2010年07月16日

長野市内で激しい雷雨(7月16日)停電・土砂流出も



 長野市内、夕方から激しい雷雨に見舞われています。




 報道機関のニュースによれば、19時現在、長野市の南長池では停電していたようですし、豊野付近では信越線の列車が流出した土砂に乗り上げたとのこと。
 
 上のレーダー画像をGoogle earthに重ね合わせてみると・・・・・




 確かに、同じ長野市内でも強い雨(赤の部分)の地域と、そうでない地域がわかれていて、停電のあった長池方面では1時間に80ミリを超える猛烈な雨が降っていたことになります。

 これだけ狭いスケールの予想は、現在の予報の実務では不可能でしょう。
 厳格な実況監視と迅速な情報伝達でのみ、防ぐことができることです。
 長野ローカルのテレビ局・・・この時間帯にニュースを放送していたわけですが、気象災害に敏感な局と、いたって反応の鈍い局がわかれていて、中には疑問を感じるような内容の天気予報を伝えているものもありました。

 Kasayanの家では、夕方から消防車が走り回る音。
 今日の夕立はかなりの確率で予想されましたが(今朝の記事)、身近なところでこれだけ強烈に発生することまでは予想できませんでした。

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Posted by kasayan at 21:40Comments(0)雑記

2010年07月16日

天気予報は当たるのか?(7月16日)梅雨明け?連休も夕立




 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 大雨をよそに、この週末の3連休の天気が気になる方が多いと思います。

 海に山に、アウトドアのレジャー好きの方なら、梅雨明け直後~台風前・・・梅雨明け十日のこの季節を楽しまなくて何時楽しむのか?というところですよね。
 この一週間、週間予報とにらめっこして梅雨明け予想をしてこられたと思いますが、今朝の普通の予報(短期予報)でも週末が予報期間に含まれるようになっています(明後日18日の予報は午前11時発表の予報から)。

 ただ、天気マークだけを見ていたら失敗します




  夕立の可能性がこの連休も続きそう。
 この夕立を気象庁がどう考慮するかで梅雨明けの発表も?????です。

 日に日に弱まる傾向はありますが、少なくとも明後日18日までは、夕立の可能性大。
このところ雨が続いていたので、晴天に、ここぞとばかり山に繰り出して雷に打たれて・・・・なんてことだけはないようにしてもらいたいもんです。
 天気マークの天気予報だけじゃなくて、予報文をキチンと読んでくださいね。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 天気マークを見るだけでは、やっと大雨は終わりだね・・・・というイメージになりますけど、軍隊の雨がゲリラになっただけ
 マークじゃ絶対わかりませんが、各地の予報文を読めば「雷」の文字だらけです。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 天気マークは梅雨明けのようですけど、これで「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第16号」なんて大雨情報が発表されているんですよ。
 さらに午前11時には新しい大雨情報が発表される予定になっているくらいなんですから。
長野県はしばらくゲリラの主戦場です。

 新しい情報が発表されていますから、ご自分で情報をアップデートしてくださいね。
長野県大雨情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html

11時10分追記:本日11時発表の大雨情報で、長野地方気象台の大雨情報は終了。
最後の大雨情報は明日午前中までが有効期限。明日も夕立がありますけど、夕立をどう考慮するかによって梅雨明けの発表は???です。ただ、防災モードは明日で終わり(もちろん、土壌に含まれた雨はたっぷりですから・・・アレですけど)。


16時15分追記:ガビョーン!「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第1号」が発表されて、防災モードは降り出しに戻ってしまいました。上のリンクで読めます。長野県の場合は、連休の登山者という雷には最も弱い立場の人が多いですから、連休を前に特に注意を呼び掛けたいという意図があるかもしれません。Kasayanも以前、北アルプスの大天井岳でものすごい雷雨に遭ったことがありますが、雷の前に登山者はホントに無力です。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 ありきたりのアニメになっちゃいました。
 地上付近に流れ込む暖湿流は弱まってきたんですけど・・・・今日晴れるところが多くなるので、気温上昇が暖湿気の弱まりを補ってしまいます・・・というより、さらに不安定を強めてしまって、発雷の指数の計算値を見ても、ここ数日で最も雷が発生しやすい状態になっています。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 昨日に引き続き、地上天気の骨格・・・上空の天気図から。




 日本付近は気圧の尾根の場、そして夏の太平洋高気圧も張り出してくるんですが、とにかく上空の寒気が残ってます。

 じゃ、下層の暖気は?




 一昨日、昨日の同じ図と見比べてみればあきらかに弱まる傾向
 テレビの天気予報では、大気不安定の原因に、「湿った暖かい空気が流れ込み」と連呼していたと思いますが、今日は「湿った暖かい空気が残り、日中の晴天で気温も上がるため」になるはずです。

 いつものように具体的な雨の様子をチェックしてみますが・・・・







 アニメを見ると、とにかく散発的な雨が予想されています。
 これじゃどこで降るなんて言いようがありません・・・・ゲリラです。

 おまけに、実際の雷雲のスケールは、この計算値の解像度では見えないほど小さいですから、これでも十分に計算しきれていません。
 あくまで傾向として見てください。

 全般気象情報の発表は終わりましたけど、長野県には引き続き大雨情報が出ていますから、今日も天気予報の当たり外れは自粛しておきます。
 とにかく夕立には気をつけて
 そして連休も夕立が続きますから、北アルプス、中央アルプス、南アルプス・・・・そのほか、長野県内はどこの山でも登山には特に気をつけて・・・
 山では雷が必ずあると思って、行動計画を立ててくださいね。


夏を先取り・・・稲村ジェーン - 希望の轍



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