですけど、暖湿流のメインロードの近くにある九州や沖縄方面・・・計算値はちょっと少なめですけど、安全マージンをみれば激しい夕立になる可能性は十分にありますよね。
もういちど、中部地方へ・・・

局地的・・・南アルプス方面中心でしょうけど、北部や中部でも北アルプスや志賀・菅平方面で可能性がありそうですね。
ということで、今日の天気予報・・・「所により」がついていますから、「所」じゃない場所では夕立はありません。場所も限定していないんだから、当たるでしょう。
大ざっぱじゃないの?なんて思われるかもしれませんけど、先日の大雨の雨水がまだ抜け切れていませんから、安全マージンは多めにとる必要があります。
これでイイんです。
そうそう・・・夕立の場所の予想が困難なこの季節、ピンポイント予報なんか見ても無駄ですし、安全マージンがとれないので、かえって危険かも。
それに、天気はピンポイント予報のエリアのようにデジタル的に変化はしないのです。
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Posted by kasayan at 06:15│Comments(0)
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