2010年07月13日

天気予報は当たるのか?(7月13日)梅雨明け予想?


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 まだまだ梅雨前線が停滞、大雨モードの日本付近ですけど、南の海上にはやっと台風2号が発生しました。
かなり遅い2号の発生ですけど、南の海上は遅ればせながら夏の景色になってきました。




 ところで、今週末の3連休を目前にして、梅雨はいつ明けるんだ!!と、イライラしていらっしゃる方も多いでしょう。
 今朝も天気予報やニュースでは大雨の話ばっかりですが、大雨になるのは、太平洋高気圧たちょっとだけ張り出してきて、いったん南下した前線を押し上げるから。
 このまんま高気圧が日本を覆ってしまえば、一気に梅雨明けになるんですけど・・・・・




 昨日の週間予報・・・18日(日)から太陽マークが多くなっていますから、18日(日)あたりに西から順番に梅雨明けかな?なんて思われたかもしれません。
 今のところ、その可能性は高そうですけど・・・・・
12時追記今日の週間予報からしてもその可能性は高くなっています。週間予報の信頼度も高くなっています。ただ、科学的にズバリと言えないものをズバリと言うのは非科学的・・・占いになっちゃうんで、「可能性が高い」という言い方にこだわります。不安定性の雨も無くなる傾向ですが、その程度がイマイチ不安なところ。梅雨明け十日の安定になるのかは????




 梅雨明けの発表は、多少先の予報を考慮して、気象庁が「これならイイんじゃない」という感じで発表するわけですから、普通の予報のような梅雨明け予報なんてありません
 気象庁HPの週間予報のマークの下にはA・B・Cという予報の信頼度が書き込まれています。
 マークと信頼度を眺めつつ、昨日もご紹介した6コマの週間天気図(網かけ部分が雨の降りやすいところ)と見比べながら、明後日あたりまで予報の変化をチェックし、連休の計画を立てるのが吉だと思います。
 6コマの天気図は毎日午前9時頃までには更新されます。

 気象庁週間予報: http://www.jma.go.jp/jp/week/
 週間天気図: http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fefe19&cat=e3
 平成22年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)
   http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/sokuhou_baiu.html

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 大雨モードは西日本と東日本
 具体的な降水量や防災上の注意点などは、テレビのニュースで「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」と言っている原稿の原本・・・大雨情報でチェックしてください
 大雨情報(全国): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/ 

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 長野県内、予報文に「激しく降る」という文字が出ちゃいました。
 何度も書いていますけど、この文字が使われる降水量は「1時間に30mm以上50mm未満の雨」
 警報が出される可能性が高いという意味です。




 とはいっても、今朝の長野市内・・・朝焼けが綺麗でした。
これから雨・・・とは思えないですよね?
 大雨情報(長野): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 テレビの解説もほぼ同じじゃないかと思います。

 今日は、「大雨情報」の本文を引用しておくことにします。
梅雨前線は、九州北部から本州の太平洋沿岸に停滞しています。前線は14日にかけてゆっくり北上する見込みです。
 前線付近では、南から暖かく湿った空気が流れ込んでおり、西日本と東日本では、雨雲が発達しやすい状態が続くでしょう。


5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 まずは、地上の天気の骨格を作る上空の気圧配置と、地上の天気図を対比しながらチェック。




 昨日と違うのは、上空の天気図にも姿を表している太平洋高気圧が西にはりだしてくるということ。
梅雨前線を北に押し上げますから、下の段・・12時間降水量の多いところ(青エリア)も北上しています。

 また、上空の気圧の谷と対応して、前線上の低気圧が対馬方面へ
上空の谷がほとんど停滞しているので、低気圧の動きも超スロー
 西日本を中心に、同じ場所で強い雨が降り続くことになっちゃいそうです。

 そして、雨の原料・・・暖湿流の様子をチェック。




 今日も342Kという強い暖湿流が東日本の日本海側まで流れ込んでいます。
だから・・・西日本・東日本中心の大雨
 南西の風に乗って雨の原料がやってきますから、南西の風がぶつかる高い山の南西斜面が大雨注意ポイントです。
 昨日の記事で、南西斜面の例を図にして掲載しておいたので、南西斜面ってどういうこと?という方はご覧ください。
 昨日の記事: http://kasayan.naganoblog.jp/e512374.html

 ということで、具体的な雨の様子をアニメで見てみましょう。




 強い雨のエリアが東北南部まで拡大していくのがわかります・・・・移動していく・・・じゃないんですね。
この梅雨一番の大雨になるところも多いと思います。

 長野県内の降りだし・・・今朝の段階ですでに岐阜県付近まで迫っていて、北アルプスや御嶽山の壁をいつ乗り越えるかというレベルですから、予報文どおり、遅くとも「昼前」・・・すなわち午前9時~12時の間には降りだすとイメージしておけば良いと思います。

 例によって、大雨モードですから、予報の当たりハズレ云々は自粛です。


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