2010年07月21日
天気予報は当たるのか?(7月21日)猛暑、夕立は?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日19時の菅平上空・・・・積乱雲が夕日に染まっていました。

こんな雲がほんの10分ほどでわきあがるんですから、おおらかに見える空も短気で激しい面も持っています。

衛星画像だけじゃ芸がないので、日本付近の雲の様子に、上空1500m付近の空気の流れの図を重ね合わせてあります。
天気予報で「南の暖かく湿った空気が流れ込み・・・」なんていう解説をよく耳にしますけど、暖かく湿った空気が流れ込むのは南からだけじゃないんですね。
今日も猛暑・・・・・夕立予想はしておきます。
17時15分追記:こんな電文が入ってきました。気温だけじゃなくて、生き物も夏らしくなってきましたね(長野市の徳間なんですね)。今日は南部、下の予想どおり局地的に雷雨になっています。
■日時:2010年07月21日
■場所:長野県 長野
■内容:油蝉初鳴
■平年比:01日遅い
■昨年比:01日早い
■備考:シナイトクマ
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気マークのモトになる気象庁発表の府県天気予報電文・・・・これを「雷」の文字で検索してソートすると、こんな感じにエリア分けできました。
梅雨?の北海道以外は猛暑の一日ですが、「雷」の文字がついている所とそうでない所がはっきり分かれています。
その理由は、上の衛星画像と関係しています。
そうそう・・・暑いときには、恐いもの見たさで予想気温の数字を見たくなっちゃうので・・・・

3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内の予報には、今日も「雷」の文字。
昨日も南部中心に局地的・・さらに30分~1時間程度の散発的な雷雨がありました。
南部中心になるときは、中部の風が「北の風」予報になるわけですが、南部の予報の「南風」とぶつかるあたりで上昇気流が発生して雷雨のなるようです。
昨日は伊那市の北あたりで特に活発でした。
気象庁のレーダーよりズームして降水量の観測値もすぐに調べられる「長野県砂防情報ステーション」」のHP・・・・局地的な雨の場合は、気象庁HPのレーダーより使いやすい感じがします(雨量予測情報をクリックすると実況が表示され、雨の場所をクリックすると拡大します)。
URL: http://133.105.11.45/index.html
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

台風シーズンも近いので・・・というか、台風3号が発生していますけど・・・南のエリアも見えるように、トリミングなしでアニメにしてみました。
結局、いつもの画格内に情報がおさまっちゃって・・・・小さくまとまってしまいました。
やっぱり台風に着目しなくちゃならないときだけにしたほうがよさそうですね。
内容は昨日とほとんど同じなので、疑問があったら昨日の記事も読んでみてください。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
昨日とほとんど変化がないのですが・・・・・

相変わらず太平洋高気圧のアタマ・・・下降気流のドライヤーは日本の上にあります。
そして、いつもの、暖湿流の流れ・・・多少は工夫を・・・と思って、JMHという船舶用気象FAX図の中にある流線解析図(上の衛星画像でも使っているヤツです)を重ねてみました。

時計回りの空気の流れ・・高気圧の中心を時計回りに回って、北陸付近から北で北風に転じています。
日本海側から湿った暖かい空気がやってくるんですね。
地上付近の流れも見てみましょう。

地上付近も北風優勢ですけど、昼間気温が上昇して、シーブリーズ(焼けた肌に塗るヤツじゃないですよ)が太平洋からも吹きこんできます。
長野県南部・・・伊那谷や木曽谷にもシーブリーズが入り込んで、これが北からの風とぶつかるあたりで特に上昇流発生・・・夕立ということになるようです。
具体的に雨のエリアを見ると・・・・


昨夜九州の西の海上をかすめるように激しい雨のエリアが通過していきましたが、今日も九州方面は暖湿流の本流のお隣ですから、要注意ゾーンでしょう。
一方県内・・・昨日とほぼ同じエリアに降水が計算されています。
昨日の傾向からすると、降水をちょっと割り引いてもイイかな?なんて気もしますが、雷雨は計算しきれない部分が多いので、アニメの中で降水がちょっとでも計算されているエリアは注意エリアと考えておいたほうが良いでしょうね。
統計的手法も用いている気象庁発表の分布予報はもっと広いエリアに雨の可能性を予想しています。
気象庁分布予報: http://www.jma.go.jp/jp/mesh20/
ということで・・・・昨日同様、今日の予報も当たるしかないでしょうね。
熱中症に気を付けてください・・・なんてテレビの天気予報のような話はしませんけど(してる?)・・・葉山マリーナや江の島の動画映像とボサノバでも聞きながら、夏を楽しんでください。

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Posted by kasayan at 07:13│Comments(0)
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