2010年07月05日

天気予報は当たるのか?(7月5日)今週も夕立モード?


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 これ、今朝のレーダー画像・・・気象庁HPにある図ですが、MSMという予測の計算値の空気の流れの矢印を重ねてあります。
 どこで空気が集まって上昇流が発生し、雨雲が成長するかがわかります。




 こちらは上のレーダーの図を立体的な衛星の地形写真に張り付けたもの。
山や盆地と雨雲の発達する場所との関係がリアルに見ることができます。




 上の図を日本全体に拡大して、さらに気象衛星の雲画像を張り付けました。

 今週も夕立が多かった先週同様、不安定な空模様が続きそうです。
この図が、雷雲発生の様子を考察するのに役立つとイイのですけれど・・・・・・

13時10分追記
 そろそろ雷雲が湧きはじめました。湧きはじめの段階は風が収束する所がメインのようです。
これから上空3000m付近を南西方向から流れている風に、雷雲がどのように流されるか?新たにどこで雷雲が湧くか?




19時40分追記
 レーダーを見ていると、10分で大きく状況が変化します。ということは、いきなりドバッという可能性がある・・・今流行の言葉「ゲリラ・・・」に近い雷雲ですけど、上空の寒気が弱いので先週末ほどには発達していません。とはいえ、夜遅くまでは可能性十分ありそうです。








2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 昨日より太陽マークが増えていますけど、予報文をつまみ読みすると、北海道から九州まで「雷」の文字。
 全国的に不安定モード・・・・昨日と似たような天気で、夕立が各地でありそうです。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 予報文を見れば夕立モードが良くわかりますよね。
「所により」のエリアは一番下の降水の図がありますけど、あくまで傾向として見て安全マージンをとるようにしてください。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。







 前線の様子が分かりやすいように、短期予報解説資料というプロ用の資料の図を使いました。
細かい読み方は黄色で書き込みしてあります。
 前線の位置、明日夜までほとんど変わらず
 日本海に風が集まるライン・・・上昇流ができて雨が降りやすい所・・・が東へ進んでくる様子が予想されていますが・・・影響は今夜から明日にかけてですね。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 お約束・・・地上の天気を悪くする上空の気圧の谷の動きと、不安定をもたらす上空寒気の様子から。




 今夜にかけて谷がやってきて、寒気も南下傾向ですが、影響がでそうなのが今夜以降
 今日日中はとりあえず前線の影響小休止(九州南部や奄美のぞく)。

 次はジメジメ空気・・・雨の原料が地上付近に流れ込む様子




 雨の原料たっぷりのエリアは南海上の前線付近。
とはいえ、日本付近もそれなりに雨の原料の暖湿気が流れ込んでいますから、ちょっと上昇流ができれば雷雲が発生しやすい状態。




 12時の予想ですけど、今日は太平洋側と日本海側双方から流れ込む空気がぶつかる内陸部中心に夕立が発生しそう。
 上で見た上空-6℃の寒気の影響が強い東日本・北日本で活発になりそうです。

 具体的な雨の予想は・・・







 強い雨エリアは南海上ですけど、午後から内陸の山沿い中心の雨
県内は東部中心ではじまりそうですけど、中部北部ではそこそこ広い範囲で夕立が予想されています。

 安全マージンをとると、ちょうど予報文がの言葉がピッタリという感じ。
 今日の予報は当たる・・ということで、夕立に用心しておいてください。

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